こんにちはMasaユナイテッドです。
プレミアリーグ第32節 ホームでバーンリーと対戦したユナイテッド。試合は開始早々にウッドにヘディングでゴールを割られますが、これはオフサイドの判定でノーゴールに。ユナイテッドは前半、決して悪くなかったですが、時折反撃にくるバーンリーのフィジカルを活かした攻撃に手を焼きます。しかし後半48分、左サイドの崩しからブルーノの絶妙なスルーにグリーンウッドが合わせ先制に成功します。その直後、50分にはバーンリーがCKからタルコウスキがヘディングで決めて同点に。その後両者決められない時間が続きますが、84分になってグリーンウッドが2点目をゲット。追加点を上げます。さらにアディショナルタイムには途中出場コンビ、ファン・デ・ベークとカバーニで3点目を獲得。試合は3-1でユナイテッドが勝利しています。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。
今回はこの試合で見せたユナイテッドの「強さ」に関するコラムです。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:デ・ヘア、テレス、トゥアンゼベ、ウィリアムズ、マティッチ、マタ、ジェームズ、、ファン・デ・ベーク、カバーニ
バーンリー:ノリス、ナーティー、バーズリー、ピータース、ダン、ステフェンス、リチャードソン、ヴィドラ、ロドリゲス
①勝ち点66
20-21シーズンのプレミアリーグ32試合を消化し、19勝9分け4敗で66ポイントを獲得したユナイテッド。勝ち点66は18-19、19-20シーズンの最終獲得ポイント数と同じです。6試合を残して、昨シーズン、一昨シーズンの成績と並んだことになります。ポイント数だけ見ても確実に今シーズン「強くなった」と言えるスールシャール・ユナイテッド。バーンリー戦の勝利により、リーグ戦5連勝となりました。1月27日のシェフィールド・U戦に負けて以降、12試合無敗を続けています。
さらに今シーズンの4敗のうち3敗は、コンディションが整っていなかった開幕から6試合の間に喫しており、コロナによる影響で19-20シーズンの終了が遅れ、プレシーズンを行えなかった事を考えると言い訳の余地はあると思います。実際、首位に立つシティも開幕からコンディション不良で調子が上がらず、ユナイテッドと同じような順位で推移していました。19節から首位に立っているシティですが、負けの数はユナイテッドと同じ4敗です。ユナイテッドは20節シェフィールド戦の敗戦と、23、24節のエバートン戦、WBA戦のドローがなければ、シティと互角の争いができていたという計算です。
そして今シーズン際立っているのがアウェイでの強さ。10勝6分け0敗と無敗を続けています。無観客試合が与える影響がどの程度なのかはわかりませんが、このアウェイの成績も今シーズンのユナイテッドの強さを表すスタッツですね。
②選手の個性とタスク
バーンリー戦の先発ラインナップは上に載せていますが、トップにラッシュフォード、右サイドにグリーンウッドという配置を使いました。最近の傾向ではトップにグリーンウッドを使う事が多かったですが、バーンリー戦は入れ替えています。
ここ最近のユナイテッドの強さの一つは、前線の選手の配置を変えることで崩しのパターンに変化をつけることができる様になった事。ラッシュフォード、グリーンウッド、ポグバ、ブルーノ、カバーニ、ジェームズ、ファン・デ・ベーク。彼らはポジションを変えても自分の特徴を出しながら、チームの中で機能することができるようになりました。
この背景にはスールシャール監督が就任以来ずっとやってきた「戦術に選手をはめ込まない」というマネジメント法があります。もちろん、戦術がない事で苦戦する事もあるので賛否が別れるところですが、チームとして決まった形の崩しを持たない代わりに、能力の高い選手達が即興的に作り出す攻撃は、相手の組織された守備を崩壊させる威力があります。
ここへきて、お互いの動きに対する理解が進みコンビネーションが良くなった事、各個人のコンディションが上がっている事が要因で、引いてブロックを作る相手も粉砕できるようになりました。
バーンリー戦の47分の先制点は、まさに個の能力とコンビネーションの崩しが機能した形。左サイドでラッシュフォードがロートンを剥がした事でバーンリーの残りのバックス3人が左サイドへスライド。ゴール前のブルーノが見事なスルーで右サイドでフリーになったグリーンウッドへ。これをグリーンウッドが決めました。
ラッシュフォードのスピード、グリーンウッドのフィニッシュ、ブルーノのパス、ポグバのボールキープ、カバーニのゴール前での動き、それぞれの武器がそのままチーム戦術の中で「タスク」となっていることが、今のユナイテッドの強さの秘訣となっています。
③後半のパフォーマンスアップ
後半、戦術的、選手の配置的な修正を加えてギアを上げる事ができるようになっている事も強さの秘訣。バーンリー戦では開始30秒でゴールネットを揺らされる展開。オフサイドで事なきを得ましたが、その後もバーンリーの4-4-2でのブロック守備とウッドのフィジカルを活かしてシンプルに前進する戦い方に前半は苦労しました。
今シーズンのユナイテッドは、リーグ戦13試合で先制点を献上しているように前半はパッとしない内容が多いのは事実。慎重に入り過ぎている事もあるかもしれませんが、多くの試合で前半は前線の動きが少ないと思います。
まぁどのビッグクラブも前半はパフォーマンスを抑えて、後半に点を取りにいく試合が多いと思いますが、ユナイテッドも目に見えて後半のパフォーマンスを上げられるようになりました。今シーズン、前半のゴール総数は23点なのに対して、後半は41点となっています。
これはスールシャール監督の、ハーフタイムで選手を正しい方向へ導くメンタルマネジメントと、ポジション修正の巧さがあると思います。バーンリー戦では、後半開始と共に、フレッジを下げカバーニを投入。ラッシュフォードを左サイドへ、ポグバを中盤センターへと変更しています。決してフレッジのパフォーマンスが悪かったわけではありませんが、バイタルのケアにはより高さが必要だと判断された事と、中央から前線へのフィードの質を上げる必要があった為、ポグバをセントラルにしたと思います。
ラッシュフォードは慣れ親しんだ左サイドに出てショーとの連携が増え、カバーニはいつものように動きでギャップを作りだそうとします。84分にはファン・デ・ベークも投入し、結果的に途中出場のファン・デ・ベークのアシストからカバーニがゴールを決めています。
このように、後半パフォーマンスを上げつつ、ゴールという結果もしっかり残せる今のユナイテッドは間違いなく強いです。
④試合を決められる才能
そして、そのゴールという結果を得るのに、ユナイテッドには頼もしい選手がいます。バーンリー戦2ゴールを挙げたグリーンウッドと、1ゴールを挙げたカバーニの2人。グリーンウッドは直近のリーグ戦3試合で4ゴール。カバーニは公式戦直近の3試合で3ゴールと躍動しています。3月末の代表マッチウィークで負傷離脱したマルシャルに代わってストライカー役をこなす2人が結果を残している事は朗報です。
そもそもマルシャルは今シーズン不発。リーグ戦では22試合でわずかに4ゴールしか挙げていません。それでもほぼスタメンで使われていましたが、そのマルシャルの離脱が吉と出た形となりました。マルシャルの離脱に合わせて、グリーンウッドもカバーニもコンディションを上げてきたことは出来過ぎた偶然ですね(笑)。
シーズンの前半は、得点のところでブルーノ(16得点)がチームを引っ張ってくれましたが、コンディションが上がるにつれて、前線の選手たちが本来のパフォーマンスを見せるようになっています。これまでラッシュフォードはリーグ戦10ゴール。カバーニが8ゴール。グリーンウッドは5ゴールをマークしています。ブルーノにラッシュフォード、そしてグリーンウッド、カバーニと試合を決められる才能を持った選手の存在がユナイテッドの強さを支えています。
👿まとめ
2015年2月の対戦からホームで勝てていない相性の悪い相手で、決して楽な試合展開ではなかったバーンリー戦ですが、結果的に3得点を挙げての勝利でした。この試合で垣間見せたのはユナイテッドの「強さ」。ブロックをこじ開けようとする忍耐強さの中に、チャンスは逃さない抜け目なさが見られました。そして、絶対に勝てるという自信。②の項目でも書いたように、今のユナイテッドは選手の個性をそのままタスクとしているチームです。チーム戦術を決めて落とし込むというチーム作りをしてこなかったスールシャール監督。目指してきたチームとしての形が完成しつつあるという印象を受けます。
そして、この選手の個性をタスクとするチームとして思い出すのはやはりファーガソン時代のユナイテッドですね。ベッカムのクロス、ギグスのドリブル、スコールズのミドル、キーンのタックルなどがチームとして完璧に機能していた時代です。個人的に今シーズンのユナイテッドは、ファーガソン退任以降で一番良いチームだと思っています。もちろん課題もまだまだありますし、なによりタイトルを取れていないので不満がないわけではありませんが、チームメイト同士の関係や、チームの雰囲気。目の前の1戦1戦に集中する姿勢など、昨シーズンから目に見えて成長しています。

ユナイテッドvsバーンリー スタッツ 第32節 出典:プレミアリーグ公式

試合結果 第32節 出典:ユナイテッド公式
バーンリー戦の勝利により、首位シティと8ポイント差。3位のレスターとは10ポイント差をつけ、チャンピオンズリーグの出場権、ならびに2位の座をほぼ手中に収めたと言えます。
しかし、この選手達の今シーズンの努力を台無しにする事件が起きました。「Super League」の創設とユナイテッドの参加です。このオーナー主導で行われた「フットボール革命」は4月21日に頓挫しましたが、クラブの品格を著しく傷つけ、選手や監督、コーチ、サポーターを裏切った功罪は計り知れません。詳しくは後日記事に書くことになると思いますが、選手たちの心情を思うといたたまれませんね...。
次節はエルランド・ロードでのリーズ・ユナイテッド戦 4月25日(日)22:00キックオフ。シティに勝利したビエルサ・リーズ。前回大勝していますが、気を引き締めていきましょう。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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