【22-23PL第25節】ブレントフォード戦に見る前節からの戦術的修正ポイントとは!?【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレミアリーグ第25節(延期分) ホームでブレントフォードと対戦したユナイテッド。試合はブロック守備を敷くブレントフォードに対してユナイテッドがボールを保持。21分にはアントニーのクロスにマクトミネイが合わせて惜しい場面を作ります。先制は27分、ユナイテッドのコーナーキックからアントニーがボールを拾いザビッツァーにループパス。サビツァーがこれをヘディングで落とすと、ゴール至近距離にいたラッシュフォードがゴール天井に突き刺し先制に成功します。1点リードで後半を迎え、ブレントフォードも前へ出始めます。67分にはケビン・シャーデが抜け出しデ・ヘアと1対1の場面を迎えますがこれをデ・ヘアがセーブ。ピンチを防ぎます。攻撃陣を入替え得点を目指すブレントフォードに対して、71分にフレッジとマルシャルを投入し追加点を狙ったユナイテッドでしたが、スコアは動かず1-0でユナイテッドが勝利。リーグ戦4試合ぶりの勝利で勝ち点3を積み上げています。

*試合のハイライトはこちら

今回は、完敗となった前節からの戦術的な修正ポイントを見ていきます。前節ニューカッスル戦の記事をまだ読んでいない方は是非そちらもどうぞ!

*前節の記事はこちら

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL25 ユナイテッドvsブレントフォード ラインナップ

①ラッシュフォードのトップ起用

まさに完敗となった前節アウェイでのニューカッスル戦。ほとんど良いところなく敗れたこの試合からチームがどのように修正するのかが注目の一戦となりました。驚いたことに、テン・ハーグはニューカッスル戦から1枚の変更のみでブレントフォード戦に臨みます。ヴェフホーストをベンチスタートにし、サンチョを左ウィングで先発、トップにラッシュフォードという布陣で挑みました。冬の加入以来、全ての試合で先発出場を果たしているヴェフホーストは、ニューカッスル戦のパフォーマンスで批判を受けていたのは確かです。敵陣でのボールタッチはわずかに2回。加入以来2ゴールしか決めていないストライカーに対して圧力が掛かるのも無理はありません。しかし、テン・ハーグ監督を始め、サポーターもヴェフホーストの得点以外での貢献は大いに認めています。ブレントフォード戦も、ヴェフホーストの先発の可能性はあったと思いますが、前線でのプレスよりもエース、ラッシュフォードの得点力を前面に出す方を選択。同時にニューカッスル戦で機能しなかった左サイドにサンチョを入れることで改善する意図もありました。

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これまでも決してラッシュフォードの1トップ起用が機能していたわけではありませんが、今回のブレントフォード戦では、周りとの連携を上手く使うことでブロック守備を敷くブレントフォードに風穴を開けることに成功しました。1トップとは言いながらも左サイドに流れる事が多く、左サイドでのオーバーロードを作ることに貢献。チームとしてアイソレーションとなる右サイドのアントニー、ダロトを上手く使うことができたのが前半の戦い方でした。それでも、5バックを敷くブレントフォードの間延びには限界があり、結果的には1ゴールのみで終わりましたが、裏を狙い、左右を広げるという揺さぶりは効果的だったと思います。テン・ハーグ監督の素晴らしいところはラッシュフォードを「型にハメない」ところです。どのポジションでプレーしようとも、ラッシュフォードはラッシュフォードの良さが出るようにシンプルなタスクしか与えていません。裏のスペースを狙い、味方にスペースを作る、そしてゴールを狙う。ブレントフォード戦もラッシュフォードの良さが出ていましたね

②ザビッツァーの新たな役割

ブレントフォード戦の中盤は、メンバーだけ見ればニューカッスル戦と同じですが、その配置は違っていました。トップ下だったマクトミネイはボランチに下がってブルーノと3列目を形成。トップ下にはザビッツァーが入りました。ニューカッスル戦の終盤にザビッツァーは10番の位置でプレーしており、試合後のインタビューでテン・ハーグ監督はザビッツァーを評価するコメントを残しています。中盤の様々なポジションでプレーできるのもザビッツァーの特徴ですが、トップ下でプレーしたブレントフォード戦は加入以来最高のパフォーマンスだったと思います。何より素晴らしかったのはサボらないスペースメイク。特にラッシュフォードの動きに合わせてボックス近辺でサポート位置を取り続ける動きは、チームのアタッキングサードでのクオリティ向上に一役買っていました

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ビルドアップ時にはブレントフォードのブロックの外まで降りてボールを引き取り、シンプルに叩いてからディフェンスライン裏を取りに行く動きはブルーノとは違った良さがあります。いわゆるテクニカルな10番タイプではないので、ドリブルやキラーパスなど単独で崩せるわけではありませんが、周囲の能力の高いアタッカー陣の良さを引き出すという意味では適任であると言えるでしょう。テン・ハーグ監督はこれまでもオプション的にフレッジやマクトミネイ、サンチョなども10番で起用してきましたが、攻守の切り替えとスペースメイクという意味では最もハマったのがザビッツァーではないでしょうか。そしてこれは、ファン・デ・ベークがアヤックス時代に上手くこなしていた役割であり、ユナイテッドでも求められていたことです。27分のラッシュフォードの先制点をアシストしたザビッツァー。彼のトップ下起用は恐らくエバートン戦も見られるでしょう。

③ブルーノが中盤を支配

中盤の構成でもう1つポイントとなったのはブルーノのボランチ起用です。深い位置でビルドアップの起点となり、ゲームを作る役割を担ったブルーノは最多の113回のボールタッチ、パス成功率83%、キーパス3本、ロングパス7/9本、デュエル勝率80%を記録。数字からも起点となり、攻守に貢献したことがわかります。試合後のインタビューでテン・ハーグ監督もブルーノを絶賛。過去2戦、カゼミーロ不在で酷評されたビルドアップを見事に改善して見せました。時には最終ラインまで降りてボールを引き取り、広い視野でフリーの選手を見つけ、正確なパスでボールを展開。左サイドのショー、サンチョとの連携もスムーズで、まさにチームの中心として機能しました。

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以前に、記事の中でブルーノのボランチまたはアンカー起用はリスクがあると述べましたが、その不安を払拭するようなパフォーマンスで個人的にはこの試合のMOTMではないかと思います。テン・ハーグ監督は見事な中盤の修正で前節の課題をクリアして見せました。スコア的には1-0ですが、特に前半のボール保持は完璧に近かったのではないでしょうか?しかしながら、それにはブレントフォードのプレースタイルが大きく影響しているのも事実。後ろを5~6枚と重たくし、基本的にはリトリートのブロック守備で中央をコンパクトにして守るというスタイルは、当然バックライン付近とサイドではボールを持てるからです。ニューカッスルのようにマンマーク気味にプレスを仕掛けてくるチーム相手にもブルーノのボランチやザビッツァーのトップ下起用が通用するのかは少々怪しいところがあります。カゼミーロ不在の最後の試合となるエバートン戦。恐らく同じ中盤の構成で臨むと思われるユナイテッドですが、そのあたりの真価が問われるでしょう。

👿まとめ

テン・ハーグ監督の戦術的修正は見事に功を奏し、難敵相手に勝ち点3を得ることができました。非常に固いブロック守備を構築するブレントフォード相手に得点は1点のみでしたが、試合はユナイテッドが常にコントロールできておりホームらしい戦い振りでした。前節があまりにもお粗末なパフォーマンスで心配もしましたが、ニューカッスル戦後に選手だけでの話し合いを行い「膿」を出し、結束を強めてブレントフォード戦に臨んだ成果は見て取れましたね。過密日程もあり、肉体的には落ち始めているのは間違いありませんが、ニューカッスル戦は「ユナイテッド・スタンダード」を満たしていませんでした。戦術的な修正もブレントフォード戦の勝利の大きな要因ではありますが、この基準を取り戻し、チームが団結して勝利を求めたことが最大の勝因でしょう。リーグ戦は残り10試合となりましたが、最後までハードな試合が続きます。この基準をホームでもアウェイでも保つことが一番重要になるはずです。

今回は、主に中盤の戦術ポイントに絞りましたが、先発出場したサンチョやアントニーの両ウィングもファイナルサードで存在感を見せてくれました。ヴァラン、マルティネスも相変わらずの集中力でクリーンシートに貢献し、ダロト、ショー、マラシアもサイドの攻撃に厚みをもたらしましたね。復活したマルシャルも動き自体は悪くないのでエバートン戦はもう少し長くプレーできるでしょう。素晴らし勝利でしたが、ショーの負傷交代は気になるところです。重症ではなく、大事をとっての交代のようですが、中2日で迎えるエバートン戦に出場できるかは微妙なところ...。ブレントフォード戦でクラブでの250試合出場を果たし、2027年までの契約延長にもサインしたショー。攻守に重要な選手だけにショーを欠くのは避けたいところです。

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この試合の結果ユナイテッドは4位浮上。3位ニューカッスルとは同ポイント。5位スパーズとは3ポイント差となっています。

22-23PL25 ユナイテッドvsブレントフォード スタッツ
22-23PL25 試合結果

次の試合はプレミアリーグ第30節、オールド・トラッフォードでのエバートン戦。4月8日(土)20:30キックオフ(鬼門ランチタイムキックオフ!)。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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