こんにちはMasaユナイテッドです。
プレミアリーグ第22節 ホームでサウサンプトン(セインツ)と対戦したユナイテッド。試合は開始わずか77秒でセインツのヤンケヴィッツが退場になります。そこからユナイテッドが試合を圧倒、前半18分にワン=ビサカがゴールを決め先制すると、ラッシュフォード、オウンゴール、カバーニとゴールを重ね前半で4-0とします。後半に入っても攻撃の手を緩めないユナイテッドはマルシャル、マクトミネイ、ブルーノ(PK)、マルシャル、ジェームズがゴールを上げ9-0で勝利しました(86分にはベドナレクも退場9人に)。なお9-0というスコアは、プレミアリーグになってからの最大得点差試合の歴代タイ記録となりました。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。
今回はこの試合最多のチャンスメイクと2つのアシストを記録したルーク・ショーに焦点を当ててみようと思います。ショーの今シーズンの進化を紐解きます。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:ヘンダーソン、テレス、バイリー、ウィリアムズ、ポグバ、マティッチ、ファン・デ・ベーク、ジェームズ、マルシャル
ブレーズ:フォスター、ルイス、チャプチェット、フェリー、ワッツ、レドモンド、チョーク、フィニガン、ヌルンドゥル
①今シーズンのスタッツ(ルーク・ショー)
まず最初に今シーズンのショーのパフォーマンスをスタッツを見ながら振り返ります。
なおこの記事のスタッツは、TransferMarkt、SofaScore、FBREF を参考にしています。
20-21シーズンのショーはこれまで公式戦25試合、1911分に出場。プレミアリーグで3アシスト、CLで1アシストの合計4つのアシストを記録しています。ゴールはありません。昨シーズン、3バックの左という心境地を開拓したショーですが、今シーズンはチームがほぼ4-2-3-1固定で戦っている事もあり、CBでの出場はCLでの2試合のみになっています。
ショーと言えば負傷離脱の多いイメージですが、今シーズンは11月の1ヶ月間(33日)ハムストリングの負傷で離脱しています。なお、昨シーズン19-20シーズンは2度、合計88日間負傷離脱しています。その前の18-19シーズンはショーのハイライトシーズンとなっていて、公式戦40試合に出場し1ゴール5アシストをマーク。負傷で離脱した期間もわずかに11日でした。
今シーズンのショーの細かいスタッツについては後ほど詳しく取り上げますが、同ポジションのアレックス・テレスの加入により、競争意識が強くなった事と怪我が少なくなった事がパフォーマンス向上の要因の1つと考えられます。
なお、テレスについても少し触れておくと、テレスはこれまで公式戦13試合2アシストを記録。いまだにプレミアビッグ6との対戦での出場はありません。テレスにはキック精度という武器がありますが、トータル的にはショーを信頼し重用しているスールシャール監督です。
②セインツ戦のショー
次に、セインツ戦のショーのパフォーマンスを見てみましょう。
前半早々にセインツが退場者を出した事で試合運びが容易になった事もあり、ショーは温存のため前半45分のみのプレーとなりました。
スタッツをまとめると
アシスト・・・2
ボールタッチ・・・54回
パス成功率・・・92.5%
チャンスクリエイト(キーパス)・・・5回
ショット・クリエイティング・アクションズ・・・7回
クロス・・・2/5
ボールリカバリー・・・8回
となっています。特筆すべきはチャンスクリエイト5回とSCAが7回。これはフル出場したブルーノと同じ回数で、両チームを通じて最多の数字となります。そして2アシストを決めたこと。今シーズン、これまで僅かに1アシストだった事を考えると、ようやく結果が残せたと言えるでしょう。先制点となるワン=ビサカへのクロスと39分カバーニのゴールもクロスでアシストしています。
セインツは10人になり、4-4-1のブロックを作って自陣に引きこもりました。その為、ユナイテッドはフロントスペースでほぼフリーでボールを持つ事ができたので、マグワイアから左右のサイドバックへボールを散らす事から攻撃をスタートさせます。
ショーとワン=ビサカ は44のブロックの前でプレッシャーを受けずにボールが持てたので、そこからの仕掛けが機能していましたね。フラム戦、シェフィールド戦、アーセナル戦と両サイドバックを攻撃の起点とする事をかなり意識しているユナイテッド。ワン=ビサカもゴールを上げ、セインツ戦では存分に威力を発揮できたと言えるでしょう。
*SCA(ショット・クリエイティング・アクションズ)とは、パス、ドリブル、ファールをもらうなどシュートにつながる2つ前までのプレーを指します。
③ショーの進化
3-1.パス(チャンスクリエイト)
では、今シーズンのショーの進化をスタッツを参考に見ていきます。まずはパス関連から。
ショーが最も進化した項目がチャンスクリエイト(キーパス)の項目ではないかと思います。なお、スタッツはFBREFを参考にし、18-19、19-20シーズンと比較します。
キーパス
18-19・・・1.15/90分(33本) 19-20・・・1.04/90分(20本) 20-21・・・2.19/90分(34本)
SCA(ショット・クリエイティング・アクションズ)
18-19・・・1.81/90分(67回) 19-20・・・1.76/90分(42回) 20-21・・・3.74/90分(58回)
クロス
18-19・・・1.25/90分(36本 成功率26.92%) 19-20・・・1.24/90分(24本 23.68%) 20-21・・・3.16/90分(49本 33.33%)
このように、チャンスクリエイトの数字は今シーズン大幅に向上している事がわかります。またクロス本数も最多になっていて、成功率33.33%も最高の数字となっています。パスの精度が著しく良くなった事がスタッツを見てもはっきりしていますね。なお、参考までにブルーノの数字を見ておくと、キーパスは3.08/90分、SCAは5.34/90分となっています。流石ですね!
またショーはプレミアリーグのサイドバックの中で、オープンプレーからのチャンスクリエイト数が最多の成績になっています。デイブさんのツイートより
[http://
Luke Shaw has created 1.35 chances from open play p90 in the Premier League this season, more than:
🏴 Robertson [1.33]
🇫🇷 Digne [1.30]
🏴 Tierney [1.24]
🏴 James [1.29]
🇪🇸 Bellerín [0.93]
🏴 Alexander-Arnold [0.91]
🇪🇸 Reguilón [0.76]
🏴 Chilwell [0.63]Elite. 👏👏👏 pic.twitter.com/fay8XNwlnl
— Statman Dave (@StatmanDave) February 3, 2021
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3-2.ドリブル(ボール運び)
次に進化が見られるのはボール運び(キャリー)の項目です。
ドリブル
18-19・・・1.35/90分(39回 成功率72%) 19-20・・・1.71/90分(33回 73%) 20-21・・・2.00/90分(31回 65%)
キャリー(前方へ)
18-19・・・127ヤード/90分(トータル3658ヤード) 19-20・・・162ヤード/90分(3131ヤード) 20-21・・・175ヤード/90分(2712ヤード)
ボールタッチ(Def3rd Mid3rd Att3rd)
18-19・・・78.6/90分(23.5% 49.0% 27.3%) 19-20 76.9/90分(26.1% 44.7% 29.1%) 20-21・・・76.2/90分(22.9% 39.7% 37.2%)
ドリブル回数が増え、前へボールを運ぶ距離が長くなっている事がわかります。なお今シーズンのファイナルサードへボールを運んだ回数は54回となっていて、これはプレミア全体で5位の成績です(ラッシュは55回)。ショーは相手に当たられても倒れずにボールを運ぶシーンをよく見ます。相手の意表を突くような動きも得意で、パスとドリブルの使い分けも巧みになりました。
また、今シーズンのボールタッチの変化としては、アタッキングサードでのボールタッチが増えた事が挙げられます。今シーズンはここまで37.2%をアタッキングサードでボールタッチしている事になります。もちろんチーム全体の攻撃が機能していることや、相手が引いてブロック守備をしてくることが多くなり、ユナイテッドの敵陣でのボール保持が多くなっていることも要因です。
3-3.その他
攻撃に関するスタッツが目に見えて向上している事が分かりましたが、数値化しにくい項目も進化していると思います。例えば、攻めあがりのタイミングやハーフスペースへの侵入頻度といったオフザボールの動き。パートナーとなるウィングの選手を選ばない連携の良さや、パフォーマンスの安定感などです。
オフザボールに関しては、ウィングの選手とレーンを被らないようにしている為に、オーバーラップやインナーラップがとてもスムーズにできています。そしてチーム内での信頼も厚くなったことで、攻撃面でショーを使おうとするプレーを周りがしてくれています。昨シーズンはラッシュフォードなどはショーの上がりを無視して単独で仕掛ける事が多かった印象ですが、今シーズンは迷わずショーにパスを出しているように思います。
そしてハーフスペースへの侵入を意識できている事もショーのオフザボールの特徴です。サウサンプトン戦でも13~14分当たりにハーフスペースに侵入していますが、どの試合でもハーフスペースの深くから低くて速いマイナスのクロスを上げるシーンが見られます。チャンスクリエイト数が向上した1つの要因だと思います。
パフォーマンスの安定感もショーはチーム随一ではないでしょうか?ショーのパフォーマンスが悪かった試合はあまり記憶にありません。私はよく当ブログでパフォーマンスの良かった選手5人を挙げる記事を書いていますが、かなりの確率でショーが入っているはずです(気のせいだったらごめんなさい...)。一応SofaScoreのレーティング評価では、ブルーノに次ぐ2位の高レーティングになっています。
👿まとめ
ユナイテッドのストロング・ポイントである左サイドの攻撃の一旦を担うルーク・ショー。今シーズンは怪我も少なく、テレスとの競争意識もあり、格段に攻撃面のプレーが進化しました。それにはCBの経験もした昨シーズンの守備面での成長が背景にあると思います。サイドバックとして優先されるのはまず守備です。そこに自信を持つことができたので、思い切って前へ出れているという側面もありそうです。
今やブルーノと並ぶチームのチャンスメイカーになったショー。ブルーノ依存を問題視する方々には是非「ショーを見てくれ!ショーがいるだろ!」と言ってあげて下さい(笑)。名実ともにプレミア最高のサイドバックになりつつあるショー。シーズンが終了した時に、スタッツを含めてどうなっているのかはわかりませんが、最高の称号を手にするにはやはりタイトルが必要です。
9-0で歴史的勝利となったサウサンプトン戦。相手が早々に10人となった事はもちろん大きいですが、9ゴール全てが(1つオウンゴールもありますが)カッチョ良かったですね!マクトミネイのミドルなんか美し過ぎて額に入れて飾りたいぐらいです(笑)。マルシャルの2ゴールも上手かったですね。
しかし、前半のユナイテッドのポゼッションから崩しは、過去最高の出来だったと思います。とにかくボールがスピーディに動きましたし、中央、サイドと止まることなく展開できていました。1人少ないので当たり前と思うかもしれないですが、逆に難しかったりもすると思います。引いた相手を崩すのにパススピードやワンタッチプレーは有効だという事を、サウサンプトン戦の前半が示していましたね。

出典:プレミアリーグ公式

出典:ユナイテッド公式
この結果ユナイテッドは2位をキープ。1試合消化試合の少ないシティに勝ち点差3で追随しています。
次節はオールド・トラッフォードでのエバートン戦。2月7日(日)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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