【22-23EL/GS4回戦】マンチェスター・ユナイテッドvsオモニア・ニコシア 4つのポイントで振り返る!

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23ヨーロッパリーグGS第4戦 ホームでキプロスのオモニア・ニコシアと対戦したユナイテッド。試合は開始からユナイテッドがボールを支配。ラッシュフォードやロナウドがゴールに迫る展開に。攻めに攻めて前半15本のシュートを放ちますが決まらず。前半を0-0で折り返します。後半開始早々に、アントニーとラッシュフォードに立て続けに決定機が来ますが、これもオモニアキーパーのフランシス・ウゾホにセーブされ決まりません。60分にはマラシアとアントニーに代えてショーとサンチョを投入。70分にはフレッジに代えてエリクセンを入れ左サイドの攻撃を修正します。チャンスを作りながらゴールが遠いユナイテッドは81分にマクトミネイを投入。そのマクトミネイがアディショナルタイムの93分にサンチョのパスをゴール前で受けてシュート。これがゴールとなりついに先制!劇的な決勝弾でユナイテッドが1-0で勝利。勝ち点3を獲得しています。

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合を4つのポイントで振り返ります!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23EL/GS-4 ユナイテッドvsオモニア ラインナップ

①遠かったゴール

最初のポイントは、「遠かったゴール」です。

オモニア戦、ユナイテッドは実に34本のシュートを放ちました。枠内シュートは13本、ボックス内シュート22本、ビッグチャンスは7回を記録しますが、最終的に1ゴールのみ...。そのゴールが決まったのも93分になってからでした。ゴール期待値xGはユナイテッド4.66、オモニア0.07という大差をつけながらスコアは1-0という結果に...。これだけゴールが遠いと感じた試合もそうないでしょう(笑)。開始から、5-3-2ブロックを敷くオモニア・ディフェンスをあっさり破りシュートチャンスを作り出したユナイテッド。2分にはラッシュフォードの素晴らしいシュートを弾かれますが、すぐさまロナウドも惜しいシュートを放ちます。その後も22分にはラッシュフォードがスルーパスに抜け出し、決定機を迎えますが左足のシュートは再びオモニアのキーパー、フランシス・ウゾホにセーブされます。このキーパーのウゾホは、実に12本のシュートをセーブしたことになりますが、まさに圧巻のパフォーマンスでした。しかし、ユナイテッドのフィニッシュ精度に問題があったのも事実でしょう。

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前半のユナイテッドは、オモニアの5-3-2の「3」の脇を効果的に使う事で、ファイナルサードでのボール保持を安定。エバートン戦で改善を見せたネガトラも引き続き機能し、78%のポゼッション率をマークしました。しかしながら、22分のラッシュフォード、39分のゴール前のフレッジのヘディングシュートの2回の決定機を決められず、前半ゴールを決められませんでした。個人突破、連携、ミドル、セットプレーと多彩なシュートを見せましたが、完全に崩したのは22分のラッシュフォードのシュートぐらいだったという印象です。ボックス内シュートも8本ありましたが、どれもバックラインの背後を取るというところには至らなかったのがシュートが決まらなかった要因です。

後半に入り、選手交代の影響でアタッキングサードでの展開に変化が現れます。主に、サンチョとショー、エリクセンの入った左サイドの攻撃が増え、巧みなパス回しからオモニア・ディフェンスにギャップができ始めました。こういったブロック守備を崩すのに有効なのは、シティがやっているように「チャンネル侵入」です。深い位置まで侵入し、ゴール前へマイナスのクロスを入れる事で、相手ディフェンダーは対応が難しくなります。63分にサンチョがチャンネルに侵入しますが、それまでユナイテッドは一度もこのプレーがありませんでした。

その後も、ショー、サンチョがチャンネル付近に何度か入りましたが、いずれも惜しいシーンになっています。93分に生まれたマクトミネイのゴールも、サンチョがチャンネル手前まで侵入してからのややマイナスのクロスからでした。ユナイテッドの今シーズンのゴールの多くが、カウンター気味でスペースを素早く突くことで生まれています。プレシーズンでは再三見せたチャンネル侵入の崩しの形を再度意識させることで、こうしたブロック守備を崩すのに効果を発揮するでしょう。

②多彩な中盤

2つ目のポイントは「多彩な中盤」です。

オモニア戦の先発はカゼミーロとフレッジというセレソンコンビのボランチでした。公式戦3試合連続のスタメンとなったカゼミーロと、テン・ハーグ体制になって出場機会が減っているフレッジのコンビがどのように機能するのかが注目ポイントでした。特に、ボランチの1角は全ての試合でエリクセンが先発しており(今回のオモニア戦で初スタメン落ち)、テン・ハーグ体制では欠くことのできない存在となっています。ビルドアップとゲームメイク、チャンスメイクの面で貢献できるエリクセンに対してフレッジが対抗するには、違う面で違いを見せる必要があります。フレッジの最大の特徴は、ハードワークからのインテンシティの高い守備ですが、オモニア戦ではまさに高い位置でのカウンタープレスで重要な役割を担いました。この点に関してはテン・ハーグ監督も評価するコメントをしていますが、個人的には足元の技術に難があるので、今後も限定的な使われ方になるのではと予想します。

そしてエバートン戦に続いてMOTM級の活躍を見せたカゼミーロ。オモニア戦では「カゼミーロは何人いるんだ?」と思うほど、ピッチのあらゆる所に顔を出しボール回収しまくりました(笑)。ボールリカバリーは最多の15回。ネガトラの場面での貢献は半端ないレベルでした。タックル最多の5回、プレスも最多の15回と守備スタッツも申し分なし。これまでのユナイテッドにいなかったタイプであり、攻撃色の強いタレントが揃うユナイテッドにおいて、チーム全体のバランスを取るのにも大きな役割を果たしています。相手が格下だったもいうのももちろんあり、プレミアでの貢献という面ではまだ波があるかもしれませんが、ワールドクラスの守備的MFだというのは誰の目にも明らかでしょう。

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81分にカゼミーロに代わりピッチに入り、93分に値千金の決勝ゴールを挙げたマクトミネイ。今シーズンは開幕からテンハグ体制でも重要な地位を築いていましたが、カゼミーロがフィットしてきた直近の3試合では先発の座を譲っています。しかし、テン・ハーグ監督からの信頼は厚く、忠実な任務実行と強度の高いデュエル、空中戦の強さは、試合の終盤に影響を与える事ができるオプションになり得ます。オモニア戦のマクトミネイは、スールシャール時代のような前線まで上がってのゴールという、もう1つの顔を見せてくれました。また、このゴールはヨーロッパの試合で交代選手が後半アディショナルタイムに決めたゴールとしては、1999年の「あの」スールシャールのゴール以来23年ぶりとなりました。こういう劇的なゴールもマクトミネイの特徴です。

このように、今シーズンのユナイテッドの中盤はオプションが豊富です。対戦相手やコンディション、戦術的にも変化させることができる陣容が揃っています。これは今後の試合において大きな武器となるでしょう。

③的中する采配

3つ目は「的中する采配」です。

オモニア戦は一部ローテーションし、マラシア、フレッジ、ロナウドの3選手が先発となりました。前半から試合内容では圧倒したユナイテッドですが、得点には至らず。攻めてはいてもやや機能不全に陥っているセクションもありました。それは左サイドです。経験不足から調子を落としているマラシアをスタメン起用しましたが、指示だったのか個人の判断だったのか、かなり内側にポジショニングしてボランチになることが多かったです。この動き自体は良いのですが、オモニアの陣形的にも、もっとオーバーラップなどでサイドのスペースを有効的に使いたかったところがあります。さらにラッシュフォードも見せ場は作っていましたが、サイドバック、インサイドハーフとの連携という面で足りないところがあり、後半60分にテン・ハーグ監督はここにメスを入れます。60分にサンチョとショーを左サイドに入れて、70分にはフレッジに代えてエリクセンを投入。左サイドのユニットを丸々交換しています。

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それ以降左サイドのボール保持は活性化。多くのチャンスを左サイドから作る事に成功しています。また、興味深かったのは、サンチョの投入と同時に基本の配置をトップ下ラッシュフォード、右サイドブルーノに変更した点。これも、ラッシュフォードにロナウドをサポートさせ、ブルーノを右に出すことで生まれるオモニアの守備対応の難しさを狙ったようですが、確かに大外に張ったままのアントニーとは違い、中に入ったり外に出たりするブルーノを捕まえる事は難しくなっていましたね。途中出場のマクトミネイがゴールを決めた事もそうですが、オモニア戦のテン・ハーグ監督の采配は見事に的中!という結果となりました。

エバートン戦でも、途中出場選手がしっかり仕事をしており、テン・ハーグ監督が試合途中の微調整も思いのほかできているというのは朗報です。5人交代できるというメリットは大きく、劣勢の試合での微調整という面では少し足りないところもありますが、何といってもベンチメンバーも一体となって戦えているという点では監督の下、チームとして進化できている証でしょう。

*エバートン戦の記事はこちら

④結果こそが大事だった理由

最後4つ目は「結果こそが大事だった理由」です。

この試合の前のテン・ハーグ監督のコメントで、

「1週間前に選手達にはグループで勝つ事が重要であると伝えてあります。我々は全ての試合で勝ちたいが、それ(グループステージを2位で終え、追加の2試合する事)を避けたいと思っているのは明らかです。」

ユナイテッド公式

というものがありました。試合後のマクトミネイもインタビューで「全員がグループを首位通過したいと考えていて、これからの試合も大事。大きな勝利だよ」と答えています。試合を見ている方としては、34本もシュートを打っても1得点に終わったことに、少なからずフラストレーションを感じる試合でしたが、チームとしては勝ったことの重要性を強調しています。実は、ヨーロッパリーグは昨シーズンから決勝トーナメント進出に関してフォーマットの変更がありました。20-21シーズンまでは、グループリーグの首位と2位のチームは自動的に決勝トーナメントに進出できましたが、作シーズンから2位のチームはチャンピオンズリーグのグループリーグを3位で敗退したクラブとのプレーオフにより決勝トーナメント進出を争うことになります。つまりはACミラン、アヤックス、アトレティコ・マドリード、バルセロナ、ユヴェントスといったチームと、2試合余分に試合をしなければならない可能性があるということです。

オモニア戦の前の時点でユナイテッドはグループEの2位でした。初戦のソシエダ戦を落としているので2勝1敗の6ポイント。首位はソシエダで全勝の9ポイントとなっていました。4回戦ソシエダはシェリフを3-0で破り、ユナイテッドは1-0でオモニアに勝ったために順位とポイント差は変わっていません。もしユナイテッドがオモニアと0-0のドローだった場合、ユナイテッドの首位通過は絶望的になっていたということです。なんとか3ポイント獲得したことで望みを繋いだということ。しかしながら、1敗している事で状況が厳しいのは変わりません。グループリーグ最終戦のソシエダ戦に勝つ必要がありますし、残り2試合は得失点差も重要になります。現在はソシエダが得失点差+7。ユナイテッドは+3となっています。

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欲を言えば、オモニア戦は3-0もしくは4-0で勝っていれば文句なしでしたが、1ポイントではなく3ポイントを獲得できたという事が最重要事項だったわけです。いずれにせよ、まずは次戦のホームでのシェリフ戦で出来るだけ得点を取っての勝利が必要となります。

👿まとめ

比較的楽観的な戦前の予想とは裏腹に、内容では圧倒しながら93分までゴールを奪えないという珍しい試合となったオモニア戦。「ハイライトだけ見ても楽しめます!」っていうぐらい9割がユナイテッドのチャンスシーンで埋め尽くされるほど攻めまくった試合でしたが、フラストレーションがありつつも、多彩なユナイテッドの攻撃にはワクワクもしましたね。ただ、多くあったチャンスシーンは、早い段階で決めて欲しかったのも事実。特にラッシュフォードはビッグチャンスを3回ミスしており、こういう場面を決められるようになってほしいと切実に思います。チームとしても、昨シーズンから見られるように決定力の部分で課題があり、決められるときにしっかり決めることができるようになると、さらに強いチームになれるでしょう。

選択肢が増えた選手選考や、ベンチワークが機能している事にも成長が感じられる試合ともなりました。個人的にはマクトミネイのゴールがメチャクチャ嬉しいのですが、カゼミーロの圧巻のパフォーマンスを見ると、「やっぱり基本的にはカゼミーロとエリクセンのコンビが最強だよな...」と思う側面も。まぁ、フレッジにしろマクトミネイにしろ、チームに貢献できるのは間違いないので、要所要所で使ってくれるでしょう。各選手に適格なタスクを与え、選手の特性を上手く引き出しているテン・ハーグ監督。試合中の采配も含めて信頼できる監督だということを改めて示しましたね。

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34本シュートを打って1ゴール。これもまたサッカーのおもしろさですが、④の項で見たように、決勝トーナメント進出という点では結構重要な1戦でした。この勝利を無駄にしない為にも、首位通過での決勝トーナメント進出を果たしたいですね。この試合の結果ユナイテッドはグループEの2位。1位ソシエダとは3ポイント差となっています。

*スタッツはこちら

22-23EL/GS-4 試合結果

次の試合はプレミアリーグ第11節 オールド・トラッフォードでのニューカッスル戦。10月16日(日)22:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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