【21-22シーズン】新ユニフォーム・レビューと胸スポンサーの歴史【~TeamViewer】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

7月15日、マンチェスター・ユナイテッドの21-22シーズン・ホームユニフォームが発表されました。例年のように、ネット上では賛否両論ありますが、クラシカルでシンプルなデザインと、7シーズン振りに新しくなった胸スポンサーが特徴です。

www.manutd.com

今回はこの新ホームユニフォームのレビューとユナイテッドのスポンサーの歴史。新規スポンサーとなった「TeamViewer」についての記事です!

以下項目です。

①新ユニフォーム・レビュー

21-22シーズンのホームユニフォームのコンセプトは「マンチェスター流」。公式の説明ではこの「マンチェスター流」とは

ユニークで、我々のDNAに刻み込まれているもの。それは、強さであり、挽回する力であり、情熱であり、自信。そのすべてが組み合わさって、都市、ライフスタイル、そして世代を定義している。それは、他では見られないもの。それがマンチェスター・ユナイテッドだ。

引用元:ユナイテッド公式

としています。マンチェスターという都市と、マンチェスター・ユナイテッドという偉大なクラブの融合から着想を得ており、最先端のシャツ・テクノロジーの中に、伝統を活かしたデザインとなっています。

1960年代、ジョージ・ベスト、ボビー・チャールトン、デニス・ローなどのレジェンドが活躍した時代のユニフォームにインスパイヤされたデザインで、大きめの首回りと袖口のホワイトラインが特徴的です。15-16シーズンのホームユニホームとデザイン的には似ており、オーソドックスなタイプと言えます。

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*15-16シーズンのユニフォームに関する記事はこちら

【マンチェスター・ユナイテッド】かっこいい!歴代ユニフォーム5選【Home編】
伝統の赤 歴代ホーム・ユニフォームでかっこいいのはこの5つ!

ユナイテッドのホームユニフォームの色はもちろん「赤」ですが、その色合いが毎回違うのも特徴の一つ。今回の赤はやや明るめのトーンを採用。うっすらと濃淡の縦ラインが入っているのがわかります(AEROREADY technologyのライン)。首襟の裏にはゴールドの縁取りの中に「youth, courage and success(若さ、勇気、成功)」というクラブのコアバリューがあしらってあり、首後ろとソックスの前方には金の悪魔が配置されています。

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21-22ホームユニフォーム
出典:ユナイテッド公式

昨シーズンのキットが革新的なデザインだっただけに、今シーズンのキットは拍子抜けするぐらいにシンプルで、少々物足りなさがありました。公式発表前からリーク画像が出回っていたこともあり、なおさらインパクトに欠けることとなったという側面も...。このキットのリーク画像に対してガリー・ネヴィルは「ユナイテッドのホームキットはどれも好きだが、このキットは全く好きではない!」と酷評し、個人的にも赤が明るすぎてあまり好みではありませんでした。

しかし、先日のプレシーズンマッチ初戦のダービー戦で、選手たちが実際にこの新ユニフォームを着用しプレーする姿を見ると不思議な事にかっこ良く見えました(笑)。明るすぎると思っていた赤も、青空の下ではやや落ち着いた色相に見え、白のショーツと、白の配色が多めになったソックスとのバランスもとても良いと感じました。まぁ、毎シーズン、選手たちが着るとかっこよく見えてくるんですが(笑)、今シーズンはこのユニフォームで是非タイトルを獲得してほしいですね。

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②胸スポンサーの歴史

そして、今シーズンのユニフォーム最大の特徴は何といっても「胸スポンサー」でしょう。昨シーズンまでの「CHEVROLET(ゼネラルモーターズ)」から「TeamViewer」に変更になりました。TeamViewerに関しては次項で詳しく取り上げますが、ここではユナイテッドと胸スポンサーの歴史についてざっくりと振り返りたいと思います。

✔SHARP(シャープ・エレクトロニクス)・・・1982~2000
✔Vodafone(ボーダフォン)・・・2000~2006
✔AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)・・・2006~2010
✔AON(エーオン)・・・2010~2014
✔CHEVROLET(ゼネラルモーターズ)2014~2021

記念すべき最初のシャツ・スポンサーとなったのはご存じ日本の電機メーカー、シャープです。1982年に登場しますが、当時はシャツにスポンサー名を入れるのは珍しかったようですね。パートナーシップは2000年まで18年間続きますが、契約は最初の5年間でわずかに50万£というものでしたが、「シャープと言えばマンチェスター・ユナイテッド」というほど強い印象を今でも残しています。当時シャープはユナイテッドの精神的故郷であるニュートンヒースの中心部に工場を有していたという背景があります。

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2000年からは英国の携帯電話会社であるボーダフォンが胸スポンサーとなります。契約は当初の4年間で3000万£(750万£/年)。その後2003年に新たな4年契約に改定。4年で3600万£(900万£/年)という契約に。ボーダフォンは、サービスを通じて試合結果、ニュース、静止画とビデオの画像、着信音、ゲームなど、幅広いクラブコンテンツを展開し、ユナイテッドにデジタル革命をもたらしました

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2005年にアメリカ人実業家であるグレイザー家に買収されたユナイテッドは、2006年からアメリカの保険会社であるAIGと4年契約を締結4年間で5650万£(1412万£/年)の契約でした。より高い収益を求めて、アメリカ市場をはっきり意識した契約であり、歴代最強と名高い07-08シーズンを含め、契約期間の4年間で3度のプレミア制覇とチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた時期のスポンサーとして印象深いですね。

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2010年からはアメリカの保険関連企業AONと契約。4年で8000万£(2000万£/年)という当時、バイエルンやレアル、チェルシーなどのスポンサー契約を抜いて最も価値のある契約となりました。さらにAonとは2013年に、トレーニンググラウンドとトレーニングキットの8年間で2億4000万$の契約を締結。契約の一環としてAonは、プレーヤーのデータ分析からリスク管理まで、あらゆることについてクラブにアドバイスを提供してきました。

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2014年からはアメリカの自動車メーカーGM(シボレー)と契約。7年間で4億4800万£。年間6400万£という超破格の契約となりました。サッカー界で最大のシャツスポンサー契約となる一方で「シボレー」期は、サッカーの成績という観点では失敗と言えます。FAカップやELのタイトルは獲得しましたが、プレミア優勝からは遠ざかっています。

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ユナイテッドの胸スポンサーは、その時代の市場経済や社会情勢を反映している側面もあります。日本企業が世界を席巻した時代からモバイル革命へ。そしてグレイザーの登場を機に、親米化とグローバル化へと突き進みクラブの規模、認知度を極限まで押し上げてきました

しかし、2020年のコロナ・パンデミック発生とともにバブルは崩壊。多くの企業、フットボールクラブが経済的に苦しい状況に立たされました。そんな時代背景の中でユナイテッドの新スポンサーとなったのが「TeamViewer」社です

③TeamViewerとは?

2021年3月19日。ユナイテッドは21-22シーズンの新たなシャツパートナーとしてドイツのグローバルテクノロジー会社「TeamViewer」と契約した事を発表しました。多くの人が、TeamViewerをググったと思いますが(私もすぐにググったうちの1人ですwww)、ある意味「マイナー」な企業が選ばれたことは大きな驚きをもたらしました。

TeamViewer社は2005年設立のドイツ企業で、自宅で仕事をしながら、職場のコンピューターやその他のデバイスにログインして、実際にそこにいるかのように使用できるソフトウェアを提供している会社です。いわゆるリモートワークに使用するソフトウェアですが、ZOOMの方がより知名度が高いかもしれませんね。TeamViewer社は現在200ヶ国で事業を展開し、25億台以上のデバイスにインストールされているそうです。1年前までニッチだと思われていた分野ですが、コロナ・パンデミックにより急成長を遂げた分野の企業というわけです。

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年間4700万£の5年契約。これは楽天とバルサの年間5500万€に匹敵する契約であり、コロナ禍でスポーツクラブがまとめた契約の中で世界最大になります。パンデミックにより不況に陥った企業も多く、近年リーグ優勝すらしていないチームと2億£以上の取引をまとめる事は懸命とは言えず、二の足を踏む企業も多かったはず。また、アルコールやタバコ、ギャンブルの分野も、もはやスポーツクラブのスポンサーとしてはふさわしいとは言い難く、イギリス政府の規制も整備されようとしています。

そんな中でエド・ウッドワードEVC(およびリチャード・アーノルドGM)が見出したのがデジタル・テクノロジー分野のTeamViewerでした。ある意味、このリモートワークソフトは車(シボレー)よりも重要になっていくかもしれません。フットボール素人で、批判が絶えないウッディですが、時代の流れに完璧にフィットした契約をまとめた手腕はさすが。そして契約期間も3年でなく5年とした事も評価に値します。5年という期間は商業的成功とフットボールの成績を区別することを可能にします。言い換えればクラブは数回の良くないシーズンを過ごせる猶予があるという事です(タイトル取ってほしいけど...)。

そしてTeamViewerの技術はユナイテッドとファンを繋ぐためにも一役買ってくれるようです。ユナイテッドの公式ページには

今回のパートナーシップにより、マンチェスター・ユナイテッド、そして世界に11億人いるファン、フォロワーに、TeamViewerの専門的技術であるリモートコネクティビティサービスを紹介できる。TeamViewerがシアター・オブ・ドリームスへのARソリューションとリモートアクセスを提供することで、ファンは愛するクラブにより近い存在になれる。

引用元:ユナイテッド公式

と書いてあり、世界のどこにいても、よりユナイテッドを身近に感じることができるデジタルサービスが提供される可能性を示唆しています。具体的にはTeamViewerのホームページに

✔バーチャルスタジアム体験
✔独自の舞台裏コンテンツ
✔オールド・トラフォードスタジアムと自宅での拡張現実 (AR)
✔より魅力的なミュージアム体験
引用元:TeamViewer公式

などとあります。楽しみですね。

世界的クラブであるユナイテッドがTeamViewerのようなマイナーな企業と契約を結んだことは、コロナ禍の時代の完璧な象徴であり、全世界にファンを持つユナイテッドだからこそ説得力のあるスポンサーチョイスだと言えます。他のクラブが同様の「金脈」を発見するためには、相当な努力と創造性が必要となるでしょう。

👿まとめ

ついに発表となった新ユニフォームは公式ショップ「UNITED DIRECT」やアディダス・オンラインショップなどで購入できます。皆さんは新ユニフォーム気に入りましたか?

store.manutd.com

shop.adidas.jp

ユニフォームにおいて胸スポンサーは結構重要な要素だと個人的に思っています。今回のTeamViewerは、正に時代にマッチしたスポンサー企業だと思いますし、フォント・デザイン的にも主張し過ぎないデザインで好印象。

この契約に関しては、2021年末での退任が決まっているエド・ウッドワードEVCが、最後に大きな仕事をしたと思います。一時はコロナパンデミックの影響でスポンサーが見つからず、スポンサーなし、あるいはシボレーとの契約を延長するというところまで追い込まれましたが、見事に見つけてみせました。金額的にはGM(シボレー)には及びませんが、時代背景も考慮した付加価値は同等ではないでしょうか?

このTeamViewerとのパートナーシップの期間にユナイテッドは成功する事ができるのか?

何かと批判されるユナイテッドの上層部ですが、スーパーリーグ騒動から心を入替え(?)ファン視点に立った仕事をしつつあります。補強はまだ途中ですが、スポンサー面(金銭面)のお膳立ては整えました。あとはピッチ上で結果を出すのみ。そしてそれは当然ながら監督、選手の仕事になります。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

コメント

  1. kaiaskun より:

    やっぱりユニフォームはアンブロ&SHARPが印象的です。留学中、ベッカムのシャツになぜかネビル弟にサインして貰いました。
    今年はシボレーよりは良いでしょうか。サンチョのホームシャツ買うと思います。
    まあカップを掲げると何でも格好いいですがw

  2. masachesterutd より:

    Re.kaiaskunさん
    コメントありがとうございます!やっぱりアンブロ&SHARPですか!私はユナイテッドに出会ったときにはVodafoneでしたが、SHARPユニのイメージは強くあり、憧れを持っていました。フィルのサイン!いや、うらやましいですよ!今はベッカムとフィルはオーナーと監督の関係なのでむしろプレミア感半端ないです。「カップを掲げると何でも格好いい」同意です!

  3. まさお より:

    初めてマンチェスターユナイテッドの存在を知った時はシャープでしだ。2000前後くらいのソニー、トヨタ、ニンテンドー、セガなど…日本すげーって思った記憶あり

  4. masachesterutd より:

    Re.まさおさん
    コメントありがとうございます!当時の日本企業には勢いがありましたね。ちなみに最初Vodafoneも日本企業だと思ってました(笑)。海外のサッカーチームが日本のスポンサーを付けてると「おっ!」ってなりますよね!

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