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こんにちはMasaユナイテッドです。
チャンピオンズ・リーグ グループステージ6回戦。ホームでスイスのヤングボーイズと対戦したユナイテッド。すでにノックアウトラウンド進出を決めているユナイテッドは、完全ターンオーバーで試合に臨みました。試合は9分にショーのクロスにグリーンウッドがダイレクトボレーで合わせてユナイテッドが先制します。しかしながら、徐々にヤングボーイズがハイプレスからペースを掴み、ユナイテッドを押し込む展開に。そして42分、ファン・デ・ベークの自陣でのパスがリーダーに引っかかり、そのままシュート。これが決まり試合は振り出しに戻ります。後半、システムを4-2-2-2へ変更しペースを掴み掛けたユナイテッドですが、ヤングボーイズも引き下がらず。60分以降は10本のシュートを放つなど好パフォーマンスを披露しました。後半にメンギ、ヒートン、ショレティレを投入。終盤にはイクバル、サヴェージのアカデミー選手をデビューさせたラングニック監督でしたが、試合は両者決められず1-1のドローに終わっています。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合を4つのトピックスで振り返りたいと思います!
以下項目です。
👿ラインナップ

①選手選考
ラングニック初陣となったプレミアリーグのクリスタル・パレス戦からスタメン11人全員入れ替えて臨んだヤングボーイズ戦。チャンピオンズ・リーグのグループステージ首位突破は決まっており、大幅なローテーションが可能な一戦となりました。ラインナップは上図を参考にしてほしいのですが、グリーンウッド、ショー、ワン=ビサカの実戦復帰組(グリーンウッドはパレス戦で復帰済)とアマド、エランガの期待の若手組。それ以外の6人は今シーズン出場時間が少ないメンバーで構成されました。
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ベンチメンバーもヒートン、コバール、メンギ、ハードリー、サヴェージ、イクバル、ショレティレとヒートン以外はU23のメンバーを選出。主力選手に完全休養を与える大胆なローテーションを敢行しました。
今回のメンバー選考に関してラングニック監督は
2つの理由がある。一つは、今日プレーした選手たちにプレータイムを与え、実戦でのプレーを見たいと考えた。そしてもう一つは、日曜日にプレーした他の選手を休ませること。
引用元:ユナイテッド公式
とコメントしています。サブメンバーにチャンスを与え、力量を見極める意図もあったと思います。
そして面白かったのは、ラングニック監督が試合前に出場選手を全部明かしたことです(笑)。今までこれほどまでに明かした例って記憶にないのですが、特殊な試合だったこともあり、隠しておく必要もあまりなかったという意味では、ラングニックらしい理に適った行動だったと言えます。というかこの監督は結構色々なことを話してくれますね。好感が持てます(笑)。
②マティッチとファン・デ・ベーク
そしてこのメンバー構成のなか、注目されたのはその配置です。ラングニック監督はマティッチをCB、ファンデベークをアンカーに置いた4-1-4-1を採用。この試合キャプテンマークを託されたマティッチは左CBとしてバイリーとコンビを組みましたが、これまでCBでの出場の経験は、試合終盤にスクランブル的に出た記憶しかありません。そしてファン・デ・ベークも3列目の経験は何度もありますが、1人でアンカーを務めるのは恐らくキャリア初だったのではないでしょうか?
ファン・デ・ベークをアンカーに、ビルドアップやリトリート時はマタが下がってダブルボランチ気味になり対応するやり方でしたが、ファン・デ・ベークは慣れない役割で快適にプレーできたとは言えませんでした。最多の4回のタックル、地上デュエル勝率も81%(9/11)、チーム2番目の22回のプレスを記録しており守備の面で奮闘したことは数字にも表れています。しかしながら、42分に自陣からの繋ぎでミス。リーダーのゴールの原因となってしましいました。終始守備のタスクに追われ、持ち前の攻撃センスを発揮できなかったのは残念でしたね。
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そして、この失点の根本原因になったのがマティッチです。自陣の深い所でボールを回収しましたが、敵がカウンタープレスを掛けている状態で安易にファン・デ・ベークにパス。ファン・デ・ベークは周りを冷静に見る余裕がなくなりパスミスに繋がっています。このシーンは試合後にラングニックも
腹立たしいのは失点までの形。相手のプレッシングエリアの最前線にボールを入れ過ぎたことで、これが失点にも関係している。我々は簡単にボールをクリアーできたし、2列目、3列目でボールを持てていた時は常に相手にとって脅威だった。選手たちにも試合前にそう伝えたが、それでも彼らは5メートルのパスを選んでしまった。相手は、そのボールを待っていた。
引用元:ユナイテッド公式
と振り返っている通り、ここはシンプルにクリアすべきシーンでした。マティッチの感覚はやはり3列目のそれであり、判断が的確だったとは言えませんね。マティッチはその他にも縦パスをカットされシーバチュにシュートを打たれたシーンや、ボールコントロールをミス、クリアを空振りしてエリアにシュートを打たれるなど、CBとしては不安定なパフォーマンスに終始しました。
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もちろん、チームとしても機能していない状態で不慣れなポジションの2人のところで綻びが出たという事が言えますが、原因は前線のプレスにあります。クリスタル・パレス戦と比較してもハイプレスの頻度、強度、スピードどれも劣っていることは明らかでした。積極的にハイプレスを掛けたのは開始5分まで、それからはスイッチ役のグリーンウッドは曖昧で、エランガやアマドも迫力に欠けました。ヤングボーイズは楽々とプレス回避できたためにユナイテッドは陣形が間延び、ラインは押し下げれる展開が続きました。これではスールシャールの時と同じで、守備陣の対応が難しくなります。バイリーの活躍が目立ったのはそういった事情があり、歓迎すべき状況ではありません。
ラングニックは後半開始と共に、マタを1列下げて4-2-2-2に変更。中央からプレスを掛けやすくなるように変更しました。その間はユナイテッドが支配できていたのは偶然ではないでしょう。しかし選手交代を機に再び4-1-4-1に戻し、60分以降はシュート0本になりました。試合のキーマンとして、難しい役割を与えられたマティッチとファン・デ・ベークの2人には少し酷な状況だったのはまちがいありませんね。
③ポジション争い
この試合、脳震盪から復帰したショーと、パレス戦手の怪我で戦列を離れたワン=ビサカがサイドバックで出場しましたが、パレス戦で鮮烈なパフォーマンスを見せたテレスとダロトに比べて物足りないパフォーマンスとなりました。ショーはアシストを記録し、ブランクもあったので及第点ではありますが、チーム全体でも、サイドバックとしても高い位置が取れなかったために攻撃参加がほとんど見られませんでした。ワン=ビサカもミスが目立ち不安定なパフォーマンスで、試合終了時には看板に激突、膝と手首を痛めストレッチャーで運び出される事態に…。
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これまで組んだことのないメンバーとフォーメーションだったので一概に言えませんが、現在の勢いでは完全にテレスとダロトの方に分があります。ワン=ビサカは重症ではないと思いますが、右サイドバックはしばらくダロトが続きそうな予感。ショーはこれからコンディションを戻していくと思いますが、今シーズンのパフォーマンスは昨シーズンと比べて物足りないのも事実。テレスの活躍次第では安泰ではないという状態です。
そしてゴールキーパー。ヤングボーイズ戦ようやく出番の回ってきたディーン・ヘンダーソン。枠内シュート4本のうち3本をセーブ。ゴールキックの飛距離や2度のエリア外への飛び出しでらしさを見せてくれました。バイリーと並んで安定したパフォーマンスを披露。68分にはヒートンと交代となりましたが、まずまずの出来だったと思います。今シーズンの開幕前に怪我とコロナで離脱。その間に正ゴールキーパーとして素晴らしい活躍を披露したデ・ヘアにポジションを奪われた状態でした。
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再三にわたり移籍の噂も出ており、ラングニック新監督のキーパー評価が気になるところではあります。チーム全体をハイラインで保つのであれば、理論的に考えて守備範囲の広いヘンダーソンの方が適任です。シャルケ時代にはノイヤーを指導いていることもヘンダーソン有利と言われる要因の1つのようですが、デ・ヘアも文句ないパフォーマンスを続けているだけに、難しい選択となりそうです。今後の展開に注目ですね。
④イクバルとサヴェージ
ヤングボーイズ戦ではエランガ、メンギ、ショレティレがチャンピオンズリーグデビューを果たし、ヒートン、ジダン・イクバル、チャーリー・サヴェージが嬉しいトップチームデビューを飾りました。こういったローテーションが可能な試合の楽しみの一つがアカデミー選手のシニアデビューですね。スールシャール時代には19-20のヨーロッパリーグ、アウェイのアスタナ戦でチョンやガーナーなど7名の若手選手をスタメン起用。レアードやバーナードなどにトップデビューの機会を与えた試合もありました。ラングニック監督も若手の育成には定評があり、今回もサヴェージ、イクバルという2人の才能ある若手選手にトップデビューの機会を与えたのは本当にうれしく思います。
ジダン・イクバルは2003年生れの18歳。パキスタン人の父親とイラク人の母親の間に産まれ、マンチェスターで育ちました。2021年にイラク国籍を取得。代表はイラクを選択しています。ポジションは攻撃的MFやCM。非常に足元のテクニックに長けた10番タイプの選手です。昨シーズンはU18プレミアリーグで14試合6ゴール1アシストをマーク。今シーズンからはU23を主戦場にしており、9試合1ゴールをマークしています。現在のU23には才能豊かな攻撃的選手が多数在籍していますが、イクバルはその中でも1、2を争うセンスの持ち主。私の個人的に推しの若手の1人です。ヤングボーイズ戦89分にピッチに立ったイクバルは4回のボールタッチ、2回のプレス、4本のパスを記録しました。
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そして、かつてユナイテッドやバーミンガム、ブラックバーンに在籍したロビー・サヴェージの息子、チャーリー・サヴェージも9歳からの盟友、イクバルと共にピッチに立ちました。サヴェージも18歳で、父親と同じウェールズの代表としてプレーしています。ポジションはボランチ、CM。182cmの左利きのプレーヤーで、積極的で読みの鋭い守備と、正確なパス、的確なタイミングでの飛び出しからのミドルも持っている万能型の中盤の選手です。サヴェージも昨シーズンのU18で23試合3ゴール7アシストを記録。活躍が評価され今シーズンからU23に昇格。10試合1アシストを記録しています。ヤングボーイズ戦は5回のボールタッチ、1回のブロックとインターセプトを記録しています。
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毎回アカデミー選手のトップデビューは感慨深いものがあります。才能豊かな若手選手の成長を見守る事はユナイテッド・サポーターの大きな特権の1つです。イクバル、サヴェージも才能は間違いない。これからハードワークして、将来的にトップチームへ定着できると信じて応援したいと思います!
👿まとめ
ヤングボーイズ戦は、慣れないメンバーとフォーメーションで臨んだという意味で、ドローは上出来と評価できるかもしれません。しかしながら、前半にはアマドやマタに決定機があり、後半にはエランガにもゴールのチャンスがありました。これを決められなかったことが結果に響いたのは否めません。ラングニックの2戦目で、ラングニックにとっても様々な選手を評価する必要があり、この試合が絶好の機会となったのは間違いないでしょう。にもかかわらず、肝心の選手たちのプレー振りには少々がっかりした感も...。
ファン・デ・ベークやリンガードの移籍の可能性がある選手や、マタ、マティッチのベテラン勢、エランガやアマドのヤングフレッシュな選手も、各々アピールするべき理由があったはず。チームとして上手くいかなかった部分もあり、ラングニックが言うように厳しすぎるもの良くないですが、もっと奮起できたと感じます。一方で、イクバル、サヴェージの2人がトップチームデビューを飾ったことはチームにとっても、本人たちにとっても、大きな財産となる一戦となりました。
*スタッツはこちら

21-22CL/GS6 試合結果 出典:ユナイテッド公式
チャンピオンズ・リーグ、グループFを3勝2分け1敗の11ポイントで首位通過となったユナイテッド。ノックアウト・ラウンド初戦はパリ・サンジェルマン、アトレティコ・マドリー、スポルティングCP、インテル、ベンフィカ、RBザルツブルクと当たる可能性があります。ノックアウトステージ第1戦の組み合わせ抽選会は、12月13日(月)に行われます。
次の試合はプレミアリーグ第16節 キャロウ・ロードでのノリッジ・シティ戦。12月12日(日)2:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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