こんにちはMasaユナイテッドです。
ヨーロッパ・リーグ ラウンド16 1stレグ、ホームでACミランと対戦したユナイテッド。試合は12分に緩慢な守備からケシエにゴールを決められますが、VAR判定の結果ハンドがあったとして無効に。その後も両者攻めあぐねる展開でしたが38分、ユナイテッドはCKからブルーノが頭でフリックしたボールを、ファーに詰めたマグワイアが合わせますが、至近距離のシュートをポストに当ててしまい得点ならず。後半、負傷したマルシャルに代えてアマド・ディアロを投入したユナイテッド。50分にはブルーノのパスに、裏抜けしたアマドがバックヘッドで合わせてトップチーム初ゴールを決めます!その後はミランが前へ出て圧を強めますが、ユナイテッドは74分にはフレッジ、ウィリアムズ、ショーの3人を入れて守備を固めます。しかし、アディショナル・タイムの92分、ミランはコーナーキックにケアが頭で合わせてネットを揺らし同点に。ミランが土壇場で貴重なアウェイ・ゴールを上げ1-1のドローに終わりました。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。
今回は終了間際の失点で、一部から批判を受けたディーン・ヘンダーソンにスポットを当てます。今シーズン、デ・ヘアに正GK争いを挑んでいるヘンダーソンですが、これまで出場機会は限られています。しかし、そのデ・ヘアもここにきて去就が不透明になってきました。
来シーズン、陣容が大きく変わる可能性のあるゴールキーパー・セクション。デ・ヘアの状況や移籍市場の動きも含めて、ユナイテッドのGKの未来予想をしたいと思います。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:グラント、ビショップ、リンデロフ、ショー、ウィリアムズ、トゥアンゼベ、フレッジ、ディアロ、ショレティレ
ミラン:アントニオ・ドンナルンマ、タタルシャヌ、カルル、ガッビア、カスティジェホ、トナーリ、トニン
①ミラン戦のヘンダーソン
ミラン戦、デ・ヘア不在により公式戦3戦連続の出場となったディーン・ヘンダーソン。90分を通して4つのシュート・セーブを見せ、今シーズン11試合目のクリーンシート達成かと思われた92分、ミランのコーナーキックからシモン・ケアがヘディングシュート。これをヘンダーソンは弾くことが出来ず失点。ミランに貴重なアウェイ・ゴールを与える事になりました。
またしてもセットプレーからの失点で、マークを外したマティッチの責任もあり、一概にヘンダーソンの「ミス」とは言えないと思いますが、弾けるボールだったという見解も。スールシャール監督は試合後
「6ヤードの位置でのヘディングシュートで、ディーンならセーブできる。ディーンが防いでくれると思ったんだが、結果はうまくいかなかった。土壇場で相手にシュートを許したことも痛手だった」
と語っており、若干ヘンダーソンに失望のトーンがありました。またOBでご意見番のポール・スコールズ大先生も
「このシュートをセーブすべきだった。彼(ヘンダーソン)は本来すべきよりも少しばかり難しく取りに行こうとしてしまったと思う。ボールをネットから遠ざけることが何よりも大切だった。セーブすべきものだった。このことは明らかで、彼自身も理解しているはずだ」
と言っていて、防げるシュートだったという見解に。確かにシュートスピードはありましたが、コースは正面だったので防いでほしかったというのが私個人の意見でもあります。
しかし、気になったのがスールシャール監督のトーンです。デ・ヘアも近年、同様のミスが散見されていますが、必ずと言って良いほどデ・ヘアのミスは擁護してきました。ヘンダーソンに対するコメントや最近の移籍報道を見るに、我々サポーターが思っているほどスールシャール監督はヘンダーソンを信頼していないのではないか?という印象を受けます。
いずれにせよ、ヘンダーソンにとっては、デ・ヘア不在という最大のアピールチャンスを活かせなかったミラン戦となってしまいました。
②デ・ヘアの未来
3月3日のプレミアリーグ、クリスタル・パレス戦の遠征メンバーから外れたデ・ヘア。試合前のスールシャール監督の会見では「個人的な理由」とだけ説明されていました。試合後、デ・ヘアのパートナーであるエドゥルネさんの出産のためスペインに帰国している事が判明。ユナイテッド側は、デ・ヘアの帰国申請を認めて、3月末のインターナショナルマッチウィーク終了までの離脱を許可しているという事です(ちなみに3月14日現在、すでにデ・ヘアはマンチェスターに戻っています)。
2011年にアトレティコ・マドリーからユナイテッドにやってきたデ・ヘア。これまでユナイテッドで434試合153のクリーンシートを達成し、文字通り守護神として10年間貢献してきたデ・ヘア。スパーセーブを連発し、チームのピンチを数々救ってきました。しかし、近年は失点に繋がるミスが散見され、ヘンダーソンの台頭もあり、守護神の交代が度々議論されてきました。
パフォーマンスの低下と若手の突き上げ、父親になったという環境の変化。ユナイテッド在籍10年という節目。30歳という年齢...デ・ヘアを取り巻く環境は「退団」に傾いているように感じます。契約はあと2年、2023年6月までで、1年の延長オプションがあるようですが、売るなら今シーズン終了時ということもあります。
しかし、やはり大きいのはマドリーで暮らすエドゥルネさんと生まれたばかりの娘さんの事。これまではエドゥルネさんがマンチェスターとマドリーを行き来する生活を送っていましたが、子育てをするにはマドリーを選ぶ可能性が高いです(エドゥルネさんは以前にマンチェスターの街を批判)。そうなった時に、デ・ヘアもスペイン帰還を選ぶ可能性は大きくなるでしょう。
特にコロナ禍である現在、国を跨いだ行き来には制約が付きまとうので、気軽にスペインへ帰国する事も難しくなっています。デ・ヘアはユナイテッドを愛していますが、サッカーよりも大事なことはあるはず。個人的には今シーズンでのデ・ヘア退団を予想しています。
移籍報道ではPSGやユベントス、バイエルンなどの名前も出ていますが、スペイン以外の選択肢はないと思います。そして最も可能性の高いのは古巣であるアトレティコでしょう。27節終了時点でラ・リーガの首位に立つアトレティコ。現守護神であるヤン・オブラクの移籍次第という面はありますが、デ・ヘアとのトレード、もしくはデ・ヘアがローンでアトレティコへという可能性もあります。
③来シーズンのGKラインナップ
来シーズンの去就が不透明なデ・ヘアとに続いて退団が確実なのがセルヒオ・ロメロです。今シーズン1度もベンチ入りすらしていないロメロ。ヘンダーソンの復帰により今シーズン第3GKに降格したロメロは、コンディション不良もあり実戦から離れていました。1月にはユナイテッドの許可を得てブエノスアイレスに戻ってトレーニングをしながら移籍先を探したようですが見つからず、今シーズンで契約満了となるため退団が確実視されています。
今シーズン、ワールドクラスのキーパーを3人も抱え、盤石の最強セクションであったキーパー部門ですが、3人一気に失う可能性もあるわけです。そしてその可能性は決して小さくありません。鍵を握るのはやはりヘンダーソンです。彼を来季No.1キーパーとして扱うのかどうかで、来シーズンのキーパーラインナップが変わってきます。
ミラン戦は上手くプレーできませんでしたが、安定したセービングとハイボール処理やキック力には定評のあるヘンダーソン。24歳になったばかりのイングランド代表キーパーで、アカデミー出身。サポーターからの期待は大きく、ヘンダーソンを正ゴールキーパーに据えるべきだという声も多くあります。
しかし、上にも書いたように、ユナイテッド上層部はもう少し「冷静に」ヘンダーソンを見ているように思います。キーパーとしての経験値という面で、まだ完全には信頼していません。若手の起用に積極的なスールシャール監督。今シーズン開始時にはもっとヘンダーソンに出番が回ってくるかと思っていましたが、そうではありませんでした。カップ戦を中心に公式戦16試合の出場に留まっています(デ・ヘアは29試合)。
スールシャール監督はキーパーに関しても、ポジション争いはオープンだと発言していますが、デ・ヘアがミスしてヘンダーソンが良いパフォーマンスを見せても、リーグ戦になるとデ・ヘアが起用されている現状は否定できません。スールシャール監督はキーパーに関してはフィールドプレーヤーとは違った選考基準を持っているのかもしれませんね。いずれにせよ、ヘンダーソンがユナイテッドのNo.1キーパーになりたいのであれば、シーズンの残りで信頼を勝ち取る必要があります。
④移籍の動き
もし、仮にヘンダーソンを来季の正ゴールキーパーとしないのであれば、恐らくヘンダーソンは移籍することになります。1月の移籍市場ではローン移籍の話も出ましたし、2月の後半にはヘンダーソン移籍希望のニュースが流れました。その後にはユナイテッドが来期に向けて、複数のGKをリストアップしていると報じられています。
名前が挙がっているのは、先にも挙げたアトレティコのヤン・オブラク。ミランのジャンルイジ・ドンナルンマ。リールのマイク・メニャンなど。中でも長年追っていると思われるオブラクは、違約金が1億300万ポンド(契約は2023年まで)と高額なため簡単に手が出せないですが、デ・ヘアを取引に含めるという方法を探ると言われています。
また、ELで対戦したミランの22歳の守護神で、キャプテンを務めることもあるドンナルマは、今シーズンでミランとの契約が満了するため、多くのビッグクラブが関心を示しています。ユナイテッド戦でも22歳とは思えないオーラと、エリア外への的確な飛び出し、パス精度の高さは印象的でした。確かにフリーで獲得できるとなれば魅力的なタレントですが、ミランとの契約延長が難航している理由がドンナルマが求める高額な年棒。代理人を務めるミーノ・ライオラ氏の要求は1000万ユーロ(12億6000万円)だという事です...。手を出してはいけない案件ですね。
現在25歳のメニャンに関してはあまり知りませんが、18-19シーズンにはリーグ・アン最優秀GKに選出され、過去にはユナイテッドやチェルシー移籍も報じられています。2019年6月にはユナイテッドが合意寸前まで迫ったとも言われています(記憶にありませんが...)。
このように、報じられているのはいずれも評価の高い選手。恐らく今後も次々候補が出てくるでしょう。先日ユナイテッドは、フットボール・ディレクター(ジョン・ムーター氏)とテクニカル・ディレクター(ダレン・フレッチャー)職の新設を発表しましたが、どのような獲得ターゲットを選ぶのか大きな注目となりますね。
ただし、こういった一流のキーパーを連れてくるのは、あくまでヘンダーソンが退団となった時のことだと思います。デ・ヘアが退団となり、ヘンダーソンをNo.1キーパーとするのであれば、むしろセカンドキーパーを探す必要があります。
👿まとめ
シティ戦の素晴らしい戦い振りから一転、最後までギアが上がらかったミラン戦のユナイテッド。ラッシュフォードとショーを欠いた左サイドが機能しなかったユナイテッドでしたが、マグワイアのシュートと、71分のグリーンウッドからのクロスにジェームズが飛び込んだ場面は決めて欲しかったです。そして何といっても、アマドの初ゴールを勝利で飾れなかったのは残念でした。92分の失点は、2ndレグの戦いを難しくしたという意味でも痛い失点でしたし、ヘンダーソンにとっても「止められたはず...」という後悔があるのではないでしょうか?
*スタッツはこちら

試合結果 出典:ユナイテッド公式
ウェスト・ハム戦でも隔離期間の関係でデ・ヘアは出場できないことが濃厚なので、ヘンダーソンがゴールマウスを守ります。ミラン戦のパフォーマンスを払拭するプレーを見せたいところです。この程度の事でヘンダーソンの自信が揺らぐことはないでしょう。彼のやる事は、正ゴールキーパーに相応しいという事を証明していくことだけです。
ELラウンド16 2ndレグはサンシーロで3月19日(金)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント