【UEFAチャンピオンズリーグ】RBライプツィヒvsマンチェスター・ユナイテッド 4つの敗因

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こんにちはMasaユナイテッドです。

UEFAチャンピオンズリーグ グループステージ6回戦 アウェイ、レッドブル・アレーナでRBライプツィヒと対戦したユナイテッド。引き分け以上でグループステージ突破となる大一番。

試合は開始2分でライプツィヒがアンヘリーニョのゴールで先制を許し、さらに13分にもハイダラに追加点を許す苦しい展開に。ユナイテッドは後半システム変更とファン・デ・ベークとポグバの投入で流れを引き寄せますが69分には手痛い3失点目を献上。なんとしても同点に追いつきたいユナイテッドは猛攻に出てブルーノのPKとオウンゴールで2点を返します。しかし力及ばず...3-2で敗戦となりました。

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。

www.manutd.com

今回はこの試合の敗因を4つ取り上げます。

以下項目です。

 👿ラインナップ

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ライプツィヒvsユナイテッド ラインナップ

ベンチメンバー
ライプツィヒ:ツァウナー、マルティネス、ハルステンベルグ、マルテル、ウォズ、アダムス、クライファート
ユナイテッド:グラント、ヘンダーソン、トゥアンゼベ、ウィリアムズ、フォス=メンサー、バイリー、マタ、ポグバ、リンガード、ジェームズ、ファン・デ・ベーク、イガロ

①試合の入り

試合開始わずか2分での失点。まず最初の敗因はこの事を取り上げます。

ユナイテッドはこの試合3-4-1-2のフォーメーションで臨みました。ボール非保持時には5バックになり5-3-2でリトリートディフェンスビルドアップでは4-2-3-1に可変するやり方を採用したユナイテッド。3-1-4-2両ウィングバックを高い位置に上げるライプツィヒに対して、引いて守ってカウンターを狙うのがユナイテッドのゲームプランでした。その為に、まずは失点しない事が重要でしたが、開始わずか2分でそのゲームプランは崩壊しました。

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失点シーンは典型的なライプツィヒの崩しのパターン。ボールサイドでオーバーロードを作り、逆サイドのアイソレーション側に展開する形。右サイドのサビツァーからのアーリークロスに逆サイドからボックス内にランニングしたアンヘリーニョがダイレクトでシュートし、ゴールを決めました。

失点の要因はサビツァーに誰もプレッシャーを掛けなかった事と、アンヘリーニョをワン=ビサカ がケア出来ていなかった事です。サビツァーにマッチアップしているのはマティッチでしたが、この時は2トップに入ったオルモが降りる動きをします。それに気を取られてマティッチは動きを止めてしまいました。本来なら後ろにショーが控えているので、オルモはショーに任せてサビツァーに詰めていくべきシーンでした。

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1失点目

ワンビサカ は3CBの左側へのスライドに付き合って中央へ。クロスの瞬間、リンデロフの背後に走り込んだフォルスベリに対応しようとしてアンヘリーニョをフリーにしてしまいました。

またしても先制を許したユナイテッド。これで今季18試合中10試合で先制を許したことになります。引いて守ってカウンターを狙うのは良いのですが、受け身になり過ぎてボールホルダーをフリーにさせてしまう事が要因の1つではないでしょうか?ライプツィヒ戦の入りも正にこれでしたね。

②5バックの守備

2つ目は、①と大いに関係していますが、スールシャールの用意した5バックシステムが全く機能しなかった事です。13分にもワイドに揺さぶられ、右ウィングバックのハイダラに2点目を決められました。

ライプツィヒの崩しは幅を取るウィングバックが特徴で、これに対応する為の5バックであったはずが、ボールと逆サイドの選手に対応出来ずに2失点しています。

ユナイテッドの3CBはライプツィヒの2トップと対峙します。ここでは数的優位の状況。ユナイテッドのウィングバックはライプツィヒのウィングバックに対応する形が基本的な5バックの立ち位置です。1失点目の後、思い出したかの様にショーはライプツィヒの縦パスに対して激しく迎撃に出ていく様になります。特にサビツァーに対してはかなり執拗に行っていて、これが準備していた守備的アクションだったのは間違いないでしょう。

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ユナイテッドの5バック

ライン間を一度経由するのもライプツィヒの特徴なので、これを消す為に1枚余るCBが出て行く形を取ったのだと思います。さらに3CBはボールサイドにスライドして、ライプツィヒのスペースを消すこともプランニングされていました。しかし2失点目は、ショーがサビツァーの迎撃に出ていき、それでできたスペースをフォルスベリに使われ、それに対応したテレスの背後からハイダラにフリーで侵入され失点してしまいました。

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このシーンでもマティッチが働いておらず、また、ショーの自由度の高い動きが逆にマークの混乱とギャップを生み出しており全く機能していませんでしたね。試合後のスールシャール監督のコメントからサイドの攻撃とダイアゴナルの動きを警戒していたことは確かですが、どこまで選手たちに戦術の落とし込みができていたのか、どこまで選手が理解できていたのか甚だ疑問です。

最初の対戦のように、ライプツィヒのお株を奪うような激しいプレッシングで主導権を渡さない戦い方もあったと思います。

*前回対戦の記事はこちら

【20-21UEFAチャンピオンズリーグ】マンチェスター・ユナイテッドvsRBライプツィヒ マッチレビュー
20-21チャンピオンズリーグ RBライプツィヒ戦のマッチレビュー!

しかし、マルシャル とカバーニの負傷離脱という状況が、この少々積極性に掛ける5バックという選択になった部分もあるでしょう。それもわかりますが15分までに2失点。しかも警戒していた筈の形で失点したという事実はこの戦術か完全に失敗だったという証拠となってしまいました。

③ライプツィヒのプレスとブルーノ封じ

3つ目はライプツィヒの戦術

ボール保持時は3-1-4-2、撤退守備は5-3-2で対応していたライプツィヒ。徹底していたのはユナイテッドのビルドアップを自由にさせない事とユナイテッドのファイナルサードで中央を使わせない事

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ビルドアップに関しては2トップがユナイテッドのセントラルミッドフィールダーへのパスコースを切りボールをサイドに誘導。ボールが出た所をウィングバックがプレスに行きます。それを合図にボールサイドのパスの出しどころは全て人を付けます。ボールホルダーに対する寄せもかなりタイトだったので、ユナイテッドは思うようにビルドアップできず特に前半は苦しみました。

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ライプツィヒのプレッシング

後半のライプツィヒはリトリートする事も増えますが、中盤の3枚はコンパクトに構えて中央を閉鎖。特にここを使いたいブルーノに対してはカンピルがマンマーク気味に対応。その結果ブルーノはサイドに流れる事が多く、ゴール近くでのプレーを封じられた事も痛かったですね。

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ライプツィヒの中央の守備とブルーノ封じ

ライプツィヒはとにかくユナイテッドがサイドにボールを出すようにしていました。サイドからクロスを上げられるのはOK。なぜなら中で合わせるタイプのFWをユナイテッドは有していなかったからです。

流石に後半80分過ぎからライプツィヒも疲労で足が止まってきますが、前線2枚は後半に選手交代していて前からのプレスは最後まで掛け続ける事が出来ていました。そして前線にフレッシュな選手を置いておくことでカウンターも狙えるようにしていたのは流石ナーゲルスマン監督です。

④謎の選手交代

最後の敗因はユナイテッドの選手交代です。

ユナイテッドは後半頭にテレスに変えてファン・デ・ベークを投入します。システムは4-2-3-1に変更し、ブルーノが左に出てファン・デ・ベークはトップ下に。この交代と61分のポグバの投入は反撃の狼煙となります。スペースに入り込むのが得意なファン・デ・ベークはハーフスペースへの侵入でライプツィヒのバックラインを下げさせ、ポグバは中盤の後方からボールを前へ進めるタスクを担いました。これによりライプツィヒのライン間にギャップができ、ブルーノやグリーンウッドが中に入り込めるようになります。圧倒的にゲームを支配するようになり、80分にはPKで、82分にはコーナーから2点を奪いました。そういう意味ではこの交代は正解です。

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しかし敗因となったのは3人のディフェンス陣の交代です。45分にウィリアムズ、77分にはトゥアンゼベ、フォス=メンサーの2人を、それぞれ同ポジションのリンデロフ、ワン=ビサカに代えて出場させました。是が非でも3点(77分の時点で)が必要な状況で、ディフェンスラインの交代に踏み切った理由は何だったのでしょうか? 

将来の為にCLを経験させたかったのでしょうか?ショーは怪我から復帰したばかりなので分かる気もしますが、攻撃の選手を入れてテレスをSBに下げればよかったですし、リンデロフは?ワン=ビサカは?パフォーマンスに不満だった?自陣に引きこもっているライプツィヒ相手に交代の必要があったのでしょうか?

ベンチにはまだ攻撃の選手が4人(マタ、リンガード、ジェームズ、イガロ)控えていました。ディフェンスを最低1枚減らして攻撃の選手を入れるべきだったと思います。だからといって3点目が決まったとは言えませんが、不可解な選手交代でした。

👿まとめ

戦術的な敗因4つを上げましたが、このほかにも3失点目のデ・ヘアの対応決定機を決められなかった事。ライプツィヒGKグラーチの活躍やフレッジ、カバーニを欠いた事なども敗因として上がられると思います。ひどい前半から後半の巻き返しはもはやユナイテッドの定番となった感がありますが、どの試合も慎重に入りすぎて相手にプレッシャーが掛からず先制を許し、こちらは決定機を決められないというパターン。

選手交代などで流れを変えて逆転に繋げてきましたが、ヨーロッパの戦いはそんなに甘くなかったという事でしょう。スールシャール監督が用意したシステムと戦術は1つの策としては間違ってなかったと思います。しかし1失点目の時点で、用意したことが選手に浸透していないのは明らかでした。その時点でなんらかの修正が必要だったと思います。

個の能力に依存したサッカーには限界があるという事を、良く戦術が落とし込まれ組織立ったサッカーを展開したライプツィヒに見せつけられた試合となりました。

悔しい敗退ですが、1人気を吐いたグリーンウッドや後半途中出場したウィリアムズなどの若手にとっては更なる成長の糧になると思います…。

スタッツはこちら

www.uefa.com

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試合結果
出典:ユナイテッド公式

この結果ユナイテッドはグループステージで敗退となりました。チャンピオンズリーグからは退きヨーロッパリーグに回ることになり、12月14日にラウンド32の組み合わせ抽選会が行われ対戦相手が決定します。

そして今週末12月13日(日)にはマンチェスター・ダービー!この悔しい敗戦からの挽回に期待しましょう!昨シーズンの再現を!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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