【22-23PL第18節】ウルブス戦に見るラッシュフォードの進化!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。皆様明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願いいたします。

22-23PL第18節 アウェイ、モリニュー・スタジアムでウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)と対戦したユナイテッド。試合は序盤からホームのウルブスがユナイテッドに自由を与えない試合運びを展開します。ユナイテッドはガルナチョ、マルシャルに決定機が訪れますが決められず。前半をスコアレスで折り返します。ユナイテッドは後半頭からガルナチョに代えてラッシュフォードを投入。ウルブスもアダマ・トラオレを投入しユナイテッド陣内に攻め込みますが、逆にユナイテッドはカウンターから徐々にウルブスゴールに迫ります。そして76分、ラッシュフォードがブルーノとのワンツーからボックス内へ侵入しシュート。これが決まってユナイテッドが先制に成功します。83分にもラッシュフォードがゴールを決めますがハンドの判定で無効に。アディショナルタイムにはラウール・ヒメネスがヘディングシュートを放ちますがデ・ヘアが立ちはだかりゴールを死守。ユナイテッドが0-1で逃げ切り勝ち点3を獲得。4位浮上に成功しています

*試合のハイライトはこちら

絶好調ラッシュフォードの値千金のゴールで勝利したウルブス戦。今回はこの試合に見るラッシュフォードの進化を通して試合を振り返ります

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL18 ウルブスvsユナイテッド ラインナップ

①ラッシュフォードの先発落ちと前半のパフォーマンス

17節のノッティンガム・フォレスト戦で1ゴール1アシストをマークし、勝利に貢献したラッシュフォード。2022年最後の試合となるウルブス戦でも先発出場が確実視されていました。しかし、試合開始1時間前に発表されたスタメンラインナップにラッシュフォードの名前はなく、ベンチからのスタートに。左サイドには18歳のガルナチョが入り、フォレスト戦からの唯一の変更点となっていました。絶好調のラッシュフォードをベンチから使うという選択はかなりの違和感があり、テン・ハーグ監督の意図が不明なまま試合はスタート。しかし、ガルナチョのプレーも楽しみではあり、チーム全体としてもフォレスト戦のようなハイ・パフォーマンスが期待されました。

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*前節フォレスト戦の記事はこちら

ところが前半のユナイテッドはポゼッションが安定せず、トランジッションの場面でもウルブスに劣勢を強いられます。特にユナイテッド自慢の中盤、カゼミーロ、エリクセン、ブルーノはウルブスの鋭いプレスに苦しみ持ち味を発揮できず、ウルブスの中盤、ルベン・ネベス、マティアス・ヌニェス、ジョアン・モウチーニョに対して支配力を発揮できませんでした。徹底的に縦パスを封じるウルブスに対してユナイテッドはサイドからの進行を余儀なくされますが、サイドでもオーバーロードを作られポゼッションで相手陣内でプレーする時間を確保できませんでした。しかしながら、ユナイテッドに得点のチャンスがなかったわけではありません。

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16分のガルナチョ、45分のゴール前でのマルシャルのヘディングシュート(空振り)など、決定機が複数回ありました。これを決められなかった前半のユナイテッドは、かなり苦戦したと言って良いでしょう。アウェイ、特に苦手意識があるであろうモリニューでのランチタイムキックオフという苦戦の条件を、そのまま表したような前半となりました。

②ラッシュフォード投入で流れを掴む

後半開始と供にガルナチョを下げてラッシュフォードを投入したテン・ハーグ監督。恐らく、前半でリードできていればもう少しガルナチョを引っ張ったでしょう。しかし、上手く機能していないチームには早い時間帯で変化を加える必要がありました。中盤の支配力で劣っていた為、中盤をテコ入れするというアイデアもあったと思いますが、あくまでも得点を取るための交代を優先したという点はいかにもテン・ハーグ監督らしいと感じます。後半スタートはトップ下にラッシュフォード、左にブルーノの時間帯がありましたが、ポデンセの治療後は左サイドにラッシュフォードを配置します。

ウルブスも後半開始からアダマ・トラオレを入れて右サイドからチャンスを作りますが、ユナイテッドはカウンター気味に攻撃を仕掛け徐々にペースを掴みます。52分にはアントニーが連続でシュート、ラッシュフォードのパスを起点にブルーノがシュートとウルブスゴールに迫り始めました。このシーンのラッシュフォードは、エリクセンからのパスをワンタッチでゴール前のマルシャルへ出しています。このあたりの判断の早さ、視野の広さにラッシュフォードのコンディションの良さや余裕があることが伺えますね。そして76分、ブルーノとのワンツーからボックス内へ侵入、マーカーのジョニーをなぎ倒してゴールを決めたラッシュフォード。均衡を破る値千金のゴールを挙げました。昨シーズンのラッシュフォードならばジョニーに体をぶつけられた時点で倒れていたでしょう。しかし、今回は絶対にゴールを決めてやるという意志が体全体から出ていました。メンタル面でも充実している証拠ですね。

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81分にトップのポジションに入ったラッシュフォードは、83分にもボック内でパスを貰ってシュートしゴールを奪いますが、ハンドの判定で得点は取り消されます。しかし、このシーンもウルブスディフェンダー、コリンズに当たられながらも倒れずシュートまで持ち込んでいます。ウルブス戦のこの2つのシュートシーンから、今シーズンのラッシュフォードのフィジカル面での進化がわかります。ラッシュフォードほどのスピードを持った選手がフィジカル面でもレベルアップすれば、そう簡単に止めることはできないでしょう。「簡単に倒れてPKを期待する」という選択をしなくなったラッシュフォードは明らかに成長しましたね。

③ラッシュフォードの進化の秘密

ウルブス戦でのスタメン落ちは、チームミーティングに寝坊して遅刻したための懲罰的処置だったと、試合後にラッシュフォード本人が認めています。どんなに好調な選手であっても、規律やルールを守らなければならない。テン・ハーグ監督のチームマネジメントがチームを正しい方向へ導いているのは確かですが、自身の得点でチームを勝利へ導くという完璧なリアクションをラッシュフォードも見せました。

ウルブス戦のゴールにより、今シーズンの公式戦11ゴール4アシストとなったラッシュフォード。プレミアリーグでは6ゴールとなり、90分当たりのゴール数は0.43となっています。これはシーズン17ゴールを挙げた19-20シーズンの0.58に次ぐキャリア2番目の数字となっています。しかしながら、今シーズンのラッシュフォードはより“多才”なゴールが増えている印象を受けます。十八番である裏抜けからのシュートや14節ハマーズ戦のヘディングシュート。ウルブス戦でのフィジカルを前面に出したシュートなど多くの得点パターンがあります。さらにポジションも、得意の左サイドだけでなく、右でもトップでも得点に絡むプレーができているのも進化しているポイントでしょう。

今シーズンのラッシュフォードの進化の裏にはアタッキングコーチであるベニ・マッカーシー氏の存在があります。今夏にユナイテッドにやってきた元ブラックバーンのストライカーは、攻撃陣にポジショニングとフィニッシュの改善を指導しています。マッカーシーは現在45歳。現役時代はアヤックスやポルト、そしてブラックバーンなどでプレーし、06-07シーズンには36試合18ゴールをマークし、プレミアの得点ランキングで2位になったこともあります。ラッシュフォードは以前に「マッカーシーにはとても助けられました。攻撃的なコーチがチーム内にいることは、僕たちフォワードの選手にとって素晴らしいことです。毎日、他のことよりもゴールを決めることを考えています。」と語り、マッカーシーの存在に助けられている事を示唆しています。

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昨シーズンとのコンディション面の違いもプレーに大きな影響を与えていますが、何より貴重なアドバイスを与えてくれるコーチの指導を受け試合で結果を出す。そしてフットボールを楽しめていることが今シーズンのラッシュフォードのハイ・パフォーマンスに繋がっていると思います。

👿まとめ

ウルブスの組織的なプレッシングに苦戦を強いられた前半から、後半エースの1撃で苦しみながらも勝ち点3をもぎ取ったユナイテッド。ネベスのフリーキックや、アディショナルタイムのラウール・ヒメネスのヘディングシュートを防いだデ・ヘアの活躍もあり、3試合連続のクリーンシートを達成しています。フォレスト戦ほどカゼミーロのフィルターが機能しなかった状況でも冷静な守備に徹したヴァラン、CBとしても安定感を見せたショー、危ないシーンを体を張って止めたワン=ビサカ、ハードワークが光ったマラシアのバックラインも称賛に値するでしょう。

基準の曖昧な判定の影響もあり2得点が無効にされた印象もありますが、ポゼッションとファイナルサードの精度でいつものパフォーマンスを発揮できなかったところもあります。しかし、ラッシュフォードの投入により流れを引き寄せ、後半はスペースを突くプレーを繰り出すことができました。69分のヌニェスの負傷の間にカゼミーロをタッチライン際に呼び入念に指示を与えたテン・ハーグ監督。この指示の内容は判明していませんが、それ以降タッチラインギリギリにポジションを取るようになったラッシュフォードが75分に得点したことは関係しているかもしれません。個の得点感の強いラッシュフォードのゴールですが、テン・ハーグ監督による微妙なポジション変化が功を奏している可能性もありそうです。

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しかしながら、ウルブス戦が絶好調ラッシュフォード劇場となったことは間違いありません。今のラッシュフォードはウェイン・ルーニーに近づきつつあるように感じます。偉大な背番号10がチームをもう1段高みへと導くと期待したいですね。

22-23PL18 ウルブスvsユナイテッド スタッツ
22-23PL18 試合結果

この試合の結果ユナイテッドは4位浮上!3位ニューカッスルとは2ポイント差となっています。

次の試合はPL第19節 オールド・トラッフォードでのボーンマス戦。1月4日(水)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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