【21-22PL第13節】チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッド マッチレビュー

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こんにちはMasaユナイテッドです。

21-22プレミアリーグ第12節 アウェイ、スタンフォード・ブリッジでチェルシーと対戦したユナイテッド。試合は開始からユナイテッドがハイプレスを仕掛けますが、圧倒的クオリティを持つチェルシーがボールを握りゲームをコントロールします。前半は0-0で折り返しますが、後半50分、チェルシーのコーナーキックからのカウンターでサンチョが抜け出しキーパーと1対1に。これを冷静に流し込みユナイテッドが先制します。しかし69分、ボックス内でワン=ビサカがチアゴ・シウバを蹴ってしまいPKの判定に。これをジョルジーニョが決めてチェルシーが同点に追いつきます。お互いに選手交代から得点を目指しますが両者決められず。試合は1-1のドローに終わりました

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今回はこの試合のマッチ・レビューです。ユナイテッドの戦い方を中心に、キャリック暫定監督第2戦を解説します!

以下項目です。

👿ラインナップ

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21-22PL13 チェルシーvsユナイテッド ラインナップ

①前半

1-1.選手起用とキャリックの狙い

ユナイテッドは3人のミッドフィールダーと3人のフォワードを配した4-3-3でチェルシーとの大一番に臨みました。前線の3人は、右からサンチョ、ブルーノ、ラッシュフォードという並びで、チェルシーの3センターバックにぶつける配置ですが、ブルーノはボランチであるジョルジーニョのケアもタスクとして担うため、見方によっては中盤ダイヤモンドの4-3-1-2とすることもできます

選手起用に関しては、やはり注目されたのはロナウドをスタメンから外したことでしょう。リーグ戦第7節エバートン戦で先発から外され、ファーガソンがそのことを批判して以来、すべての試合でスタメン起用されてきたロナウドを外すという決断は、多くの人に驚きを与えました。アンカーにはマティッチを起用。これもスールシャールではあまりなかったチョイス。マティッチ、マクトミネイ、フレッジの3センターはチェルシーの2、3列目に対してどのように対応するのかが注目されました。

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一方のチェルシーはいつもの3-4-2-1ですが、怪我のチルウェルとカンテに代わってアロンソとロフタス=チークを起用。トップにはヴェルナーを使ってきました。圧倒的なクオリティ差があることは分かっていましたが、キャリック監督が選んだ戦い方は、引いてカウンターを狙うというものではありませんでした。3人の前線はハイプレスを掛け、後も連動する形でチェルシーのビルドアップを阻止しようと試みます。また、試合後のキャリック監督の話では、ボールを保持してチェルシーをイライラさせることも狙いとしてもっていたようです。こちらはチェルシーの鋭いカウンタープレスに合い、ほとんどボール保持の時間は作れませんでしたが、積極的な采配を選んだのは間違いないようです。

1-2.ユナイテッドのハイプレスとチェルシーの左サイド

しかし、そのハイプレスもチェルシーはチアゴ・シウバが深い位置まで下がったり、キーパーのメンディも使いながら組立るので、中央のブルーノが引っ張り出され、ジョルジーニョがフリーになりがちになります。ここのケアにサンチョが絞って対応しますが、その結果リュディガーがフリーに。さらに、左のシャドーであるハドソン=オドイが大外に張ることでワン=ビサカをピン止めし、アロンソのケアにマクトミネイが長い距離を出ていく必要がありました。このチェルシーの左サイドのキャップが解消できなかったために、前半はこちらのサイドから前進を許しています。

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ユナイテッドのハイプレス&チェルシーの左サイド

またハイプレスに関しては、1つ特徴としてチェルシーのバックパスに対して反応していたことが挙げられます。これは、ラングニック戦術では「トリガー」と呼ばれるもので、ある特定のアクションを合図にプレスを行う形です。上にブルーノが深い位置までプレスに行っていたと書きましたが、これはこのバックパスに対して反応している為もあります。ラッシュフォード、サンチョも殆どの場合、バックパスに反応しているので、恐らく約束事として決めていたと思います。

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1-3.守備は合格点もボール保持はできず

キャリックのプレスの狙いとしては中央のジョルジーニョと、ロフタス=チークのところを消したかったようです。これに関しては、3センターと3トップが横に広がり過ぎないことと、マティッチを中央で余らせてバイタルのケアに専念させたことで、ある程度機能したと評価できます。特にロフタス=チークに付いたフレッジは、運動量でしっかり対応しており、守備面に関しては素晴らしいパフォーマンスだったと思います。前半チェルシーは10本のシュートを放っていますが、中央の危険な位置からのシュートは3分のハドソン=オドイのシュートぐらいでした。

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守備面に関しては、後手を踏みながらもある程度対応できた部分もありましたが、やはり厳しかったのはボール保持の場面でしょう。マイボールになってもすぐにチェルシーに奪い返されるのでほとんど保持できず。攻撃の糸口をつかむことができませんでした。前半のユナイテッドのボール支配率は32%。シュートはわずかに1本となっています。

②後半

2-1.ユナイテッドのカウンター

後半になっても両者ともにやり方を変えませんでしたが、1つ前半からユナイテッドが狙っていた形がありました。それが、先制点に結びついたコーナーのこぼれ球を拾ってブルーノに預け、高いボールをチェルシー陣内へ蹴り込み、そこへラッシュフォードとサンチョが走り込むラグビーキックカウンターです(笑)。33分のチェルシーのコーナーキックの時もこの形を行っており、後半も2、3度この形を狙っています。50分の先制点のシーンではこれが見事に成功しました。得点を挙げたサンチョはビジャレアル戦に続いて連続ゴール。スールシャール解任以降連続スタメン連続ゴールと好調をアピールしています。

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この先制点後、勢いづいたユナイテッドはあまりハイプレスを行わず、ある程度チェルシーを引き込んでラッシュフォードとサンチョのスピードを活かしたカウンターを狙います。3センターを中心にミドルプレスもこの時間帯は掛かっており、また最終ラインのリンデロフ、バイリーの集中力も素晴らしかった時間帯でした。しかし、60分過ぎたあたりから前線の運動量が落ち始めます。66分にはサンチョを下げてロナウドを投入しますが、この時にはユナイテッドの勢いは消えてしまいました。

2-2.チェルシーの右サイド

チェルシーは失点後、前半に左サイドで行っていたギャップの作り方を右サイドで行います。右のシャドーであるシエシュが内側に絞る事でテレスのポジションを内側へ引っ張り、開いた大外をジェームズが使います。ラッシュフォードはカウンターのために残る意識が強くなっていて戻るシーンは少なく、ジェームズの所からクロスを入れられるシーンが多くなりました。ジェームズはこの試合最多の10本のクロスを上げています。その内7本は右からのクロスとなっています。

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チェルシーの右サイド

その右からの攻撃が機能し始めた69分。ワン=ビサカがボックス内でチアゴ・シウバを蹴ってしまいPKの判定。これをジョルジーニョが決めて同点とされます。

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2-3.両者ともに決め手を欠く

ユナイテッドは同点にされた70分頃から今度はブルーノの運動量が落ちます。ロナウドを投入していましたが、ほとんどボール保持ができないため効果を発揮できず。加えて、前線にはもうプレスに行く体力もなかったためにロナウドのボールタッチはわずかに7回となっています。

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前線の運動量を回復したいキャリック監督は、ラッシュフォードを下げてリンガードを投入。修正しようとしますが、すぐさまトゥヘル監督は左サイドのアロンソとハドソン=オドイを下げてマウントとプリシッチを投入。それまで右サイドにいたシエシュとジェームズを左へ回します。この意図はちょっとわかりかねますが、交代時にジェームズにしきりに指示を出していたので、左の守備を改善して攻撃を右に寄せたかったのかなと思います。

その後、チェルシーはルカクを、ユナイテッドはファン・デ・ベークを投入し、お互い得点を目指しますがチェルシーは75分以降7本のシュートを放ちますが決められません。ユナイテッドも88分のカウンターの場面で、フレッジが決められずドローに終わりました。ユナイテッドは後半のシュートはこのフレッジのシュートとサンチョのゴールとなったシュートの2本のみとなっています。

👿まとめ

この試合でもユナイテッドの戦術でポイントとなったのはハイプレスでした。ブルーノを偽9番とするシステムや、マクトミネイを深い位置で守備させ、フレッジをロフタス=チークに付かせて高い位置で守備させるなど、ボール非保持の戦術は意図的でしっかり準備したことが伺えます。

しかしながら、ボールを刈り取るというところのクオリティが不足しており、奪った後のチェルシーのトランジッションが速かったため、ボールを持つ事ができませんでした。これだけ持てないと、当然サイドバックが高い位置を取る事はできませんし、チャンスを作ることもできません。キャリックの言葉通り、守備に関しては及第点ですが、攻撃に関しては方法を考える必要があるでしょう。現在世界最強と言われるチェルシーが相手だったとしても、ユナイテッドの選手の能力でほとんどチャンスすら作れないというのはやはり問題があるのだと思います。

ビジャレアル戦も含めて、キャリック監督の采配は良く練られている印象を受けます。ロナウドを外した選手起用や、プレスの掛け方、一時的に配置が、フレッジ、ブルーノが2列目の4-2-2-2のようになる事もラングニックを想像させる様な采配だったとも思います。しかし、実際にラングニック本人から、試合中にフレッチャーを通してアドバイスなり、指示があったかというとそれはなさそうです(そもそもNGなのでは?)。キャリックは終始ピッチサイドに立って指示を送っています。それだけ自身の中でハッキリとしたビジョンがあるという事です。それだけ戦術の引き出しをキャリック監督は持っているということでしょう。

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ただ、ビジャレアル戦とチェルシー戦でアプローチにかなりの差があるのも事実。内定した段階で話ぐらいはしている可能性はあるかも...?

チェルシー戦は圧倒的なクオリティ差がありながら、勝ち点1を取れたのは上出来といえます。そしてそれも守備陣の頑張りがあったからこそです。今回もビッグセーブを見せたデ・ヘアを始め、終始集中していたリンデロフとバイリー。中央でしっかりフィルターを掛けたフレッジ、マクトミネイ、マティッチのパフォーマンスは素晴らしかったと思います。

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21-22PL13 チェルシーvsユナイテッド スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

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21-22PL13 試合結果 出典:ユナイテッド公式

この結果ユナイテッドは8位に浮上しています。

次節はプレミアリーグ第14節 オールド・トラッフォードでのアーセナル戦。12月3日(金)5:15キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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