【21-22PL第24節】バーンリーvsマンチェスター・ユナイテッド 前後半で何が変わったのか!?

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こんにちはMasaユナイテッドです。

21-22プレミアリーグ第24節 アウェイ、ターフ・ムーアでバーンリーと対戦したユナイテッド。試合は13分にフリーキックをヴァランが頭で合わせてユナイテッドが先制したかに思われましたが、マグワイアのロドリゲスへのファールがオフサイドポジションだったとの判定でノーゴールに。しかし18分には左サイドの崩しから、ポグバがゴールネットに突き刺し先制に成功します。21分にもラッシュフォードのクロスがベン・ミーに当たってゴールに入りますが、ポグバのピーテルスへのファールを取られて再びノーゴールに。再三にわたりチャンスを作ったユナイテッドですが、1-0で前半を折り返します。後半は開始とともにバーンリーがアグレッシブにプレスを掛け、一気に前へ出ます。47分にはロドリゲスにゴールを決められ失点。同点となります。ユナイテッドは68分にロナウドを、80分、85分にはリンガード、エランガとアタッカーを投入しますが追加点を奪えず。試合は1-1のドローで終了。勝ち点1に留まりました

*試合のハイライトはこちら

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今回はこの試合で見られた、前後半の違いについて考察します。イケイケの前半からなぜ後半失速したのか。また、陰陽両面があったこの試合をどう捉えるべきかについても書きました!

以下項目です。

👿ラインナップ

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21-22PL24 バーンリーvsユナイテッド ラインナップ

①前後半のスタッツ比較

前半のユナイテッドは

支配率・・・63%
SCA・・・13回
シュート・・・12本
枠内シュート・・・5本
ビッグチャンス・・・1回
*SAC=ショット・クリエイティング・アクションズ シュートに繋がる2つ前からのプレーを指します。パス、ドリブル、ファールなど。簡単に言うとキーとなる攻撃に関与した回数です。

というスタッツ。一方のバーンリーは支配率37%、シュート0本という内容でした。ラングニック監督も試合後に語ったように、前半のユナイテッドはパーフェクトに近いゲーム内容でホームチームを圧倒しました。またしても不可解な判定で、2度ゴールを取り消され1得点に終わりますが、攻撃面に関しても非常に機能したと言って良いでしょう。

鍵となったのは、サンチョとショーの左サイドです。ボールを持ったらドリブルで運び、ショーのインナーラップを使ったり、高いテクニックを駆使しボックス内への侵入を繰り返したサンチョは、ユナイテッドの大きな武器でした。さらにそれをサポートするブルーノと、スペースができる右サイドで裏を狙うラッシュフォード、フィジカルを活かしてボールをキープし時間を操るポグバが絡むアタックは、シティやリバプールにも劣らない攻撃クオリティを見せました。

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もう一つの要因はカバーニです。FAカップのボロ戦ではロナウドが先発しましたが、バーンリー戦トップで先発したのはカバーニでした。カバーニのプレスと自陣まで戻っての守備。そこからビルドアップにもシンプルに絡みながら、再びゴール前まで侵入する動きは効果的だったと思います。ヒートマップではアンカーの位置にカバーニがいるほど深くで仕事をしていますが、カバーニのポゼッション時に「プラス1」になれる動きは前半のユナイテッドのスムーズさに大きく貢献しましたね。

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しかしながら、後半開始してすぐにバーンリーに同点ゴールを決められます。後半のユナイテッドのスタッツは、

支配率・・・66%
SCA・・・10回
シュート・・・10本
枠内シュート・・・0本

となっていて、バーンリーは支配率34%、SCA9回、シュート9本、枠内シュート3本、ビッグチャンス1回となっています。特に後半開始から50分までは、バーンリーが67%の支配率を叩出しており、この時間帯はユナイテッドがボールを回収できずに押し込まれ失点した時間帯になりました。

②後半失速の要因

後半一気に失速したユナイテッドですが、いくつかの要因があります。中でも一番大きかったのはバーンリーの勢いです。後半最初のプレーでブラウンヒルがショートカウンターで一気に攻め込んできますが、バーンリーの積極果敢なハイプレスにユナイテッドは防戦一方になります。セカンドボールを奪えず、プレス回避もままならず、最終的にはマグワイアの対応ミスから失点しました。バーンリーは後半左サイド(ユナイテッドの右)でオーバーロードを作りました。ポグバに対しては3人で囲い込み、サイドチェンジを許しませんでした。これは、前半やられた右サイド(ユナイテッドの左)からのアタックを避けることが主な狙いだったと思います。これだけ圧縮されれば逆サイドへ持っていくのは難しくなります。この同サイド圧縮が、ユナイテッド失速の2つ目の要因です。

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もう一つの要因はカバーニです。前半は低い位置に降りて、チームメイトを助ける動きが多かったカバーニですが、後半は前線に張っている時間が多くなりました。前項で書いたように、カバーニの「プラス1」の動きがなくなったことと、バーンリーのプレス強度アップにより、ユナイテッドは一層ビルドアップが難しくなった側面があります。恐らくカバーニには、前半のポジションから監督によって修正指示があったのだとは思いますが(点を取るために前にいて欲しかった)、これが裏目に出る形となりました。

しかしながら、ラングニック監督も何の対応もしなかったわけではありません。左を使わせてもらえなくなったラングニック監督は、サンチョとラッシュフォードのポジションを変えます。前半も何度か左右を入替えましたが、後半は63分頃からサンチョを右にし、こちらサイドのアタックを強めます。このことで、バーンリーのプレスは若干弱まり(それだけサンチョの持ち上がりは効果的でした)、ユナイテッドは左からも右からも敵陣へ進攻する事ができるようになっていきます。

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さらに68分にはカバーニに代えてロナウドを投入。追加点を狙いました。後半それまで、わずかに1本だったユナイテッドのシュートは、ロナウド投入以降増えていきます(68~90分でシュート6本)。ただ、枠内0本が示す通り決定的なところまでもって行くことができませんでした。スタミナもあったと思います。雨と120分戦ったFAカップの疲労も少なからず影響したでしょう。80分にリンガードを入れてポグバをアンカーに落としますが、意図したようには機能せず。最後まで前半のようなクオリティは取り戻せませんでした。

③この試合をどう捉えるか?

ボロ戦に続いて攻撃面で圧倒しながらゴールが決められずにドローという結果は、4位争いを繰り広げるユナイテッドにとって痛恨の勝ち点1です。判定は理不尽過ぎるぐらいに理不尽であり、これさえなければ勝っていた試合でした。攻撃面では明らかな改善が見られ、崩しの形もできてきました。攻守のバランスも悪くないですし、何より前半のアタックはワクワクが止まらない内容でした。単独の崩しでなく、サンチョのボールテクニック、ショーの走力、ブルーノのプレービジョン、ポグバのフィジカルボールキープ、ラッシュフォードの裏抜けなど、それぞれの個性を出しつつ連携できているのも大きな進化です。ボロ戦の記事でも書いたように、これで得点さえ奪えるようになれば、結果も伴っていき4位以内の可能性が高まります。

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しかしながら一方で、こういった試合で勝ちきれないもどかしさがあるのも事実...。特にラングニック監督になってからの得点力には大いに不満が残ります。スールシャール監督時代の失点はするけど攻撃陣が爆発する試合があったり、劇的な逆転劇などの面影はもはやありません。エンターテーメント企業であるマンチェスター・ユナイテッドにとっては、1-0で勝つ試合では物足りないと思う方もいるでしょう。さらに、「この貧打がいつまで続くのか...」と不安になっている方もいるでしょう。

長期的視点で見ても、2013年のファーガソン退任以降ずっとこの不安定な戦いを続けているとも言えます。いつまでも突き抜けない成績...。強豪に勝ったと思ったら下位に足元をすくわれたり...。それでも、多くのファン、サポーターが「次の試合こそは!」と期待を込めてマッチデーを心待ちにします。何度裏切られても、何度深夜、眠たいのを我慢してリアタイした試合が不甲斐ない内容だったとしても、早朝に起きて、出勤、通学前に見た試合で、1日を台無しにするような試合を見せられても、ユナイテッドの復権を信じて応援をやめない人がたくさんいます

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恐らく、期待しなくなったらもうサポーターを辞める時でしょう。個人的にはユナイテッドが好きだから他に選択肢はありません。批判や改善点の指摘は冷静にしつつも、必ず次につながる良かった点を探します。バーンリー戦で言えば、多くの次につながる良かった点がありました。またそれを信じて次の試合を迎えるだけです。ネガティブな面を見ようと思えばいくらでもできます。でも同様にポジティブな面も見ようと思えばいくらでもできます。どちらを取るかは自分次第です。

👿まとめ

13分のヴァランのゴールと21分のオウンゴールを認められず、またしても不可解な判定に泣かされる結果となったバーンリー戦。キレキレのサンチョと今シーズン初ゴールを決めたポグバなど、ポジティブな面も多かったですが、追加点を奪えず2ポイント落としたことは痛恨です。後半開始と共にアグレッシブに前へ出てきたバーンリーに対処できず、マクトミネイとマグワイアのところで喰い止められず失点したシーンは、今シーズン何度も見られる後手になるディフェンスでした。あれだけ圧を掛けられれば仕方ない部分もあり、マグワイアも背後から出てきたヴェグホルストへの反応が遅れたことが結果的にターンを許すことになりました。被カウンターの場面で、マクトミネイが全力で戻らなかったことも良くなかったですし、2人の対応が十分ではなかったシーンでもあります。

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ラングニックになって守備のソリッドさは間違いなく増しましたが、どうしてもこういったシーンが1試合の中で1度や2度は出てしまいます。現代サッカーでは、いかに敵陣でプレーできるかが大きなカギとなっています。前線からのプレスも全てそのためで、攻守一体の考え方はますます加速傾向です。失点シーンはまさに自陣に押し込められた時間帯に起こっていて、そこに至る前に食い止められなかったことが影響しています。もちろん、最終的に個の能力でマグワイアが止めていれば問題なかったですが、彼だけを責めるのは少し酷でしょう。

そして、さらに重要なことは、こういった失点は100%では防げないので、得点でカバーする必要があるということです。ラングニック監督になって12試合、1得点以下で終わった試合がまた増えて9試合になってしまいました。しかし、何度も書きますが明らかに攻撃面での改善が見られます。あとは、いかにゲームを自分達でコントロールし、冷静なフィニッシュを決められるかが重要です。ラングニック・ユナイテッドはもう十分にしゃがみ込んで力を蓄えました。あとは、もう、飛び上がるだけです。

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21-22PL24 バーンリーvsユナイテッド スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

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21-22PL24 試合結果 出典:ユナイテッド公式

この試合の結果ユナイテッドは6位に後退。4位ハマーズとは勝ち点1差となっています。

次節はオールド・トラッフォードでのサウサンプトン戦。2月12日(土)21:30キックオフ。ラングニックvsハーゼンヒュットルの師弟対決!負けられない!カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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