【20-21EL準決勝2ndレグ】カバーニがチームにもたらしたもの【ローマvsマンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

ヨーロッパリーグ準決勝2ndレグ アウェイ、オリンピコでローマと対戦したユナイテッド。試合は入りから動きの重いユナイテッドに対して、ローマが積極的に仕掛ける展開に。しかし先制したのはユナイテッド。39分にフレッジのスルーパスにカバーニが反応。きっちり決めて勝ち抜けを確実なものとします。後半に入り、ショーとワン=ビサカを温存したユナイテッドでしたが、ローマが分厚い攻撃を見せ、57分ジェコ、60分にクリスタンテのゴールで逆転します。ユナイテッドは68分に、ブルーノのピンポイントクロスにカバーニが合わせて2点目を決め同点としますが、ローマは83分にザレフスキのシュートがテレスに当たってオウンゴールに。3点目を挙げて試合は3-2でローマが勝利2試合トータル5-8でユナイテッドが決勝進出を決めています

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。

www.manutd.com

今回はこの試合2ゴールを挙げる活躍を見せたカバーニを取り上げます。シーズン後半に掛けてフォームを上げているカバーニの存在はユナイテッドに何をもたらしたのか。まとめてみました!

以下項目です。

 👿ラインナップ

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ローマvsユナイテッド 2ndレグ ラインナップ

ベンチメンバー
ローマ:ボーア、フザート、クンブラ、サントン、ザレフスキ、ダルボエ、ボーベ、チェルヴォ、マジョラル
ユナイテッド:グラント、ヘンダーソン、テレス、トゥアンゼベ、ウィリアムズ、リンデロフ、マティッチ、マタ、エランガ、マクトミネイ、ラッシュフォード、アマド

①得点力

ローマ戦2ゴールの活躍を見せたカバーニ。今シーズントータルでは14ゴールとなりました。これはブルーノ26G、ラッシュフォード20Gに続く3番目の数字ですが、ブルーノはPKから12ゴール挙げていることを考慮すると、流れの中での得点ではブルーノと同じゴール数となります。

さらに、出場時間を考慮して見てみると

ゴール/90分・・・0.56(ブルーノ) 0.47(ラッシュ) 0.68(カバーニ)
ゴール期待値/90分・・・0.49(ブルーノ) 0.36(ラッシュ) 0.58(カバーニ)

となっており、得点に関してはチームNo.1の成績と言えます。ちなみにプレミアでは90分当たりのゴール数が0.63ですが、これは7位の成績。ベイル、イヘアナチョ、リンガード、ジョタ、ケイン、サラーに次ぐ数字です。

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ローマ戦でも見事な2ゴール。2得点とも見事な動き出しから素晴らしいゴールを決めています。ただ決定機を2回外してはいますが、それでも高いレベルの得点力を示しています。ユナイテッド加入当初は、コンディションが整っておらず、本来の実力を発揮できていませんでしたが、マルシャル離脱により出場時間が増えると得点を量産。4月、5月だけで7得点を奪っています。34歳という年齢はフル稼働は難しくなっていますが、ユナイテッドの貴重な得点源となっています。

②献身性

前線で見せるプレスや、自陣まで戻る守備意識、耐えず相手ディフェンダーを出し抜こうとする献身的な動きもカバーニの大きな特徴

ローマ戦、チーム4番目となる17回のプレスをおこなったカバーニ。前線のプレスのスイッチ役をこなすカバーニは、マルシャルが十分に出来ていない仕事をしています。1stレグとは違い、4バックのローマの2CBに対してプレスを掛け、ボールをサイドへ誘導。ブルーノとのプレスの連動も良く、2人で最前線のプレスを担当するシーンも見られました。

カバーニのフォワードとしての動きの恩恵を受けているのがブルーノです。ブルーノはローマとの1stレグで2ゴール2アシストをマークしましたが、それ以前の9試合では2ゴール1アシストとフォームを落としていました。1stレグでは1点目はブルーノのゴールをカバーニがアシスト、2点目はカバーニのゴールをブルーノがアシストしています。ローマ戦の2ndレグでもブルーノのピンポイントクロスを、カバーニがヘディングでゴールを決めています。ゴールシーン以外でも、カバーニがブルーノへ決定的なラストパスを送るなど、相性の良さを見せています。

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カバーニの存在は、ブルーノが本来の役割であるチャンスメイクに専念できるというメリットをもたらしています。カバーニの質の高いオフ・ザ・ボールの動きは、ブルーノのプレービジョンにマッチしてきており、ラッシュフォード、グリーンウッドを加えた攻撃ユニットは1段階進化した印象を受けます。その根底にはカバーニの献身性が大きな役割を果たしています

③経験とプロ意識

現在34歳となるカバーニは、これまでパレルモ、ナポリ、パリSGで556試合でプレー。341ゴールを挙げてきました。セリエAとリーグ1で3回の得点王パリでは25個のタイトルを獲得ヨーロッパの大会での実績も十分です。

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キャリアを通じて、長期離脱するような怪我もなくコンディション管理の上手さや、プロフェッショナリズムの高さは特筆に値します。そして、それはユナイテッドでも顕在。スールシャール監督も事ある事にカバーニのプロ意識を称賛しています。

「彼はマンチェスター・ユナイテッドに来るまで長く、長くサッカーから離れていた。およそ7ヶ月間だ。さらにいくつかの怪我を抱えていたが、再びフィットするために激しく努力をし、そしてクオリティを見せつけた。」

と言っている通り、今シーズン後半のパフォーマンスは彼の努力の賜物です。

ローマ戦の2試合は、カバーニのプロ意識と経験が活かされた試合でした。特に2ndレグは低調なチームのパフォーマンスの中で、常に動き続け、ファイトし続ける姿勢は素晴らしかったですね。カバーニがELの決勝へ導いたと言っても過言ではありません。

④若手の成長

これまでチームに不在だった、生粋のストライカータイプであるカバーニは、ユナイテッドの若手FW陣にも良い影響を与えています。マルシャル 、ラッシュフォード、グリーンウッドの3人はカバーニから学ぶべき事がたくさんあるはず。以前からスールシャール監督は

「アントニー(マルシャル)、マーカス、メイソン、ダン(ジェームズ)には、エディソンがクラブに所属している間に機会を最大限に生かしてもらいたい。彼の動き、姿勢、勝利に対する意欲から学ぶべきだ。彼は誰よりもハードワークをこなすセンターフォワードの一人で、知性溢れるセンターフォワードでもある。ボックス内での動きも秀逸で、終盤に彼が放ったヘディングを見れば明らかだ。若い彼らがエディンソンから学ぶことは多い。彼から学ぶべきだ。来月34歳になるとは思えないコンディションだし、身体のケアに関しても見習うべきだ。年齢が上で、経験豊富な選手が加われば、チーム全員にとって力になる。彼にとっても、プレーで結果を残すだけが重要ではない」

「彼もチーム内で模範的な選手になる役割、責任を理解している。そういう役割を担うよう、彼に頼んだ」
引用:ユナイテッド公式

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と語っています。ピッチ上でも、特にグリーンウッドに対してアドバイスを送っているシーンも度々見られ、グリーンウッドもカバーニを慕っている様子が伺えます。ローマ戦では、マンチーニとの接触で、口論になりカルスドルップに突き飛ばされたグリーンウッドを守るためにカバーニが駆けつけ、カルスドルップをカバーニが突き飛ばしました。19歳のグリーンウッドを守る34歳のカバーニはまるでお父さん(笑)。男気溢れる振る舞いはファンの間で話題となりました。

今シーズン前半、リーグ戦でわずかに1ゴールとスランプに陥っていたグリーンウッドは、4月のブライトン戦、スパーズ戦、バーンリー戦、ローマ戦とゴールを連続して挙げ復調してきています。全てカバーニと共に出場している試合だというのは偶然ではないでしょう。カバーニはグリーンウッドのメンタ―役を引き受けていると思います。

👿まとめ

勝って決勝進出を決めたかったですが、3-2の敗戦となったユナイテッド。デ・ヘアのセーブがなければもっと得点を許し、追いつかれていたかもしれないというほどチームのパフォーマンスは低調でした。ローマが放ったシュートは22本。決定機は8回ありました。敗因はいくつかあると思いますが、やはり1stレグの大勝による気の緩みは少なからずあったと思います。ファン・デ・ベークの左サイドの機能不全、ポグバの中盤の低パフォーマンスも気になりましたが、後半のテレスとウィリアムズの守備対応も不満の残るものでした。特にテレスはポジショニングが悪く、ローマの大外からの侵入に対応できない場面が散見されました。

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戦術的にはローマのまさかの4-1-4-1に対応できていなかった面も。特にフレッジは、マッチアップしたクリスタンテの引いて受ける動きに惑わされ、バイタルを開けるシーンが多かったです。ジェコに当てて中盤の選手が飛び出していくローマの攻撃にディフェンスラインが下がりピンチを招いていましたが、フレッジの動きは中盤の空洞化を招く要因になっていました。

*スタッツはこちら

www.uefa.com

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ローマ2ndレグ 試合結果

低調な出来の中でカバーニが2得点。1stレグ同様に高いパフォーマンスを見せました。今シーズン加入したカバーニの契約は今年の6月まで。1年の延長オプションを持っていますが、未だに契約延長に合意できていません。ユナイテッド側は、延長の打診をしていますがカバーニは家族との時間を増やすためや、イングランドの生活に馴染めないという理由から、南米でのプレーを希望しているとの報道もあります。

しかし、ここ最近の充実ぶりを見るに延長は近いのかなという印象を受けます。チームには馴染んでいますし、チームメイトからの信頼も厚いです。なにより、その得点力はユナイテッドに必要不可欠で、仮にハーランドやケインの獲得を目指すにしても、カバーニの存在はまだまだ必要です。

個人的には34歳という年齢、プレミア初挑戦というリスク、英語が話せないことから、加入当初はカバーニの獲得に疑問を抱いていましたが、彼の高いプロフェッショナリズムと得点能力に今ではすっかり虜です(笑)。「背番号7の呪い」を解いたカバーニ。EL優勝に導き、来シーズンもその雄姿が見たいですね。

この結果ユナイテッドはEL決勝へ。5月27日(木)4:00からポーランド、グダニスクでビジャレアルとの決勝戦を迎えます!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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