マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補 Part.1~最もふさわしいのは誰だ?~

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こんにちはMasaユナイテッドです。

前回の記事でスールシャール監督の解任についてコラムを書きました。

【コラム】スールシャール監督を解任するべきか?Ver.2020【マンチェスター・ユナイテッド】
今シーズンの不安定な成績を受けて、スールシャール解任報道が増えています。「解任論」についての筆者の考えを綴ったコラムです!

今回はそのスールシャール監督が解任となった場合、後を継ぐのは誰が良いのか?というテーマで書いていきます。

長くなりそうなので2回に分けます。まず今回は新監督候補2人を取り上げます。

以下項目です。

👿新監督の条件

ではユナイテッドの次期監督にはどんな人物がふさわしいのでしょう?

いくつか条件を上げてみたいと思います。

✅戦術に明るい
✅選手の育成に長けている
✅タイトルへ導ける(可能性が高い)
✅現チームを土台にチームを作れる
✅補強の目利きが確か
✅英語が話せる

思い付くのはこのような項目ですかね?出来るだけスールシャールが作った土台を壊さずに、その上に積み上げていって結果も出す事が理想的。戦術面でディテールに拘り組織的な動きを植え付けられるかどうかも重要ですね。

この辺りの条件に当てはまるか考えながら、監督候補の人物たちを見てみましょう。

①マウリシオ・ポチェッティーノ(48 ARG)

1-1.監督キャリア

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2009年1月にエスパニョールで監督キャリアをスタートさせたポチェッティーノ。2013年にはサウサンプトンの監督に就任。降格圏に沈むチームを残留させ、翌13-14シーズンには8位に導きました。そこで評価を上げたポチェッティーノは14-15シーズンからトッテナム(スパーズ)に引き抜かれます。15-16シーズンから18-19シーズンまで4シーズン連続でチャンピオンズ・リーグ出場権を得られる4位以内をキープし、18-19のCLではチームを初の決勝の舞台に導きました。しかし19-20シーズン、開幕からチームは不調に陥り2019年11月19日解任されました。2020年11月15日現在もフリーです。

最もユナイテッドの監督就任が報道されているのがポチェッティーノです。バシャクシェヒル戦の敗戦の後では、ポチェッティーノの代理人にユナイテッドは連絡を取ったと報じられ、ポチェッティーノ自身も現場復帰の準備は出来ていると語りました(どこのチームでかは言っていませんが…)。

1-2.戦術とマネジメント

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戦術的には、サウサンプトンにしてもスパーズにしても、対戦相手により多彩な戦術を使い分けています。基本フォーメーションは4-2-3-1ですが、3バックも使います。戦術的な特徴は縦へのスピード、トランジッション、プレス強度といったところ。攻撃に関しては前からプレスをハメて、奪ったらスピーディーにゴール前まで運ぶショートカウンターが得意。ただ各上相手にはマンツーマンディフェンスをしたり、逆に格下相手にはポジションチェンジを多用し攪乱する戦術も使っています。

ポチェッティーノのチームで重視されるのはフィジカルと走力。そういった意味でもプレミアに向いている監督と言えます。マネジメントにも定評があり、エスパニョール時代には選手の食事や、プレー時間、コンディションの管理にも尽力し改革を行いました。選手時代から生粋のリーダーと言われ、若手選手も積極的に抜擢してきました。親しみやすく選手から慕われる監督です。試合中は静かに戦況を見守るタイプですが、それは試合中は選手に聞こえないからという理由と、試合前の準備がしっかり出来ているから。修正を加える時はハーフタイムにしっかり説明するタイプのようです。

1-3.ユナイテッドにふさわしいか?

プレミアを熟知し、英語も話せ、戦術的にもユナイテッドに合っているという点で一番リスクの低い選択肢であるのは間違いないのではないでしょうか?モウリーニョほど細かく戦術で縛りませんが、スールシャールほど緩くはなく、なかでもプレスを組織できる点は今のユナイテッドに是非欲しい能力ですね。縦へスピーディーに攻めるのも現ユナイテッドにピッタリですし、若手の登用にも積極的なのも合っています。補強でチームを強くするというよりはトレーニングを通じて選手の能力を引き出すことに長けた監督で、スパーズではケイン、ソン、アリの能力をポチェッティーノが引き出したと言っていいでしょう。

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不安な点はやはりタイトルを獲得した経験がない事と、ビッグクラブを率いた経験がない事。これは確かにネックになるかもしれませんが、これまでタイトルを取れるクラブで指揮をしていないので何とも言えませんね。例えばバルサで指揮していてタイトル取れないとかならヤバいとは思いますが…。ユナイテッドでなくても、将来的には名将と称される監督になる可能性は十分にあると思います。

最後にギャリー・ネビルがポチェッティーノについて語った言葉を引用しておきます。

「私はイングランド代表のコーチとして働いていた。トッテナムの選手がキャンプにやってきた時、心理的な点に違いがあることに気づいた。彼らは戦う準備ができている。プレーする準備ができている。働く準備ができている。ミーティングにも積極的に参加したいように見えた。責任がある選手たちに期待したいものの全てがそこにあった。ポチェッティーノは、若い選手たちに自分自身を表現するための自信を与えてくれたようだ」

②マッシミリアーノ・アレッグリ(53 ITA)

2-1.監督キャリア

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2004年にアグリアネーゼというクラブで監督キャリアをスタートさせたアッレグリ。2007年サッスオーロの監督に招聘されセリエB昇格に導きます。08-09年からセリエAのカリアリで指揮を執り9位という好成績を収めます。10-11シーズンにはミランの指揮官に就任。チームを7年振りのスクデットに導きました。しかし、翌シーズンは無冠。12-13シーズンは財政的理由からベテラン選手を大量に放出しチームは失速。3位に留まります。14-15シーズンもチームは軌道に乗れず。アッレグリは2014年1月に解任されます。2014年7月に突如辞任したアントニオ・コンテの後を継いでユベントスの監督に就任。そこから5シーズンユーベを指揮し、スクデット5回、コッパ・イタリア4回を獲得。CLでも14-15と16-17シーズンには決勝進出を果たす素晴らしい成績を残しています。しかし18-19シーズンをもって退任することが発表され、現在はフリーに。

2-2戦術とマネジメント

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戦術家としても評価の高いアレッグリ。基本フォーメーション は4-2-3-1ですが、ロナウド加入後のユベントスでは4-3-3に変更。前線のタレントをより活かす配置を採用し評価されました。戦術的特徴は、クロスボール戦術、デュエル、前線の流動性です。前線にロナウドとマンジュキッチという長身2人を置いていたユベントスでは、この2人のターゲットマンにサイドからクロスを入れる戦術が多かったです。そして前線の3人の能力を活かすために中盤の3センターにバランスに優れたピャニッチ、マチュイディ、ベンタンクールなどの選手を置いたのも特徴的。デュエルはアレッグリ自身が「最も重要」と語る要素。デュエルでの勝利数が多いチームが試合にも勝つという哲学を持っています。ロナウドが加入したユーベでは、ロナウド、マンジュキッチ、ディバラのワールドクラス3人のポジションを流動的に変化させ、それぞれの短所を消し、長所を引き出す戦術を採用し評価を上げています。

ユベントスを率いた5年間全てでリーグ優勝コッパ・イタリアも4回獲得。CLでも2度レアルやバルサを破って決勝進出し名将と評されるアッレグリ。戦術家と言われる一方で、本人はサッカーは芸術と捉え、素晴らしい才能を持った選手達にプレー選択を委ねるべきだという哲学を持っています。チーム作りに関しては、ユベントス2シーズン目の15-16シーズンには大量の選手の入れ替えを行ったおり、「スクラップ&ビルド」の監督として見る向きもあります。そしてどちらかというと若手を育成するよりは、補強でビッグネームを連れてくることを好みます(エル・シャーラウィやベンタンクール、モイーゼ・キーンなどの例ももちろんありますが…)。選手にオレ流を押し付ける事無く、それでいて勝利を必然とする手腕は特筆に値しますが、逆を言えばそれだけのクオリティの駒がないと失敗する可能性はありますね。

2-3.ユナイテッドにふさわしいか?

現在フリーであるアッレグリ自身もイングランドでの挑戦を志して英語をレッスンしているとも言われています。ユナイテッドに勝者のメンタリティーを思い出させるには打ってつけの監督と見る事もできますが、個人的には微妙かなぁと思います。その理由は、今のユナイテッドの土台を崩してチーム作りをする可能性があること。そしてプレミア初挑戦のリスクが大きいこと。戦術的にも崩しの場面のアプローチが選手の質に依存することなどです。イタリアで名将と言われたロベルト・マンチーニやアントニオ・コンテ、マウリツィオ・サッリなど、イタリア人監督が長期的に活躍できないのもプレミアの特徴です。やはり根本のフットボール文化の違いはあると思いますね。

最後にアッレグリのフットボール観を表す彼の発言を引用しておきます。

サッカーに科学が入り込む余地はない。創造性のないサッカーはコンピューターでギャンブルするのと同じだ。まったく面白くない。

👿まとめ

いかがでしたか?

今回は最も報道されている2人を取り上げました。色んなところで言われているように、総合的に見てポチェッティーノの方がよりユナイテッドには適していると思います。プレミアの経験や戦術的嗜好、育成面からも最もリスクが少なく、スムーズにスールシャールから引き継げるとイメージできます。問題は実績面とユナイテッドの監督交代時にまだフリーでいるかということでしょう。

アレッグリは一部ファンから待望されています。ユベントスでの改革と実績が非常に評価されていますが、もっと成熟したチームの監督の方が合っているイメージです。今の若いユナイテッドにアジャストするには乗り越えるべき壁が多いと思います。

次回は他2人の監督候補について書きたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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