【22-23EL/GS6回戦】レアル・ソシエダ戦 5つのトピックスで振り返る!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23ヨーロッパリーグ グループステージ6回戦。アウェイ、レアレ・アレーナでレアル・ソシエダと対戦したユナイテッド。グループステージを首位突破するためには2点以上が必要なユナイテッドは、17分にガルナチョの公式戦初ゴールで先制し、最高のスタートを切ります。しかし、的確なプレスと安定したボール保持で徐々にソシエダがペースを握り、前半終了間際にはゴロサベルのミドルシュートがユナイテッドゴールを襲います。しかしこのシュートとそのこぼれ球に詰めたパブロ・マリンのシュートはデ・ヘアがビッグセーブ。失点を回避します。後半に入り58分、テンなハーグ監督は事態を打開するためラッシュフォードとマクトミネイを投入。システムを3-3-3-1に変更します。しかし、その後はソシエダがファールを受ける回数が増え、プレーが度々中断。時間だけが過ぎていきます。どうしてももう1点がほしいユナイテッドは82分にマグワイアを入れて前線に配置。パワープレーに出ます。90分にはカゼミーロに決定機が訪れますが、オフサイド判定。最後までゴールを目指しましたが試合はそのまま0-1でユナイテッドが勝利。しかしながら得失点差でグループ2位という結果に終わりました

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合を5つのトピックスで振り返ります!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23EL/GS6 ソシエダvsユナイテッド ラインナップ

①ガルナチョ公式戦初ゴール

18歳と125日。アレハンドロ・ガルナチョが、ユナイテッドでの欧州カップ戦における外国籍選手の歴代最年少得点記録を更新するゴールを記録しました。ストレートでの決勝トーナメント進出に向けて、負けるわけにはいかないソシエダ戦に先発出場を果たしたガルナチョ。ユナイテッドは、マルシャル、アントニーを怪我で欠きサンチョも病気で出場できない状況で、シェリフ戦に続いてチャンスを与えられたガルナチョは左サイドでの積極的な仕掛けが期待されました。17分にデ・ヘアのキックからブルーノがヘディングでロナウドへ落とし、ロナウドからスペースに抜けたガルナチョへスルーパス。これを左足で豪快にゴール上段へ突き刺しました。非常にガルナチョらしいゴールであると同時に、憧れの先輩、ロナウドを彷彿とさせるゴール。ゴールパフォーマンスもロナウドのものを拝借するという徹底ぶり(笑)。ロナウドからのアシストでゴールを決めるというガルナチョにとっては夢のような至福のゴールとなったでしょう。

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27分にもブルーノのパスを受けて、良い体勢まで持っていきシュートを放ったガルナチョ。シェリフ戦程のインパクトは残せませんでしたが、ソシエダに脅威を与えた唯一のアタッカーとなりました。FAユースカップ優勝、アルゼンチン代表招集、ユナイテッドでのトップチームデビュー、MOTM獲得、公式戦初ゴールとわずか半年の間に着実に階段を昇っている18歳は今後もチーム内で重要な地位を確立する可能性があります。特に、ワールドカップ後は2つのカップ戦(EFLカップは来週から)とプレミア、ヨーロッパリーグと超過密日程となります。カウンターの場面では脅威となれるガルナチョの存在は確実に必要となる場面がくるでしょう。

②テン・ハーグの修正

前半1-0とするもベスト16進出にはもう1点が必要、自分たちの理想とする形でのボール保持もできていなかったこともあり、テン・ハーグ監督は58分に選手交代とシステム変更に打って出ます。攻撃陣に離脱者を複数人抱え、ソシエダ戦の2列目は右からブルーノ、ファン・デ・ベーク、ガルナチョという先発メンバーで挑んだユナイテッドでしたが、ソシエダの素早いプレスと組織的なポジショニング、巧みなボール保持の前に思うようにアタッキングサードへ進攻できませんでした。前半からテン・ハーグ監督がしきりに気にしていたのは「中盤の数的不利」です。ソシエダのシステムは中盤ダイヤモンドの4-3-1-2で、ユナイテッドの4-2-3-1と噛み合った場合、中盤はソシエダが4対3の数的有利となっていました。ユナイテッドはアンカーのズビメンディにファン・デ・ベークを付け、ブライス・メンデスにはエリクセンが付く形。そして左のIHであるメリーノをカゼミーロが見る形で対応します。しかし、この結果トップ下に入るパブロ・マリンがフリーになるという現象が現れます。

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ソシエダは2トップの為、定石通りならこの2トップに2CBで対応することになりますが、そうなるとまたトップ下のパブロ・マリンがフリーになります。これは、チェルシー戦のポッター監督の修正した後のシステムと同様であり、チェルシー戦はユナイテッドは苦戦しながらもカゼミーロが1人で2人を見る事で対応しました。ソシエダ戦ではパブロ・マリンにリンデロフが1列上がって付き、左FWのカルロス・フェルナンデスをダロトが捕まえる形で対応。前半のこのやり方は守備面では機能していたと思います。しかし、この結果ダロトの攻撃参加は不可能になり、厚みのあるボール保持はできなくなりました。58分にラッシュフォード、マクトミネイを入れシステムを3-3-3-1に変えましたが、その目的は中盤を4対4の数的同数にして、攻撃時にはボールサイドの左右のCB(ショーとダロト)を上げる事で前への圧力を高めようとしたのが狙いでした。

*チェルシー戦の記事はこちら

③ソシエダのプレースタイル

58分のユナイテッドの修正は、残り時間でもう1得点するための策でしたが、この時間からソシエダは「内容よりも結果」を狙ったスタイルへと変更します。つまりは、1-0で試合には負けたとしても、ユナイテッドに2点目を決められなければ自分たちが首位通過できるため、ユナイテッドをとにかくゴールから遠ざける事を目的とした戦い方です。簡単な接触で倒れ、必要以上に痛がることで時間を使い、選手交代もだらだら歩いて行うことで時計の針を進めます。また、ユナイテッドにとっては悪いことに、主審を務めたカバコフ氏も律儀にソシエダ選手の転倒に反応。いちいちファールを取りました。60分までファール数3だったユナイテッドですが、60分から90分までで8つのファールを取られています。プレーは度々中断され、折角テン・ハーグが施した修正も機能する以前の状況となります。

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ユナイテッドサポーターにとったら、このような試合のやり方は受け入れがたく、非常にフラストレーションの溜まるものでした。選手にとっても、自分達でゲームをコントロールする事ができず、イライラが募る展開だったはず。71分に空中戦で腕を振ったロナウドがファールを取られイエローまで出されますが、その時のロナウドは腕を後ろに組んでジャンプし、「こうやってジャンプしろって言うんですか?」「もしくは腕切り落としましょうか?」的なジェスチャーで主審に抗議していましたが、プレミアではファールとならないようなプレーもことごとくファールとされたのはとてもやりにくかったでしょう。終盤のファールにダロトもブチ切れてましたね...。

しかしながら、これもヨーロッパのカップ戦を戦う上では「あるある」で、昨シーズンもユナイテッドはCLのアトレティコ戦に同じような戦い方をされて敗退に追い込まれています。チームとして自分たちのスタイルを貫き、相手を打ち負かすのは理想の姿ですが、今回のような相手にも対応しなければなりません。もっと言えば、そのような戦い方ができなくなるぐらいに、それ以前の段階で決着を付けられるぐらいのチーム力が必要だということでしょう。

④解消されない得点力不足

ソシエダに上記のような試合展開へと持ち込まれた根本原因はユナイテッドの得点力不足です。ユナイテッドは直近の公式戦9試合で負けていません。9試合7勝2分け、失点はわずかに4つですが得点は14となっていて、1試合平均の得点は2です。そこまで悪くない数字ですが、その内6点はシェリフとオモニアという格下相手であり、それを除くと7試合で8ゴールという結果に。複数得点したのもエバートン戦とスパーズ戦のみで貧打はユナイテッドの課題の1つとなっています。

ソシエダ戦は複数得点が必要であるという条件だったにも関わらず、シュート数4本、枠内シュートは得点となったガルナチョの1本のみ...。ゴール期待値xGは0.7となっていて、とてもゴールが遠かった試合となったのは明らかです。ユナイテッドの攻撃が機能するのはボール保持が安定し、2-3-5で両サイドバックが高い位置を取れる時が多いです。ソシエダ戦では前半からこの形が作れませんでしたし、後半はこの状況を打破するための策を講じた瞬間に、ソシエダの術中にハマることになりました。82分のマグワイアのターゲットマンとしての投入は、中盤で繋ごうにもプレーが途切れ、ボックス内へ入れなかったテン・ハーグ監督の苦肉の策でしたが、このようなパワープレーに出た結果、90分にはロナウドの落としからカゼミーロの決定機が訪れるところまではもっていきました。結果としてこのプレーはオフサイド判定になりましたが、残り10分でゴールを奪う策としてはこれしかなかったでしょう。

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1点が奪えず、プレーオフに回る事になったユナイテッドですが、ヨーロッパリーグに関しては初戦のホームのソシエダ戦で無得点で敗れたこと、ホームのオモニア戦で34本シュートを打って1得点に終わった事が大きく影響してしまいました。「貧打によって自分の首を絞めた」というのがグループステージのユナイテッドの総評となってしまいますね...。

⑤プレーオフへ回る

グループ2位となったユナイテッドは、ストレートでの決勝トーナメント進出はなりません。チャンピオンズリーグ グループステージで3位敗退となったチームとホーム&アウェイのプレーオフを戦うことになります。対戦相手は11月7日(月)に組み合わせ抽選会で決定し、試合は2月16日、23日におこなわれます。対戦の可能性のあるのはアヤックス、バルセロナ、バイヤー・レバークーゼン、ユヴェントス、RBザルツブルク、セビージャ、シャフタール・ドネツク、スポルティングの8チーム。簡単に倒せるチームはない上に、ワールドカップ以降の超過密日程に追加されることでの負担はバカにできません。

ユナイテッドは9月に延期されたプレミア2試合もどこかで入ってくるため、さらに試合数が増えます。来週からはカラバオ・カップがスタートし、ヴィラと対戦しますが優先順位的には一番下のコンペティションという考えもある一方で、テン・ハーグ監督の志の高さや、何かしらのタイトルを取ることで得られるものを考えると手を抜くというのはあり得ないでしょう。ある程度のローテーションはしつつも勝ちにこだわる戦いが行われるはず。ファン・デ・ベークやエランガを始め、ガルナチョ、イクバル辺りの成長と戦力化にも期待しつつ、待ち受ける過密日程を成績も伴って戦い抜けるチーム力が必要です。

👿まとめ

試合には1-0で勝ちながら、負けた気分満載の不思議な試合となったソシエダ戦...。嬉しいガルナチョの公式戦初ゴールで勢いづき、複数得点で首位突破!という流れが完全に出来上がっていましたが、まさかの枠内シュート1本という結果に。ここ最近の好調を支えるポゼッションとカウンタープレスを巧みに抑え込まれ、自分達らしいサッカーができなかったことが大きく影響しました。ソシエダの戦い方には賛否両論あると思いますが、基本的な組織力、プレス強度、ボール保持の精度などはレベルが高く、ユナイテッドがヨーロッパで結果を出すにはまだまだレベルアップが必要なことを改めて思いしらされたところはあります。

ただ、守備陣に関しては再びクリーンシート達成。リンデロフも安心感のあるパフォーマンスを見せてくれましたし、相変わらずデュエルの強さを示したマルティネス、守備面で奮闘したダロト、ビッグセーブを見せたデ・ヘアなど個々のパフォーマンスでも素晴らしかったと思います。久しぶりのスタメンとなったファン・デ・ベークはボールタッチわずかに19回とほとんどプレーに関与できませんでしたが、あれだけチーム全体のボール保持がままならないとファン・デ・ベークのプレースタイルは全く機能しません。次はもっと主導権が握れる試合でのパフォーマンス評価をしたいと思います。

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試合には勝ちながらプレーオフへと回ることになったユナイテッド。それに勝てば良いだけかと言えばそうではなく、そもそもシーズン途中にワールドカップがあるという異質なシーズンで、その後のコンディション低下や怪我などの懸念がある中で超過密日程となるのが問題です。場合によっては冬の移籍市場での補強の必要性も出てくるかもしれませんが、まずは現メンバーのレベルアップと戦力化がシーズン後半戦のカギとなるでしょう。

*スタッツはこちら

22-23EL/GS-6 試合結果

次の試合はプレミアリーグ第15節 ヴィラ・パークでのアストン・ヴィラ戦。11月6日(日)23:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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