こんにちはMasaユナイテッドです。
今回は21-22夏の移籍情報第4弾として、セントラルミッドフィールダー編をお届けします。
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このポジションも補強の必要性が叫ばれていますが、これまでのところは移籍の動きは活発ではありません。
数名の選手の名前が挙がっていますが、今回はその中でプレミア所属の3選手をスタッツを用いて徹底比較したいと思います。
この中で最もユナイテッドに相応しいのは誰か?ではいってみましょう!
以下項目です。
👿獲得候補3選手
★デクラン・ライス
現所属:ウェスト・ハム
国籍:イングランド
年齢:22歳
身長:185cm
20-21成績(PL):32試合2G1A
市場価値:65M€
現契約:6/30/2024
★ウィルフレッド・ヌディディ
現所属:レスター・シティ
国籍:ナイジェリア
年齢:24歳
身長:183cm
20-21成績(PL):26試合1G4A
市場価値:60M€
現契約:6/30/2024
★ルベン・ネベス
現所属:ウルブス
国籍:ポルトガル
年齢:24歳
身長:180cm
20-21成績(PL):36試合5G1A
市場価値:45M€
現契約:6/30/2023
👿スコット・マクトミネイ
国籍:スコットランド
年齢:25歳
身長:191cm
20-21成績(PL):32試合4G1A
市場価値:35M€
現契約:6/30/2025
獲得候補3名と、参考にユナイテッドからマクトミネイを加えて比較します。ハマーズのキャプテン、ライスは現在最も報道されているセントラルミッドフィールダーだと思います。ヌディディは過去に何度か移籍の噂がありました。ルベン・ネベスは正直ほとんど報道されていないのですが、個人的趣味で加えました(笑)。
では詳しく見ていきましょう。なおスタッツはいつものFBREFを参考にしています。

①アタッキング
1-1.ビルドアップ
ビルドアップの貢献度を計るうえで参考にしたスタッツは、パス本数とボールタッチ。
では見てみましょう。
ライス:パス本数=47.1/90分 タッチ=56.3/90分
ヌディディ:パス本数=56.3/90分 タッチ=70.7/90分
ネベス:パス本数=65.2/90分 タッチ=78.3/90分
マクトミネイ:パス本数=53.6/90分 タッチ=66.7/90分
このようにスタッツからは、最もビルドアップに貢献しているのはルベン・ネベスだという事がわかります。反対に、もっとも絡んでいないのがライスです。
マクトミネイは、ビルドアップの場面でCBに落ちる動きもしますが、基本的にビルドアプの起点になるのはマグワイアであり、要になるのは両SBです。ビルドアップ時のマクトミネイの重要性が低いことは、試合を見ている方ならわかると思います。
ヌディディは、レスターのビルドアップにとても大きな役割を担っています。頻繁に降りてCBからボールを貰いに行き、貰ったボールを攻撃のキーマンであるティーレマンスに預けるという重要な仕事を担当しています。
ネベスは、ウルブスのビルドアップの起点。サイドへの散らしに、縦パスに、正に司令塔です。
一方でライスは、ビルドアップの貢献では他の2人に劣るという結果に。確かにビルドアップに関してノーブルやソウチェクに任せている印象を受けますし、ウェストハムはクレスウェルとツォウファルの両SBが最多のタッチ数をマークし、ビルドアップのキーになっています。
1-2.パス、展開力
ライス:ショートパス精度=90.5% ロングパス回数=8.16/90分 AT1/3へのパス=3.53/90分
ヌディディ:ショートパス精度=88.8% ロングパス回数=8.51/90分 AT1/3へのパス=3.31/90分
ネベス:ショートパス精度=88% ロングパス回数=18.1/90分 AT1/3へのパス=6.84/90分
マクトミネイ:ショートパス精度=91.6% ロングパス回数=8.65/90分 AT1/3へのパス=4.60/90分
次にパス、展開力の項目。この項目はやはりネベスが圧倒しています。ミドル、ロングパス回数が多く(ロングパス18.1本は圧倒的)、アタッキングサードにもパスを打ち込めていることがわかります(6.84本/90分)。逆にショートパス精度はマクトミネイ91.6%とライス90.5%が高くなっています。これはゲームメイクの場面で、リスクを冒すことが少ないことの表れと言えます。
ユナイテッドの昨シーズンの課題として中盤の創造性不足がありました。守備の局面では頼りになるマクトミネイ、フレッジですが、データからもリスクの高いパスは躊躇しがちだということがわかります。
ショートパスの本数で見ると、22.6本のヌディディが最多になりますが、ビルドアップの項で見たように、組み立ての場面での関与が大きいことの表れだと思います。
1-3.攻撃参加
ライス:キーパス=0.59/90分 SCA=1.53/90分 シュート総数=24本 シュート精度=29.2%
ヌディディ:キーパス=0.62/90分 SCA=1.36/90分 シュート総数=16本 シュート精度=6.3%
ネベス:キーパス=1.08/90分 SCA=2.09/90分 シュート総数=64本 シュート精度=21.9%
マクトミネイ:キーパス=0.59/90分 SCA=1.39/90分 シュート総数=26本 シュート精度=26.9%
キーパス、ゴール期待値、SCAが最も高いのはネベスです。チャンスメイクに関してはパス精度が高いネベスが高い数字を示しています。しかし、実際のアシスト数のトップはヌディディの4つ。これはレスターの前線のクオリティも影響しますが、ここぞというところではアタッキングサードに侵入し、ラストパスを出せるということ。
シュートに関してもネベスが圧倒。ゴール数もマクトミネイの4ゴールを上回る5ゴールを挙げています。シュート総数64本は最多。90分換算でも最多です。逆にシュートの項目ではヌディディは最下位。ショッツ・オン・ターゲットも6.3%とダントツに悪い。ヌディディにはフレッジよりゴールは期待できないという結果に(笑)。
昨シーズンは攻撃参加からゴールを奪う試合もあったマクトミネイですが、チャンスメイクの項目は予想通り高くありません。アタッキングサードでマクトミネイからゴールに結びつくようなパスが出てこない事はユナイテッドファンの方ならご存じかと思います(笑)。
②ディフェンス
2-1.対人守備
ライス:タックル回数=2.41/90分 プレス=15.5/90分 空中戦勝率=61.8%
ヌディディ:タックル回数=4.46/90分 プレス=20.2/90分 空中戦勝率=59.8%
ネベス:タックル回数=3.03/90分 プレス=19.7/90分 空中戦勝率=55.1%
マクトミネイ:タックル回数=2.03/90分 プレス=14.7/90分 空中戦勝率=59.0%
次に守備面の比較をしていきます。まずは、タックルや空中戦などの対人守備から。
90分当たりのタックル数は予想通りヌディディが4.46回でトップ。続いてネベス、ライス、マクトミネイの順。プレスも同様の順番でヌディディが20.2回でトップとなっています。フィジカル的にはヌディディが最も優れており、積極的にデュエルを挑んでいる事がわかります。逆にライスとマクトミネイも、フィジカルの強さを持っているように見えますが、ガツガツした守備をしていない事は、試合を見ていて感じられると思います。
次に空中戦。最も勝率の高いのは61.8%のライス。ヌディディ、マクトミネイ、ネベスと続きます。最も身長の高いのはマクトミネイで191cm。最も低いのは180cmのネベスです。ただし、90分換算での勝敗数を見るとヌディディが最も回数は多くなり、ライスは3位に後退します。積極的に空中戦も戦っているのはヌディディだということ。ライスはCBの経験もありヘディングが上手く、冷静に状況を判断して空中戦に挑んでいるという事が言えます。
2-2.カバーリング、ボールリカバリー
ライス:リカバリー=9.84/90分 ブロック=1.69/90分 インターセプト=2.13/90分
ヌディディ:リカバリー=12.4/90分 ブロック=2.73/90分 インターセプト=2.56/90分
ネベス:リカバリー=11.1/90分 ブロック=2.39/90分 インターセプト=1.55/90分
マクトミネイ:リカバリー=9.07/90分 ブロック=2.36/90分 インターセプト=2.15/90分
次に、カバーリングやボールリカバリーなどのスペースを埋める守備を見てみましょう。ボールリカバリー最多はヌディディの12.4回。以下、ネベス、ライス、マクトミネイと僅差で続きます。次に、パスやシュートのブロック。これもヌディディがトップでネベス、マクトミネイ、ライスという順位。ライスは、ブロックのイメージが強かったんで意外です。そして、インターセプトはヌディディ、マクトミネイ、ライス、ネベスという順位になります。マクトミネイは、確かにインターセプトが上手いですね。飛び込まずに、冷静に相手の動きを見ることができています。
スペース管理の項目もヌディディの優位性が見て取れます。積極的に対人守備をしつつ、危ないスペースにも反応できているという事は、守備面のクオリティが相当高い事がわかりますね。
2-3.ファール
ライス:イエローカード=2枚 ファール数=0.69/90分
ヌディディ:イエローカード=6枚 ファール数=2.19/90分
ネベス:イエローカード=8枚 ファール数=1.52/90分
マクトミネイ:イエローカード=3枚 ファール数=1.98/90分
ファールの項目に関してはライスが優秀。4選手の中では最もクリーンなディフェンスを行っていると言えます。逆を言えば、対人守備の項目で見たようにデュエルに対して積極的でないとも取れますが、ドリブルに対するタックル成功率では43.6%と4人の中で一番優れています。ライスはクリーンにボールを刈る技術に秀出ていると言えそうです。
激しい対人守備を行うヌディディとネベスはカードもファールも多い傾向にあります。ちなみにネベスのイエロー8枚はプレミア全体で8位タイの数字(ショーと同じ)。ヌディディの総ファール数53回は6位タイの回数です。そして、プレミアで最もファールが多かったのがホイビアとソウチェクの69回となっています。ライスの相方の方が、積極的に相手を潰しにいっているということでしょう。
👿まとめ
いかがでしたか?獲得候補筆頭のライスですが、スタッツを見ると攻撃、守備両面で他を圧倒するようなクオリティを見せているとは言い難い結果となりました。奇しくも先日、クラブOBであるニッキー・バットが、
「ライスはマクトミネイより優れているのか?」
という発言をしましたが、スタッツからはほとんど差がないことが浮き彫りになっています。
もちろん、数字には表れないことも多くあり、スタッツはチーム状況によって変化するものなので一概に決めつけるつもりはありません。しかし、ボールを持つ時間の短いウェスト・ハムでのプレーと、ユナイテッドでのプレーでは自ずと求められるタスクは変わってくるでしょう。ライスはフィジカルも強く、1アンカーを務めるなど守備面での貢献が評価されています。ハマーズでのパフォーマンスや、ユーロにも召集されレギュラーでプレーしていること、契約もまだ3年残している事などから65m€もの値札が付いていますが、それに見合うだけのプラスαをユナイテッドにもたらしてくれるのか、少し冷静に考える必要があるかもしれません。
一方で、ヌディディはディフェンスの局面で圧倒的なクオリティを示しています。それこそ、フェルナンジーニョやファビーニョ、カンテなどと遜色ない守備力を誇り、ビルドアップの局面でも一定の貢献が見込めるタレントです。もし、ユナイテッドが中盤の強化に「守備力の向上」を優先するのであればヌディディの方がライスよりも適任なのかもしれません。
ただ、個人的には昨シーズンのユナイテッドの中盤の課題は「創造性に欠けた」ことだと思っています。フレッジ、マクトミネイはプログレッシブパスを試みる回数が少ないですし、ポグバを中央で使うには守備面で不安が付きまとうこともあり、サイド起用が増えました。この中盤の問題を解決するのであれば、理想は「ロイ・キーン+スコールズ」です。そんなスーパーなタレントはもちろんいないのですが、それに近いのがルベン・ネベスです。タイトな守備もできてビルドアップもゲームメイクもこなせ、ミドルも打てる。まさに守備的MFの理想形だと思います。
しかし、ユナイテッドの獲得候補としてほとんど名前が挙がっていません。ウルブスとの契約は2023年まで。ヌーノ・サント監督の退任により3500万ポンド程のオファーがあれば手放すのではないかとも言われているネベスですが、不思議なほどユナイテッドとはリンクされません。
代理人が関係しているのか...?ネベスの代理人はジョルジュ・メンデスですが、最近はシティにばっかり顧客を送り込んでますからね…。現在のユナイテッドにはメンデスの顧客は1人もいません。逆にディ・マリアやファルカオ、モウリーニョを掴まされたユナイテッドが距離を置いているのかも...。
現在のところは、サンチョとCB獲得の動きでいっぱいいっぱいのユナイテッド。中盤の補強は、ポグバの去就も影響するので、まずはポグバの契約延長が先かもしれませんね。果たして中盤の選手獲得はあるのか?今後の動きに注目しましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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