こんにちはMasaユナイテッドです。
FAカップ準決勝、ロンドン、ウェンブリー・スタジアムでチェルシーと対戦したユナイテッド。
試合は前半終了間際にチェルシーがジルーのゴールで先制し、後半開始直後にマウントのシュートをデ・ヘアがエラー。2点目を与えてしまいます。ユナイテッドはポグバやイガロを投入し巻き返しを図りますが74分にはマグワイアのオウンゴールで3-0に。85分にはブルーノがPKから1点返しますが、悔しい準決勝敗退になりました。
チェルシー戦の模様は公式を参照下さい。
今回はこの試合を5つの敗因を挙げて振り返ります。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:ロメロ、フォス=メンサー、ポグバ、マクトミネイ、マタ、グリーンウッド、ペレイラ、マルシャル、イガロ
チェルシー:ケパ、クリステンセン、パルミエリ、トモリ、プリシッチ、ロフタス=チーク、エイブラハム、ハドソン=オドイ、ペドロ
①ビルドアップ潰し
敗因1つ目はチェルシーが見せたユナイテッドのビルドアップ潰しです。
3CBのユナイテッドに対して3トップをハメて来たチェルシー。さらにボールの出所であるマティッチにボールが出ると複数で取り囲む形でビルドアップを自由にさせませんでした。そしてWB(ウィリアムズとワン=ビサカ)にボールを出させてボールを奪う。特にウィリアムズの所は明らかに狙われていましたね。
これはサウサンプトンが見せたハイプレスと似ており、ユナイテッドに対してとても有効な策です。
サウサンプトン戦の記事を参考にどうぞ

案の定ユナイテッドは思う様に前進出来ず。ブルーノが降りて来てビルドアップを助けるシーンはありましたが、ブルーノもプレー精度を欠いており有効な手段にはなりませんでした。
ユナイテッドが3バックを選択した理由の一つにビルドアップを安定させる目的があったと思います。実際デヘアは頑なに繋ごうとしており、後ろ5人でビルドアップをするプランになっていた事を感じさせました。
しかしチェルシーはミラーにしてしっかりハメてきた事と、選手も気持ちが入っていて出足も鋭かった事でユナイテッドのプランは失敗に終わったと言えます。
②バイリーの負傷
2つ目はバイリーの負傷です。
前半40分にはズマと頭部の接触で治療を受けた後すぐにマグワイアとも接触。頭部に裂傷を負ったため、かなり長い時間ピッチ内で治療を受けその間試合が止まりました(前半のアディッショナル・タイムは11分でした)。
その直前まではユナイテッドがようやくボールを持って前進できる様になり、ポゼッションで押し込む時間帯でした。バイリーの負傷により完全にこの流れが切断されます。疲労がより強く出ているユナイテッドの方が集中を切らしやすかったはず。
さらにバイリーがプレー続行不可能になった為、ユナイテッドはマルシャル を入れて4バックにシステム変更を余儀なくされる事になります。フォス=メンサーを入れるという策もあったと思いますが、後半ワン=ビサカと代える予定だったかもしれませんね。
ユナイテッドの3バックの目的のもう一つが、ディフェンスの強度を上げる為でした。今シーズン強豪相手に使ってきたフォーメーションで信頼感もあったと思います。しかしシステム変更して仕切り直したかったですが、直後に失点…。
バイリーが悪いわけではないですが、彼の負傷交代によりユナイテッドは集中が切れ、プラン変更をすることになりました。
③ミスの多さ
3つ目はミスの多さです。
1失点目は意見が分かれるかもしれませんが、デ・ヘアのミスと言うには少しコクだと思います。あの距離でコース変えられたらいくら守備範囲とは言え反応は遅れますね。むしろジルーに前に入られたリンデロフの方が対応が完ぺきではなかったと思います。
一方2点目は、ウィリアムズのパスミス、リンデロフの寄せの甘さ、デ・ヘアのキャッチ・ミスと3つのエラーが重なっての失点。デ・ヘアはまたも失点に繋がるミスを犯してしまいました。暫くはまたキーパー問題が議論される事になると思います。
以前の記事ですが、よかったら参考にどうぞ

3点目もマグワイアのオウンゴール。それ以外にも主力組はコンディション不良から精度が落ちていたり、サブ組は主力組と息が合わずにボールロストする場面が散見されました。パス成功率だけで言えば82%でチェルシーと変わりませんが、ブランドン、フレッジ、ジェームズは流れを切ってしまう様なパスミスがありましたね。
チェルシー相手にこれだけミスが出れば、負けるのは当然でしょう。
④意識統一
4つ目はそもそもどういうつもりで試合に臨んだのかという意識面です。
勝つつもりだったのか、「勝てれば良いかな」だったのか、「負けても良いや」だったのか?恐らくスールシャールは勝つ気だったと思います。デ・ヘア、マグワイア、ブルーノを先発させた事からそう思います(キーパーはロメロ で良かったと思いますけどね…)。しかし選手選考が中途半端で、なぜマルシャル 、ラッシュフォード(あるいはイガロ)の2トップにしなかったのか、ポグバ は何故外したのかの理由がわかりませし、フォス=メンサーではなくてブランドンを先発させたのも疑問が残ります。これは完全に主観に基づいた推測ですが、スールシャール監督はリーグ第26節の快勝したチェルシーを再現した様に思います。フォーメーション は同じ3-4-1-2で、リンデロフの所がショー、ラッシュフォードの代わりにマルシャル というだけの違いです。上手くいった試合と同じ戦法で挑んだのかなと推測…。
さらに戦術と人選が合っていないのも謎です。ビルドアップに異様に固執していましたが、前線の2人は明らかにカウンター狙い。それならチェルシーにある程度持たせて自陣に誘い込み、奪ったらトランジッションで素早く攻める形がもっと見られても良かったはずです。
この様に、この試合をどう位置付けてどのように戦うのかが不明瞭で中途半端な印象を受けました。
試合を捨てる訳ではないですが、控え選手中心で、モチベーションを上げて臨んだ方が良かったかもしれません。まぁ結果論ですが…。決勝に行けず、主力選手も休ませられなかったというのはプラス要素が一つもないですね。
⑤コンディション
最後はコンディションでしょう。
単純に中2日のユナイテッドと中4日のチェルシー。コンディションの差は歴然ですよね。本当になんでこんなスケジュールになったのか…。どうしても週末にしたかったんでしょうけど、リーグ戦終わってからにしてほしかったですね。
ちなみに再開後、全ての試合に出場した選手はチェルシーはアスピリクエタのみ(FAカップのレスター戦は45分のみ)。ユナイテッドはマグワイア、ブルーノ(4試合は途中出場・交代)、リンデロフ(2試合は途中出場・交代)ラッシュフォード(3試合は途中出場・交代)ポグバ(5試合は途中出場・交代)マティッチ(5試合途中出場・交代)マルシャル(7試合は途中出場・交代)、グリーンウッド(8試合は途中出場・交代)の8名もいます。出場時間で言えばフルで出ているのはマグワイアだけですが、ランパード監督がローテーションを上手く使っているのに対して、スールシャール監督はスタメン固定で、途中交代を上手く使っている事が分かります。
チェルシー戦もユナイテッドの選手たちは目に見えて疲労が溜まっていました。身体的な疲れだけでなく、認知、判断といった頭脳面でも疲労が溜まっていて、いかに戦術を立てたとしても効果的に実行できるだけの体力も頭脳も充分ではなかったと言えます。
プレスの出足やトランジッションの鋭さなど、明らかにチェルシーの方が上でしたね。
👿まとめ
以上見てきたように、FAカップ敗退の要因は戦術面、コンディション面、メンバー選考面など多岐にわたっています。つまりは負けるべくして負けた試合となりました。一言で言えばすべてが「中途半端」だったという印象です。
しかしFAカップは、いつの時代もビッグクラブにとっては力の入れ具合が難しい大会です。明らかにメンバーを落とし過ぎても負けた時に叩かれますし、ゴリゴリのスタメンで臨んでも、その他の優先すべき大会に支障が出るようでは意味がないですし…。スールシャール監督も難しい采配になったのは間違いないでしょう。ノリッジ戦の控え組の体たらくを見るとローテーションが難しいのではないか?という記事を書きましたが、思い切ってローテーションできなかった面もあると思います。
ノリッジ戦のコラムはこちら。


出典:ユナイテッド公式
これでユナイテッドの公式戦無敗記録は19でストップしました。FAカップは残念ですがあくまでも目標はリーグで4位以内に入る事。これからのウェスト・ハム戦、レスター戦の方が重要です。すぐに気持ちを切り替えて臨んでほしいですね。特にデ・ヘア!ヘコんでる場合じゃないぞ!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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