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こんにちはMasaユナイテッドです。
21-22FAカップ4回戦 ホームでチャンピオンシップ所属のミドルスブラ(ボロ)と対戦したユナイテッド。試合は開始直後のサンチョのバー直撃のループシュートを皮切りに、ユナイテッドかミドルスブラを圧倒する内容に。20分にはボックス内に侵入したポグバが倒されPKを獲得。これをロナウドが蹴りますが外してしまい先制なりません。しかし25分にはサンチョの仕掛けからゴールが生まれユナイテッドが先制します。その後も何度かチャンスを作りますが決められず、後半へ。後半もラッシュフォード、ブルーノが決定機を逃した一方、ボロはカウンターからクロックスが押し込み同点に。その直前のプレーでワタモアの手にボールが当たっていましたが、ハンドの判定にはならずゴールが認められました。その後もユナイテッドはチャンスを作りながらも決められず。試合は延長戦へ。ここでも得点は生まれずPK戦へともつれます。PK戦は8人目のエランガが失敗。7-8でミドルスブラがPK戦を制しユナイテッドのFAカップはここで終了となりました。
*試合のハイライトはこちら
今回はポジティブな面もネガティブな面も両方あったこの試合を、4つのトピックスで振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①逃し続けた決定機
2週間の中断期間を経て、心身ともにリフレッシュしたユナイテッド。伝統のFAカップでラングニック監督が送り込んだのは現状ベストと言っても過言ではないイレブンでした。チャンピオンシップ所属のミドルスブラに対して容赦のない陣容は、早い段階で試合を決めてミッドウィークのバーンリーとのリーグ戦に向けて、主力を温存する事が予想されました。しかしながら、結果はわずかに1点しか奪えず、PK戦の末敗退に...。支配率71%シュートを30本(ボックス内シュートは22本!)放ち、ビッグチャンス6回、ゴール期待値xGは4.2と圧倒的なスタッツを叩出しながら1得点。フィニッシュ精度を欠いたことはこの試合の大きな敗因となりました。
SofaScoreのデータを見ると6回のビッグチャンスは、ロナウドが1回(PK)、ブルーノが3回、ラッシュフォードが1回、エランガが1回となっています。この中でxGが高いと思われる(データを拾えませんでした)のがロナウドのPK、ラッシュフォードの57分の決定機、ブルーノの71分のポストに当たったシュートの3つでしょう。この3つに関しては「決めなければならない」シュートであり、得点となったサンチョのシュートと合わせると4得点はしていないといけませんでした。
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それぞれのシュートに外した要因があると思いますが、ほんの些細な心理面、技術面まで紐解くのは難しいです。ただ、1つの試合でこれだけ複数の選手が決定機を外すというのは、このレベルでは珍しい現象です。ラングニック監督になってから11試合中8試合目の1得点以下の試合となり、過去の記事でも攻守のバランス、得点力不足という課題を指摘してきました。先に守備組織の構築に着手している為に起こっている現象という側面もありますが、ボロ戦に関しては少々違いがあるように思います。
これまでの試合ではチャンス数自体が少なく、ラングニックの10試合に関しては実得点数とゴール期待値xGの間に大きな差異はありません。xGが15.4に対して実得点が14点です(10試合)。しかし、今回のボロ戦ではxG4.2に対して1得点と3.2の差が生じています。つまり、それまでの10試合では攻撃の形ができていなかったのに対して、ボロ戦では攻撃自体は機能していたという事です。
フィニッシュだけが決まらなかった...。その代償は高くつきましたが、この攻撃の機能振りがフェイクではないのであれば今後には期待できるということができるでしょう。
②復帰組のパフォーマンス
この試合で、これまで怪我などで離脱していた3選手がスタメン復帰を果たしました。ショーとポグバとサンチョです。ショーは1月10日のFAカップ ヴィラ戦以来の先発。ポグバは11月2日CLアタランタ戦以来の先発となりました。試合開始からショーは積極的な上がりで左サイドを駆け上がり、インナーラップやサンチョ、ブルーノとのコンビネーションで攻撃に厚みをもたらしました。キーパスは5本、最多のボールタッチ154回、パス成功率81%、地上デュエルもマクトミネイに次ぐ14回(内8回勝利)を記録しています。ショー不在の間を印象的なパフォーマンスで支えたテレスですが、ショーのチャンスメイク力はやはり1枚上手です。左サイドの攻撃が活性化した大きな要因でしょう。
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そしてポグバも開始から中盤でブルーノと共に攻撃陣を牽引。ポジションは予想より深めの位置で、マクトミネイとのダブルボランチ気味でしたが、ポゼッションで押し込んだ時には敵陣深くまで侵入。これが20分のPK獲得へと繋がりました。キーパス1本、パス成功率86%、ロングボールは5本(内4本成功)、地上デュエル勝利はショーに次ぐ7回、ボールリカバリー8回、インターセプト3回を記録。攻守に貢献しました。後半は徐々に攻撃に絡むことがなくなり、81分に交代となりましたが、長期離脱からの復帰戦としては及第点でしょう。
サンチョは怪我で離脱していたわけではないので、フィットネスに問題はなかったですが、非常に積極的な仕掛けでドリブル、パスの判断もよく攻撃陣の中では最も優れたパフォーマンスを見せました。そして嬉しいホーム初得点をマークしています。キーパス2本、ドリブルは4回(内2回成功)、パス成功率92%を記録。ポジトラの場面では鋭く前線へのスプリントを繰り返し、かなりの運動量も見せましたね。足が攣って100分に交代となりましたが素晴らしいパフォーマンスでした。
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3選手共に非常に動きがシャープで、存在感を見せました。ユナイテッドがこれだけ多くのチャンスを作れた要因の1つに、この復帰組3人のプレーがあります。特にポグバは長期離脱から復帰したばかりでコンディション的にはまだまだです。今後ポグバがコンディションを上げて行くことは、ユナイテッドにとってとても大きな戦力アップとなります。
③随所に見られるラングニックスタイル
就任から11試合目となったボロ戦。結果は非常に残念なものとなりましたが、随所にラングニックスタイルが浸透しつつあることも伺わせる試合となりました。トランジッションは素早く、プレス強度もまずまずでした。強固な守備と同時に両サイドバックの積極的な攻撃参加、縦に素早く攻撃しフィニッシュまで持ち込むといった要素はまさにラングニックが求めていることでしょう。
ラングニック監督は失点時のカウンタープレスの不足を指摘しましたが、事実上の無失点(ノーハンド判定は納得できませんね)と言って良い強固さを見せた守備陣は、ヘンダーソンをキーパーに起用しましたが枠内シュート3本に抑えています。最近の試合ではハイプレスの頻度を下げ、第1プレスラインをミドルゾーンに設定していますが、前線の選手のプレスも、期を見て前へ出るマクトミネイのプレスも効果的で、プレスに関してはかなり完成してきた印象。攻守の要であるサイドバックはショーに関しては先述しましたが、右のダロトも引き続きハイパフォーマンスを披露。キーパス5本、デュエルも7回勝利と、ショーと共に攻守のキーマンとして躍動しました。
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システムに関しては今回は実質4-2-3-1でしたが、ポグバとブルーノのダブル8番ということはラングニックも言っていたので、ポグバが自主的にバランスを取った可能性もあります。しかし、後半そのポグバやショーが攻撃に絡む頻度が落ちました。2人に関してはマッチフィットネスの問題もあって動きが鈍ったという面もありますが、縦への速い攻撃に付いていけなかったという面も…。前線4人のポジトラはとても鋭く、奪ったらゴールを目指すという意識が強かったです。
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ラングニックの求める縦への速さと、64分の失点以降は焦りから、さらに加速気味となりショーの上がりを待つ時間や、ポグバに低い位置でゲームメイクさせる時間が減っていきました。前線の4人で攻撃を完結させるシーンが多く、そういった意味では厚みに欠けたといえるかもしれません。ちなみに、①の項で書いたチャンスを決められないという事に、このプレースピードが関係している可能性があります。皆さんもアクションゲームなどで、レベルを上げてスピードが上がるとコントロールが乱れる経験があると思いますが、ユナイテッドのフォワード陣にもこれと同じことが起こっているのかもしれません。「縦へ速く」を意識するあまりフィニッシュの局面で精度が落ちる、あるいは焦りから冷静さを欠いているということも考えられます。
このあたりはラングニックスタイルが徐々に形になり始めた副作用とも言えますが、もともと能力の高い選手達なので、今後は改善されていくはずです。そしてその為にはラングニックが口酸っぱく行っている「ゲームをコントロールする」ことが重要になります。ボロ戦も失点後はコントロールを失っていたということですね。
④事実上の無冠へ
このように、内容に関しては改善が見られ、これまでにないほどの攻撃面の機能を見せたこと、復帰組の躍動でよりレベルが上がったことは朗報です。しかしながら、この段階でFAカップから敗退したことは想定外です。それはラングニックが送り込んだ先発メンバーからもわかります。タイトルを獲るという観点からも、全くもって負ける気はなかったはずです。早々にリーグカップから敗退しているユナイテッドは、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、そしてFAカップという3つのコンペティションを戦っていましたが、FAカップが最もタイトルの可能性を秘めている大会でした。
ユナイテッドが前回FAカップを制したのは15-16シーズンのファン・ハール政権下ですが、プレミアやCLではファーガソン退任以降タイトルから見放されていることを考えても、まだ現実的に狙えるタイトルでした。しかし今回ボロに敗れた事で、残るはプレミアとCLだけになってしましました。両大会ともに現在進行中ですが、よほどの奇跡が起きない限りタイトルを獲ることは難しいでしょう。もちろん、諦めているわけでも、期待していないわけでもないのですが、現実的にはCL出場圏内の国内リーグ4位以内というのが目標であり、リーグ優勝やビッグイヤーは高難易度のミッションです。
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そう言った意味では、ボロ戦に敗れたことは今シーズンの無冠が事実上決まった試合となります。
👿まとめ
中断前のハマーズ戦に勝利し、良い形で中断期間に入ったユナイテッド。コンディション不良などの離脱組もこの間に復帰し、マルシャル 、アマド、ファン・デ・ベークなど、出場機会のない選手をレンタルに出しました。後半戦へ向けてチームの士気を高めたかったところにグリーンウッドの暴行事件が勃発。チームに少なくない打撃を与えることとなりました。
FAカップはどうしても勝たなければならない試合であり、ベストメンバーで臨みますが、チャンピオンシップ7位のミドルスブラにPK戦の末敗退(エランガ強くあれ!)内容的には申し分なく、決して負けるような試合ではなかったですが1得点しか奪えなかったことが大きく影響しました。
もちろん不可解なVAR判定も大きかったですが、やはり決定機を外し続けたことが全てと言っても過言ではないでしょう。
特にロナウドは今年に入って4試合ノーゴールが続いている上に、PKを外したこともあり批判に晒されました。しかし、個人的には動き自体はラングニックになってから最も良かったという印象。1トップながら前線で孤立することなかったですし、常に得点が取れる位置にポジションを取っているのは流石でした。ユナイテッドのストライカーの中では一番ゴールに近付ける選手であり、何より120分戦える37歳はそうそういないでしょう(笑)。このままでは終わらないと信じたいですね。というか、ロナウドの活躍なくして今シーズン残りのユナイテッドの躍進はないというのが現状です。
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この敗退により無冠の可能性が大きくなったのは事実です。しかし、ボロ戦のように攻撃面が機能するならば、今後の試合には期待できそうだと感じました。そして結果を出していくには、「冷静なフィニッシュ」これを取り戻す必要があります。
*スタッツはこちら

21-22FAカップ4回戦 試合結果 出典:ユナイテッド公式
この試合の結果、ユナイテッドは21-22シーズンのFAカップ敗退となりました。
次の試合はプレミアリーグ第24節 ターフ・ムーアでのバーンリー戦。2月9日(水)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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