【20-21PL第31節】トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッド マッチレビュー

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こんにちはMasaユナイテッドです。

プレミアリーグ第31節 アウェイ、トッテナム・ホットスパー・スタジアムでトッテナムと対戦したユナイテッド。試合は35分にカバーニの素晴らしゴールでユナイテッドが先制したかに思われましたが、直前のプレーでマクトミネイの手がソン・フンミンに当たっていて、ファールがあったとして取り消されます。その後40分にソンにゴールを決められスパーズが先制します。ハーフタイムで気持ちを落ち着かせたユナイテッドは後半攻勢に出ます。57分にはフレッジのゴールで同点に。79分には途中出場のグリーンウッドのクロスにカバーニが頭で合わせて逆転に成功します。アディショナルタイムの96分にはグリーンウッドが右足を振り抜きダメ押しの3点目。1-3でユナイテッドが逆転勝利を挙げています。

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。

www.manutd.com

今回はこの試合のマッチレビューです。

以下項目です。

👿ラインナップ

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スパーズvsユナイテッド ラインナップ

ベンチメンバー
スパーズ:ハート、アルデルヴァイレルト、タンガンガ、シソコ、アリ、ウィンクス、ラメラ、ヴィシニウス、ベイル
ユナイテッド:デ・ヘア、テレス、ウィリアムズ、、トゥアンゼベ、マティッチ、グリーンウッド、ファン・デ・ベーク、マタ、ディアロ

①前半

1-1.スパーズのマンマーク

いつもの4-2-3-1システムのユナイテッドに対してモウリーニョが採用したのは4-3-3。普段は4-2-3-1が多いスパーズですが、ユナイテッドのシステムにはめ込む形のフォーメーションを使ってきました。基本的に、お互いのCBと1トップのところ以外は1対1のマッチアップとなり、スパーズはマンマーク気味にユナイテッドと対峙する事になります。

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スパーズのマンマーク

スパーズのビルドアップは、アンカーのホイビアーがCB間に降りる形。ユナイテッドは4-4-2でプレスに行くので、前線のカバーニ、ブルーノはそこでは数的不利になります。しかし、スパーズの前進はマンマーク的にハマっているので難しくなります。これはユナイテッドも同じ事が言えますが、ユナイテッドの方がより長いボールを使って前進を試みていました。

そもそもスパーズはビルドアップを重視していない印象を受けました。それよりもポジティブトランジッションのスピードでの打開を試みます。ボールを奪ったらワンタッチパスを織り交ぜ素早くソン、ルーカスにボールを渡して一気にゴール前にというのが狙い。

ただし、スパーズの40分の得点シーンは自陣の繋ぎから生まれています。このシーンはエンドンベレが右サイドに移動した事で、マークが外れて起こりました。ユナイテッドは得点を取り消された動揺があったと思いますが、エンドンベレの動きとルーカスの中移動、オーリエのサイドに張ったポジショニングにユナイテッドは対応できませんでした。

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1-2.ポグバの左サイド

一方のユナイテッドは開始からインテンシティが高く、集中して入っていましたが、ブルーノはホイビアーにマンマークされ思うように攻撃のタクトを振るえません。ホイビアーから離れてボールを受けても、他の選手もマンマークされている事もあり難しいビルドアップになりました。しかし、ユナイテッドは左サイドのショーとポグバのポジショニングの妙で徐々にファイナルサードへ侵入していきます。

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ビルドアップの早い段階でショーは大外の高い位置へ。それに合わせてポグバが斜め後ろに降りるので、ルーカスとオーリエのマークが一瞬遅れます。この隙を突いてマグワイアは長いボールをショーへ。ショーはこの試合パス成功率93.8%、ロングパス3/3、ドリブル3/3、キーパス2回と素晴らしスタッツを記録しています。

スパーズ戦、左サイドで出場したポグバは前半からハーフスペースを使う意識が高く、ブルーノの開けたスペースを上手く使うなど、このポジションでの適性の高さを改めて示しました。

1-3.カバーニの動き

取り消されましたが、前半35分の完璧な崩しからのカバーニのゴールをアシストしたのはポグバです。このシーンもポグバがハーフスペースでボールを持つ事でオーリエを釣り出し、そこへ背後からカバーニが飛び出すという素晴らし連携でした。

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カバーニの動き(取り消しのゴール)

試合前にスールシャール監督からカバーニの動き出しを活かさなければならないという話があったそうですが、ポグバは試合の序盤からその意識がハッキリ出ていました。ビルドアップを助けるための降りる動き、クロスが入ってくる時のゴール前の動き、試合終了間際の時間帯には左サイドに出てポグバ、ショーと連携を密にする動きなど、得点以外でのチームへの貢献も高かったカバーニ。この試合カバーニは、シュート2本(2本とも枠内)、SCAは最多の5回、キーパス2本、プレスは攻撃陣最多の14回、クリアも2回を記録しています。ゴール前でのディフェンスも印象に残りますね。カバーニはこの試合のMOMに選ばれています。

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②後半

2-1.ユナイテッドの修正

得点の取り消しと、失点により動揺したチームをハーフタイムで落ち着かせたスールシャール監督。後半に入って2列目の配置に修正を加えます。ホイビアーにマークされ機能していないブルーノを右サイドに出し、ラッシュフォードは右のハーフスペースでレギロンをピン留め。ポグバをほぼトップ下の位置に配置します。これによりスパーズの陣形も左サイド(ユナイテッドの右サイド)に寄るため、ショーがより高い位置を取れるようになりました。

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ユナイテッドの後半の2列目

この配置修正により、ボールタッチが増えたのがポグバ。ホイビアーのいなくなったバイタルでポグバは比較的フリーでボールを持つことができ、ユナイテッドの攻撃が機能し始めます。57分の反撃ののろしとなるゴールを挙げたのはフレッジでした。正直驚きましたが(笑)、半分はカバーニの秀逸な動きから生まれたゴールでしょう。このシーンはブルーノが左のハーフスペースで後ろ向きにボールを受け、それにオーリエが反応し前へ出ます。このオーリエの空けたスペースにカバーニが入り込みフレッジがスルーパスを出しました。これをカバーニがシュート。ロリスが弾いたこぼれ球をフレッジがゴールネット上に突き刺しました。

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ユナイテッドの1点目

2-2.スパーズの修正

同点に追いつかれたスパーズは、捕まえきれていないポグバの動きに対応するべくモウリーニョ監督も動きます。61分、ロ・チェルソに替えてシソコを投入。システムを4-2-3-1に変えて、ダブルピポーテの1角にシソコを配置します。これにより、ユナイテッドの中盤センターの2人(マクトミネイ、フレッジ)が、トップ下に移ったエンドンベレ1人に対して数的優位の状況になります。前から思っているのですが、シソコは対人守備があまり上手くありません。ポグバを抑える役割だったはずですが、ポグバを放っておいてフレッジまでプレスに行ったりと状況判断に疑問が残るシーンがありました。加えて、ユナイテッドはここでシステムを4-2-3-1(ポグバ左、ブルーノトップ下)に戻した為、シソコの役割がフレッジを見るのか、ブルーノまたはポグバを見るのか曖昧になっていきました。

2-3.好調グリーンウッドの投入

攻勢を強めるユナイテッドは72分にグリーンウッドを投入。この交代策がドンピシャで当たり、79分のカバーニのゴールをアシストしています。このシーンもグリーンウッドが右のハーフスペースにポジショニングする事でロドンを吊り出し、中をダイアーとオーリエの2枚にしています。この時ユナイテッドも中にカバーニとポグバの2枚で数的同数になっていました。

ユナイテッドの2点目

こうやって見ていくと、ユナイテッドは1試合を通してバックライン手前のハーフスペースでボールを受けることを狙っていたのかもしれませんね。ポグバ、ブルーノ、グリーンウッドとそこを上手く使って、スパーズのディフェンスラインを吊り出すシーンが度々見られました。

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カバーニのヘディングで逆転に成功したユナイテッド。終了間際の96分には、左サイドのカバーニ、ポグバ、フレッジのボールキープから、ポグバがドリブルでバイタルを突破。グリーンウッドへパスを出して、これをグリーンウッドが右足でニアを抜くシュートを決めました。昨シーズン、再三見せたニア抜きのゴール。グリーンウッドの調子が完全に戻ったと言って良いでしょう。対峙したレギロンは左を切りましたが、グリーンウッドは右足を使いました。両利きグリーンウッドの真骨頂ですね。グリーンウッドはこの試合のゴールとアシストで、03-04シーズンのクリスチアーノ・ロナウド以来となる、交代出場でゴールとアシストを記録したマンチェスター・ユナイテッドの10代の選手になったそうです。

👿まとめ

最高の勝利!

スパーズは最近調子が上がっていなかったとはいえ、格の違いを見せつけた試合となりました。正直35分のゴール取り消しは全くもって納得できませんが、1-6で敗れた前回対戦のようにメンタルが崩れる事無く、後半仕切り直して逆転したチーム力は称賛に値します。

また、戦術面でもスールシャール監督はビッグゲームに強い事を改めて示しました。シーズン前半戦はビッグ6に勝ちきれない試合が続きましたが、今回の勝利とシティ戦、FAカップのリバプール戦の勝利は、スールシャール監督がクロップ、ペップ、モウリーニョと互角以上に渡り合ったと言えると思います。もちろん安定感に欠け、戦術面で準備されていない試合もあるのですが(笑)、選手達のモチベーションを正しい方向へ向ける手腕はかなり高いと思います。

カバーニの素晴らしいストライカーとしての動き、ポグバのインテリジェンスに富んだポジショニング、フレッジの皆を笑顔にしたレアなゴール、グリーンウッドの本領発揮など個人で見てもクオリティの高さを見せた試合でしたが、ゴールマウスを守ったヘンダーソンも再三エリア外へ飛び出してライン裏をケアしました。これはデ・ヘアにはなかった動きで、スパーズのカウンターを封じ、バックラインを高い位置に上げる要因になりました。ヘンダーソンには正ゴールキーパーとしての自信がみなぎっています。

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スパーズvsユナイテッド スタッツ 第31節

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試合結果 第31節

3位レスターがリンガード有するウェスト・ハムに敗れたため、ユナイテッドは7ポイント差を付けての2位キープ。リーグ戦では11試合無敗を継続しています。なお首位シティもリーズに敗れたため、シティとは11ポイント差に縮まっています。

次節はELグラナダ戦を挟んでオールド・トラッフォードでのバーンリー戦 4月19日(月)0:00キックオフ。この勢いのまま連勝したいですね!カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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