こんにちはMasaユナイテッドです。
21-22プレミアリーグ第2節 アウェイ、セント・メリーズスタジアムでサウサンプトン(セインツ)と対戦したユナイテッド。試合は開始からサウサンプトンのハイプレスが機能し、ユナイテッドは苦しい立ち上がりに。ユナイテッドはなんとかセットプレーからチャンスを作りますが、30分にアダムスのシュートがフレッジに当たりディフレクト。オウンゴールで先制を許します。後半、セインツのシステム変更もあり徐々に主導権を握ったユナイテッドは55分にグリーンウッドが決めて同点とします。しかし、その後は両者決め手を欠いて1-1という結果に終わりました。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合のマッチレビュー。前後半、試合のポイントとなった項目を挙げて振り返りたいと思います!
以下項目です。
👿ラインナップ

ベンチメンバー
サウサンプトン:フォースター、ウォーカー=ピータース、ベドナレク、バレリ、レドモンド、ディアロ、エルユナヌシ、テリア、ロング
ユナイテッド:ヒートン、ダロト、ヴァラン、マクトミネイ、マタ、リンガード、ファン・デ・ベーク、ジェームズ、サンチョ
①前半
1-1.失敗した試合の入り
キックオフのファーストプレーでファールを取られフリーキックを与えるスタートとなったユナイテッド。このウォード=プラウズのフリーキックはデ・ヘアがなんとか掻きだしますが、その後も立て続けにセットプレーを与える立上りとなりました。ユナイテッドが敵陣にボールを運んだのは3分過ぎてから。アウェイらしい入りと言えばそれまでですが、この試合の入りにより、完全に出鼻をくじかれる形になりました。
開幕のリーズ戦では開始15分ごろまで積極的なハイプレスで主導権を握ったユナイテッドでしたが、セインツ戦はハイプレスを掛ける素振りを見せず、リトリートを繰り返します。リーズ戦の総プレス回数は158回でしたが、セインツ戦は123回でした。セインツのハイプレスが効いていた為ですが、あれだけラインを下げさせられれば思うように試合を進めるのは困難でしょう。
単純なパスミスも見られ、浮足立った試合の入りとなったユナイテッド。ファイナルサードにボールを運んでも繋がらないシーンが散見され、チャンスになりそうな場面でのロストもあり波に乗る事に失敗しました。
1-2.ハイプレスに苦しむ
ゲーゲンプレスが代名詞であるセインツは、前半積極的なハイプレスでユナイテッドを大いに苦しめました。低い位置から繋ごうとするユナイテッドに対して、両サイドのジェネポとウォルコットを中に絞らせ、中央で六角形を作るいつもの形で構えます。この六角形の中にユナイテッドの中盤センターを入れてパスコースを塞ぎ、サイドにボールを出させる戦法です。セインツの総プレス回数は246!(ユナイテッドの倍)。個人で見てもロメウの35回を筆頭にアダムス34、アームストロング31とトップの2人が続いています。

ユナイテッドもマティッチがこの六角形から出てなんとかビルドアップしようとしますが、パスの出しどころは全てマークされている状態。そもそもプレス耐性の高くないフレッジ、マティッチというコンビを使ったことは、采配ミスと言われても仕方がないほど、前半の2人のパフォーマンスは酷いものでした。マクトミネイが怪我の為、スタメン起用が難しい状況だったという事情はありますが、それならキープ力のあるポグバを中盤で使うなり、ワンタッチパスでプレス回避できるファン・デ・ベークをマティッチと組ませるなり他にも選択肢はあったと思います(上手くいったかは別として)。
中盤センターの問題は、この夏中言われ続けているにも関わらず、改善や修正がなされない事は大いに疑問です。あくまでポグバを2列目で考えるならば、中盤センターはマクトミネイ、フレッジ、マティッチの3人しかいない計算になります。昨シーズンはそれでもなんとかなってきたかもしれませんが、タイトルを狙うなら明らかに足りないセクションです。
多くのユナイテッドサポーターの方がマティッチ、フレッジのスタメンに懐疑的でした。それが正しかったことを改めて露呈した前半のパフォーマンスでしたね。2人ともパス成功率が75%程しかなく、明らかにいつもの試合より低いスタッツになっています。さらにCBの2人も80%ぐらいといつもより低いです。ビルドアップに苦労したのが数字からもわかりますね。
失点シーンの起点となったのはハイプレスで繋ぎが乱れた上に、助けに降りてきたブルーノをスティーブンスに潰されたところからでした。セインツ的には狙い通りの形であり、ユナイテッド的には警戒していて当然の形から失点しており、詰めの甘さと準備不足が垣間見れたシーンとなりました。
1-3.消された左サイド
前半、ビルドアップが機能しなかったユナイテッドですが、ストロング・ポイントである左サイドをセインツに消されたことも苦戦した要因の1つです。先述した、セインツの六角形プレッシングですが、これを読むと「じゃあサイドは使えるね」と思うかもしれません。しかし実際はサイドバックへのパスコースも巧みに消されていました。特に左サイドのショーのところはウォルコットが絶妙な立ち位置で消していて、マグワイアは何度もパス出しを躊躇しています。
ポグバはご存じの通り、やや内側にポジショニングしますが、六角形の陰になる上にリブラメントがピッタリマークに付いていて、そこにもボールを着けることができません。結果的にフレッジを経由するか、ワン=ビサカ、グリーンウッドのいる右サイドへ誘導され、そこのクオリティで攻撃は機能しませんでした。

ちなみに、トップにマルシャルを起用した理由ですが、この左サイドがカギだったのではないかと思います。スールシャール監督の試合後のコメントでも「アント(マルシャル)を起用して、フォワードを2人にしたかった。アントは左に流れ、メイソンは右から入ってきた。」と言っている事から、ポグバが内側に入る代わりにサイドにマルシャルが流れることを想定していたのではないかと思います。しかし、前半は左を消され、右に誘導されたためにプランは機能しなかったのではないかと思います。マルシャルはボールタッチわずかに13回でパスも6本中4本成功したのみ。ボールロストもその内5回となっていて全く機能する事はできませんでした(59分間)。
②後半
2-1.セインツのシステム変更
後半に入り、先に動いたのは先制しているセインツ、ハーゲンヒュットル監督でした。ウォルコットを下げベドナレクを入れ5バックへ変更します。同時にロメウとウォード=プラウズのポジションも逆にしている事から5-3-2に変更したと思いますが、ジェネポはあまり動きを変えていなかったので、ディフェンスを一枚増やしてサイドハーフを1枚無くした変則の5-3-2という感じでした。
意図としては、単純に1点リードを守るために守備的にシフトしたというところですが、そもそも前半のようなハイプレスを90分続けるのは無理があり、どこかで緩める必要がありました。後半開始と同時にシステムを変えてハイプレスも止め、重心を下げたことからここで一端ペースを落として最後に体力を残しておくというプランだったと推測できます。
しかし、セインツにとってはこれが裏目に出ます。ハイプレスが止んだためユナイテッドはビルドアップがスムーズになり、両サイドバックも攻撃参加できるようになります。55分のグリーンウッドの同点弾は、右サイドをオーバーラップしたワン=ビサカのクロスからでした。そしてショーが高い位置を取り始めたのも、ポグバが躍動し始めたのも、何度かマルシャルが左サイドのディフェンス裏を突くランニングを見せたのも、このセインツのシステム変更の影響が大きいです。ユナイテッド的には前半のやり方を続けられた方がやりにくかったと思います。

2-2.短すぎたブーストタイム
同点ゴールを決めたユナイテッドは、さらにペースを上げ逆転ゴールを目指します。サンチョを59分に投入。59分から69分までの10分間に4本のシュートをユナイテッドは放っています。59分のポグバの4人に囲まれながら切り返して左足で放ったシュートや、グリーンウッド、ブルーノのヘディングシュートはどれも決まっていてもおかしくないシュートでした。しかし、このブーストの時間が長く続かなったのがセインツ戦のユナイテッド。
73分に、ユナイテッドの自陣からのつなぎに対してセインツは再びハイプレスを仕掛けます。右サイドのリブラメントが中盤まで上がってプレスの構えを取っているので、この時セインツは戦術を切り替えたと思われます。そしてこのシーンでマグワイアがボールをロストし、アームストロングに決定的なシュートを打たれます。これはデ・ヘアがファインセーブで難を逃れましたが、このプレーから再びセインツがゲームを支配し始めます。75分にはコーナーからアダムスにヘディングシュートを打たれ、79分にはウォード=プラウズのフリーキックが枠内に飛びます。これもデ・ヘアがパンチングで逃れますが、試合終了までセインツがペースを握ることになりました。
この最後の15分のユナイテッドの落ち込みは、セインツが再びギアを上げた事もありますが、スールシャール監督の試合後のコメントのニュアンスではフィットネスの問題のように感じます。開幕戦ではパフォーマンスの良かったマグワイアやリンデロフなどもデュエルの場面やボールコントロールの場面で不安定なプレーを見せており、セインツのハイプレスとアウェイという環境に疲労が出た印象は確かにあります。
攻撃陣もポグバやブルーノは相変わらず違いを見せていましたが、ブースト時間が短かったのはやはりコンディション面が影響したかもしれませんね。後半開始から72分までのユナイテッドのボール支配率は70.3%でしたが、72分から90分までは49.7%と著しく落ちています。
👿まとめ
負けてもおかしくなかった試合。第2節のセインツ戦は、流れ的にもアウェイという環境的にもセインツが勝っていてもおかしくない試合でした。そういった意味でデ・ヘアのビッグセーブで勝つ点1を得られたのは喜ぶべきことかもしれません。しかしながら、前半にはセットプレーから再三ゴールに迫ったのも事実(攻撃側のセットプレーは多彩になりましたね!)。ゴール期待値だけで見れば、ユナイテッド2.26セインツ0.59と逆にユナイテッドが勝つべき試合でした。確かに7分のマルシャルのヘディングがゴールラインを割っていればユナイテッドが勝ち点3を取っていた可能性もありますね。
開幕戦ではセインツはディフェンスに不安が見え、逆にユナイテッドは攻撃陣が好調に見えましたが、蓋を開ければセインツの思うように試合が進んだ感が強いです。これも有観客ならではのホームアドバンテージかもしれません。ユナイテッドはこのドローでアーセナルの持つアウェイ無敗記録(27)に並びましたが、今シーズンはそう簡単にはいかないかもしれませんね。
スタメンの選手選考には議論のあるところもありました。中盤センターのところとマルシャルの起用でしょう。開幕戦好調だったグリーンウッドのトップ起用をやめてマルシャルをチョイスした事は、結果的に上手くいきませんでした。意図は上で説明しましたが、マルシャルのパフォーマンスが悪過ぎてあれでは厳しいですね。とはいえ、長いシーズンの戦いでは、マルシャルの力も必要になってきます。早期の復活のためにも本人のハードワークが求められます。
新加入の2人、サンチョは30分間プレーしましたが、ヴァランは試合展開的にも出すのは難しかったですね。しかし、今後この2人がファットしてくれば大きな戦力になります。次節あたりは2人ともスタメンで見たいですがどうでしょう…。
アウェイの難しい試合で勝ち点1を得られたのは朗報という事もできますが、長いシーズンのタイトル争いという側面では「勝ち点2を落とした試合」とも捉えられます。今シーズン本気でタイトルを狙うのであれば、監督を始め選手達は「勝ち点2を落とした試合」と認識してほしいと思います。開幕から5~6試合の重要性を説いていたスールシャール監督。早くも勝ち点を取りこぼした事に危機感を持って次のウルブス戦に臨んで欲しいですね。
この結果ユナイテッドは勝ち点4の6位に着けています。

21-22PL第2節 セインツvsユナイテッド スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

21-22PL第2節 試合結果 出典:ユナイテッド公式
次節はモリニュー・スタジアムでのウォルバーハンプトン・ワンダラーズ戦。8月30日(月)0:30キックオフ。必勝の試合となります。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント
早くも暗雲立ち込める試合でしたね。中盤の補強もなのですが、流れを無視してゴールを決められる選手がいて欲しいです。スタメンがマルシャルだと…
ロナウドがシティに行くくらいなら帰って来るのは無しですかね?プレミアならユナイテッドのユニフォーム以外見たくないです。
Re.kaiaskunさん
コメントありがとうございます!
セインツ戦は上手くいきませんでしたね...。マルシャルは多くの批判を浴びていますが、チームとしても前半のセットプレーや後半のブーストタイムに得点しておくべきでしたね。ウルブス戦はシャープなパフォーマンスを見せて欲しいです。
ロナウドのシティ行きが報じられていますが、私の知っているロナウドならシティに行くことはありません。しかし、フットボールの世界では起こり得ることなのは確かです。ユナイテッドの黄金期にエースナンバーを背負い活躍したので、心情的に許せないファンも多いと思います。が、今シーズンのユナイテッドはタイトルを取ることに集中すべきでしょう。今のユナイテッドには残念ながらロナウドの居場所はないと思います。
有難うございます。
やっぱりオーレユナイテッドにロナウドの居場所はないですよね。仰るようにあの頃のロナウドとはプレースタイルも影響力も違うので、寂しいですがこれもフットボールと思うことにします。
現7番のカバーニに期待ですよね。今年も沢山ゴール後のあのポーズが見たいです。あれは絶対観客も盛り上がりますよね。
Re.kaiaskunさん
コメントありがとうございます!
先ほどは「ロナウドの居場所はない」と書きましたが、急転直下、ロナウドのユナイテッド帰還が現実味を帯びてきました!確かに今のスカッドにロナウドが入ると、これまでのバランスを崩す事にもなりかねないのでそう書いたのですが、そういう不安は抜きにしてもレジェンドの帰還はテンションが上がります(まだ決まってませんが)。ロナウドの得点力は、いまのユナイテッドにシンプルに必要なところもあり、ロナウドのユナイテッド時代を見ていた者としてはやはり嬉しいです。すぐに手のひら返しで本当にすみません!もし加入となればフィット方法を考えてブログにアップしますのでどうかお許しを!(ユナイテッドに来るのかはまだわかりませんけど...)
いえ、ロナウドが復帰なら本当に嬉しいです。ユーロを見るとブルーノとの関係や運動量は不安です。でもあの頃のユナイテッドファンの方は皆そうだと思いますけど、やっぱりユナイテッドが育てた特別な選手なんです。おっさんなので息子の帰還って感じです。
本当に復帰するなら記事を楽しみにしてます。