こんにちはMasaユナイテッドです。
*この記事は2020年3月にnoteで公開しました。
今回は、今シーズンの躍進が目覚ましい
フレデリコ・ロドリゲス・デ・パウラ・サントスこと“フレッジ”の進化の秘密に迫ります。
2018年6月に、5940万ユーロで鳴り物入りで加入したフレッジでしたが、1年目のシーズンはその移籍金に見合う活躍ができませんでした。
しかし、今シーズンはここまで、リーグ戦25試合に出場し、主軸の働きを披露しています。その進化について、前半部分ではスタッツから紐解き、後半部分では進化の理由を探ります。
項目は以下の4つ
①スタッツで見る進化
フレッジの今シーズンの進化はスタッツにも表れています。具体的に見ていきましょう。
1-1.昨シーズンとのプレー時間比較
18-19: 25試合1G2A 1594分プレー
19-20:39試合2G4A 3056分プレー(↗14試合↗1G2A ↗1462分)
2018年6月 ウクライナのシャフタール・ドネツクから5940万ユーロで加入したフレッジ。移籍金の高さから、即戦力としての期待が大きかったですが、加入当初はデュエルに勝てず、ボールロストするシーンが目につきました。モウリーニョ監督も、あまり多くの試合でフレッジを起用しませんでしたが、その原因は「守備面の不安」と言っています。
本人も認めているように、18-19シーズンはプレミアに適応するのに苦労しました。移籍金の高さが仇となり、上がらないパフォーマンスは批判され、夏の移籍市場では、早くも放出さえ噂されましたね...。
今シーズンも開幕前のキャンプから合流が遅れ(結婚式の為)、試合に出場したのは9月の5節レスター戦から。しかもしばらくは途中出場でしかチャンスを得られませんでした。しかし、ポグバが負傷離脱した10月のニューキャッスル戦からは全試合スタメンを勝ち取ります。
ポグバや、マクトミネイの負傷離脱という背景があったとはいえ、そのプレー振りが監督やサポーターに認められたのは事実です。勝ち取ったスタメンの座と言えますね。
このように今シーズン、プレー時間を大幅に伸ばすことに成功したフレッジ。さらに細かく、何が進化したのか見ていきましょう。
1-2.進化したプレーは?
今シーズン、フレッジが伸ばしたスタッツは
ビッグ・チャンス・クリエイト 1⇒3
キーパス 0.7⇒1.4
1試合パス成功数(率) 39.1 (86%)⇒53.5(87%)
1試合インターセプト数 0.9⇒1.4
1試合タックル数 1.7⇒2.2
ドリブル成功数 0.6 (63%)⇒1.5(75%)
*左18-19 右19-20シーズン
このように、パス、ドルブル、守備面に進化がうかがえます。さらに言えば、上記スタッツ項目では、昨シーズンのポグバとほとんど変わりません。
★18-19 ポグバスタッツ(対フレッジ)
ビッグ・チャンス・クリエイト 7(+3)
キーパス 1.6(+0.2)
1試合パス成功数(率) 48.9(83%)(-4.6 -4%)
1試合インターセプト数 0.5(-0.7)
1試合タックル数 1.3(-0.9)
ドリブル成功数 1.7(65%)(+0.2 -10%)
次に、プレミア選手全体のランキングを見てみると・・・
✔ドリブル成功数 38回・・・39位
✔キーパス 34本・・・33位
✔パス成功数 1337本・・・15位
✔インターセプト 36回・・・40位
✔タックル 54回・・・30位
*第29節終了時点
上記項目の数字は上位に位置しています。立派です!(プレミア全選手中ですからね!488人いるようです)
1-3.その他の進化
上記スタッツに加え、今シーズン際立っているのが、運動量とメンタリティです。
運動量は昨シーズンのCLバルサ戦の2ndレグで、走行距離No.1だったようにフレッジのストロング・ポイントの一つです。しかし、今シーズンは明らかに昨シーズンより走っていると思います。(データが探しきれなかったですが・・・)
本来がボックス・トゥ・ボックス・プレーヤーですが、広範囲に動き回り、守備の場面では危ないスペースを埋め、マイボールになれば前に飛び出していくプレーが身上。ますます磨きがかかった印象です。
もう一つがメンタリティ。試合を見ていても、誰よりも「勝ちたい」気持ちが表れている選手です。特に、現メンバーは淡白な選手が多いのでより目立ちます。
2月のはじめごろに
チームとしてのまとまりが大切だと思う。グループとして自惚れているなと感じることがあるよ。チームとして、1つの目標にフォーカスする必要がある。全員が同じ目標を持っていれば、一丸となって前に進めるだろうね。ただ、選手がエゴに走ったりすると、前にパスを繋いでいくのは難しくなってしまうね
とインタビューに発言しています。これを聞いて耳が痛い選手が誰だったのかは詮索しませんが(笑)、サポーターが思っていたことを、ズバッとフレッジが言ってくれてスッキリしたのは私だけではないでしょう。
こういったメンタリティの部分も含めて、今シーズンのユナイテッドには欠かせない選手になったフレッジ。次にその進化の要因を見てみましょう。
②キャリックのアドバイス
フレッジは3月のインタビューで、今シーズンの飛躍の要因の秘密を打ち明けています。
現役時代、MFとして、ユナイテッドの中盤を支えたマイケル・キャリック。現在はアシスタント・コーチとして、スールシャール監督とチームを支えていますが、彼がフレッジを日々サポートし、勇気付けプレミアでも戦える選手に成長できたんですね。
それだけ、海外リーグからやってくる選手にとっては、プレミアの激しい中盤で真価を発揮するのは難しいことなんですね。過去、ユナイテッドに所属した中盤の選手も、ベロンだったり、アンデルソン、シュバインシュタイガーなど、才能ある選手もフィットするのに苦労してきました。
キャリックと言えば、パス精度とインターセプトが特徴でしたが、フレッジもパスとインターセプトのプレーで精度を上げているのは偶然ではないかもしれませんね。
フレッジの進化の要因には、キャリックのアドバイスがありました。
③ブルーノの加入
さらにもう一つの要因に、1月にユナイテッドに加入したブルーノ・フェルナンデスの存在があります。
ポルトガル人のブルーノと、母国語でコミュニケーションできるフレッジ。初めてのイングランドでの生活に馴染むために、フレッジが手助けしたようです。ピッチ上でも仲の良さが伝わってきますが、プレー面でも息の合ったところが見られます。
ブルーノは、10番ポジションでプレーしていますが、ホールの位置でじっとしてはおらず、広範囲に動き回ります。特にビルドアップの場面では、中盤まで降りてボールを受けることが多いです。ブルーノを警戒している相手チームは、ブルーノにマークしている選手が付いていき、ライン間を開けるシーンがあります。その空いたスペースを上手く使っているのがフレッジです。
そのスペースに降りてくる、マルシャルやイガロに縦パスを通したり、自ら上がっていきそのスペースでパスを受けたりといったシーンが見られます。ブルーノの加入によって、多くのユナイテッドの選手のオフ・ザ・ボールの動きが良くなっていますが、フレッジもその恩恵を受けている選手の一人です。
元々のコンディションの良さと、今シーズン磨かれた戦術眼が、ブルーノの加入によりブーストしたといったところでしょうか。
④今後の課題
そんな一回りたくましくなったフレッジですが、課題もあります。それは、シュート精度とポジション争いです。
シュート精度はわずかに34%...。
同ポジションのマティッチやマクトミネイが43、44%なので、これは改善の余地ありです。フレッジがミドル打っても全く入る気がしません(笑)。
来シーズン以降、し烈になるのがポジション争いです。ここへきて、ポグバやマティッチに残留の可能性が出てきました。(マティッチは延長合意報道あり)さらに、アンカーポジションですが、獲得のうわさとしてザカリア(メルヘン・グラードバッハ)やライス(ウェストハム)といった名前も聞こえます。
コンペティションは多いし、怪我人が出る可能性もあり、スカッドを厚くしておくことは重要になりますが、その状況でもアピールし、今シーズンのような出場時間を確保できるようにチャレンジしなければなりません。
👿まとめ
いかがでしたか?
今回は、今シーズン躍進を遂げるフレッジを取り上げました。
今シーズンのスタッツは明らかに良くなり、進化が見えました。そして、その陰にはキャリックやブルーノ存在がありました。
ブラジル人が活躍できないジンクスのあるユナイテッド。フレッジにはそのジンクスを破ってほしいですね!
「アンデルソンとは違うのだよ!アンデルソンとは!!」
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*この記事は2020年3月にnoteで公開しました。
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