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こんにちはMasaユナイテッドです。
21-22プレミアリーグ第34節 アウェイ、エミレーツ・スタジアムでアーセナルと対戦したユナイテッド。試合は開始3分でお粗末な守備からタヴァレスに決められアーセナルに先制される展開に。さらに30分にはエンケティアのゴールがオフサイドで取り消されますが、その直前のテレスがボックス内でサカを倒したシーンをファールに取られPKの判定に。これをサカが決めて2点目を献上します。しかし34分、マティッチのクロスにロナウドが合わせて1点返し、さらに後半にはいった56分、タヴァレスにハンドがありユナイテッドにPKが与えられ同点のチャンスが巡ってきます。ところがこれをブルーノが失敗。さらに61分にはネットを揺らしたロナウドのゴールもオフサイドで取り消されてしまいます。すると70分、ジャカにミドルシュートを決められ3失点目。ユナイテッドはラッシュフォード、リンガード、マタを投入しますが及ばず。試合は3-1でホームのアーセナルが勝利しました。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合を4つのトピックスで振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①最低強度の守備
アーセナル戦のユナイテッドのバックラインは右からダロト、リンデロフ、ヴァラン、テレスという並びでした。キャプテン・マグワイアはリバプール戦の後、自宅への爆破予告がありメンタル面への影響を考慮してベンチに。崩壊した前節リバプール戦からの修正の必要性はあったのですが、結果的には3失点。リーグ戦に関して言えば、前回無失点だったのは2月27日のワトフォード戦まで遡り、直近3試合では9失点となっています。さらに、リーグ戦での失点数は51になりワースト7位。リーグ戦で失点が50以上となったのは1978-1979年シーズン以来史上2度目という不名誉な記録も達成しています。
*前節リバプール戦の記事はこちら!

アーセナル戦、開始3分でお粗末な守備対応から失点。キックオフからボールにほとんど触れられないまま、左右に揺さぶられジャカのクロスをヴァランとテレスがボールを処理できずにサカにシュートを許し、一旦はデ・ヘアが弾きますがこぼれ球をタヴァレスに押し込まれ失点しました。2失点目も、最終的にテレスのボックス内でのファールを取られPKからの失点でしたが、一連の流れではマティッチの斜め後ろに入り込むウーデゴールを捕まえきれないという試合開始からずっと見られる問題を修正する事ができないことがキッカケとなっています。3失点目も同じようにウーデゴーアをフリーにしていることから発生し、最後は中途半端なクリア、ブルーノのボールロストからジャカにミドルを決められました。
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アーセナル戦の守備対応は最低レベルです。組織としても、個人レベルでも酷いものでした。マティッチ、マクトミネイという守備強度では定評のある2人をボランチに置きながら、中途半端なハイプレスに付き合うために2人は高めの位置を取り、その背後をウーデゴーアやスミス=ロウ、サカに簡単に使われた上に、サイドではテレスがミスを連発。サカに対して後手後手で、アーセナルの格好の餌食となっていました。この試合でサンチョが最多のボールリカヴァリーとインターセプトを記録していますが、テレスを助ける為に自陣深くまで戻る必要があったのは明らかでした。たらればですが、左サイドバックはワン=ビサカを先発させた方が良かったと思います。
これだけ中央でもサイドでも、守備で優位性を示せないトップクラブなど存在しません。明らかに増加している失点と無秩序な守備対応は、もはや組織として崩壊している事を如実に表しています。ラングニックは就任当初守備の整備に着手しましたが、もう完全にリセットどころかより酷くなってしまいましたね。
②ロナウドとブルーノ
この試合ユナイテッドの唯一の得点となったのは34分のロナウドのゴールでした。プレミアリーグ通算100ゴールという素晴らしい記録を樹立したロナウド。リバプール戦の前には産まれたかばかりのお子さんを亡くすという悲劇がありながら、すぐにトレーニングに復帰。アーセナル戦に出場しました。そんなロナウドがチームの誰よりもゴールに近づき、キーパスも2本、SCAもブルーノに次ぐ2位の4回を記録。エランガやダロトへのお膳立てを行なうなどチャンスメイクでも見せ場を作りました。
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得点シーンのディフェンダーとの駆け引き、そしてオフサイドにはなりましたが、61分のゴールネットを揺らしたシーンも流石の動きを見せましたね。ユナイテッドは3月22日のスパーズ戦から1ヶ月、リーグ戦で8ゴールを挙げていますが、ロナウドが7得点している状況です。これはロナウドからすれば喜ばしいかもしれませんが、チームにとってはロナウドにおんぶに抱っこの状況は良いとは言えません。組織的な崩しができていない事の証明になってしまっています。
そしてこの試合キャプテンマークを巻いたブルーノ。57分のPK失敗は痛恨でした。決めれば同点という場面での失敗は残念ながらこの試合の分岐点に...。ロナウドとどちらが蹴るか注目されましたが、ロナウドもブルーノが蹴ることに賛成し、彼に任せました。キーパーの逆を突きながらボールは無常にもポストに嫌われましたが、やはりこれは決めて欲しかったですね...。
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試合後にはそんなロナウドとブルーノの関係性に関する報道もありました。今シーズン、ロナウドとブルーノは33試合で共にプレーしていますが、2人が得点に関与したのは僅かに3回だと...。確かにこれは想像以上に少ないんですけど、個人的にはそこまで気にしてません。
それよりもブルーノ自身のパフォーマンスが昨シーズンより低下して見えることの方が問題。90分当たりのゴール+アシスト数が昨シーズンの0.87から0.49へ下がっています。ただ、SCAの数ではそれほど変化がないので(4.88/90分→4.38/90分)、単純にPKでの得点がなくなった(昨シーズンはPKで9ゴール、今シーズンは0)分と、チーム自体がゴールを決められていないことが数字的には影響していると考えられます。
つまりはブルーノに関してもチーム状態に左右されている部分が大いにあるということです。しかし、印象としてはここぞというところでパス精度を欠いたり、決定機を外したりしているように感じるのも事実。ある意味ブルーノのPK失敗は今シーズンのブルーノを象徴するシーンのようにも見えましたね。
③不可解な判定
アーセナル戦の主審を務めたのはクレイグ・ポウソンですが、ユナイテッド側に不利な判定がいくつかありました。まず1つ目は23分のサンチョのトラブルを倒れたソアレスがハンドで止めた場面。これはどう見てもハンドな上にボックス内に見えました。なぜPKの判定にならなかったのか謎です...。サンチョとブルーノ、ロナウドは執拗に抗議しますがポウソン主審は認めませんでした。
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2つ目は61分のロナウドのオフサイド。これに関してはVARでチェックした上でオフサイドと判定されましたが、非常に微妙でした。画像はブレている上に斜めからの映像で「よく判断できるね」っていう感じでした...。3つ目はアーセナルの3得点目。ジャカのミドルシュートのシーンですが、オフサイドポジションにいたエンケティアがデ・ヘアの視界を遮っています。これはプレーに関与したと判断されてもおかしくない場面。それにあの距離からのシュートは、デ・ヘアの視界がクリアだったなら止められていた可能性が高いと思います。
ラングニック監督も判定に関して
「前半にもジェイドン・サンチョが関与した場面でハンドの疑惑があった。クリスチアーノの2点目はオフサイドではなかった。トータルな視点で見ればわかる。彼らは一列に並んでいた。3点目は明らかにオフサイドだった。試合後、ダビド・デ・へアと話したが、彼はボールを見ることができなかったようだ。エンケティアはシャカと彼との間にいた。審判はチェックしたが、どんな理由であれ、相手にゴールを与えている。疑問符がつく場面だったが、他の3つの場面に関しては明らかだった。だからこそVARがあるのだし、VARに期待すべきだし、レフェリーは状況を確認し、少なくとも正しい判断を下すべきだ」
とコメントしていますが、個人的にもこの3つに関しては誤審であると思います。しかも、ユナイテッドにとって痛手なのはこれらすべてが得点に関与している点です。結果を大きく左右する判定となったのは間違いないでしょう。
④試合後の混乱
4位が絶望となる敗戦のショックは試合後までも続くことになりました。ユナイテッドのチーム状態がいかに悪いかという報道が次々出てくる状況です。口火を切ったのはOBであるポール・スコールズ。「完全に混乱状態だ。ドレッシングルームも壊滅的だ。先日にジェシー(リンガード)と言葉を交わした中で、ドレッシングルームはただただ壊滅的だと私が言っても彼はまったく構わないようだった」と発言しました。これに関しては否定するコメントを出したラングニック監督ですが、「リンガードに聞きに行くべきだ」とも発言していて、やや突き放した感はあります。こういった敗戦の後ではロッカールームの雰囲気が良くないのは当たり前ですが、恐らくスコールズの(リンガードの)ニュアンスはもっと根本的でしょう。成績に関わらずまとまっていないという事が言いたいのだと思います。
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これに関しては、今更言われなくても想像は付いていますし、なんならスールシャール末期からそういう報道は散々されています。もはやチームがバラバラで同じ方向を向いていないのは誰の目にも明らかで、「腐ったリンゴは誰か」という問題だけではなくて、バスケットの中にはリンゴもみかんも梨もブドウも入っている状態でしょう。悪影響を及ぼしている人物がいるとしても、チームとしてのプレービジョンが統一できていない事の方が問題です。
さらに報じられた中で気になったのは、「ラングニックは一部の選手が、特定の試合でプレーすべきパターンを指示した際に、その指示をあからさまにに無視したと主張している」というもの。これも何度も報じられてきたラングニックと選手間の確執に関するものです。出どころはタブロイド紙なので信憑性は怪しいのですが、とてもラングニック監督の指示通りにプレーしているようにも見えないため、説得力を持ってしまっています。加えて、ラングニック監督が選手達の態度やクラブに対するコミットメントに満足していないという報道も出てきており、監督が誰であれ末期に表れる選手が監督よりも強い立場になってしまっている状況を示唆しています。
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どれも公の場でラングニックが語っていないので実際のところはわかりませんが、真実はそう遠くないでしょう。マクトミネイのコメントからも問題が山積みであるとわかりますし、ラングニックがかなり手を焼いているのも間違いありません。しかし、ラングニックは賢い人なので、こういったメディアを利用し改革の必要性をクラブ上層部に訴えかけている可能性もあるかもしれません。個人的には最近のラングニックの発言は意図して選手と距離を取っているように思います。新監督発表を期にもはや監督の立場ではなく、コンサルの視点でチームを見ているのではないでしょうか。
👿まとめ
4位を争うアーセナルに3-1での敗戦...。上で見てきたように多くのアンラッキーがある試合だったのも確かです。そして多くの「If」も...。もしテレスではなくワン=ビサカを使っていれば...もしブルーノがPKを決めていれば...もし主審が正当なジャッジをしてくれていれば...アーセナルのディフェンスもそこまで強固ではなく、つけ入るスキはあっただけに勝てた可能性は十分にあった試合と言えるかもしれません。
しかしながら、貧弱な守備からあっさり失点する、攻撃はロナウド頼み、大事な場面で決定機を決められない、そして判定に泣かされるというのは今シーズン何度も見られた事です。ラングニック監督が語ったようにリバプール戦からいくらかパフォーマンスはマシになりましたが、アーセナルに敗れたのは実力です。今シーズンを凝縮したような試合...それがアーセナル戦だったのではないでしょうか。

21-22PL34 アーセナルvsユナイテッド スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

21-22PL34 試合結果 出典:ユナイテッド公式
この試合の結果、ユナイテッドは6位のままですが、4位アーセナルとは6ポイント差となっています。
次節はオールド・トラッフォードでのチェルシー戦。4月29日(金)3:45キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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