マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補 Part.2~最もふさわしいのは誰だ?~

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こんにちはMasaユナイテッドです。

今回は前回記事の続き。

ユナイテッドの次期監督候補2名を取り上げます!

ユナイテッドの次期監督にふさわしいのは誰なんでしょうか?

前回の記事はこちら

マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補 Part.1~最もふさわしいのは誰だ?~
ユナイテッドの次期監督としてふさわしいのは誰か?まずは監督候補2名を取り上げます!

前々回の記事はこちら

【コラム】スールシャール監督を解任するべきか?Ver.2020【マンチェスター・ユナイテッド】
今シーズンの不安定な成績を受けて、スールシャール解任報道が増えています。「解任論」についての筆者の考えを綴ったコラムです!

以下項目です。

③トーマス・トゥヘル(47GER)

3-1.監督キャリア

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24歳で現役を引退後指導者を志し、26歳の時にシュトゥットガルトU15の監督としてキャリアをスタートさせます。育成部門で手腕が評価され2008年にはマインツ05U19をリーグ優勝に導きます。その翌シーズン、36歳の時にトップチームの監督に抜擢。10-11シーズンにはクラブ最高位の5位に導きます。

2015年にはユルゲン・クロップ監督の後を継いでドルトムントの監督に就任。15-16シーズンにはリーグ2位、16-17シーズンは3位になるも、DFBポカールで優勝しチームに5年ぶりのタイトル獲得をもたらしました。CLではベスト8に進出しました。しかし以前から噂されていたハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOとの確執が深まり2017年5月契約を解除しています。

18-19シーズンにはパリSGの監督に就任。リーグ優勝とトロフェ・デ・シャンピオンの2冠を達成します。19-20シーズンは3つの国内カップ戦とリーグ優勝の4冠を達成CLではクラブ史上初の決勝進出を成し遂げました(0-1でバイエルンに敗れる)。

3-2.戦術とマネジメント

トゥヘルの戦術的特徴は、なんといっても「多彩さ」でしょう。対戦相手によって4-2-3-1、4-3-3、4-4-2、3-5-2とフォーメーションを使い分け、試合中も気づけばフォーメーション が変わっている事もしばしば。ドルトムント時代はその戦術的柔軟性で評価を高め、パリの監督に就任してからは前線のタレントを最大限に活かすために「ファンタスティック4」と呼ばれる新戦術を構築。ネイマール、ムバッペ、イカルディ、ディ・マリアを同時起用する超攻撃的な4-4-2フォーメーションは話題となりました。

トゥヘルの戦術的キーワードはポジショナルプレー、ハーフスペース攻略、頻度の高いフォーメーション変化といったところでしょうか。グアルディオラをリスペクトしているトゥヘルの戦術はポジショナルプレーを基本としています。適切なポジショニングを取りながらボールを保持、循環させ、それによって優位性を作り出す。そしてその優位性を生かしてゴールへ向かう事を基本理念とするポジショナルプレー。ハーフスペースの攻略を重視することも、頻繁にフォーメーションを変化させることも、根底にはポジショナルプレーの考えがあるためです。

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マネジメントに関しては結構強めの管理を選手に強います。摂取する食材やダイエットプランなどの管理も厳しく行います。選手と衝突する事も多く、ドルトムント時代はフンメルスを退団に追い込み、パリでもムバッペと衝突したりとこの手の話題は後を絶ちませんが、ネイマールをチームにコミットさせ、昨シーズンのCL決勝のように必要あらば守備にも回る選手にしたことは特質に値します。トレーニングもバリエーション豊かで、飽きさせない工夫をしていると定評があり、マインツ時代に指導を受けた岡崎慎司選手も「毎週違う練習で、同じだったことは1度もない」と語っています。

3-3.ユナイテッドにふさわしいか?

戦術家として知られるトゥヘル監督。現在指揮するパリGSを昨シーズンのCLで決勝へと導いた手腕は素晴らしいものがあります。しかしながら今シーズンはCLグループステージでライプツィヒとユナイテッドに敗れ、解任の噂もあります。仮に解任となればユナイテッドの次期監督候補に入ってくる可能性もありそうです。戦術が強めなので、現ユナイテッド・メンバーの中には拒否反応を示す選手が出そうですが、可変システムを操るユナイテッドを見てみたい気もします。若手の起用もドイツ人監督らしく躊躇なく行いますし、ドイツ語、フランス語、英語を話せるそうです。

しかし問題はそのキャラクター自我が強く頑固で、中には「クレイジー」と表現する選手もいます。ドルトムントでは結局、上層部と上手くいかずにわずか2年で解任になっています。

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頭は良いがコミュニケーションに問題ありというタイプのようです。なんとなくファン・ハールを思い起こさせますね…。こういった性格面はユナイテッドでもハマる、ハマらないがありリスクと言えます。また補強に関しては、ドルトムントでもパリでも、取り仕切っていたのはSD(スポーツダイレクター)なので、目利きがあるのか未知数です。補強に頼らず、現有メンバーに戦術を植え付けることの方に重きを置く監督ではないでしょうか?

このようにトゥヘル監督はハマれば面白いですが、ハマらないとファン・ハール、モウリーニョの二の舞になりかねません。トゥヘルのサッカーは興味深いですが、ユナイテッドの監督としてはリスクもありそうですね。

最後にトゥヘルがシュールレに語った言葉を引用しておきます。

100点満点で95点をつけるくらいのプレーを試合で見せたとしても、お前のような能力を持った選手なら残りの5点を追求しないといけない。

④ユリアン・ナーゲルスマン(33 GER)

4-1.監督キャリア

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20歳で現役を引退後、指導者を目指すきっかけとなったのは、当時アウクスブルクⅡの監督を務めていたトゥヘルの下でスカウトとして働いた経験でした。その後1860ミュンヘンやホッフェンハイムのU-17のアシスタントコーチを務め、13-14シーズンにはU-19ブンデスリーグで優勝を飾ります。16-17シーズンにホッフェンハイムのトップチームの監督に就任。28歳での監督就任はブンデスリーガ史上最年少です。

前年度に残留争いに巻き込まれていたチームをドルトムントと3位争いを繰り広げるまでに躍進し、ホッフェンハイムは4位でシーズンをフィニッシュ。クラブ史上初となるCL 出場権を獲得しナーゲルスマン監督は注目を集める存在に。

19-20シーズンにはRBライプツィヒの監督に就任。CLではグループリーグを首位で突破。ラウンド16ではモウリーニョ率いるトッテナムに対して一切何もさせずに、トータル4-0と完勝。32歳231日でベスト8進出果たしたCL史上最年少監督となりました。リーグ戦は3位でフィニッシュしています。

 4-2.戦術とマネジメント

「戦術ヲタク」としても知られるナーゲルスマン。トゥヘルの元で指導者としてのキャリアをスタートさせ、ラングニックのDNAを受け継ぎ、クロップの戦術を昇華させ、ペップに憧れる現代サッカーの申し子です。

戦術的特徴はゲーゲンプレス、ポジショナルプレー、3バックからの可変システムなどが挙げられます。ボールを失ったら素早く相手を囲い込んでボールを奪い返し、ゴールを目指すゲーゲンプレスが基本戦術です。しかし同時にポジショナルプレー的な要素も多く含んでおり、ボール保持の場面でも最適なポジションを取る事で、攻守が切り替わった時のゲーゲンプレスの効果を増大させています。クロップのゲーゲンプレスとペップのポジショナルプレーの概念を融合させた戦術と言えるかもしれませんね。

ナーゲルスマンは基本フォーメーション を3-5-2にしていますが、対戦相手によって4-2-2-2なども使います。また試合中に可変するのも当たり前で、攻、守、ポジトラ、ネガトラの曲面で、最適な配置を常に取るように計算されています。非常に綿密でシステマチックなサッカーをするのも一つの特徴です。

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マネジメントについては「コーチングの3割が戦術であり、残りの7割は社会的な能力だ」と過去に語っているように、集団の中でのコミュニケーション能力を重視します。試合中の「声掛け」を積極的に行いチームの意思を統一。緻密な戦術を高いレベルで遂行するためのツールとしています。

ナーゲルスマンのもう一つの特徴はテクノロジーを使った戦術分析や映像分析です。5-0で敗れたユナイテッド戦の後も分析チームと何が悪かったのか分析すると言っていましたね。

4-4.ユナイテッドにふさわしいか?

ポチェティーノ、アッレグリと共にユナイテッドが次期監督候補にリストアップしたと報じられているナーゲルスマン。個人的にも将来的にユナイテッドを率いてほしい監督のNo.1なのですが、現実はそう簡単にはいかないでしょう。

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ナーゲルスマンのサッカーは頭も身体も酷使するハイエナジーなサッカーです。今のユナイテッドのメンバーには少し辛いかもしれませんね。戦術もかなり緻密に落とし込まれるので、ユナイテッドには少しハードルが高いですし、結果が出るまで時間も掛かると思います。サポーターやメディア、クラブOBやフロントがどこまで我慢できるか、そこも問題になりそうです。

若手の育成には定評のあり、チームコンセプトに合った選手を獲得するのにも長けている監督で将来性も抜群。クロップやペップのように「名将」となるのは間違いないでしょう。ライプツィヒの次にはビッグクラブへ移る可能性が高いと思いますが、ユナイテッドが選ばれるのか...。本人はバイエルンに行きたがっているという記事もありましたが果たして...。

最後にナーゲルスマンのマネジメント哲学を表す言葉を引用しておきます。

トップレベルのチームには、良好な心理的な状態が求められる。そうすれば、戦術に適応しながら高いレベルのパフォーマンスを発揮可能だ

👿まとめ

いかがでしたか?

今回は次々と優秀な指導者を輩出するドイツから2名取り上げました。どちらも戦術に長けた監督で、そこが最大の売り。戦術的な戦いをするユナイテッドが見たい筆者にとっては2人とも魅力的なのですが、厳しすぎる戦術はユナイテッドにはまだちょっと早い?かもしれませんね...。しかしこれをやっていかないと安定した成績は残せないと思うので、フロント陣やサポーターにも覚悟が必要になります。

この両指揮官とはCLでユナイテッドと対戦しますのでその采配にも注目したいですね。

前回と合わせて4名の新監督候補を取り上げましたが、皆さんはどの監督にユナイテッドを率いてほしいですか?どの監督も優秀ですが、どんな監督が来ても今のフロントの体制は変えてほしいですね。やはりサッカーに精通したSD(スポーツダイレクター)なりTD(テクニカルダイレクター)なりを置くべきです。監督の手腕を存分に発揮させるにはこの事が不可欠だと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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