こんにちはMasaユナイテッドです。
いよいよ22-23シーズンのプレミアリーグが開幕!ユナイテッドはホームでブライトン&ホーヴ・アルビオンと対戦しました。試合は30分にブライトンがグロスのゴールで先制すると、39分にもカウンターから再びグロスに決められ追加点を奪われます。ユナイテッドは、53分にフレッジに代えてロナウドを投入、エリクセンをアンカーに変更します。この変更で流れを掴んだユナイテッドはペースを掴みます。68分にマカリスターのオウンゴールで1点返し、同点目指して攻勢に出るユナイテッドでしたが、なかなか決定機をモノにできず。試合は1-2でアウェイのブライトンが勝利しています。
*この試合のハイライトはこちら
今回はこの試合の敗因を4つ取り上げ試合を振り返ります。開幕黒星スタートの原因は何なのか?なぜ上手くいかなかったのか?などを考察します!
以下項目です。
👿ラインナップ

①狙われたビルドアップ
まず最初の敗因は「狙われたビルドアップ」です。この試合のブライトンは、前半立ち上がりからユナイテッドのバックラインに対してハイプレスを慣行。その鋭い寄せは今シーズン、後方から繋ぎたいユナイテッドを慌てさせるのに十分でした。開始30秒でダロトはプレス回避に失敗。トロッサールにボールを奪われシュートを打たれています。8分には、フレッジの横パスをトロッサールにインターセプトされピンチを招きます。また、16分にもバックパスを受けたデ・ヘアが、出しどころがなく左のタッチラインにボールを蹴り出してしまうシーンもありました。
Embed from Getty Imagesこのように、ブライトンは2CBに対してウェルベックがプレスし、両SBにはグロスとトロッサールの両WBで対応、フレッジにはララーナ(もしくはマーチ)がマンマークで付くというハイプレスを徹底しました。テン・ハーグ監督の就任により、自陣からのビルドアップを戦術のポイントとしているユナイテッド。プレシーズンではまずまずの形でできるようになっていましたが、ブライトンの組織的かつ的確かつスピーディーなプレスに思うようにボールを前進できませんでした。
ユナイテッドとしては、昨シーズンの36節アメックススタジアムでの試合でも完敗を喫しており、ブライトンの組織だった戦いは苦手としている面もあります。プレシーズンでやっていた様な、3CBに可変してSBを押し上げたり、左SBをボランチ気味に配してプレス回避したりといった工夫もほとんど見られませんでした。まるで昨シーズンのままのビルドアップに見えましたが、これほどまでに機能しなかったのは驚きです。フレッジはポジショニングを変える様な素振りもなく、マークに付かれた状態でボールを受けて前へ向けないなど、アンカーとしては十分ではありませんでしたし、同様にショーのビルドアップ時の工夫のなさも致命的でした。前半のこのビルドアップ不全はこの試合の大きな敗因です。
②機能しない偽9番
2つ目はストライカー不在の状況で、テン・ハーグ監督がチョイスしたブルーノとエリクセンの「ダブル偽9番システム」です。これに関してテン・ハーグ監督は試合後のインタビューで、このシステム自体は悪くなかったとして敗因としては挙げていません。
プレシーズン好調だったマルシャルを負傷で欠き、ロナウドもチームに合流してまだ日が浅く、コンディション的に先発を回避したため、ストライカーが不在でした。トレーニングで、偽9番を試して動きが良かった為にこのシステムを採用したとのことでしたが、上記したビルドアップ不全の影響が大きく、前半のユナイテッドの攻撃は単発に終わっています。前半のシュートはわずかに5本で、ブライトンの12本に大きく溝を開けられています。ブルーノとエリクセンの即興的なポジションチェンジとゲームメイクは時折素晴らしい展開も見せましたが、崩しの場面でボックス内への侵入の動きは不十分で、ブライトンディフェンスを慌てさせるような場面を作りに至りませんでした。
Embed from Getty Images6分にはマクトミネイがニアゾーン近くまで侵入して、ブルーノへマイナスのクロスを上げるシーンがあり、形としては100点満点でしたが、ブルーノのフィニッシュは大きく枠を外れてしまいます。エリクセンも24分にカウンターからボックス内で良い形でチャンスを迎えますが、ボールコントロールが上手くいかず、精度のあるシュートを打てませんでした。
監督が言うように、決して機能したとは言えない偽9番システムが、直接敗因となった訳ではありませんが、根本的に誰がフィニッシャーになるのかというところが薄かったが為に、微妙なボールのズレやプレー精度、攻撃時の迫力に掛けた感があります。事実、後半ロナウド投入以降は、全体のバランスが改善され、ブライトンを攻め立てたました。これは偶然ではないでしょう。
③個々のクオリティ
3つ目は「選手個々のクオリティ」です。これに関しては当ブログで、事あるごとに触れているのですが、ユナイテッドはプレッシャーが掛かっている状態でのプレーの質が著しく低下する選手が多いような気がします。ブライトン戦でも、パスが引っ掛かる、パスが少しマイナス方向にズレる、ドリブルで抜けない、ここぞというところでトラップが乱れるなどが非常に多かったです。
ある意味こういったプレーの精度が上がるだけで、ボール保持は安定し、チャンスの数は飛躍的に伸びると思います。ブライトン戦後には、例によってOB連中からフレッジ、マクトミネイのクオリティに対して厳しい意見が出ていましたし、多くの人も中盤のボールプレーの質にはガッカリしたと思います。まぁ2人だけに限らず、ブライトン戦ではダロト、ラッシュフォード、ブルーノもプレーの質は低かったですし、それこそエリクセンとリサンドロ・マルティネスの新加入2人だけが、安定したボールプレーを見せたと言えるかもしれません。
Embed from Getty Images特にエリクセンは素晴らしいパフォーマンスを見せましたね。後半になってからはアンカーでのプレーになりましたが、ビルドアップの安定に貢献。79回のボールタッチでキーパスは最多の3本。ボールリカバリーもチーム3番目の8回を記録し、攻守に渡って存在感を発揮しました。
皆んなが皆んな、エリクセン並みのプレー精度を見せるのは無理だとしても、ユナイテッドの多くのプレーヤーは一言で言えばプレーが雑です。この雑さは監督が変わってもそのままで、やはりこれを改善しようとすると、補強に頼らざるを得ないというのが現状でしょう。
④メンタリティ
最後はこれも敗因の定番「メンタリティ」です。試合後、キャプテンのマグワイアが、
先制されるとひどく打ちのめされ、それ以降はプレーを止めてしまった。 先制された後は相手にボールを与えすぎた。悪夢のようなスタートになってしまった。
ユナイテッド公式
と語っているように、先制点が精神的に大きなダメージとなったと認めています。確かに、プレシーズンの好調さから考えれば、あのような試合展開になるとは予想しにくかったですし、選手達も手応えと自信があったという事だと思います。1失点目はマクトミネイが敵陣でボールを奪われたところから。2点目も敵陣深くでボールロストしてからのカウンターで、自陣のオープンスペースを使われての失点でした。
Embed from Getty Images後半攻勢に出ながらも得点を奪えなかったのも、「焦り」の色が時間と共に濃くなっていったという印象です。ブルーノやラッシュフォードには決定機があっただけに、冷静なフィニッシュができなかった事は悔やまれます。
恐らくテン・ハーグ監督は、あっさりとオープンになってしまったチームにショックを受けているはずです。トレーニングでは良くても、試合になると自信と集中力やメンタリティを欠いてしまうというのはある意味現スカッドの大きな弱点であり、昨シーズンから何度も見られる現象です。この課題に対してテン・ハーグ監督はどのようなアプローチで改善するのか注目ですね。
👿まとめ
期待に胸を高鳴らせ迎えた22-23シーズンの開幕戦ですが、結果はブライトンにホームで敗れるという驚きのスタートとなりました。プレシーズンではテン・ハーグスタイルが徐々に浸透し、手応えもありましたが、蓋を開ければビルドアップ不全、プレス回避に手こずる、散見されるミス、決定力不足、そして、メンタリティの欠如といった昨シーズンの悪癖のオンパレードとなってしまいました…。
個人的にも控えめに言ってもショッキングな開幕戦で、「できればやり直したい」というのが率直な感想です(笑)。しかしながら細部を見ると、崩しの形はプレシーズンで見られたようにできており、優秀なフィニッシャーさえいれば昨シーズンのような慢性的な決定力不足にはならないだろうとは思います。また、新加入の2人、エリクセンとリサンドロ・マルティネスは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたこともポジティブな要素でした。マルティネスに関しては、確かにデュエルで当たり負けするシーンもありましたが、チーム最多12回のボールリカバリーと93%のパス成功率、そして7本のロングパスを成功させるなど期待通りのプレーを見せてくれました。カバー範囲は予想してたよりかなり広く、また、鮮やかなボールテクニックで相手をいなすなど、ディフェンダーとして一味違うところも見せてくれました。試合を重ねるごとにどんどん良くなるでしょう。
Embed from Getty Imagesテン・ハーグ初戦を勝利で飾れなかったことはとても残念ですが、そもそも個人的には、安定した結果が出るようになるまで時間が掛かると思っていたので、気長に応援するスタンスでいきます(笑)。上に書いたようにポジティブな要素もいくつかあったので、悲観し過ぎることなく次戦、ブレントフォード戦での改善を期待します!


次戦、PL第2節はブレントフォード・コミニティー・スタジアムでのブレントフォード戦。8月14日(日)1:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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