こんにちはMasaユナイテッドです。
プレミアリーグ第12節 ホームでマンチェスター・シティとのダービーマッチを戦ったユナイテッド。試合開始からユナイテッドが組織されたプレスとビルドアップで主導権を握ろうとします。しかし24分と35分に決定機を迎えたのはシティ。これをジェズスとマフレズは決められず0対0で前半を終えます。後半になっても両者譲らず互角の戦い。67分にデ・ブライネが決定機を迎えるもこれも決められず。ユナイテッドも計11本のシュートを放ちますがゴールを奪うには至りませんでした。シーズン最初のマンチェスター・ダービーはスコアレスドローに終わっています。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。
今回はこの試合のマッチレビューです。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:ヘンダーソン、バイリー、テレス、マティッチ、ファンデベーク、マタ、マルシャル
シティ:ステファン、メンディ、ラポルト、フォーデン、ギュンドアン、シルバ、フェラン・トーレス
①前半
1-1.ユナイテッドのボール保持
ユナイテッド、シティ共に4-2-3-1のフォーメーション で臨んだ一戦。海外サイトなどではユナイテッドのフォーメーションは4-3-1-2になっているところもありますが、ポグバとグリーンウッドのポジションからするとボール保持時は4-2-3-1、非保持は4-4-2、限定的に4-3-1-2といった感じです。
ユナイテッドのビルドアップから見ていきます。キーパーからのビルドアップ時、両CBのマグワイアとリンデロフはライン深くに開いてポジショニングします。そこから基本的には右サイドのワン=ビサカにボールを繋ぎます。それに対してシティは4-4-2に可変。デ・ブライネとジェズスがユナイテッドのセントラルミッドフィールダーを隠しながらCBにアプローチ。ワン=ビサカ にはスターリングがマクトミネイへのパスコースを切りながらプレスを掛けます。
ワン=ビサカ はマクトミネイにパスを出せないので右サイドに流れてくるブルーノにパスを出します。右ウィングのグリーンウッドは高い位置をとってカンセロをピン止め。ブルーノが入ってくるスペースを作ります。このブルーノに釣り出される形となったのが、マッチアップしたロドリ。そのロドリの開けたスペースをポグバが左サイドから入ってくるというのがユナイテッドのビルドアップのデザインでした。

ユナイテッドは後方からの繋ぎをほぼ90分間続けていて、いつにも増してボールを保持しようとする意図が表れていましたね。前からプレスを掛けてくるシティをワンタッチパスで素早くボールを回して回避。シティをカウンターではなく、ポゼッションで揺さぶろうとするスールシャール監督の狙いが見えましたが、決して得意としていないビルドアップを手段に選んだのはかなり意外でした。
1-2.シティのボール保持とユナイテッドのプレス
一方のシティもボール保持の場面では基本的に4-2-3-1。後方からのビルドアップ時にはロドリ、又はフェルナンジーニョが、CB間に落ちて3-4-3(3-3-1-3)に可変。3人+GKエデルソンでビルドアップを開始し、カンセロとウォーカーの両サイドバックを高い位置へ押し上げます。
それに対してユナイテッドは3CBにはフロント3でプレスにいきます。ブルーノは1人残ったシティのボランチへのパスコースを切りながらアプローチ。グリーンウッドもCBへプレスに行くので、カンセロにパスを出されるとワン=ビサカ が迎撃に出ていきます。その背後でフリーになるスターリングにはマクトミネイかリンデロフが付きます。ちなみにこの高い位置でのプレッシングの時は4-3-1-2になります。

シティは右サイドに展開する時はウォーカーが大外に出てマフレズが中盤に降りて受けにきます。中央ではデ・ブライネがボランチまで降りてもらう形やジェズスが下がってくる形もあり、明らかにシティの方がビルドアップのバリエーションは豊富でした。しかしユナイテッドはハイ(4-3-1-2)、ミドル(4-2-2-2)、ロー(4-4-2)と3つのフェーズでのブロック守備が組織されており、効果的にシティに圧を掛けられていました。
1-3.裏をかいたユナイテッド
ここ最近の試合では、入りが緩慢で先制される展開の多かったユナイテッドですが、今回は主導権を握り、(24分ジェズス、35分マフレズの決定機はありましたが...)シティを、特にデ・ブライネを自由にさせない事に成功していたと思います。前半の支配率はユナイテッド47%シティ53%。シュートはユナイテッド7本、シティ4本。ゴール期待値は20分頃まではユナイテッドが上回る数字でした。カウンターを警戒してダブルボランチにして重心を下げたシティ。ポゼッションに拘ったユナイテッドは裏をかくことに成功した前半でした。
②後半
2-1.ユナイテッドの修正
後半、ユナイテッドはビルドアップの形を少し変更します。マクトミネイをCB右脇に落としてビルドアップする形。これまでも何度もやっている形ですが、前半はデ・ブライネを自由にさせない事を優先したためマクトミネイは中盤から動きませんでした。前半はスターリングとジェズスにパスコースを切られビルドアップに加わることが難しくなっていたマクトミネイ。後半はCB脇に降りる事でボールを持つことができ、ワン=ビサカを高い位置へ押し上げることが出来ていました。

もう一つ、後半50分頃から、ポグバとブルーノはポジションをしばらくの間入替えています。4-2-3-1の時はポグバがトップ下でブルーノ左。4-4-2のリトリート時はラッシュフォードとグリーンウッドの2トップにポグバが右に出る形でした。前半はほとんどを右サイドから前進していたユナイテッドですが、この変更により左サイドからもボールを前進させようとします。
2-2.シティの修正
ユナイテッドのポジションチェンジに伴ってかどうかはわかりませんが、シティもロドリとフェルナンジーニョのポジションを入替え。基本的にはロドリがブルーノに付くようにしていたと思いますがビルドアップ時にはフェルナンジーニョを左CB脇に落としていたので、戦術的に左右を入替えた可能性もあると思います。
シティの後半の修正は右サイドに顕著でした。66分にマフレズに代えてフェラン・トーレスを投入。中に絞ることの多かったマフレズに対してフェラン・トーレスはワイドにポジションを取ります。そしてインナーレーンをウォーカーが使う形に変更。ビルドアップではウォーカーをボランチに入れる偽SBの形も見られました。

トーレスはショーをワイドに吊り出し、デ・ブライネに、より多くのスペースを作る事を狙います。更に左側を強めたユナイテッドを抑える効果もあったと思います。この交代は功を奏し、トーレス投入後はシティが攻勢に出ました。後半それまでの支配率は五分五分でしたがトーレス投入後10分間はシティが59.4%とゲームを支配します。67分にはデ・ブライネに決定機もありましたね。
2-3.動かなった両者
しかしユナイテッドはマグワイア、フレッジ、ショーが何とかこれに対応。デ・ブライネは最多の3本のキーパスを放ちましたが最後まで決定的な仕事はできませんでした。ユナイテッドも74分にマルシャルを投入しただけ。両指揮官共にカードを切ったのは1枚のみ。最後はブルーノがゴールに迫りますがお互いに状況を打開する事ができず、20-21シーズンのマンチェスター・ダービー1回戦はスコアレスドローに終わりました。
👿まとめ
この試合を、熱量の少ない退屈な試合と見る事もできます。通常のダービーあればもっと激しい接触プレーも多く、カードが飛び交い、観客もヒートアップして選手達を煽りまくる。そういう状況の中で最高のプレーが繰り広げられる。それこそがダービーの醍醐味なのは間違いありません。
今回のダービーは決定機も少なく(シティの3回のみ)、イエローカードも2枚だけ。両指揮官共にバランスを崩すことを嫌い、交代も1枚のみ。おまけにユナイテッドはCLの疲れがあり、シティは未だ本調子ではない...そういう面を見れば確かにつまらない試合だったのかもしれませんし、お互いが勝ちにいかなかったかのようにも見えると思います。
しかし個人的には局面局面が非常に見ごたえがあり、あっという間に90分が過ぎていました。特にお互いのビルドアップとプレス回避の攻防はかなりレベルが高かったように思いました。意外だったのはユナイテッドがポゼッションにこだわりを見せた事と、ペップが最後まで重心を上げなかった事。
先に「バランスを崩すことを嫌い」と書きましたが、両軍ともにうかつにバランスを崩せなかったという方がしっくりきます。特にシティのユナイテッドのカウンターに対する警戒は相当なものだったと思います。ダブルボランチで臨んだ事もそうですし、後半に前掛かりにならなかった事もそうです。前掛かりになった瞬間にユナイテッドはカウンターに切り替えたでしょう。スールシャール監督は後半はそれを狙っていたと思います。
相手の長所を消すために、自分たちの長所も消した両チームの試合
と言えるかもしれません。キーマンであるブルーノとデ・ブライネは終始思うようにプレーさせてもらえませんでした。そしてお互いに守備の面が素晴らしかった1戦でしたね。

出典:プレミアリーグ公式

出典:ユナイテッド公式
この結果ユナイテッドは、首位スパーズと勝ち点5差の8位。
次節は12月20日(金)5:00からブレイモール・レーンでのシェフィールド・ユナイテッド戦。最下位ブレーズに足元をすくわれないように!カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント