こんにちはMasaユナイテッドです。
プレミアリーグ第38節(最終節)、アウェー、モリニュー・スタジアムでウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)と対戦したユナイテッド。2位が確定しているユナイテッドは、大幅にメンバーを入れ替えて試合に臨みました。試合は前半13分にジェームズのクロスに頭で合わせたエランガが、トップチームでの2試合目にしてゴールをゲット!先制に成功します。しかし徐々にホームのウルブスがゲームを支配。ポゼッションでユナイテッドを圧倒し始めます。39分に、美しい崩しからセメドに決められ同点に。しかし、ユナイテッドもすぐさま反撃に出て、前半アディショナルタイム、ファン・デ・ベークがボックス内で倒されPKを獲得します。このPKをマタがしっかり決めて1-2に。後半はウルブスがさらに押し込み、今シーズン限りでの退任が決まっているヌーノ・サント監督になんとか勝利をもたらそうと攻勢をかけます。しかし、ユナイテッドはなんとか逃げ切り最終節を1-2の勝利で飾りました。なおユナイテッドはハンニバル・メジブリとウィル・フィッシュをトップチームデビューさせています。
試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。
リーグ最終節は、トップデビュー戦の人、ユナイテッドでのラスト試合になるかもしれない人...立場の違う選手たちが同じピッチに立ちました。今回は、この試合に出場した選手を、様々な立場の違いから振り返ってみたいと思います。
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
ウルブス:ソンダガード、ルディ、キルマン、マルカル、ヴィチーニャ、フーフェル、ギブス=ホワイト、ジョゼ
ユナイテッド:グラント、ワン=ビサカ、フィッシュ、リンデロフ、マクトミネイ、ハンニバル、グリーンウッド、ラッシュフォード、ショレティレ
①エランガ&アマド
第36節レスター戦に続いて、2回目のリーグ戦先発となったエランガとアマド。2人共、印象に残るパフォーマンスを見せてくれました。エランガは13分に先制点となるヘディングシュートを決めて、デビュー2戦目にしてゴールを決めています。右WGでスタートしたエランガは、オフザボールでは持ち前の得点力を生かす為にゴール前に侵入し、ボールを持てば積極的にドリブルで仕掛けました。ドリブルは6回を試行。受けたファールは最多タイの3回。シュートも最多タイの2回を記録しています。後半は左にポジションを移し、守備面での貢献が光ました。プレスは最多の31回を記録しています。
アマドもゴール、アシストこそありませんでしたが、積極的な姿勢はかなり印象に残りました。以前にも書きましたが、ボールを持つ事に自信がある事がわかります。ドリブルは最多の7回。ボールタッチも前線の選手では最多の62回を記録。また、プレスもエランガに継ぐ30回でした(82分間の出場)。
この2人は来シーズン、トップチームでの出場機会が増えると予想されます。アピールに成功したと思いますし、特にアマドは試合に出る度に成長を見せています。パワーはまだまだ不足していますが、献身的な守備とボールを要求する積極性、ボールテクニックなどはかなり高いクオリティがあります。
サンチョの加入が噂さされるポジションですが、まずはバックアッパーとしての地位を確保したいところです。
②マタ&マティッチ
若い前線を支えるため、ウルブス戦でもマタとマティッチのベテラン勢が起用されました。この試合の決勝点となったPKを決め、このゴールを3月に亡くなった母親に捧げたマタ。アマドとエランガにプレスやポジションの指示を出しながら、彼らにパスを供給する役割を担いました。ファイナルサードでのパス本数はチーム最多の25本をマークしています。
レスター戦同様、キャプテンを任されたマティッチは、前半こそウルブスのハイプレスに狙われ、ボールロストする場面がありましたが、試合が進むにつれて存在感を増していきました。散らしのパスや、縦パス。ドリブルでの持ち上がりなどで攻撃面でアクセントをつけながら、カバーリングも的確でした。ボールリカバリーは最多の11回を記録しています。
この2人は退団の可能性があります。マタは6月で契約が切れますが、未だに更新しておらずフリーでの退団が濃厚です。マティッチは、ローマの新監督となったモウリーニョが欲しがっているというイタリア方面の報道があります。ただ、契約は2023年まで残しており、マティッチ自身もユナイテッドでの「若手の教育係」を楽しんでいるように思います。マティッチは残ると思っています。個人的には2人共残って欲しいですが、マタはデ・ヘアと共に退団の可能性がありますね。
③ファン・デ・ベーク&テレス
今シーズン、ユナイテッドに加入したファン・デ・ベークとテレスも最終節でフル出場の機会を与えられました。ファン・デ・ベークは中盤セントラルでの出場でしたが、運動量豊富に動いてスペースを作り出し、味方とのコンビネーションパスを多用してポゼッションに貢献しました。周りが若手だった事もあって、変な遠慮がなかったことが本来の彼らしい動きができた要因だったかもしれません。前半終了間際にPK獲得に繋がるボックス内の侵入を見せました。
テレスもパフォーマンスの良かった選手の1人。攻撃面では、SCA(ショット・クリエイティング・アクションズ)3回、キーパス1本を記録。これはジェームズの5回に続く数字です。守備面では前半、トラオレとマッチアップし、苦戦しながらもなんとか抑えました。トラオレが負傷交代してくれたのはテレスにとってもラッキーだったかも(笑)。ボールリカバリーはマティッチに継ぐ7回。インターセプトは最多の5回と守備面での貢献が光りました。
この2人にとってウルブス戦は来シーズンへ向けてのアピールの場でした。試合自体にプレッシャーが掛かっていない中で高パフォーマンスを見せた2人は、来シーズンもっと向上し、チームの戦力アップに貢献してくれると思います。
④ウィリアムズ&ジェームズ
アカデミーではキャプテンを務めた事もあるウィリアムズは右SBで出場。後方からエランガ、アマドの後輩を支える任務を担いました。ボールタッチは84回と最多ながら、マティッチのスルーパスを決められず、やや空回り感が...。後半、ハンニバルとショレティレが入ってからは、ウィリアムズにパスを預けるシーンが増え、アカデミー組からの信頼の厚さを感じさせましたね。
ジェームズは怪我明けという事もあり、コンディションを整える事と、アマド、エランガの若い2人をサポートしながら、ゴール、チャンスメイクに絡むという仕事も期待されました。エランガの先制点アシストとなる左足からのクロスは素晴らしい軌道でしたし、SCAは最多の5回、キーパス3本を記録しているのは流石ですが、ジェームズも決定機でシュートミスがありましたね。
この2人は、スカッドでの立場が微妙になっている2人。両者ともに冬の移籍市場ではレンタル移籍の噂がありました。ジェームズはシーズン後半に復調し、アピールできましたが、まだまだ判断力やボールテクニックに改善の余地があるのも確か。さらにサンチョ加入やアマドの突き上げ次第では立場がかなり危うくなります。先日、第一子を秋に授かることを明かしたジェームズ。夏の間に重要な決断を迫られる可能性があります。
ウィリアムズは、手薄な右SBのバックアッパーに定着できませんでした。19-20シーズンのフレッシュな活躍は影を潜め、出場機会が激減。もらったチャンスも、今回のウルブス戦の様に噛み合っていないパフォーマンスが目につきました。来シーズン、ダロト、レアードの復帰の可能性もありますが、本人の為にも武者修行に出た方が良いと思います。
⑤バイリー、トゥアンゼベ&ヘンダーソン
マグワイアの負傷離脱により、終盤戦に出番が回ってきたバイリーとトゥアンゼベ。レスター戦と同じく、2人でCBを形成しました。ポゼッションで上回り、攻勢を掛けるウルブスに対して2人は冷静に対応。主に空中戦はバイリーが、シュートブロックはトゥアンゼベがというように、お互いの守り方の特徴もよく現れていました。バイリーは空中戦勝率71%を記録しています。76~78分に立て続けにファビオ・シルバに決定機を作られかけますが、2回ともにトゥンゼベがこれをブロック。事なきを得ています。ヘンダーソンは1失点喫しますが、2つのボックス内からのシュートをセーブしています。
この3人はEL決勝の舞台に立つ可能性があります。CBの一角にはリンデロフが入るのは確定的ですが、バイリーとトゥアンゼベどちらがパートナーに選ばれるのか注目です。ウルブス戦をはじめ、パフォーマンスが印象に残っているのはトゥアンゼベの方。しかし、経験値とリンデロフとの補完性ではバイリーに一日の長があるかもしれません。
そして問題はGK。決勝で使われなかった方は退団なんていう一部報道もありますが、準決勝までデ・ヘアを起用してきた事、ユナイテッドでのラストダンスとなる可能性があること。ユナイテッド歴10年という功績に敬意を示す意味でも、決勝のゴールマウスを守るのはデ・ヘアではないかと思います。それにしてもメディアは執拗に、デヘアvsヘンダーソンを煽りますね(笑)。確かにスールシャール監督にとったら、決勝のメンバー選考は頭を悩ませる問題でしょう。
⑥ハンニバル、ショレティレ&フィッシュ
後半82分についにプレミアの舞台に立ったハンニバル・メジブリ。一足先にトップデビューしていたショレティレと共にピッチに立ちました。ポジションはトップ下でしたが、あってない様なもの(笑)。ショレティレと2人で前線という配置でした。89分にピッチに立ったCBウィル・フィッシュも含めて(もう1点差付いていれば82分に出てたと思います)、ウルブス戦の評価は時間が短過ぎてできませんが、彼らにとっては決して忘れる事のない瞬間となったでしょう。
先日、クラブの年間最優秀選手を決める授賞式で、ショレティレが20-21シーズンのジミー・マーフィー年間最優秀若手選手賞に選出され、ハンニバルがU-23年間最優秀選手に選ばれました。共に正しい軌道に乗っていることの証ですが、来シーズンはより高見を目指して、トップチームでの出場機会が増えるようにハードワークしてほしいですね。
👿まとめ
20-21シーズン最終節となったウルブス戦は、メンバーをローテーションさせ、経験の少ない若手選手を起用したにもかかわらず、現状のほぼベストと言って良いメンバー構成で臨んだウルブスに勝利しました。これは称賛に値しますし、ヘンダーソンとジェームズ以外は、レスター戦と同じメンバーだったこともあってか、連携も深まっていた事も素晴らしかったです。エランガの一生忘れる事のないゴールに始まり、ユナイテッドでは最後かもしれないマタのPKで勝ち星を挙げた、なんとも最終節らしい試合展開でした。
上に書いてきたように、今回の出場メンバーは立場が様々です。退団する人、もう後がない人、来シーズンの活躍を誓う人、未来を見据える人...。それぞれが胸に秘めるものは違っても、ピッチに立てば、1つのチームとして連携して勝利を目指す。そんなフットボールの原点を思い出させる試合でもありました。毎シーズン、最終節には色々な感情が出てきますが、今回のように何も賭っていない最終節では、そういった選手の透けて見える胸の内が様々混ざり合い、複雑な思いになります。
嬉しいリーグデビューを飾ったハンニバルとフィッシュ。スールシャール監督によってリーグデビューを与えられたアカデミー出身選手は、これで8人目になりました(グリーンウッド、ガーナー、チョン、ウィリアムズ、ショレティレ、エランガ、ハンニバル、フィッシュ)。最後は、なんだかU23の試合を見ている錯覚に陥りそうでしたが(笑)、このメンバーで難敵ウルブスをアウェーで破った事は評価できると思います。

ウルブスvsユナイテッド スタッツ 第38節 出典:プレミアリーグ公式

第38節 試合結果 出典:ユナイテッド公式
この結果、ユナイテッドは、今シーズン、アウェー戦無敗を達成。アウェーで1シーズン無敗を達成したイングランドのトップリーグ史上4番目のチームとなったそうです。
さらに、プレミアリーグでのアウェイ無敗記録は今シーズンの試合を含めて26試合に伸び、いまだ継続中(アーセナルの27戦無敗が最長記録)。過去に同じ偉業を達成したチームは、プレストン・ノースエンド(1888-89)とアーセナル(2001-02、2003-04)のみだそうです。
ユナイテッドは21勝11分け6敗、74ポイントで2位フィニッシュという成績でシーズンを終えました。
しかし、シーズン終了の感傷に耽るのはまだ早いですね!ユナイテッドにはもう1試合、最重要の試合が残っています。
EL決勝、ビジャレアル戦は5月27日(木)4:00キックオフ。オーレ政権初タイトルへ向けて!カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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