こんにちはMasaユナイテッドです。
21-22プレミアリーグ第38節(最終節) アウェイ、セルハースト・パークでクリスタルパレスと対戦したユナイテッド。試合は8分にブルーノがシュートを放ち、カバーニやエランガも攻撃に絡むなど、ユナイテッドペースで試合は進みます。しかし、37分にブルーノのバックパスがザハに渡ってしまいシュートを打たれ、これが決まってパレスが先制に成功します。その後、勢いづいたパレスが中盤の積極的なプレスからペースを掴み、ユナイテッドの攻撃は単発になっていきます。それでも同点を狙ってカバーニやメジブリ、マクトミネイなどがシュートを打ちますが決まらず。1-0で最終戦を黒星で終えました。
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今回は、この試合の総括をコラム形式で。チームのパフォーマンスと、最終戦を終えての想いなどを書きました!
以外項目です。
👿ラインナップ

①クオリティの欠如
21-22シーズンの最終戦となったパレス戦。ユナイテッドはベストメンバーを組むことができませんでした。離脱者はポグバ、ロナウド、サンチョ、ショー、ラッシュフォードの5人に加え、リンガード、ヘンダーソン、ワン=ビサカも謎にベンチ外となりました。プレミアで言えば4月3日のレスター戦で、ショーが離脱して以来、ベストメンバーを組むことができていませんが、パレス戦ではさらにロナウドまでも欠く布陣で挑む必要がありました。相次ぐ主力の離脱は、若手(アカデミー組)に出場機会が回ってくるというメリットもあります。パレス戦では、19歳のハンニバル・メジブリがプレミア初スタメンのチャンスを与えられました。
Embed from Getty Images本来10番や8番での起用が多いメジブリですが、パレス戦では左ウィングで出場。積極的にボールを追いかけ、テレスとの連携でまずまずの存在感を見せました。61分の得点のチャンスを決められなかったのは悔やまれますが、プレス回数はエランガとともに25回でチームトップを記録。アピールしようという意欲は見えましたね。しかし、リバプール戦の時と同様(第30節ヘンダーソンやケイタと揉めた)にザハとやり合うシーンもあり、闘争心の出し方をもう少し勉強する必要があるでしょう。持っている才能を開花させるにはまだ時間が掛かりそうな印象を受けたパレス戦となりました。
シニア勢のパフォーマンスはひどいモノでしたが、中でもブルーノとダロト、マクトミネイは相当悪かったと思います。相変わらず精力的に動き回り、88回のボールタッチを記録したブルーノですが、キーパスは0。シュートは最多の4本放ちますが枠内は1。おまけに失点へ繋がるパスミスをしています。ダロトはマッチアップしたザハに上手く対応できず。最多の9回のボールリカバリーを記録してはいますが、守備面での不安を改めて露呈したパフォーマンスでした。マクトミネイは、地上、空中デュエル共に高い勝率を示していますが、74分のコーナーからのヘディングは決めなければいけないシーンでした。ピンチの時や失点シーンでもジョギングで戻っており、責任感の欠如も目につきます。ビルドアップのシーンでは、味方を助けるポジショニング意識が薄く、ボールを持っても無難な横パスが9割を占めるなど成長が見られません。このままではマクトミネイは、来シーズン、テン・ハーグ監督の元でポジションを失う事になりかねませんね。
Embed from Getty Imagesパレス戦のユナイテッドは、上記の3人以外にもエランガとカバーニはストライカーとしては決めるべきシュートを決められませんでした。90分を通して3、4得点していてもおかしくなかった内容でしたが、例の如くそうはなりませんでした。クオリティが欠如しているのは明らかであり、今シーズン何度も見せてきたユナイテッドの姿です。ユナイテッドに関しては決まって「選手の質は高い」と言われがちですが、それが正しいのか来シーズン証明して見せる必要があると思います。
②さよならは誰のため?
シーズン最終戦という事で、ユナイテッドでのラストプレーとなった選手がいます。試合前にラングニック監督が退団を認めたカバーニですが、途中出場したマタもいまだ契約延長はしておらず、退団が濃厚と思われます。得点こそ奪えませんでしたが、惜しいシュートチャンスや、献身的な前線からのプレスを見せたカバーニと、62分にピッチに立つとあらゆる場所に顔を出し、なんとか得点を挙げるために尽力したマタは、サポーターの前でプレーしてお別れできたという意味では良かったのではないでしょうか。
Embed from Getty Imagesしかし来シーズン新体制となるユナイテッドは、多くの退団選手が予想されています。カバーニ、マタ以外ではポグバ、リンガード、グラントの3人は契約切れにより退団。マティッチも今シーズン限りでの退団を表明しており、この6人はいなくなるでしょう。さらに、バイリー、ジョーンズ、ワン=ビサカ、そしてヘンダーソンも退団するのでは?(レンタルの可能性も)と言われており、現在ローンで出ているマルシャル 、ペレイラ、アマド、ペリストリ、トゥアンゼベなども含めると、少なく見積もっても10人ほどがユナイテッドを離れる見込みです。
未だかつて、これ程の人数が同時に退団するというのは記憶にないのですが、リンガードやカバーニ、バイリー、ジョーンズ、ヘンダーソンなどは、計画性欠如の状態で、闇雲に契約延長をおこなってきたエド・ウッドワード前CEOをはじめとするフロントの失策の被害者だとも言えます。夏と冬、両方の移籍を阻止されたリンガードや、冬の移籍を止められたヘンダーソン。契約延長したばかりなのに、スールシャールからもラングニックからもチャンスを貰えなかった(怪我のせいもありますが)バイリーなどが、クラブに対して不満を募らせているのは当然と言えば当然です。
Embed from Getty Imagesそういった意味では彼らに同情しますが、一方でリンガードやバイリーなどはチーム内でもキャラクター的に一目置かれる存在であり、彼らの態度が他のメンバーに影響を与えていた可能性も否定できません。スールシャール前監督の時から、この出場機会を与えられないサブ組の処遇が火種となっていたのは間違いなく、求心力を発揮できなかったラングニックになって、2段階目の崩壊へと繋がったことの責任の一旦はあると思います。
本来であればシーズンの終わりに、退団選手に対しては感謝や労いの言葉と、いなくなることへの喪失感があって然るべきなのですが、今回ばかりはそういった感情を抱きにくくなっています。今シーズンの結果を受けて仕方ないことですが、悲しい現実です...。
③ラングニックへの労い
退団選手への感情と同様に、労いの言葉を掛けにくくなっているのがラングニック「さん」でしょう。まぁラングニックに関しては、来シーズンもコンサルタントという形で関わりを持つので、少し状況が違いますが、最終的にハマーズに救われる形でヨーロッパ・リーグ出場権をなんとか確保したとはいえ、1992-93シーズンのプレミアリーグ発足以来のクラブワースト失点数の57失点。13-14シーズンの64ポイントを下回る最小勝ち点の58ポイント。さらにはアウェイ6連敗と不名誉な記録を打ち立てた責任の半分はラングニックさんにあります。
なぜ、このような結末になったのか...。様々なところで議論されていますが、根本的には選手に受け入れられなかったというところでしょう。「暫定」という立場と、「よそ者」だという認識。実績や連れてきたコーチ陣にも信頼感がありませんでした。ラングニックの希望したコーチ陣は様々な障害のために実現せず、クリス・アーマスやイワン・シャープは第一希望でなかったことは確実です。おまけに、インタビューでは公然と正論をぶっ放すラングニックの物言いは、ファンやメディアには好感を持たれても、選手にはそう思われなかったことも想像できます。ユナイテッドの選手たちは、ブレない方針のもと集められた選手達ではありません。彼らはバラバラの考え、やり方、動機を持っており、これを掌握するのは至難の業でした。
Embed from Getty Imagesトレーニングでの方針について意見が割れていた(フォーメーションを使った戦術的トレーニング派vs楽しいトレーニング希望派)という事が暴露されましたが、ラングニックが早々に自分のスタイルを諦め、妥協しながらの戦いだったことは残念でなりません。その大きな要因としてラングニックはロナウドのプレースタイルを挙げていましたが、起用法も含めて頭を悩ませながらも、結果的にロナウドに救われた試合がほとんどだったというのも皮肉です。
選手には受け入れらず、上層部からも強力なバックアップが得られなかったラングニック監督には同情するところが多々あり、本人も不本意だと思いますが、監督としての力量不足感も否めず、最後にはチームを崩壊へと導いたという意味で、素直に労いの言葉を掛ける気にはなれません...。ただラングニックさんにはもう一度チャンスがあります。今度は自分の得意とする分野で汚名返上して、見返してほしいですね。
④マンチェスター・ユナイテッドはもう...ない
パレス戦には、新指揮官であるテン・ハーグ監督も視察に訪れていました。アシスタントマネージャーとして入閣が決まっているミッチェル・ファン・デル・ガーグとスティーヴ・マクラーレンも同席し、戦況を見守りました。ベストメンバーではなかったとはいえ、メジブリ以外のメンバーは今シーズン何度も共にプレーしています。しかも、カバーニ以外の先発10人は恐らく来シーズンもユナイテッドでプレーする可能性が高いです。新指揮官が来ていることは知っていたと思いますし、アピールするには絶好の試合だったはずです。にも関わらずご存じのような結果に...。
Embed from Getty Images中継中、カメラに抜かれたテン・ハーグ監督は首を横に振るシーンもありましたが、状況の深刻さを肌で感じたでしょう。そもそもエール・ディビジが終了した5月15日から一夜明けた16日から、すでにユナイテッドの仕事に着手、バカンスを遅らせてパレス戦を視察するというのはとても頼もしい一方で、異例でありユナイテッドの深刻さを表しているとも言えます。チームや選手だけでなく、スタッフや上層部にも課題は山積みで、できるだけ早く状況を把握したいテン・ハーグ監督はそれこそ1分1秒が惜しいのだと思います。報道では、プレシーズントレーニングの開始時期を早めたと言われています。今度こそは、こういった追い込みに対して不平不満を言うような選手はいりません。プレシーズントレーニングに集合する選手達の顔は、やる気に満ちていると信じたいですね。
パレス戦は、個人的には不思議な感覚で試合を見ました。前節ブライトン戦の不甲斐なさもあり、最初からあまりパフォーマンスは良くないだろうという予感がありましたし、2週間空いたこともあって、シーズンはもう終わったような錯覚もありました。「不甲斐ないシーズンがやっと終わる…」そう思ったのは何年振りでしょう...。いや、初めて味わう感覚のような気がします。その根底には「自分の知っているマンチェスターユナイテッドはもうない…」という想いがあります。パレス戦は無感情で見ました(笑)。ただ動くボールを追いかけて...。でも、それで良いんだとも思います。生まれ変わるには必ず通る道だからです。「かつてのマンチェスターユナイテッドはもうない」それは寂しい感情かもしれませんが、裏を返せば来シーズンには新たなマンチェスターユナイテッドに出会えるということだからです。
*前節ブライトン戦の記事はこちら
👿まとめ
パレス戦の敗戦で幕を閉じた21-22のユナイテッドの戦い。次から次に出てくるロッカールーム不和の報道と、ラングニック監督の苦労話。ここまで見事に崩壊するとは開幕前には思いもしませんでした。「今シーズンはタイトルを狙える!」とか言ってた自分をビンタしたいです(笑)。パレス戦は上に書いたように無感情で見ましたが、メジブリやショレティレ、そしてガルナチョのプレーが見られたのは唯一の救いでした。ただ本当なら、もっとチーム状態の良い時に出してあげたかったと思います。
Embed from Getty Images今シーズンのユナイテッドは大失敗でしたが、クラブ全体で変わろうとしているのはヒシヒシと感じますし、テン・ハーグ監督の手腕と、若手の未来には期待を持っています。ただ時間は掛かります...。なので来シーズンはせめて最終節に、チームに対して心から労いの言葉を掛けられれば良いと思います(笑)。「よくやった!お疲れ様!」と...。

出典:プレミアリーグ公式

出典:ユナイテッド公式
最終節、6位争いを繰り広げたハマーズがブライトンに敗れたため、ユナイテッドはヨーロッパ・リーグ出場権を獲得。21-22シーズンのユナイテッドは16勝10分12敗、57得点57失点58ポイントで幕を閉じました。
こんなシーズンでも、最後まで共に応援してくれたサポーターの皆様、本当にお疲れ様でした!皆様には心から労いの言葉をかけたいと思います(笑)!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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