こんにちはMasaユナイテッドです。
今回は、私が見てきた中での、マンチェスター・ユナイテッドの歴代最強スカッドとして、12-13シーズンを紹介します。
これまで02-03シーズンと07-08シーズンを紹介しました。記事はこちらから。


今回は最終回として、あの
香川真司選手も所属し、ファーガソン監督のラスト・シーズンとなった12-13シーズン
を、3つの項目で評価していきます。
項目は以下です。
①ラインナップ フォーメーション
最初の項目はラインナップとフォーメーションです。このシーズンの基本フォーメーションは以下です。

11-12シーズン、プレミアリーグで勝ち点89を獲得しながら最終節のラスト2分でシティに優勝を持っていかれた雪辱を晴らすため、ファーガソン監督は移籍市場で大きな動きに出ます。長年チームに貢献してきたパク・チソンやストライカーのベルバトフ、オーウェンを放出し、ライバルチームのアーセナルからロビン・ファン・ペルシを2400万ポンドで獲得。さらにドルトムントから香川真司を1400万ポンドでチームに迎えました。
基本フォーメーションは4-2-3-1。特徴は最前線にシュートセンス抜群のファン・ペルシを配置し、その下をルーニーや香川が支えるという構造。試合によってはファン・ペルシとチチャリートの2トップや、中盤をキャリック、アンデルソン、クレバリー、ルーニーのダイヤモンドにするケースもありましたが、基本は4-2-3-1で戦ったシーズンでした。
そしてこのシーズンの最大の特徴は、スタメンを固定しなかったシーズンだったという事。2試合続けて同じメンバーで戦うことがなく、毎回入れ替えを行ったレア・シーズンでした。ほぼスタメンと呼べるのは、ファン・ペルシ、エブラ、キャリックの3人のみ。バックラインですら毎回変更していました。
出場試合数トップ5は以下の通り(全コンペティション)
①キャリック、エブラ 42試合
②デ・ヘア 41試合
③ファン・ペルシ 40試合
④ラファエル 38試合
⑤ファーディナンド 31試合
通常のシーズンなら、トップ5は試合数が50近くになるので、いかにこのシーズンが特異だったかわかりますね。
その他の主要メンバーは
香川(MF)、ナニ(MF)、アンデルソン(MF)、ビディッチ(DF)、スモーリング(DF)、ジョーンズ(DF)、ビュットナー(DF)、スコールズ(MF)、ウェルベック(FW)、チチャリート(FW)、ヤング(MF)、リンデゴーア(GK)、フレッチャー(MF)
ラインナップとフォーメーションを点数評価すると
90点/100点
中盤センターのクレバリーと、左SHのポジションは評価が難しいです。スタメンは固定“できなかった”と捉えることもできますが、固定せずに誰が出ても一定の戦力を保てたとも言えます。
②シーズン・スタッツ
12-13 シーズン・テーブル
2位シティに11ポイント差の勝ち点89でぶっちぎりの優勝を果たした12-13シーズン。4月22日の34節アストン・ヴィラ戦で優勝を決めました。開幕戦こそエバートンに敗れましたが、新エース、ファン・ペルシが早くも3節のサウサンプトン戦でハットトリックを達成。波に乗ったユナイテッドは13節で首位に立ち、そのまま最後まで駆け抜けました。13節から31節までは、18試合無敗も記録しています。
しかし結果を残せたのはプレミアリーグのみ。FAカップは6回戦で敗退(チェルシー)。リーグカップはラウンド16で敗退(チェルシー)。CL(チャンピオンズ・リーグ)はベスト16でモウリーニョ率いるレアル・マドリーに敗れています。
11-12シーズン89得点33失点で2位だったユナイテッド。12-13シーズンは86得点43失点でした。得点は変わらないですが、失点は10点増えています。11-12シーズンにビディッチが膝の十字じん帯を断裂。シーズン後半から離脱していました。12-13シーズンは復帰したものの5節に膝の不調を訴え手術することになります。ビディッチはチームキャプテンでもあったので、この離脱が守備を不安定にしたのは間違いありません。さらに右SBに守備に若干不安のあるラファエルを起用した事や、中盤のフィルター不足なども失点が増えた要因だと思います。
攻撃に関しては何といってもファン・ペルシ。26G15Aを記録。プレミア得点王に輝きました。
ファーガソンのラスト・シーズンは、彼のチームらしく「2点取られても3点取る」フットボールを展開して勝ち取ったリーグ優勝と言えます。実際、失点した24試合の内15試合を勝ちにつなげています。
シーズン・スタッツの点数は
93点/100点
失点の多さと、カップ戦のノー・タイトルがマイナス要因ですね。
③タクティクス
最後は戦術部門です。
3-1ディフェンス
先述したように43失点していて決して強固なディフェンスラインではなかったですが、シーズン5敗のみでリオ・ファーディナンドとエブラを中心に、大崩れはしなかったとも言えます。
戦術的特徴は
✔CBのローテーション
✔デ・ヘアの成長
✔ラファエルの攻撃性能
✔キャリックの重要性
の4つ
バックラインは、リオ、エバンス、ラファエル、エブラで組むことが多かったですが、CBはスモーリング、ジョーンズを併用。上手くローテーションして怪我で離脱したビディッチの穴を埋めました。ビディッチが復帰した12月末からはリオ、ビダのコンビが復活。復活してからの15試合で9失点に抑えています(ビディッチの出場試合のみ)。エバンスはこのシーズン23試合3G2Aの好記録をマーク。11-12シーズンに続いて大きく評価を上げました。
そしてキーパーですが、前のシーズンに加入したデ・ヘアが最終的に正守護神になりますが、11-12シーズンの6失点したシティ戦からリンデゴーアとの併用が続いていました。コーナーキック時のハイボール処理や、デュエルに問題のあったデ・ヘアですが、随所にビッグセーブを見せ、16節のシティ戦からはデ・ヘアが正守護神の座をゲットします。デ・ヘアが大きく成長したシーズンでもありました。
右SBのファースト・チョイスとしてリーグ戦28試合に出場、持ち前の攻撃性能を発揮し3G4Aを記録したのがラファエル・ダ・シルバです。守備面での不安は消えませんでしたが、積極的な上がりで、時にはゴール前まで侵入。クロスも良いものを持っていて、ガリー・ネビルの後継者がついに決定したといった印象を与えました。ファギーが上手かったのは、ラファエルのカバーの為に、右SHにバレンシア、右ボランチにキャリックを置いたこと。戦術理解力が高く、カバーリング能力のある2人がラファエルの上がったスペースを埋める役割もこなしました。
そしてキャリックの存在。組立の起点として後方からゲームをコントロールしたキャリック。リーグ戦36試合に出場(キャリアハイ)。文字通りチームの心臓として攻守に貢献しました。先述した様に右サイドのカバーをこなし、前掛かりなチームのバランスを取るタスクをこなしたキャリックのベスト・シーズンですね。
3-2オフェンス
攻撃に関してはリーグ戦86点を記録し、攻撃力が高かったシーズンと言えます。その原動力は何といってもファン・ペルシ。ユナイテッド加入初年度からその得点センスを如何なく発揮。26得点15Aを記録。チームの得点の約47%に関与していることになります。ファン・ペルシによる、ファン・ペルシの為のシーズンと言われたりします。具体的に見ていきましょう。
攻撃の特徴は
✔ファン・ペルシの攻撃センス
✔ルーニーの貢献
✔多様な2列目
の3つ
まずはエースのファン・ペルシ。彼は抜群にダイレクトシュートが上手かったですね。後ろから来た浮き球をミートする能力が半端なかったです。ゴール集を張っておきますので是非見て欲しいです。優勝を決めたヴィラ戦のダイレクトボレーは鳥肌ものです(動画6分35秒~)!1トップですが、ファン・ニステルローイのように前線に張っているタイプではなく、サイドに流れてそこから切り込んでいくプレーが得意でした。シュートだけでなくアシストも抜群。キック精度が良いので、セットプレーのキッカーも任されていました。
Robin van Persie | All the Premier League Goals | Manchester United
ルーニーはシーズン12G10Aと少し物足りなく感じるかもしれませんね。中盤での起用もあり、本人的にはもっとゴール近くでプレーしたかったかもしれませんが、ファン・ペルシを支えるという役割を黙々とこなしたシーズンでした。主にトップ下でプレーしたルーニーは、中盤とファン・ペルシを繋ぐ重要なリンクでしたね。
最後は多彩な組み合わせを使った2列目です。4-2-3-1の『3』の部分です。ここには、ルーニー、香川、ウェルベック、バレンシア、ギグス、ヤング、ナニが使われました。対戦相手やコンディションによって様々な組み合わせがあり、自由度が高いセクションでした。07-08の時は、ルーニー、テベス、ロナウドが自由に動き回る戦術でしたが、このシーズンは人選を変えることで自由度を上げる戦術。香川、ナニのテクニック、ウェルベックのスピード、バレンシア、ヤングのクロス、ギグスのいぶし銀の働きなど、個性を活かした2列目はこのシーズンの攻撃の大きなキーとなっていました。
香川は途中膝の怪我で離脱する期間がありながら、プレミア初挑戦で20試合6G4Aを記録。28節のノリッジ戦ではハットトリックを達成。2列目のオプションとして面白い存在だったと思います。ファギーの退任がなければ、香川のユナイテッドでのキャリアは別のものになっていた可能性があると思います。
戦術部門の評価は
95点/100点
個性を組織力まで昇華したという意味で評価できます。
👿まとめ
12-13シーズンをまとめると
①ラインナップ・フォーメーション…90点
②シーズン・スタッツ…93点
③タクティクス…95点
合計278点/300点
いかがでしたか?
07-08シーズンには及びませんでしたが、個の能力を最大限に活かしつつ、バックアッパーも含めてローテーションしながら競争力を維持したという意味で、ファーガソン監督のマネージメント能力が最大限に発揮されたシーズンでした。
大黒柱のビディッチを欠いた守備の不安定さは少し多めに見ても、それ以上に攻撃側に振って点を取るサッカーを展開したという点も、ファーガソン・ユナイテッドらしいシーズン。
このシーズンでファギーは勇退することになります。ファーガソンが「クラブが一番強い時に辞めるべきだと思っていた」と引退表明したように、彼の中ではこのラストシーズンが最強のシーズンなのかもしれません。
以上3回に渡って歴代最強スカッドの記事を書いてきましたが結果
02-03シーズン…255点/300点
07-08シーズン…291点/300点
12-13シーズン…278点/300点
で最強は07-08シーズンに決定しました!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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