こんにちはMasaユナイテッドです。
*この記事は2020年3月にnoteで公開しました。
ユナイテッドの守護神と言えばダビド・デ・ヘアです。
2011年、アトレティコ・マドリーからユナイテッドにやってきた21歳の若者は、初めての海外挑戦で奮闘し、正守護神、そしてスペイン代表の正ゴールキーパーへと昇りつめました。
ユナイテッドで9シーズン目を過ごすデ・ヘアですが、これまでユナイテッドで394試合に出場し、138のクリーンシートを記録。プレミア、FAカップ、ヨーロッパ・リーグ、リーグカップのタイトル獲得に貢献してきました。
数々のピンチを救い、ユナイテッドの絶対的守護神として君臨してきたデ・ヘアですが、ここ2シーズン失点に繋がるようなミスが散見されるようになりました。
そして、2月のエヴァートン戦で、再びミスを犯したデ・ヘア...。直後には、現在シェフィールド・ユナイテッドへローン移籍している、「ディーン・ヘンダーソンを来期のユナイテッドの正ゴールキーパーとするべきだ」という意見がたくさん見られました。
今回は、
【来シーズンの正ゴールキーパーはデ・ヘアか?ヘンダーソンか?】
をテーマにコラムを書きます。
項目は以下
①今シーズンのスタッツを比較
最初に、ディーン・ヘンダーソンを良く知らない方もいるかと思いますので簡単にプロフィールを紹介します。
現所属:シェフィールド・ユナイテッド(ローン)
国籍:イングランド
年齢:23歳(1997年3月12日)
身長:188cm
✔14歳でユナイテッドに加入
✔2017年U-20Wカップで優勝(イングランド)
✔2018年シェフィールド(当時チャンピオンシップ)へローン移籍
✔18-19シェフィールドのプレミア昇格に貢献
✔18-19ゴールデングローブ賞受賞(最多クリーンシート)
✔2019年U-21ヨーロッパ選手権優勝(イングランド)
✔19-20シーズンもブレイズへローン(初のプレミア)
まずは、今シーズンのリーグ戦のスタッツを比較します。
*PL第28節(3/1)終了時点 デ・ヘア:ヘンダーソン
✔出場数 28:26
✔被シュート数 297:295
✔失点数 30:22
✔クリーンシート 7:9
✔セーブ 72:66
✔セーブ率 70.59:74.42
✔キャッチング 3:12
✔失点に繋がるミス 3:1
*Optaデータより
*2/11時点のデータ 引用:The Sun
失点数やクリーンシートは、チーム状態に左右される要素です。失点数が少なく、クリーンシートが多い方が、キーパーとして優れているかと言えば、一概にそうは言えないでしょう。
一方セーブ率は、キーパの能力を表す一つの指標と言えます。ヘンダーソンの75%は、アリソンに次ぐ2位の数字。ビッグ・セーブの印象の強いデ・ヘアですが、この数字ではヘンダーソンがデ・ヘアを上回ります。そして、決定的なのは
【失点に繋がるミス】
でしょう。やはり、キーパーというポジション上、ミスは軽視できません。デ・ヘアの3回は多過ぎます...。
EXTENDED HIGHLIGHTS: EVERTON 1-1 MAN UTD: CALVERT-LEWIN’S LATE STRIKE CHALKED OFF BY VAR
【YouTube】デ・ヘアのミスがあったエバートン戦
今シーズンのスタッツの比較は、
ヘンダーソンの方が優れたゴールキーパーである
ことを示しています。
次項では、それぞれを正ゴールキーパーにした場合のメリットとデメリットを上げて比較してみます。
②デ・ヘアのメリット・デメリット
Season So Far | David De Gea | Manchester United 2019/20
【YouTube】デ・ヘアのスーパーセーブ集!
デ・ヘアを正ゴールキーパーにした場合のメリットとデメリットを見ていきます。
まとめると
メリット
・豊富な大舞台の経験
・チームメイトとの連携
デメリット
・ミスによる失点
・これ以上成長が見込めない
・高いサラリー
です。
デヘアを正ゴールキーパーとした場合のメリットは、やはり経験でしょう。CLやワールドカップなどの大きな大会の経験は豊富で、どう振る舞えば良いか熟知しています。
そして、ディフェンス陣との連携。マグワイア、リンデロフを始め、ディフェンスユニットとしての連携は良いですね。キャプテンはマグワイアですが、長年ゴールマウスを守るデヘアが安定感をもたらしていると言えます。
一方、デメリットは、やはり散見されるミス。ワールドカップロシア大会でのミスから増えた印象ですが、いくらビッグセーブがあっても、ミスがあるとどうしてもマイナス評価になってしまいます。
そして、多少のパフォーマンスの上下はあっても、これ以上の成長は見込めないのもデメリットです。キーパーは経験がモノを言うポジションで、30過ぎても活躍する選手は多いですが、ミスが出始めたキーパーは、安定したパフォーマンスを維持できなくなる傾向もあり、デヘアは下降曲線を描き始めた段階と見られます。
さらに週給37.5M£はキーパーでは世界最高額。ユナイテッドでも最高額。ユナイテッドに幾らお金があるとはいえ、相当な額です。また、この額に見合った活躍を当然求められるわけです。そういった意味でもデメリットになりますね。
③ヘンダーソンのメリット・デメリット
DEAN HENDERSON INCREDIBLE SAVES COMPILATION! | Best saves from 19/20 Premier League season 👐
【YouTube】ヘンダーソンのセーブ集!
ヘンダーソンの方もまとめます。
メリット
・安定したセーブ率
・豊かな将来性
・アカデミー出身 イングランド人
・安いサラリー
デメリット
・経験不足
・ビルドアップの質(パス精度)
一方のヘンダーソン。メリットは、スタッツでも触れたように安定したセービングを見せている点。さらに、将来的にイングランド代表の正ゴールキーパーになる事も期待されるほどの才能(2019年9月にA代表初招集)。
そして、スールシャールがスカッド構成において重視している、若手のイングランド人というのにもマッチし、アカデミー出身で、シェフィールドでプレーしているにも関わらず、サポーターに支持されている点もメリットです。
一方、デメリットはやはり経験不足。大きな大会でのプレー経験はほとんどありません。そこはデ・ヘアに一日の長があります。
さらに気になるのがパス精度。1試合当たりのパス成功率は僅かに35%しかありません。自陣でのパス成功率にしても68%。シェフィールドでは戦術的にビルドアップに関わる事が少なく、ロングボールを蹴る事が多いのが原因だと思います。しかし、ユナイテッドではもう少しビルドアップに関与することが求められます。このパス精度は今の段階ではデメリットになります。
④まとめ
メリット、デメリットは判断が難しいですが、より魅力的に映るのはヘンダーソンの方。個人的には来シーズンのゴールキーパーは
ヘンダーソンに託したい
です。
ただ現実的には、90%の確率で、来シーズンはデ・ヘアが引き続きゴールマウスを守るでしょう。
まず前提として、2人が共存する事はありません。もし、ヘンダーソンがユナイテッドに戻るなら、デ・ヘアは移籍するはずです。そのぐらい、2人の実力は拮抗していますし、お互いに控えに甘んじることはないです。
デ・ヘアの移籍の可能性ですが、昨夏に2023年までの契約延長にサインしたばかりで、今のところPSGぐらいしか名前が上がっていません。退団の可能性は低いです。
また、スールシャールもデヘアには信頼を置いてます。エヴァートン戦のミスのあとでも、「私にとってはダビドが世界最高のゴールキーパーだ」と語っています。ヘンダーソンはかなり魅力的ですが、少なくとも20-21シーズンは、デ・ヘアでいくと思います。
ヘンダーソンが来シーズン、ユナイテッドに戻る可能性が上がるのは、ヘンダーソンに、ビッグチームからオファーが届いた場合でしょう。PSGやチェルシーが狙っていると一部報道がありますが、ユナイテッドで正ゴールキーパーになれないなら、移籍するという選択肢をヘンダーソン自身が考えるかもしれません。そうなったら、ユナイテッドはヘンダーソンを手放さないために、来シーズンのNo.1のシャツを渡す決断をするかも...。
いずれにせよ、ヘンダーソンがデヘアの正当後継者であることは疑いようがない事実です。遅かれ早かれ、ユナイテッドのゴールマウスを守ることになるはずです。近年では、ユナイテッドで正ゴールキーパーを務めた選手の中で、ユース出身選手は1人もいないはず。ヘンダーソンが最初の選手になるのを期待します。
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*この記事は2020年3月にnoteで公開しました。
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