こんにちはMasaユナイテッドです。
22-23プレミアリーグ第22節 ホームでクリスタル・パレスと対戦したユナイテッド。試合は開始6分でユナイテッドが得点します。ラッシュフォードのクロスがペナルティーエリア内にいたウィル・ヒューズの上げた腕に当たり、VARの結果ハンドの判定でPKに。これをブルーノが決めてユナイテッドが先制に成功。前半はユナイテッドが試合を支配し、12本のシュートを放ちますが1得のみで前半を折り返します。追加点のほしいユナイテッドは59分にガルナチョを投入。するとその2分後にラッシュフォードがショーのクロスに合わせてゴールを決め2-0とします。しかし、その後選手同士の小競り合いからカゼミーロがレッドカードを受け退場に。1人少なくなったユナイテッドに対してパレスは攻勢に出て、76分にコーナーの流れからシュルップが決めて1点を返します。猛攻を仕掛けるパレスに対してユナイテッドはサビツァー、マグワイア、リンデロフを投入し守備を固めます。90分プラス、アディショナル・タイム7分間をなんとか凌いだユナイテッドが2-1で勝利。勝ち点3を獲得しています。
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今回はこの試合を5つのトピックスで振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①ラッシュフォードは好調を維持
62分、ショーのグラウンダーのクロスにゴール前で合わせて追加点を決めたラッシュフォード。58分にヴェフホルストに代わってガルナチョが入り、ラッシュフォードは左ウィングからトップに移動していました。デ・ヘアとヴァラン以外の9人が14本のパスを繋いで生まれたラッシュフォードのゴールは、テン・ハーグ監督のポゼッションサッカーの象徴のようなゴールとなりましたね。前の試合、カラバオ・カップ準決勝のフォレスト戦では途中出場から2アシストをマークしたラッシュフォードですが、ワールドカップ以降13試合で11ゴール4アシストと好調を維持、ユナイテッドの攻撃陣を牽引しています。
Embed from Getty Imagesパレス戦は合計6本のシュートを放っていますが、特に前半はショーとの連携が素晴らしく、単独突破するスペースがなければ周りを使いつつゴールに迫れるところにラッシュフォードの成長と余裕が垣間見られます。SCAもブルーノと並ぶ最多の4回となっており、スタッツからも攻撃の中心だったことがわかります。1月のプレミアリーグ月間最優秀選手に選ばれたラッシュフォード。その勢いは衰えるところを知りません。
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②フレッジとマルティネス
パレス戦で各方面から賞賛されるパフォーマンスを見せたのがフレッジとマルティネスの2人。負傷により長期離脱となったエリクセンの代役として2試合連続のスタメン出場となったフレッジは、タックル5/6回、ポールリカバリー9回と守備面のスタッツでチームトップを記録。持ち前の高いインテンシティで貢献しました。しかし、注目したいのはボール保持時のフレッジのポジションと役割。エリクセンがいる時にはエリクセンがいわゆるクロースロールのように左CBに降りて3-3-4の形を作りますが、パレス戦では両SBが1列上がって内側へ絞る2-3-1-4の形が見られました。この「1」のところがフレッジになるわけですが、フレッジがライン間にポジションを取ることで相手のボランチをピン留めし、サイドのボール進行がスムーズになります。また、フレッジがこの位置にいることでカウンタープレスも掛けやすく、ポゼッションの回復にも貢献できます。毎回上手くハマるわけではないですが、パレス戦の前半はフレッジがポゼッションのキーとなり、両サイドバックの攻撃参加が機能した側面があったと思います。
Embed from Getty Imagesマルティネスはヴァランと共に冷静な守備でパレスの攻撃を凌ぎました。非常にレベルの高いディフェンスでノーミスと言って良いほど完璧だったと思います。7回のボールリカバリー、5回のクリア、3回の空中戦勝利とフィジカル重視のパレスに対してもしっかり対応しています。さらに、配球役としても相変わらず機能しており、ボールタッチ77回、パス成功率92.4%を記録しています。エリクセン不在による展開力の低下はマルティネスがいればある程度カバーできそうですね。
Embed from Getty Images③カゼミーロの退場
アントニーがショルップに突き飛ばされたことに端を発した選手同士の衝突。その中でカゼミーロがヒューズの首を絞めた(ようにマリナー主審には見えた)としてレッドカードを出され退場となりました。試合後にテン・ハーグ監督も言っているように、そもそも明らかに意図的にアントニーを突き飛ばしたショルップはイエローだけで済んでいるというのが解せませんし、その後もアイェウがフレッジの顔面を掴んでいるシーンは暴力行為の対象にすらなっていません。たまたまアンドレ・マリナー主審が見たシーンにカゼミーロとヒューズが映っており、ここだけをピックアップした判定は間違っています。
Embed from Getty Imagesさらに言えば、カゼミーロは決してヒューズの首を絞めていたわけではありません。これまでのキャリアでレッドカードは1枚もなく(イエロー2枚での退場はレアル時代に2回)、普段の穏やかなカゼミーロを知っているサポーターは、アドレナリンか出ていたとしてもカゼミーロがそんなことするはずがないとわかっています。別角度の画像を見ればわかりますが、カゼミーロはヒューズを抑えるためにシャツの襟を掴んでいるだけです。この馬鹿げた判定にユナイテッドは上訴するかはわかりませんが、現状ではカゼミーロは3試合の出場停止になります。出場停止は国内の試合に適応されるのでカップ戦も対象ですが、今回はプレミアのリーズ戦2試合とレスター戦で適応となります。2月26日のカラバオ決勝は免れる形です。しかし、仮に上訴し棄却されれば出場停止が4試合になる事に注意する必要があります。
④サビツァーデビュー
冬の移籍市場でバイエルンからローンで加入したマルセル・サビツァー。1人少なくなり、パレスに1点返された後の81分にピッチに立ちユナイテッドデビューを飾りました。非常に難しい状況での出場でしたが、持ち前のハードワークとプレスで残り時間、パレスの猛攻に耐えることに貢献しています。初めてのプレミア、トレーニングセッションも1度しかこなしていない状況、しかもミスが許されないという非常にプレッシャーの掛かる中でのプレーでしたが、メンタルの強さとプロフェッショナリズムの高さを証明したと言えるでしょう。
Embed from Getty Imagesエリクセンの離脱を受けて緊急的に獲得に動いたユナイテッドですが、これまでも何度かサビツァーへの興味は報じられた過去があり、恐らく前からリストアップしていたと想像できます。同じく冬にローンで獲得したヴェフホルストもそうですが、2人とも派手さはないですが労を惜しまずチームのためにプレーできるという共通点があります。半年という限られた時間でより素早くフィットしするには最も重要な要素かもしれませんね。テン・ハーグ監督もそこに期待しているはず。確実に計算できるサビツァーだからこそ、あの状況でも出場させたのだと思います。
⑤パレスの猛攻をしのぐ
カゼミーロが退場となり、78分にはショルップに決められ1点差に詰め寄られます。テン・ハーグ監督は1人少なくなってブルーノを降ろして4-4-1に変更していましたが、失点後にアントニーを下げてサビツァーを入れ、中盤の守備強度を上げています。一方のパレスも83分に192cmの長身マテタを投入しフィジカルでユナイテッドを押し込もうとします。テン・ハーグ監督は87分まで待ってマグワイアとリンデロフを入れ5バックに変更。残り10分間を耐える作戦にシフトします。それに伴い途中出場のガルナチョを下げるという選択をしていますが、これは仕方ないところです。ラッシュフォードを前線に残しカウンターをチラつかせることでパレスにプレッシャーを与える意図がありました。
Embed from Getty Imagesカゼミーロの退場以降、ユナイテッドはシュートは1本もなく、逆にパレスは8本のシュートを放っています。これを耐え凌いだユナイテッドは10人になっても上手く試合をコントロールしました。まさにチーム一丸で守備をし、監督は選手交代で明確なメッセージを伝えています。こういった試合を勝ちで終えられたのもチームの成長が見えたパレス戦でしたね。
👿まとめ
前半PKで早い時間に得点し、比較的楽な展開になるかと予想していましたが、1人少なくなってからはハラハラドキドキの時間が続きました。前半のうちにもう1点取れていればまだマシだった感はありますが、こういった試合でもパニックにならず試合をコントロールした選手達はよくやったと思います。ソリッドな守備を見せたヴァランとマルティネスを始めとする守備陣とブルーノ、フレッジそしてユナイテッドデビューとなったサビツァーも素晴らしい集中力で対応しました。数的不利で守備をするトレーニングなどはあまりやっていないはずなので、こういった状況でものをいうのはお互いの信頼とチームワークです。テン・ハーグ監督は再三にわたり、選手がお互いに助け合うことを要求してきました。そういった普段の高い基準がパレス戦でゴールを死守できた要因ではないでしょうか。
しかしながら、これでエリクセンとカゼミーロを欠くことになってしまいました。上昇気流に乗ったユナイテッドの中で、影響力の大きい2人を失うというのはやや不安材料ではあります。特に、2戦連続で戦うリーズ戦は、そのチームスタイルからも非常に激しい試合になる事が予想されます。マクトミネイはもうすぐ戻って来られそうですが、当面はフレッジ、サビツァーが中盤でコンビを組む可能性が高いです。どこまでやれるか未知数ですが、パレス戦のパフォーマンスからすればやってやれないことはないでしょう。2月6日でミュンヘンの悲劇から65年を迎え、パレス戦の試合前にはテン・ハーグ監督とパトリック・ヴィエラ監督が献花し、スタジアム全体で1分間の黙祷を捧げました。ユナイテッドサポーターが掲げた「We’ll Never Die」の横断幕。試練に直面しても絶対に負けない、その精神を象徴するパレス戦でしたし、これから迎える厳しい戦いもその精神で乗り越えてほしいですね。
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この試合の結果ユナイテッドはニューカッスルを抜いて3位浮上。2位シティとは3ポイント差となっています。
次節はプレミアリーグ第8節延期分 オールド・トラッフォードでのリーズ・ユナイテッド戦。2月9日(木)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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