こんにちはMasaユナイテッドです。
22-23ヨーロッパ・リーグ準々決勝1stレグ ホームでスペインのセビージャと対戦したユナイテッド。試合はホームのユナイテッドが開始から攻勢を仕掛け、14分にザビッツァーのゴールで先制に成功します。その7分後にも、マルシャルのパスに抜け出したザビッツァーが決めて2ゴール!素晴らしい入りを披露します。しかし前半終了間際にヴァランが負傷。後半のスタートからマグワイアがピッチに入ります。後半はセビージャがギアを上げるなか、61分にはアントニーがポスト直撃のシュートを放ちますが決まりません。ユナイテッドは62分にエリクセン、エランガ、ヴェフホーストを投入。そのヴェフホーストからマラシアへと繋いで決定機を作りますがこれも決まらず。逆に試合終盤にさらにペースを上げたセビージャが84分にマラシアのオウンゴールで1点差とします。さらに86分にはマルティネスが負傷でピッチを後にし、10人での戦いとなります。そして92分、エンネシリのヘディングがマグワイアに当たりゴールへ。これがオウンゴールとなり最後に同点に追いつかれます。試合は2-2のドローで終了。来週、スペインでの2ndレグで決着を付けることとなります。
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まさに、浮き沈みの激しいジェットコースターのような試合となったセビージャ戦。今回はこの試合を3つのポジティブ要素と5つのネガティブ要素で振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①ポジティブ
1-1.カゼミーロ復帰
セインツ戦でのレッドカードにより、国内4試合で出場停止だったカゼミーロの復帰試合となったセビージャ戦。チームの大黒柱が戻ってきたことは朗報です。アンカーのポジションに入ったカゼミーロは、中盤でブルーノとコンビを組みました。カゼミーロ不在の間、ボランチでビルドアップの起点として素晴らしい仕事をしたブルーノですが、セビージャ戦も後方からゲームを組み立てる役割を担いました。カゼミーロが復帰したことで中盤のフィルターは強度が増し、またビルドアップに関してもカゼミーロの素早い展開で攻撃がスムーズにいったシーンも度々ありました。キーパス2本、ロングパス精度67%、地上デュエル勝利7/11回、ブロックは最多の6回を記録。復帰戦としては申し分ないパフォーマンスを披露しています。
Embed from Getty Images1-2.ザビッツァー2ゴール
過去2戦と同様に10番でのプレーとなったザビッツァー。前半素晴らしいアタックを見せたユナイテッドの中心にザビッツァーがいました。14分にブルーノのパスを受けて左足を振り抜き先制ゴールを決めると、7分後にもバックライン裏へ抜け出し冷静に左足でフィニッシュ。2ゴールを挙げました。とにかく素晴らしいのはスペースを見つける能力と素早いトランジッションです。過去2戦も、トップに入るラッシュフォードとの連携で好印象を残しましたが、セビージャ戦ではマルシャルとの連動が見事でした。2ゴール目は典型で、引いて受けるマルシャルに対してザビッツァーが裏へ抜ける動きで、セビージャのラインブレイクに成功しています。とにかく運動量豊富でネガトラの反応も良く、さっきまで前線にいたと思ったら次の瞬間には自陣のゴール前で守備をするなど持ち味を存分に発揮しました。セビージャ戦のMOTMを獲得しています。
Embed from Getty Images1-3.キレのあるマルシャル
怪我から復帰後、キレのある動きで徐々に出場時間を伸ばしているマルシャル。先発出場は1月のシティ戦以来となりました。そのマルシャルはセビージャ戦の前半で鋭い動きを連発。ザビッツァーのゴールをアシストしています。9番ながら前線に張っていることはなく、頻繁に降りてビルドアップの出口となり、ボールを受けてはハイレベルなボールテクニックでボールキープしタメを作りました。ライン間で受けて、ドリブルやパスといった典型的な10番のプレーが得意というわけではないザビッツァーの代わりにマルシャルかライン間で仕事をしたところもあり、この2人はそれぞれ偽10番と偽9番のように振る舞い、抜群の相性を見せました。マルシャルのスタッツを見るとシュートは0ながらキーパス2本、ドリブルは2/3回成功となっており、そのことは数字にも表れています。ただ、これからの試合でマルシャルな求められるのはやはりゴールです。エバートン戦で負傷したラッシュフォードの離脱は長期にはならないと思いますが、シーズン終盤でマルシャルに掛かる期待は大きいです。
Embed from Getty Images*前節エバートン戦の記事はこちら
②ネガティブ
2-1.ブルーノ累積警告
41分にグデリに対するプレーでハンドを取られイエローカードを受けたブルーノ。この結果、セビージャ戦の2ndレグには累積警告のため出場できなくなりました。判定後にかなり怒りを見せたブルーノですが、この判定が厳しすぎるのは同意です。意図的なところは一切なく、ブロックするために投げ出した体に当たっただけでイエローというのは解せません。この試合の主審を務めたフェリックス・ツヴァイヤー氏はこの試合合計8枚のイエローカードを出していますが、基準はかなり厳しく簡単にカードを出していた印象です。ヨーロッパの大会は、プレミアとのジャッジの基準の違いがネックになることもありますが、セビージャ戦もユナイテッドからすれば、「このぐらいの接触でファールを取るのか?」というシーンもありました。とはいえ、ブルーノのイエローが取り消されることはないので、2ndレグはブルーノを欠いて試合に臨むことになります。幸いエリクセンが復帰し、10番ザビッツァーが機能しているだけに、大きく戦力を落とすことはありませんが、戦術的、精神的にも多少影響する可能性はありますね。
Embed from Getty Images2-2.ヴァランの負傷
40分に、デ・ヘアからのロングボールをヘディングした直後、足を押さえその場に座り込んだヴァラン。その後戻り、前半はプレーを続けますが後半のスタートからはヴァランに代わってマグワイアが出場しました。試合後1日経った時点で伝えられているところによると、ヴァランは数週間離脱することになるようです。テン・ハーグ監督は、過去2週間にわたりヴァランが足の違和感について訴えていたことを認めており、セビージャ戦で悪化したという状況のようです。テン・ハーグ監督はヴァランの起用に関しては、かなり慎重におこなっていた印象がありますが、それでも離脱に繋がってしまったというのは残念でなりません。「足の負傷」ということだけで詳細がまだ明かされていませんが、後述するようにマルティネスも怪我で欠いた状態で、マグワイア、リンデロフ、あるいはショーやカゼミーロにも代役を任せることになりそうです。セビージャ戦後半でプレーしたマグワイアは良いプレーを見せていただけに、キャプテンの完全復活を期待しましょう。
Embed from Getty Images2-3.選手交代で流れを失う
2-0でリードした状態で、テン・ハーグ監督は62分に3枚替えを実行しました。ブルーノに代えてエリクセン、マルシャルに代わってヴェフホースト、サンチョと交代でエランガを投入し、変化を加えています。ブルーノの交代は早すぎるように思いますが、監督は2枚目のイエローを避けるためと説明しています。マルシャルは、やはりフィットネス的なリスクを避け、リードしている状態でヴェフホーストの前からのプレスに期待したというところ。エランガはサンチョのパフォーマンスが良くないこともあり、出場機会を与えられた格好となりました。それぞれの交代に意図があり、それ自体は悪いものではありませんが、結果的にこの交代を境にセビージャは流れを引き寄せることになりました。急激にパフォーマンスが落ちたわけではありませんが、セビージャは徐々にプレスを強め、ユナイテッドのボール保持は安定感を失っていき、終盤の2失点へとつながる事になりました。
Embed from Getty Images2-4.2つのオウンゴール
試合終盤の「不運」な2つのオウンゴールにより引き分けとなりましたが、1失点目はマラシアがクロスの処理を誤り、シュートをディフレクトしオウンゴールとなりました。ブレントフォード戦でのショーの負傷により先発を続けるマラシアですが、前半にもいくつか危うい守備があり、攻撃でもサンチョとのコンビネーションが噛みあわない場面も...。82分のシュートチャンスも決められず、セビージャ戦は彼にとって厳しいレッスンとなりました。さらに追い打ちを掛けることとなるのが92分のマグワイアのオウンゴール。マルティネスが負傷退場を余儀なくされ、1人少ない状態でしたがこのゴールは「不運」としか言えませんね。エンネシリのヘディングシュート自体は明後日の方向に飛びましたが、そこにいたマグワイアの頭に当たってゴールに吸い込まれてしまいました。デ・ヘアのビッグセーブの後だっただけに余計に残酷でした。こういったゴールは防ぎようがないのですが、やはり自分たちのチャンスの時にしっかり止めを刺し、試合をコントロールする必要があるということです。
Embed from Getty Images2-5.マルティネスの負傷
1失点後の86分、突如倒れ込みセビージャのアクーニャとモンティエルのアルゼンチン人2人に両脇を抱えられピッチを後にしたマルティネス。その後の診断の結果、右足第五中足骨にヒビが入っていることが判明。残念ながら今シーズン残り試合の欠場が発表されています。怪我を負う直前のプレーでも、他選手との接触はなかったように思いますが、ドリブルで方向を変えた時に挫いたようにも見えます。第五中足骨の骨折はサッカーでもよく見られる怪我で、近年では2019年にネイマールがこの骨折で手術を受けた例もあります。この骨折は「Jones(ジョーンズ)骨折」とも言われる疲労骨折で、プレー中の急な方向転換、そして、ボールを蹴った際など、軸足の骨の一部分に繰り返しストレスがかかることなどで骨がもろくなり、その結果通常では骨が折れない程度の足首の捻挫や片足で体重を支えた際に骨折してしまうというものだそうです。今シーズン加入し、熱いディフェンスと配給役、そしてメンタルの模範としても重要だったマルティネスの離脱は大きな痛手です。マグワイアやリンデロフなどには、その穴を埋めることを期待しますが、守備の要を2枚同時に失った痛手がシーズン終盤の失速につながらない事を願うばかりです。マルティネスには1日も早い復帰を望みますが、今シーズンの活躍には感謝でいっぱいです。
Embed from Getty Images👿まとめ
前半終了時点で、まさかドローで終えることになるとは予想できなかったセビージャ戦。この試合のMOTMとなったザビッツァーの2ゴールは最高でしたし、復帰したカゼミーロとブルーノの最強中盤コンビや、アントニー、ワン=ビサカのワンダー右サイドも多くのチャンスを作りました。エバートン戦で負傷したラッシュフォードの離脱は痛手ですが、復帰したマルシャルもかなりプレーにキレがあり、この試合ではチャンスメイクが光りましたね。これだけのポジティブ要素がありながら、徐々に試合のコントロールを失い終盤にオウンゴールで2失点...。オールド・トラッフォードの魔力が失われた瞬間でした。アンラッキーと言えばそれまでですが、アントニーやマラシアなどに決定機があったのも事実。多くの試合で言っていますが、決まられる時に決めるようにならないとこういった展開は起こり得るということです。
間接的に選手交代が影響したとは思いますが、これはテン・ハーグ監督が「牛の尻を見る」と表現したように結果論でもあります。確かに、ブルーノやアントニーには退場するリスクがありましたし、サンチョのパフォーマンスは基準以下で、マルシャルも怪我のリスクを避ける必要がありました。しかしながら、途中出場した選手はこれまでの今シーズンの試合のように影響を与えた選手がいなかったことも事実。来シーズンの生き残りを賭けるという意味でも、サブメンバーにはより一層の奮起を期待したいですね。2ndレグはブルーノ、ヴァラン、マルティネスという3人のリーダーが不在で試合に臨むことになります。これからシーズン残りは総力戦。CL出場権獲得、FAカップ、ELのタイトル獲得を目指すうえで言い訳は通用しません。あくまでも結果を求めてチーム一丸で戦うことが必要です。
*スタッツはこちら

次の試合はプレミアリーグ第31節 ザ・シティ・グラウンドでのノッティンガム・フォレスト戦。4月17日(月)0:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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