【20-21PL第10節】サウサンプトンvsマンチェスター・ユナイテッド マッチレビュー

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こんにちはMasaユナイテッドです。

プレミアリーグ第10節 アウェイでサウサンプトン(セインツ)と対戦したユナイテッド。試合はセインツが前半セットプレーから2得点しリードしますが、後半ユナイテッドは途中出場のカバーニが躍動。ブルーノのゴールと「エル・マタドール」カバーニの2得点で劇的な逆転勝利を収めました。

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。

www.manutd.com

今回はこの試合のマッチレビューです。

以下項目です。

👿ラインナップ

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サウサンプトンvsユナイテッド ラインナップ

ベンチメンバー
サウサンプトン:フォスター、ステフェンス、ディアロ、テッラ、ヌルンドゥル、ロング、オバフェミ
ユナイテッド:ヘンダーソン、ウィリアムズ、フォス=メンサー、トゥアンゼベ、ジェームズ、マタ、カバーニ

①前半~持ち味を発揮したセインツ~

CLライプツィヒ戦で使用した中盤ひし形の4-3-1-2で試合に臨んだユナイテッド。4-2-2-2とライプツィヒと同じシステムを使うハーゼンヒュットルのセインツに対して中盤で数的不利にならないためのシステムともいえました。

ひし形の中盤で問題になるのがサイドの厚み。大外のレーンにはSB1枚になるのでここのケアが必要になります。ユナイテッドはライプツィヒ戦と同様にIH(インサイドハーフ)のファン・デ・ベークとフレッジがセインツのSBに出ていく形を採用。その分薄くなる中央を埋めるため、ボールサイドにチーム全体を圧縮するやり方でバランスを取ります。

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セインツのビルドアップに対しては、2枚のCBに対してラッシュフォードとグリーンウッドの2トップが正対。落ちてくるボランチの1枚(ロメウかウォード=プラウズ)にはブルーノが対応します。そしてSBにボールが出たところでIH(ファン・デ・ベークとフレッジ)が迎撃に。立ち上がりから積極的にハイプレスを仕掛けるユナイテッド。

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ユナイテッドのプレスシステム

一方のセインツもドイツ仕込みのゲーゲンプレスが売りのチーム。ユナイテッドのビルドアップに対しては2トップと2WGで中央を圧縮して、マティッチとフレッジを封鎖。第1プレスラインを越えられると4-4-2の中盤フラットの並びで横幅をコンパクトにしてブロックを作ります。

セインツのCBウーデゴーアはブルーノやグリーンウッドにボールが入ると強めに迎撃に出ていき、そのカバーを左SBのバートランドがおこなっていました。そこを突いたのがグリーンウッド。6分にはダイアゴナルのランニングでウーデゴーアの背後を取り決定的な場面を作ります。

さらにグリーンウッドは時間の経過と共にポジションを下げ気味に。ハーフスペースにポジションを取る事でウーデゴーアとロメウに選択を迫ります。30分のマッカーシーのパスミスからの決定機も決められず、前半で交代させられたグリーンウッドですが、プレスと守備意識に関しては評価できると思います。グリーンウッドが右サイドに守備に関与することでフレッジは落ちてボランチになる事も出来ていました。

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グリーンウッドの動き

前半の20分まではトランジッションで鋭さのあったのはユナイテッドの方。サイドのプレスも組織的に掛かっていましたし、セインツにチャンスを作らせませんでした。少なくとも20分まではスールシャール監督の戦略通りに試合は運んでいたと思います。ただいくつかあった決定機を決められずに、23分にコーナーからベドナレクにゴールを決められ失点します。

そして先制後インテンシティ―を強めたセインツは、ゲーゲンプレスでユナイテッドを自由にさせません。アームストロングのマティッチの脇を使う動きと、左WGのジェネポのドリブルの仕掛は徐々にユナイテッドの4-3-1-2を機能不全にさせていきました。

33分にはそのジェネポをフレッジが倒してFKに。これを右足の精度がベッカム並みのウォード=プラウズに直接決められ2失点目を喫します。バシャクシェヒル戦に続いて同じようなところにFKを決められたデ・ヘアを批判する向きもあるようですが、ウォード=プラウズの精度に脱帽ですね...。

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ゲーゲンプレスとウォード=プラウズのキック精度。ベドナレクのヘッドの強さ、ジェネポの突破力。持ち味を存分に発揮したセインツが2-0とリードして前半を終えます。

②後半~「エル・マタドール」躍動~

2点ビハインドとなり、スールシャール監督は後半開始と同時に修正に出ます。グリーンウッドに代えてカバーニを、2失点目のFKで膝の打撲を負ったデ・ヘアに代えてヘンダーソンを投入します。フォーメーションはわかりにくかったですが、ブルーノ左、ラッシュフォード右、ファン・デ・ベークトップ下の4-2-3-1に変更したと思います(4-3-3ぽくも見えましたが...。)

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ユナイテッドの後半フォーメーション

50分には左サイドのブルーノからラッシュフォードに決定的なパスが出ますが、キーパーに阻まれて得点ならず。左サイドに出たブルーノの効果が早速出た形となりましたが、その直後ファン・デ・ベークが左、ブルーノがトップ下に変更しています。後半この2人はポジションチェンジを繰り返し、いわばダブルトップ下のような形を作りますが、個人的には連携が合っていない場面が気になりました。前半41分のブルーノのスルーパスのシーン。74分と82分にも2人の意図が合わないシーンがありました。クオリティの高い2人だけに、連携が合って来れば強力な武器になるはずです。今後に期待ですね。

後半ユナイテッドはビルドアップのやり方も変更しています。マティッチが左CBに落ちて、テレスを高い位置に上げる形です。これまでも何度か見せている形で、プレス回避には効果の見込めるやり方です。その他にもフレッジがCB間に落ちる形もありました。

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ユナイテッドの後半ビルドアップ

しかし、最も効果的だったのはカバーニです。58分にクロスでブルーノのゴールをアシストしましたが、パスコースを切りながらの前線のプレスの動き、ビルドアップ時にサイドに流れてボールを引き出す動き、ボックス内で相手ディフェンダーの裏を取る動き直しなど、正にこれまでユナイテッドの前線に足りなかった動きを随所に見せました。マグワイアも試合後称賛していましたが、これこそがストライカーの動き。マルシャルやグリーンウッド、ラッシュフォーには是非とも学んでほしいですね。

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一方のセインツの方は後半になり1点返されても基本的なやり方は変えず。71分に前線にシェーン・ロングを入れてプレスを強めようとしますが、逆に73分にユナイテッドのコーナーからブルーノがシュート。これをカバーニがダイビングヘッドで合わせて同点にします。その後、セインツは疲労から動きにシャープさがなくなっていきます。

そして迎えた93分、セットプレーからラッシュフォードがゴール前へ速いクロス。これをカバーニが頭で合わせて逆転ゴール!劇的な逆転勝利でユナイテッドが勝利しました。

👿まとめ

劇的な逆転勝利で公式戦4連勝アウェイのリーグ戦8連勝。そのうち今シーズンの4勝は全て逆転勝利となったユナイテッド。前半はセインツが自分達の武器をしっかり使いこなしリードしますが、気持ちが切れる事無く粘り強く攻め続け、逆転したユナイテッドに成長を見ることができました。

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繰り返しになりますが、カバーニの存在はこれまでのユナイテッドの課題を一気に解決できるだけの可能性を秘めています(言い過ぎww)。引いた相手に対して崩せないユナイテッドですが、カバーニの前線での動きは相手ディフェンダーにとってかなり厄介です。落ちて受ける事もサイドに流れて受ける事もできるので、ビルドアップに難のあるユナイテッドにとってはかなり役立つはず。そして「ザ・ストライカー」の決定力。毎試合フル出場は無理があるかもしれませんが、ユナイテッドの大きな武器になってくれると思える試合でしたね。

そしてファン・デ・ベーク。前半はIHで攻守に渡って貢献し、後半は2列目に移り攻撃にスピードとリズムをもたらしました。ボールを失わない技術もさることながら、注目したいのはそのハーフスペースを使う動き。これも今までのユナイテッドの選手が苦手としている動きですが、ボックス内のハーフスペースやチャンネルを突く動きはやはり効果的。彼のインテリジェンスの高さを物語っていましたね。ポゼッションロストはわずかに12回。10回のボールリカバリー、地上デュエルは12回(内7回勝利)を記録しました。

今節もゴールを決めたブルーノ。ユナイテッドでアウェイのリーグ戦で5試合連続ゴールを決めた4人目の選手となりました(ファン・ニステルローイ、ファン・ペルシ、イブラヒモビッチに次ぐ)。終盤は疲れも見えましたが随所に精度の高いパスでチャンスメイク。アタッキングサードでのパスは最多の29本をマークしています。

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サウサンプトンvsユナイテッド スタッツ
出典:プレミアリーグ公式
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試合結果
出典:ユナイテッド公式

この結果ユナイテッドは9位に浮上。徐々に各選手のコンディションは上がってきてチーム状態は良くなっています。しかし、今節デ・ヘアとテレスが負傷。ショーを始めポグバとマクトミネイ、マルシャルと離脱者が多くなっているのは気掛かりですね...。

次節は、CLパリ戦を挟んでプレミアリーグ第11節ロンドン・スタジアムでのウェスト・ハム戦 12月6日(日)2:30キックオフ

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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