【22-23PL第2節】大敗!ブレントフォード戦 4つの失点シーンを徹底分析!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレミアリーグ第2節。アウェイ、ブレントフォード・コミニティ・スタジアムでブレントフォードと対戦したユナイテッド。試合は10分にジョシュ・ダシルバのゴールでブレントフォードが先制します。さらに18分にマティアス・イェンセン、30分にはコーナーからベン・ミー、35分にはブライアン・エンベウモにもゴールを奪われ前半だけで4点のビハインドを負います。後半になりユナイテッドは、ヴァラン、マクトミネイ、マラシアを投入。バランスを変えて安定感は増し、攻撃の時間も増えていきますが、なかなかゴールを奪えません。60分にはエランガ、87分にはファン・デ・ベークを投入しますが結局ゴールは割れず。4-0という屈辱の敗戦となりました

*試合のハイライトはこちら

今回は、この大敗のブレントフォード戦の失点シーンを分析。35分間での4失点はどのようにして発生したのか。どのようなミスがあったのかなどを紐解きます!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL2 ブレントフォードvsユナイテッド ラインナップ

①1失点目

1失点目は10分、ジョシュ・ダシルバのシュートをデ・ヘアがキャッチミスしたことにより生まれました。当然、最も目につくのは何でもないシュートを後逸したデ・ヘアのミスです。至近距離からのシュートには人間離れした反応を見せることの多いデ・ヘアですが、比較的遠めからのシュートには今回のようなミスが時々起こります。ダシルバのシュートに至るまでのプレーは、ダロトのロナウドへのロングスローから始まっています。このボールをロナウドが2人に囲まれ奪われますが、そもそもこのロングスローも、敢えてピッチ中央にいるかなり遠いロナウドへ出す意味が不明です。ダロトの判断は常にロナウドが基準になっており、信頼関係も分かりますがチームでプレーしている事を疎かにしすぎています。確かに後半はロナウドへ惜しいクロスを上げるなどチャンスメイクもしていますが、最良の選択ができていないシーンも目につきますね。

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さらに、スローインになったプレーはユナイテッドのビルドアップのミスからです。ゴールキックをマルティネスがデ・ヘアに預けるところから始まりますが、この時ブレントフォードの2トップはハイプレスの体勢に入っていました。しかし、デ・ヘアはイェンセンに付かれているエリクセンへのパスを選択。エリクセンはそのままマグワイアにボールを戻しますが、猛然とプレスを掛けるイェンセンの勢いを躱せず、ダロトへのパスをブロックされタッチラインを割る事になりました。この時のデ・ヘアのパス選択にも問題がありますが、気になったのはマグワイアの動きのなさです。デ・ヘアにボールが渡ったときから全くその場を動いておらず、エリクセンにボールが渡った時も動きませんでした。マグワイアが前方へ動けば、エリクセンはマグワイアの前へパスを出し、キャプテンはそのまま楔のパスを入れることができたはずです。

このシーンに限らず、後方の繋ぎの場面では数的優位になっているはずのユナイテッドの選手の誰かが「我関せず」という姿勢を取っている為にビルドアップ不全が起こっているシーンが散見されます。マグワイアはこのプレーの後、ダロトにもっとサポートに来るように要求しましたが、その前に自身のサポート意識の低さも反省する必要があるでしょう。

②2失点目

2失点目は18分、マティアス・イェンセンがエリクセンからボールを奪いゴールを決めました。このシーンも、1失点目と同じシチュエーションで起こりました。ゴールキックを、デ・ヘアが敢えてエリクセンへパス。イェンセンに奪われシュートされました。この時はマグワイアがかなりフリーだったにも関わらず、イェンセンのマークを受けているエリクセンにボールを預ける選択をしたデ・ヘアに問題がありますが、この形はゴールキックになる直前のプレーでも起こっており、トレーニングで仕込んでいた形だったことは明らかでしょう。しかし、相手の出方によって柔軟にプレー選択を変えるべきであるのは当然で、それができない選手は「脳筋」と言われても仕方ないでしょう。これはデ・ヘアに限らずユナイテッドの選手に散見される事でもあります。

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ちなみに、その直前の16分のビルドアップではマグワイアがボールを持った状態で、ダロトがインナーレーンへ移動します。この形も仕込んでいる形ですが、この時はトニーがマグワイアとダロトのパスコースを塞いでいるために、マグワイアはダロトにアウトレーンに出るように要求します。しかしダロトの反応は鈍く、パスコースがないマグワイアはイェンセンにマークされているエリクセンに出すしかなくなります。その結果ワンタッチで叩いたエリクセンのパスは引っかかりピンチになり、マグワイアがファールで止める事になりますが、このシーンも個々の判断と柔軟性のなさが結果的にエリクセンのところで破たんするという、この試合の前半で何度も繰り返した形となっています。

③3失点目

3失点目は30分、ブレントフォードのコーナーキックから最後はベン・ミーが頭で押し込み決めました。この試合のブレントフォードのコーナーキックは非常に特徴的で、8人ほどが1か所に集まったところから散開。マークを混乱させる作戦を使っていました。散開した時に、クリスティアン・ノルガードがデ・ヘアの背後に回り込み、デ・ヘアの動きを封じる役割を担っています。失点のコーナーキックの場面では、ファーへのボールに対してデ・ヘアの動きはノルガードにが封じられており、折り返しへの反応も非常に鈍くなっています。ユナイテッドの対応としては、5人がゴール前でゾーンで守っていますが、誰1人としてこのノルガードの動きを監視していません。最も近くにいるのはダロトでしたが、気に掛ける素振りもありませんでした。

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結果的に、空中デュエルでマルティネスが競り負け失点しますが、個人的にはマルティネスを責める気にはなりません。確かにこの試合も開幕のブライトン戦も、175cmのセンターバックは空中戦で狙われています。ブレントフォードのフランク監督も試合後のインタビューでマルティネスを狙ったことを認めていますが、純粋な空中戦の対応はミスがありませんでした(スタッツ上は空中デュエル0)。ただ印象を悪くしたのは失点シーンであり、後半頭にヴァランに交代させられたことです。失点シーンはかなりの混戦状態で、マルティネスの体勢はとても競られるものではありませんでした。しかし、後半下げられたことで、まるでマルティネスのプレーに問題があったかのような印象を与えています(監督は否定しています)。一部の報道でもありましたが、「懲罰交代」のように取られかねず、選手のモチベーションへの影響が心配です。

④4失点目

4失点目は35分、カウンターからエンベウモに決められましたが、このシーンのユナイテッドの対応にも問題がありました。ユナイテッドが押し込み、波状攻撃を仕掛けている時間帯でしたが、この時のエリクセン、ショー、マルティネス、マグワイアのバックラインのポジションは悪くありませんでした。ブレントフォードはトニー1人が前線に残っているだけで、数的にも圧倒的にユナイテッドが有利でした。しかし、ボックス内でサンチョがボールを失った瞬間にトニーは走り出します。この時エリクセンはいち早く気づき、後ろにいたマグワイアにトニーをマークするように指示します。しかし、これに対してマグワイアはその場で空中戦に備える体勢を取り、裏に走り出したトニーをロストしています。

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カバーにマルティネスが走りますが間に合わず、逆サイドを猛然と駆け上がったエンベウモに対してもショーが走り負けゴールを奪われました。このシーンではマグワイアの危機管理能力のなさと反応の鈍さ、そしてショーのコンディションの悪さが失点の原因です。特に、開幕のブライトン戦もそうですがショーのコンディションは酷すぎます。キレも全くないですし、踏ん張りも効いていません。またビルドアップに対する関与など、メンタル的にも試合に入り込めていない印象があります。後半ショーもマラシアと交代となりましたが、ショーをずっと見てきたからこそ言いますが、決してスタメンで試合に出れるコンディションではありません。ちなみにショーだけでなく、ブルーノ、フレッジも同様でコンディションに問題があるように見えます。

👿まとめ

試合後のインタビューでテン・ハーグ監督は「これはチーム戦術の問題ではない。最初の2つのゴールはボールへの対処と決断によるものだ。良いゲームプランがあっても、個々のミスから失点してはそのプランはゴミ箱行きになってしまう。」と語っています。テン・ハーグ監督が仕込んでいた戦術は、どんなものであったにせよ35分間の4失点で破たんします。試合の翌日はオフだったようですが、ブレントフォード戦の大敗を受けてオフを返上。走行距離でブレントフォードに13.8km走り負けしたことを受けて「しごき」が行われたと報じられています。

試合前の木曜日にはキャリントンで選手同士の「大規模な口論」があったとも言われており、昨シーズンのロッカールーム内不和がまだ存在していることも示唆されています。まぁ真実はどうであれ、ブレントフォード戦のパフォーマンスからは、チームとしてのまとまりがないことは明らかです。ロナウドの去就やマグワイアのキャプテンとしての信頼、進まない補強などが火種としてあるのは想像に難くないですが、やはり問題は「選手」にあると思います。少なくない選手たちが「勘違い」していると思います。まだ何も成し遂げていないのに、ユナイテッドに所属し高給を貰っているというだけでピッチ上で全力を尽くさず、ミスを他人の責任にし、ハードワークしないというのは論外です。いくら優秀な指揮官を招聘し、優れた戦術を用意しても実行する選手がこのような態度では上手くいくはずがありません。先制されると途端に動揺するのはお互いに対して信頼感が欠如しているからです。

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今回見てきたように4失点とも「ミス」が絡んでいます。しかし、サッカーというのはミスが付きもののスポーツで、失点シーンでミスがあるのはユナイテッドに限った事ではありません。問題はチームとして同じ方向を向いていない事です。テン・ハーグ監督は前任者のように妥協しないでしょう。むしろ、より厳しく指導するはずです。今回の4失点の惨敗を、良い経験として糧とできるか、はたまた昨シーズンのように崩壊の序章とするのかは今後の選手達に掛かっています。ユナイテッドは大好きですし、所属選手も全員思い入れがあり応援しています。しかし、「正しい姿勢」で取り組めない選手は去ってほしいと切に願います。

この試合の結果、ユナイテッドは1992年8月21日以来、30年振りの最下位という屈辱的の結果に...。

22-23PL2 ブレントフォードvsユナイテッド スタッツ
22-23PL2 試合結果

次節PL第3節は、オールド・トラッフォードでのリバプール戦。8月23日(火)4:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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