【21-22PL第37節】チェルシー戦に見るユナイテッドのジェネレーション・ギャップとは!?

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こんにちはMasaユナイテッドです。

21-22プレミアリーグ第37節(前倒し分) ホームでチェルシーと対戦したユナイテッド。試合は開始からチェルシーが右サイドを中心にチャンスを作り出す展開に。右サイドのリース・ジェームズを中心に、何度かハバーツが至近距離からシュートを放ちますがデ・ヘアが対応。なんとか前半を無失点で折り返します。後半になってもユナイテッドはチェルシーのポゼッションに対応できず。60分には左右に揺さぶられ、最後はマルコス・アロンソに豪快なボレーシュートを決められ先制を許します。しかし62分、すぐさまロナウドが同点弾を決め試合を振り出しにもどします。その後チェルシーはルカクとプリシッチを、ユナイテッドはマタとジョーンズ、アディショナルタイムには17歳のアレハンドロ・ガルナチョをトップデビューさせますが両者決定的なチャンスは作れず。試合は1-1のドローに終わっています。

*試合のハイライトはこちら

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今回はチェルシー戦で見られたパフォーマンスから、ユナイテッドのジェネレーション・ギャップについて見てみたいと思います。世代間の問題から見えるユナイテッドの課題についてまとめます!

以下項目です。

👿ラインナップ

21-22PL37 ユナイテッドvsチェルシー ラインナップ

①ベテラン勢の活躍

チェルシー戦、もっとも印象的なプレーを見せたのは33歳のマティッチ。ロナウドの得点の見事なアシストを始め、随所で気の利いたプレーを披露。キーパス2本、インターセプトとタックル2回、ドリブル成功率100%、ロングパス成功率60%、最多の10回のボールリカバリーを記録しています。右サイド(ユナイテッドの左)で起点を作るチェルシーに対してかなり劣勢を強いられたユナイテッド。マティッチもマウントへの対応に苦労していないとは言えないですが、ディフェンスラインのサポートと攻撃に厚みをもたらすという点では素晴らしい働きを見せましたね。古巣相手というモチベーションもあったと思いますが、随所に気持ちの強さを見せチームに喝を与えました。後半リース・ジェームズをやり合う場面がありました。たぶんわざとケツ踏んでますし、わざとユニフォーム引っ張ってますが(笑)、試合を通して気持ちよくプレーさせてしまっているジェームズをイラつかせるという役割を買って出るあたりは流石だと思いました。決して褒められる行為ではないですが、現ユナイテッドに欠けている闘争心の表れでもあったでしょう。

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そして、またまたチームを救うゴールを決めたロナウド。マティッチのロブパスを見事なトラップで落としてシュートを決めましたが、動き出しの妙とトラップからシュートの正確さはやはりトップクラス。これで直近のリーグ戦9得点のうち8得点がロナウドとなり、リーグ戦17ゴール、公式戦全体では23ゴール目となりました。チェルシー戦では得点後、リース・ジェームズを止めるために自陣まで戻って守備をし、前線の選手へのプレス指示など守備面での貢献も素晴らしかったロナウド。現在のユナイテッドにとって最も頼りになる選手が37歳のロナウドです。

圧倒的にゲームを支配し、21本ものシュートを放ったチェルシーを1ゴールに抑えたデ・ヘア。枠内シュートは6本でしたが、28分と36分のハバーツの決定的なシュートセーブはチームを救いました。チーム状態が悪いために失点数が多く、デ・ヘアの評価も曇りがちですが、リーグ戦全試合に出場しリーグ2位の117のセーブ数を記録するデ・ヘアは、今シーズンのユナイテッドで最も安定したパフォーマンスを見せた選手でしょう。来シーズン、テン・ハフ新監督の元でも、この31歳が正ゴールキーパーとして起用される可能性が高そうですが、デ・ヘアが目立ってしまうような試合はできるだけ減らしたいですね。

79分にピッチに立った34歳のマタも、古巣チェルシー相手に奮闘を見せてくれました。11分間のプレーでわずかに12回のボールタッチでしたが、パス成功率は100%を記録。ボールを持てば前への推進力を見せ、チームにアクセントをもたらしました。今シーズンは出場時間が減り。わずかに9試合236分のプレー時間となっているマタ。今シーズンでの退団がほぼ確実視されています。しかし、ピッチ内外での素晴らしい人格や若手の手本となるプロフェッショナルな姿勢は、多くのチームメイトに感銘を与えています。チェルシー戦でもピッチに立てば全力を尽くすという姿勢を見せてくれましたね。

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②中堅の不甲斐なさ

中堅というと曖昧ですが、今回は24歳から29歳という年齢を対象にします。この年齢のサッカー選手は最も脂が乗っており、キャリア全盛期となる選手が大半です。チームは彼らを中心に組織され、プレー面と精神面で核となる働きが求められます。しかし、チェルシー戦のユナイテッドは、この中堅組のパフォーマンスがパッとしません。まぁ、チェルシー戦に限った事ではないんですが...。特に酷いパフォーマンスだったのはラッシュフォードでしょう。もう再三指摘されていますが、やはりジェームズを放置した罪は大きいと言わざるをえません。テレスの出来も悪かったですが、前半のテレスの後手の対応の原因の多くはラッシュフォードにあります。前半終了少し前からエランガとラッシュフォードは左右を入替えましたが、後半に掛けてテレスのパフォーマンスが「まだマシ」になったのはエランガがジェームズに対応したためです。

ラッシュフォードはわずかに26回のボールタッチ。キーパスもドリブルもクロスもシュートも0というスタッツ...。一応、カウンターを狙っていた為という大義はありますが、もはや守備をしないウィンガーは生き残れない時代です。ラッシュフォードは意識から変えないと本当にヤバいところまで来ていますね。ただ、少しだけ擁護するとしたら、ラングニック監督の試合に対する準備が不足しているという印象を受けるのも事実です。やはり、試合前に誰が誰のマークに付くのか落とし込んでおく必要がありますが、それができていません(チェルシー戦に限らず)。ラッシュフォードにもジェームズを見るように言っていたようには思えませんでしたし、ハーフタイムでアロンソを見るように言われたようにも見えませんでした。指示されていたのに無視したという事がなければ、自己判断に任せたラングニック監督にも責任の一端はあるかと思います。

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そしてマクトミネイやブルーノも決して褒められたパフォーマンスではありませんでした。マクトミネイは何度か持ち上がったところでボールを奪われ、カウンターを喰らうシーンがありましたし、ビルドアップでの貢献は相変わらず貧弱で存在感が希薄でした。守備面でもカンテの機動力に手を焼いていた印象です。ブルーノも接触で痛がり流れを止めるシーンが多く、またブルーノにしては珍しくSCAもキーパスも0というスタッツに...。自陣へ戻っての守備は評価できますが、肝心の攻撃面で力を発揮できませんでしたね。

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ヴァランとリンデロフは、まずまずのプレーだったと思いますが、ラインが深すぎる上に21本もシュートを打たれている責任は、2人に関しても免れないでしょう。リンデロフは前へ迎撃に行って躱されピンチになった場面がありましたし、ヴァランは横スライドの意識がほとんどありませんでした。これはテレスが内に絞る要因の1つとなっており、2人の連携の悪さを浮き彫りにしていたと思います。

このように、最も活躍すべき中堅選手のパフォーマンスが上がらないのがラングニック監督になってから顕著に見られます。それぞれ才能ある選手達なのは間違いないのですが、攻撃陣は各々が自分勝手にプレーし、守備陣は組織化できずに後手の対応に振り回されています。チェルシー戦でもこの傾向は見られ、内容ではボロ負けしている要因の1つとなりました。もちろん、フレッジやポグバ、ショー、ワン=ビサカ、マグワイアの不在も大きいとは思いますが、チームとしてバラバラな感じは日を追うごとに強くなっています

③若手の未来

チェルシー戦で話題になったことの1つがベンチ入りしたアカデミー選手達です。この試合、マグワイア、ショー、フレッジ、ワン=ビサカ、カバーニ、ポグバ、サンチョ、リンガードと実に8人のシニア選手を欠き、ベンチにはヘンダーソンとヒートンという2人のゴールキーパーと4人のアカデミー選手が入りました。ハンニバル・メジブリ(19)、ショラ・ショレティレ(18)、アレハンドロ・ガルナチョ(17)、アルバロ・フェルナンデス(19)という4人ですが、ハンニバルとショレティレはトップデビュー済。ガルナチョはベンチ入り2試合目、アルバロは初ベンチ入りとなりました。ハンニバルはチュニジアA代表で、ガルナチョはアルゼンチンA代表で招集されている逸材です。

そしてガルナチョはアディショナルタイムでオールド・トラッフォードのピッチに立ち、嬉しいトップチームデビューを飾りました。ボールタッチこそありませんでしたが、わずか17歳の若者が大舞台に立ち、しかも子供のころから憧れるロナウドと共にプレーしたというのは言葉では言い表せない感動だったでしょう。

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今回の若手の抜擢はスクランブルの様相が強く、計画的なものではありませんが、残り3試合に関してもベンチ入りの可能性が高いです。こういった若手選手にとってはモチベーション爆上がりの出来事であり、これをきっかけによりハードワークに励んでもらう必要があります。彼らにとってこれはゴールではなく、スタートです。これからどのようにフットボールに取り組むのかが大事です。

特にガルナチョに関しては、才能は私が太鼓判を押します(誰やねん笑)。今シーズン、FAユースカップでブレイク、アルゼンチン代表に招集、そしてユナイテッドでのトップデビューと物凄いスピードで夢を実現していくガルナチョですが、一方でメディアや周囲の注目から自分を見失いやすい時期でもあります。本人にどこまで心の準備ができているか、そしてクラブ、家族、友人をはじめ、どれだけ周囲のプロテクトとサポートがあるかにもよりますが、しっかり地に足を付けて取り組んで欲しいですね。

*ガルナチョに関してはこちらの記事を参照!

【21-22期待の若手情報】Nextワンダーキッド アレハンドロ・ガルナチョの過去・現在・未来!
話題になりつつあるユナイテッドU-18所属のアレハンドロ・ガルナチョ(17)。彼の過去、現在、未来の物語を紹介!Nextワンダーキッドについて書きました!

チェルシー戦、評価したいもう1人の若手がエランガです。4月27日に20歳になったばかりのエランガ。スールシャールによってチャンスを与えられ、ラングニックに重用。ラッシュフォードからポジションを奪う活躍を見せています。チェルシー戦でも右ウィングとしてスタートしましたが、後半には左に移ってジェームズのマークを担当。ボールを持てば持ち前の推進力でボールを前進させました。まだまだ判断の面やプレッシャーが掛かった状態でのプレー精度など、改善の余地があるのですが、チェルシー戦でもチーム3番目となる23回のプレスを掛けるなど、きっちり自分の役割を果たしてくれるのは指揮官にとって頼りになります。

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👿まとめ

リバプールに完敗、アーセナルには自滅、そしてチェルシーにも苦戦が予想されましたが、1-1のドローという結果は上出来です。しかし、内容的には完敗な上にチームの無秩序感は相変わらずでした。チェルシーの決定力不足に救われた感が強いですし、終始ジェームズをフリーにしチャンスを作られまくった左サイドの修正に手間取るラングニック監督にも疑問が...。そもそも試合への準備不足が顕著で、もはや何の落とし込みもできていない印象すらあります。ラングニック自身、制御不能なチーム状態に匙を投げている部分もあるかもしれませんし、来シーズンからのコンサルとオーストリア代表監督の方に気を取られていると言われかねない内容です。一部報道ではアーセナル戦の後、選手たちにほとんど何も言わなかったと言われています。呆れる気持ちはわかりますが、責任の一端はあるわけで、指揮官である以上残り3試合全力で臨んでほしいと思います。

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そんな状態で臨んだチェルシー戦、輝きを見せたのはベテラン勢でした。若手重用主義のラングニックにとってこれほど皮肉なことはないでしょう。しかしながら「輝いた」という表現は正確ではないかもしれません。彼らはある意味自分の仕事をしただけです。今、チームにとって何が必要で、自分に何ができて、どのようにチームを助ける事ができるのか、経験から知っている彼らは当たり前のことをしたまでです。

一方で主力となるべく中堅の不甲斐なさが目立つ試合となりました。彼らがチームとして意思統一できないというのは今シーズンのユナイテッドの惨状を如実に表しています。スールシャール前監督の「甘やかし政策」が原因の一端ではありますが、彼らもプロであり、これまでのキャリアで様々なチーム、選手、監督、コーチとプレーしてきた経験を活かせるはずです。CL敗退後、モチベーション低下があるのはわかりますが、ベテラン選手達、ましてやマティッチ、マタは退団濃厚、ロナウドも退団の可能性があるという状況で、ピッチに立てば言い訳せずに自身の仕事に徹するプロフェッショナリズムを見習うべきですし、自分の不甲斐なさを恥ずべきです。

そして若手選手。こんなチーム状態だからこそ、若手選手の存在に胸が救われる思いがします。彼らには広大な未来が広がっていて、無限の可能性があります。しかし。夢を実現するのは並大抵のことではありません。先輩たちの成功と失敗から真摯に学び、自分には何ができるのか考え続けることも必要になります。

チェルシー戦で見られたユナイテッドのジェネレーション・ギャップ。今シーズンの、そして特にラングニック政権のチーム状態を象徴している印象を受けます。やはりチーム状態の改善には中堅クラスの成長、もしくは入れ替えが必須だと感じました。

21-22PL37 ユナイテッドvsチェルシー スタッツ 出典:プレミアリーグ公式

21-22PL37 試合結果 出典:ユナイテッド公式

この試合の結果、ユナイテッドは6位のままですが4位アーセナルとは5ポイント差になっています。

次節はオールド・トラッフォードでのブレントフォード戦。5月3日(火)4:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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