【21-22PL第25節】サウサンプトン戦に見るユナイテッドの問題点【4つの“できない”!】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

21-22プレミアリーグ第25節 ホームでサウサンプトン(セインツ)と対戦したユナイテッド。試合は前半開始からユナイテッドが鋭いアタックで決定機を作る展開に。6分と8分にそれぞれロナウド、サンチョに得点のチャンスがありましたが決められません。しかし21分にはラッシュフォードのクロスにサンチョが合わせてユナイテッドが先制に成功します。しかしその後、サウサンプトンはシステムを変更。ビルドアップを安定させ、流れを引き寄せます。1-0で前半を折り返しますが、後半立ち上がりの47分にチェ・アダムスにゴールを決められ同点とされます。ユナイテッドはマグワイア、ロナウド、ダロトとゴールに迫りますがセインツキーパー フォースターがことごとくセーブ。追加点を奪えません。エランガ、リンガードを投入し、ポグバとブルーノをボランチにした攻撃的な4-4-2で前に出ますが試合はそのままドローで終了。バーンリー戦に続いて手痛い勝ち点1となりました。

*試合のハイライトはこちら

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今回はこの試合に見る、ユナイテッドの4つの問題点を取り上げます。なかなか上昇のキッカケを掴めない要因は何なのか考察しました!

以外項目です。

👿ラインナップ

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21-22PL25 ユナイテッドvsサウサンプトン ラインナップ

①得点できない

3試合連続の1得点に終わったセインツ戦。ゴール期待値xG2.89、枠内シュート8本、ビッグチャンスを4回作りながらの1得点でした。貧打もここまでくると偶然で片付ける訳にはいかず、チームに組織的な問題があると言わざるを得ません。過去4試合で82本のシュートを放ち、わずかに4ゴールというのは非常事態と言えます。

セインツ戦では6分のロナウド、8分のサンチョ、56分のマグワイアが決定機を外していますが、攻撃が機能したのは先制点を挙げた21分まででした。それ以降の攻撃は単発に終わっていて、なにより攻撃陣のシュート数自体が非常に少ない試合でした。ロナウドとサンチョが2本、ラッシュフォードとポグバが1本、ブルーノに至っては0本となっていて、積極性もなかったことがわかります。

中でも問題は、今年に入ってゴールもアシストも記録していないロナウドでしょう。ロナウド自身も明らかに自身のパフォーマンスに不満を感じています。動きにキレや踏ん張りがなく、シュートにパワーもありません。年齢からくる衰えなのか、それとも明らかにしていない慢性的な負傷を抱えているのか、あるいは単にコンディションが落ちているだけなのかはわかりませんが、ロナウドがゴールを取れない事はチームの大きな問題です。また、前線のオプションもなく、稼働率の上がらないカバーニと、まだまだこれからの選手であるエランガしか代わりがいない状況です。

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このような状況では、やはりロナウドに期待するしかありません。いまいち、チームに馴染めていない雰囲気もありますし、ラングニックの求めるインテンシティは彼にとって高すぎるのかもしれませんが、ロナウド以上のストライカーがいない以上、彼の復活を待つしかないでしょう。ロナウドの出来は今シーズンの成績の大きなカギとなります。ロナウドを批判したい気持ちも分かりますが、今は彼を励まし、応援することの方が大事ではないでしょうか?

②維持できない

ボロ戦、バーンリー戦では前後半でパフォーマンスがガラッと変わり、前半の勢いを維持できなかったユナイテッドですが、セインツ戦でも勢いを維持できたのは先制点を挙げた21分まででした。開始から、サンチョの左サイドを中心に、セインツのバックライン裏を突いて攻勢に出たユナイテッド。ブルーノとポグバは再びダブル8番としてプレー。前の5人が攻撃に関与するアグレッシブなスタイルで臨みました。6分と8分には、ロナウド、サンチョと立て続けに決定機を作っており、文句のつけようのない立上りだったと思います。

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21分、カウンターからラッシュフォードがセインツの左サイドをブレイクし、ゴール前へ折り返し。これをサンチョが押し込み先制します。狙い通りのプレーでありこのまま勢いに乗りたかったところでしたが、ハーゼンヒュットル監督は5-3-2にフォーメーションを変更し、後方を厚くします。この結果セインツのビルドアップが機能しはじめ、セインツがボールを持てるようになります。このシステム変更で潮目を変えたセインツは約10分間このシステムで戦います。30分過ぎには再び4-4-2に戻していますが、この時にはユナイテッドはすでに主導権を保てていません。鋭かったスペースを突くアタックはなくなり、連動性のないハイプレスにより前5人と中盤の間が開きはじめ、簡単にプレス回避されボールを運ばれます。

この簡単に流れを取られてしまう脆弱性が、後半の失速に繋がっていますが、セインツはユナイテッドの失速を予期し、後半満を辞してプレスの強度を上げました。ハーゼンヒュットル監督は試合後、「最初はフレッシュなので良い。問題は、90分間やり続けることに慣れていないことだ。これは非常に攻撃的なサッカーのやり方であり、難しいことだ。」と語っていて、ユナイテッドのアグレッシブさが90分続かない事を前提にしていたことがわかります。

③強度を保てない

さらに、強度が保てないのも問題の1つです。これは主に中盤です。セインツ戦もアンカーのマクトミネイが孤立していることは明らかでした。ポグバとブルーノのダブル8番というのは、理論上は最高のコンビです。ワールドクラスの実力を持つ2人をフロント3の後方に配置するシステムは、ユナイテッドのメンバーを見た時に多くの人が描くベストユニットでしょう。ただ、スールシャールがこのシステムを、1度試しただけでやめたのは気まぐれではありません。やはり「バランス」を保つことができないと分かったためです。もちろん、そこにはマクトミネイが決してアンカー専門の選手ではないというのも大きな要因としてあります。しかし、セインツ戦のように、2人の8番があれだけ高い位置を取り続ければ、アンカーへの負担はかなり大きくなります。トップクラスのアンカーを配したとしても、今のプレミアのレベルでは対処するのが困難だと思います。

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ラングニック監督もそのことはわかっており、ポグバにボール非保持の時は1列下がり、マクトミネイとダブルボランチを形成するようにプランニングしています。しかし、セインツはユナイテッドのネガトラに問題があることも織り込み済みで、ボールを奪取した時に、ポジションを開けたユナイテッドの選手の場所を執拗に狙いました。同点のシーンもこの狙い通りであり、ポグバの開けたスペース、ヴァランが吊り出されたスペースを使われて失点しました。このように、いくらリスク管理をしていても、それを90分続けるのは難しいです。一瞬のスキでもあれば容赦なく突かれるのが今のプレミアリーグでしょう。

個人的には、マクトミネイ、ブルーノ、ポグバの中盤では守備強度を保てないと思います。以前にもブログで書きましたが、マクトミネイ、ブルーノ、フレッジの中盤が一番バランスが良いと考えていて、少なくとも4-3-3を基本システムとするならば、この3選手を使うべきでしょう。ここでは「じゃあ、ポグバはどこで使うんだ?」という議論をしたいのではないですし、少なくとも直近3試合はフレッジ、マティッチが出られなかったので他に選択肢がなかったので仕方ない部分があります。

しかしポグバ、ブルーノを使うのであれば、もっともっとハイプレスのクオリティを上げて中盤が容易に連動できるように(それを90分間!)する必要がありますし、それが難しいなら、中盤の組み合わせを変える、あるいはシステムを変えるしかありません。

④指示通りできない

ラングニック監督は、前々監督のように公の場で選手を非難するタイプの監督ではありません。選ぶ言葉はとても公平で、論理的に状況を説明してくれます。しかし、裏を返せば、真の問題にはベールを掛けて表現している可能性があります。試合後のコメントで気になったのは、「我々は選手たちに、攻撃的でなければならない、コンパクトでなければならないと(ハーフタイムに)伝えた。相手が守備から攻撃に素早く切り替えられるようなスペースを与えてはならない、ということを伝えた。そう伝えた。ただ、ピッチ上でそのようなパフォーマンスをすることと、伝えるのとでは少し異なる」というところ。

簡単に言うと、監督の指示通りにプレーできていないということです。ラングニック監督になって13試合を戦い、要所要所ではラングニック・スタイルが定着しつつあります。試合内容にも改善が見られているのは確かですが、進歩は非常にゆっくりであり、このままでは2月後半からやってくる今シーズンの山場に到底間に合わないと思われます。落とし込みに時間が掛かる理由はいろいろ考えられます。

これまでとは比ではないフィジカルレベルが要求されており、スールシャール時代に鈍った身体ではついていけないことや、戦術的な動きの要求に頭脳的にもついていっていないところもあるでしょう。実際先日にはラングニック監督は選手に炭酸飲料や酒、ハンバーガーなどを禁止したと報じられました。ラングニック監督はフィジカルレベルに不満があるのは明らかであり、上記した90分持たないインテンシティの要因となっています。

しかし、もう一つ監督の指示通りにできない重大な理由があるように思います。それは、単純に選手たちが監督のやり方に賛同できていないのではないかということです。もちろん全員ではありませんが、上手くいかない理由を監督のせいにしている選手がいるように感じます。「トレーニング方法が古臭い」「コーチ(クリス・アーマス)が素人だ」というネガティブな報道が100%真実とは言いませんが、試合中に見られる失速と、その後流れを戻せないのは監督の指示通りにできない、あるいはやり方がわからない、もしくはやりたくないかのどれかです。

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仮にこれが真実であるならば、それこそが冒頭に書いた組織的問欠陥の正体であり、もはやラングニックのやり方云々ではなく、ユナイテッドの体質になっていると思われます。来シーズンやってくる新監督が誰になるにしろ、こういったメンタリティを一掃しなければ苦戦することになりかねません。

👿まとめ

先制点までは、狙い通りのフットボールをしながらその後早速。ラングニックのやり方を熟知しているハーゼンフヒュットル監督の狙い通りに流れを持っていかれました。もはやプレミアのクラブはユナイテッドを恐れていません。たとえオールド・トラッフォードであっても下位のチームですら、少しインテンシティを上げれば流れを引き寄せることができます。

それぐらい、今のユナイテッドのチームバランスはとても繊細で、少し歯車が狂うだけで、パスが繋がらず、ボールロストし、カウンタープレスをあっさり躱されズルズルラインが下がってしまいます。そういう時間帯はどのチームもあるものですが、ユナイテッドはそこから挽回することができません。もはや、誰を起用するといった問題ではなく根本的な問題だという気がしてなりません。

ゴール期待値的には、決定機さえ決めていれば勝てる試合であり、前半の攻撃陣の躍動は今後に期待を抱かれる要素ではあるのですが、なかなか上昇のキッカケを掴めません。ラングニック・ユナイテッドは一刻も早く90分戦えるフィジカルを手に入れることが先決(過密日程なのでこれが難しいのですが...)です。しかしこれでも成績が伴わないのであれば、いよいよラングニックの立場も怪しくなるでしょう。そして、その背景には選手の反発がある可能性が高くなります。

今回はネガティブなことばかり書きましたが、結局は結果が全てです。決定機をしっかり決めて、勝ち点を地道に積み上げることで状況は徐々に上向いていきます。それができるだけの実力のある選手が揃っているはずです。

そしてセインツ戦のポジティブ要素はサンチョでしょう。ボロ戦、バーンリー戦に続いて印象的な活躍を披露したサンチョ。ようやくチームにもプレミアにもフィットし、実力を発揮しつつあります。サンチョの活躍は本当に嬉しい!ボールを持った時のワクワク感がヤバいです(笑)。

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21-22PL25 ユナイテッドvsサウサンプトン スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

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21-22PL25 試合結果 出典:ユナイテッド公式

この試合の結果、ユナイテッドは5位浮上。4位ハマーズとの差は1ポイントとなっています。

次節はオールド・トラッフォードでのブライトン戦。2月16日(水)5:15キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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