こんにちはMasaユナイテッドです。
プレミアリーグ第20節はホーム、オールド・トラッフォードで、今シーズンわずか1勝で最下位に沈むシェフィールド・ユナイテッド(以下ブレーズと表記します)と対戦したマンチェスター・ユナイテッド(以下ユナイテッドと表記します)。試合は開始からユナイテッドが圧倒的にボールを持つ展開でしたが、23分にコーナーからブライアンに押し込まれ先制を許します。反撃に出るユナイテッドも64分にコーナーをマグワイアがヘディングで突き刺して同点とします。その後カバーニを投入して逆転ゴールを目指しますが、逆に緩慢な守備対応からバークに決められホームで1-2の敗戦となりました。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。
今回はこの試合の敗因を4つ取り上げます。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:ヘンダーソン、ショー、リンデロフ、フレッジ、マクトミネイ、マタ、ファンデベーク、ジェームズ、カバーニ
ブレーズ:フォダリンガム、ボーグル、ロウ、バーク、ムセ、ブリュースター
①メンタリティ
1つ目の敗因はメンタリティ。
ブレーズ戦の3日前に、リバプールとFAカップ4回戦で死闘を繰り広げたユナイテッド。劇的な逆転勝利を飾っていました。そして迎えた最下位ブレーズとのゲーム。これまでわずかに1勝しか上げていない相手との試合とあって、試合に対するモチベーションが問われる1戦でもありました。
リバプール戦のような強度の高い試合の後では、集中力やテンションを保つのが難しいことはよくあります。ましてや最下位のチームが相手となれば、「普通にやれば勝てるでしょう」という周囲の楽観ムードもありますし、もしかしたら選手の中にもそう考えていた選手がいたかもしれません。
そういった事も考慮して、スールシャール監督はリバプール戦の先発から6人変更したと思いますが、フレッシュなはずのマティッチ、ブルーノ、マルシャル、テレス、トゥアンゼベも充分なシャープネスを発揮できていませんでした。つまりは、フィジカル・コンディションの問題ではなく、メンタルのインテンシティの問題だという事です。
イーブンボールの競り合いや、陣形をコンパクトに保てなかったり、反応が遅れて後手に回ったり、一瞬の差でボールに届かないといった現象は、メンタルのインテンシティの影響も大いにあります。それが如実に表れたのは2失点目のシーンでしょう。
これは「誰が」気の抜けたプレーをしたかといった個人の責任ではなく、チーム全体を覆う空気感みたいなものだと思います。そいった意味でも、無観客でなければ起こりえなかった結果かもしれません。ホーム、オールド・トラッフォードの大観衆が見守っていれば、チームを勇気付けることはもちろん、あんな緩慢なプレーを許してはくれなかったでしょう。
②緩慢な守備
2つ目はその緩慢な守備対応です。
前半23分にまたしてもセットプレーからの失点を喫したユナイテッド。これでリーグ戦トータル8ゴール目のセットプレーからの失点で(29.6%)、リーグで5番目に多い数字となりました。シャープはデ・ヘアのパンチングを邪魔しているようにも見え、判定の問題もありますが、ブレーズはセットプレーを狙っていたでしょうし、ユナイテッドは警戒していたはずです。
そして大問題だったのは2失点目。マルシャルの敵陣でのボールロストからゴール前に運ばれ、いったんはデ・ヘアがクリアしますが距離が出ていない上に相手に渡してしまい、最後はバークに誰もしっかり寄せる事が出来ずにシュートを打たれ、トゥアンゼベに当てってゴールに入りました。
スールシャール監督も試合後に「お粗末な失点」と言及しファーディナンドはこのシーンを見事に解説してくれています(情報局さんの記事を拝借)。
確かに、デ・ヘアのクリア、マティッチの寄せ方、テレスの甘さも気になりましたし、ボックス内にあれだけユナイテッドの選手がいるのにフリーでシュートを打たれている事は驚くべき状況です。しかしマルシャルの怠惰な守備は最も印象が悪かったですね。なぜ自分がロストしたにも関わらず、ジョギングで戻れるのか?戻ってもボールホルダーに全くプレッシャーを掛けにいかないのはなぜなのか?失点はマルシャル1人の責任ではないですが、この試合を通して緩慢なプレーが見られ、普段の守備意識の低さと、今シーズンまだ2ゴールしか上げられていない状況もあり批判が集中しました。
スールシャール監督に優遇されているマルシャルですが、今日の批判を覆すには相当なハードワークとゴールという結果が求められることになります。
③精彩を欠いた攻撃
3つ目の敗因は精彩を欠いた攻撃陣です。
ユナイテッドはこの試合、64分のコーナーからマグワイアがヘディングで決めたゴールのみ。30分にマルシャルのゴールを無効とされ取り消されていますが、これもコーナーから。この試合のユナイテッドはオープンプレーからはそれほど多くのチャンスを作れませんでした。
かなり深いディフェンスラインで5-3-2のブロックを作るブレーズを崩せませんでしたが、ユナイテッドは中盤の「3」の両脇を使いたかったはずです。しかしブレーズの中盤の3枚はリバプールの中盤並みにボールサイドにスライドを繰り返し、その脇のスペースを上手く消し続けました。
前半、ブレーズは意図したかはわかりませんが、極端なまでの左過多(ユナイテッドの右)のボール保持を見せます。そしてネガトラの場面では素早く寄せて逆サイドへの大きな展開を阻止しました。
ユナイテッドのストロングポイントである左サイドを使わせないようにしたと思いますが、前半はかなり上手くいったと思います。実際前半のユナイテッドのボール保持は右サイドが多く、グリーンウッドが前半目立っていましたね。
さらにこの試合ショーではなくテレスを起用した事もいつもより左サイドでの前進が見られなかった要因です。後半はこれを修正する為にマティッチをCBに落としてビルドアップする場面が増え、徐々に左サイドから侵攻できるようになりました。
しかし、こういった相手を力でねじ伏せる能力が今のユナイテッドにはあるはずです。ブレーズ戦でできなかったのは、やはり前線の選手のシャープネスの欠如が大きいと思います。リバプール戦、凄まじいまでの活躍だったラッシュフォードは消え、好調のポグバもいつもより元気がありませんでした。頼みの綱であるブルーノは、キーパス3本、ショットクリエイションアクション最多の7回を記録しましたが、決定的な仕事をするには至りませんでした。
そしてマルシャル は…。
ボール支配率75%でxG(ゴール期待値)0.99のユナイテッド。カバーニとショーの投入も実らず、攻撃陣は多くのチャンスを作れませんでした。
④マネジメント
最後の敗因はスールシャール監督のマネジメントです。
前半先制を許した状況で、後半頭での選手の交代はしませんでした。そして66分にグリーンウッドに替えてカバーニを投入しています。前半1人気を吐いていたグリーンウッドを下げたのは少し疑問が残ります。やはり下がるべきは、やる気の感じられないマルシャルだったと思いますね。
もっと言えば、後半頭からカバーニを投入して欲しかったです。ハーフタイムで準備万端でしたし可能だったと思います。
そして、緩慢な守備を修正する為にマティッチに変えてフレッジを投入しても良かったかなと…ブレーズもそれほど攻める時間があったわけではないのですが、フレッジなら中盤でもっと激しく戦えたはず。
リバプール戦で膝を負傷したラッシュフォードのコンディションがどうだったのかも気になりました。もちろん、プレーできることを確認して起用していますが、カウンターを狙えない相手だったので、ファン・デ・ベークを先発させても良かったかなとも思いました。
まぁ、上に書いた項目は結果論ですし、目論見が外れるのは多々ある事でしょう。スールシャール監督のマネジメントで失敗だったのは、戦術的狙いが曖昧だった事です。リバプール戦の後で、メンタル的なインテンシティが下がるのは想定内だったはず。それならボールを持ったらどこから繋いでどこから崩すのかなど、狙いをハッキリさせておく事で選手の認知、判断の遅れを最小限に抑えられると思います。
格下相手だとゲームプランが弱く、個の打開力に頼るのは毎度の事なんですが、ならなおさらパフォーマンスの良くない選手は早めに交代させるべきだったと思います。
👿まとめ
今シーズンのベストゲームからワーストゲームへ。高低差あり過ぎて耳キーンってなりますわ(笑)。1週間前はチャンピオンチームを打ち破り、今週は最下位のチームにホームで47年振りに敗れ、リーグ無敗記録も13でストップ。首位奪還のチャンスを逃しました。
決して気が緩んだわけではないでしょうけど、ドン引きのチームに対して苦戦する傾向は、まだまだ改善し切っていないという事でしょう。首位に立ち、強いユナイテッドが戻ってきたと喜んでいた矢先、現実を突きつけられた気がします。
マルシャル のゴールが取り消されたのはアンラッキーだったというエクスキューズはあるかもしれませんが、2失点目の守備は優勝を争うチームにあってはならないレベルでした。メンタル面で負けた。そういう試合だったと思います。

出典:プレミアリーグ公式

出典:ユナイテッド公式
ショッキングな敗戦という事もあり、SNSは結構荒れて、海外ではマルシャル 、トゥアンゼベに対する人種差別的投稿があり問題になっています。パフォーマンスに対する批判は良いですが、行き過ぎた誹謗中傷や人格攻撃はやめましょう。まぁそんな事する人は本物のユナイテッドファンではないですけどね。
次節はエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦。1月31日(日)2:30キックオフ。勝ってブレーズ戦の敗戦を払拭しましょう!カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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