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こんにちはMasaユナイテッドです。
21-22チャンピオンズ・リーグ グループステージ4回戦 アウェイ、ゲヴァイス・スタジアムでアタランタと対戦したユナイテッド。今回も3バックで試合に臨んだユナイテッドですが、12分にイリチッチのゴールでアタランタが先制します。さらに38分にはヴァランが負傷。プレー続行が不可能になり、グリーンウッドと交代します。システムを4-2-3-1に戻したユナイテッドは前半アディショナルタイムにロナウドがゴールを決めて同点!しかし後半に入った56分、サパタのゴールで2-1と突き放されます。ユナイテッドは69分にマティッチ、カバーニ、89分にはファン・デ・ベークとサンチョを投入して同点を目指します。すると後半アディショナルタイム、ロナウドが再び決めて同点に!またしてもエースの劇的弾で2-2のドローに持ち込むことに成功しました。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合のマッチレビューです!ユナイテッドの狙いは成功したのか。課題は解決できたのか。アタランタはどのように対応したのか、などを前・後半に分けて分析します!
以下項目です。
👿ラインナップ

①前半
1-1.ユナイテッドの3バック
プレミアリーグ前節のスパーズ戦で、3バック(5バック)システムを使い見事な快勝を収めたスールシャール監督。アタランタ戦はリンデロフの負傷離脱により、4バックへ戻すことも考えられましたが、今回も3バックを選択しました。スパーズ戦は中盤に3人並べた3-5-2でしたが、ブルーノとラッシュフォードをシャドー気味に配した3-4-2-1へ微調整しています。
一方のアタランタ、ガスペリーニ監督は普段、3-4-2-1と3-4-1-2を使い分けていますが、今回のスタートはサパタとイリチッチを2トップに置いた3-4-1-2を選択しました。恐らく、ユナイテッドがどのフォーメーションでくるのか予想は難しかったと思いますが、マンマーク戦術を使うアタランタはヴァランの所以外をハメ込む形で試合をスタート。マクトミネイにはトップ下のパシャリッチがマークに付いていたので、スパーズ戦同様の3センターを想定していたと思います。
ユナイテッドの狙いとしては、スパーズ戦同様に守備の安定を前提としながら、ブルーノを前へ配置する事でトップのロナウドをサポートする事。そしてラッシュフォードはやや左寄りにポジショニングし、シャドーでありながらウィング的なプレーもさせる狙いでした。
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1-2.アタランタのマンマーク
開始から15分は、お互いに完全には噛み合わないシステムの為に様子見の時間帯に。ユナイテッドは前から積極的なプレスは掛けずに、5-4-1でリトリートしながら注意深く対応。しかし、12分にマクトミネイがインターセプトしたボールがサパタにこぼれ、これをサパタがゴール前にクロス。イリチッチが詰めてアタランタが先制ゴールを奪います。パシャリッチがデ・ヘアのブラインドになり、オフサイドの可能性もありましたが認められず。事故のような形での失点でした。
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15分過ぎた辺りからアタランタは前線の配置を微調整。サパタの1トップにイリチッチとパシャリッチを2シャドーにした3-4-2-1に変えます。ここからアタランタはオールコートマンツーマンに移行。自分達の得意な形に持っていき主導権を握ります。特に、ポグバはコープマイネルスに徹底マークされ自由を得られません。激しいプレスに耐え兼ね、ボールロストから何度かピンチになるシーンも...。この試合、コープマイネルスは最多の20回のプレス、ポグバは69分で13回のボールロスト(最多は15回のブルーノ、ショー、ワン=ビサカ)を記録しています。

アタランタはビルドアップ時には、このコープマイネルス、もしくはフロイラーが3CB横に降りる形で数的優位を作ってビルドアップ。先制を許し前に出たいユナイテッドでしたが、ハイプレスを掛けさせて貰えませんでした。この辺りのアタランタのビルドアップ、ギャップの作り方は完全にオートマティックな感じで組織力の差を感じさせましたが、ユナイテッドは主導権を握られながらも5バックでよく対応はしていましたね。
1-3.ヴァラン負傷と4バック復活
しかし、38分にヴァランがハムストリングの負傷の為にプレー続行が不可能に。グリーンウッドを投入してシステムを4-2-3-1へ変更します。その結果ユナイテッドは、選手間の距離が開き陣形が間延び。ビルドアップや守備対応が不安定になります。
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一方で前線は流動性が上がったことと、アタランタはフロイラーが左サイドのパロミーノとメーレのサポート役になった事で、ブルーノの所でギャップが発生する事になりました。この事が前半ロスタイムの素晴らしいグリーンウッド、ブルーノ、ロナウドの崩しを生み、同点ゴールへと繋がりました。まさに怪我の巧妙と言えますね。グリーンウッドのダイレクトパスも、ブルーノのヒールというアイデアも、ロナウドのボックス内への侵入とゴールセンスもホントに素晴らしかったと思います。今シーズンのベスト崩しかも!と思うほど美しかったですね。

*1点目ハイライトはこちら!
②後半
2-1.アタランタの修正
同点に追いつかれたガスペリーニ監督は、後半早速動きます。パシャリッチに代えてCBのジムシティを入れて3-5-2へ変更。デ・ローンが1列上がってブルーノ番へ変更になります。これで再びオールコートマンツーマンができる配置になったアタランタは後半開始こら積極的なプレッシングに出ます(4-2-3-1に対して3-5-2でマンマークしてくるのは、ユナイテッドがスパーズにやった事と同じです)。一方のユナイテッドも、ハーフタイムで気合いを入れ直したのか、臆することなくアタランタに応戦。激しいデュエルの応酬からショート・カウンターを狙いました。

しかし、その激しい肉弾戦で51分と55分にマクトミネイが連続でファールを取られ、そこからのリスタートで失点してしまいます。バイリーがサパタに裏を取られてゴールを許しましたが、ノープレッシャーでパロミーノにパスを出させたグリーンウッド、サパタを離してしまったバイリーの対応、ラインを揃えられなかったマグワイア、飛び出していなかったデ・ヘア...とこれだけ不充分な対応が重なった結果、失点しています。このシーンは今シーズン、ユナイテッドの守備が課題であり、システム変更や人が変わっても改善できていない事の象徴のようなシーンに思われました。
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2-2.ユナイテッドの選手交代
先行を許したユナイテッドは、69分にポグバとラッシュフォードを下げてマティッチとカバーニを投入します。カバーニは基本ラッシュフォードに代わって左に入りますが、ロナウドとポジションを変えながら流動的に動いていました。アタランタが引いたこともあり、この交代からユナイテッドがボールを保持するようになります。71分にはアタランタはイリチッチを下げてムリエルを投入。非保持時は5-4-1にリトリートしてカウンターを狙う作戦に変更します。
ブロックを作られたユナイテッドはボールこそ持ってはいますが、ブロックの外々を回すだけで中には入っていけません。逆にアタランタは手数を掛けないシンプルな攻撃で、79分から85分までの間に3本のシュートを放っています。この時間帯のユナイテッドは決め手を欠いており、得意の左サイドにボールを集めていましたがなかなかこじ開けられない展開でした。
その停滞した空気を変えたのが、87分に投入されたファン・デ・ベークとサンチョです。2人の投入によりユナイテッドは左サイドのオーバーロードをより強めます。ショー、マグワイア、マティッチ、ファン・デ・ベーク、サンチョ、カバーニが左に寄り、中央にロナウド、右にグリーンウッドとワン=ビサカを配し攻め込みます。そして91分、その左サイドからの展開でグリーンウッドがロナウドにパス。これをロナウドが見事に決めて同点!またしてもロナウドの劇的弾で勝ち点1を獲得しました。
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この同点弾に至るまでには、マティッチ、カバーニ、ファン・デ・ベーク、サンチョといった交代選手の「エネルギー」が重要なカギを握ったと思います。そしてスールシャール監督が意図したかどうかはわかりませんが、そのエネルギーが左サイドに集まった事が結果へと繋がりましたね。
👿まとめ
スパーズ戦の勝利に手ごたえがあったスールシャール監督は、アタランタ相手にも3バックで臨みました。やはり守備を第一に考えての選択だったと思いますが、アタランタのマンマーク戦術のほうが1枚も2枚も上手でした。ユナイテッドはシステムをまだ成熟させられていないので、各々がポジションを意識しすぎており、ギャップを作るような大胆な動きが極端に減っています。確かに守備の面では綻びは出にくいですし、1失点目も偶発的な失点の仕方です。しかし攻撃の形や可能性は、まだ見出せていないのが現状ですね。
そしてヴァランが負傷してから変更した4バックも、陣形の間延びが顕著でしたし、マグワイアのパフォーマンスが思わしくなかったこともあり、かなり不安定さを露呈しました。一方で攻撃面では個のクオリティで得点しており、以前のユナイテッドに戻ったと言えます。3バックにしても4バックにしても、以前から続いている攻守両面の課題は、全くといって良いほど改善されていないという風に見えます。どちらのシステムもバランスが取れていないことは明らかですし、またしても劇的な展開で、高揚感もあるのですが、結局はロナウドに救われた試合であることは否めません。ロナウドは今シーズンのCL 3試合で終盤にゴール(ビジャレアル、アタランタ2試合)を決めており、チームに7ポイントをもたらしています。
そんなチームの救世主となったロナウドの他にも、この試合で希望が見えた選手が何人かいます。個人的に評価したいのは、バイリー、マティッチ、カバーニ、ファン・デ・ベーク、サンチョの5人。お気づきのように、この5人は今シーズン出場機会に恵まれていない5人です。アタランタ戦はバイリー以外は途中出場でしたが、チームにもたらしたエネルギーとポジティブなパッションは、この同点劇の土台を作ったと思います。
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スールシャール・ユナイテッドが崖っぷちの状況であるのはまだ変わりません。しかし、チームには能力の高い選手が控えています。スタメンの選手を信頼するのも良いですが、スールシャール監督はこういった選手達を上手く使い、結果を出す事が自らを救う一つの手段になるかもしれないということに気付くべきでしょう。
*スタッツはこちら

21-22CL/GS4 試合結果
この試合の結果、ユナイテッドは勝ち点7でグループFの首位をキープしています(ビジャレアルも同勝ち点 直接対決でユナイテッドが上回る)。
次の試合は、プレミアリーグ第11節 オールド・トラッフォードでのマンチェスター・シティ戦 11月6日(土)21:30キックオフ。マンチェスター・ダービー!!絶対勝つ!カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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