【22-23PL第27節】サウサンプトン戦 4つのトピックスで振り返る!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレミアリーグ第27節 ホームで最下位サウサンプトン(以下セインツ)と対戦したユナイテッド。試合は前半お互いにチャンスを作ります。16分にはラッシュフォードがブルーノのパスに抜け出しシュートを放ちますが、セインツキーパー バズヌがセーブします。セインツも24分に左サイドのペローからのクロスをウォルコットがヘディングで合わせますが、デヘアが超人的な反応でこれをセーブ。得点を許しません。35分に、カゼミーロがアラカラスにタックルを仕掛け、一度は主審を務めるアンソニー・テイラーはイエローカードを提示しますが、VARが介入しレッドカードに変更。カゼミーロは退場となり、以降4試合で出場停止となります。10人になったユナイテッドですが、ブルーノのフリーキックにヴァランが合わせ惜しいシーンを作ります。後半に入りセインツが攻め続ける時間が続きます。カウンターからウォルコットがキーパーと1対1になりますが、デ・ヘアが凌いで得点を許しません。逆にユナイテッドも68分にブルーノの惜しいシュートがありましたが、バズヌが触ってポストに弾かれました。73分にガルナチョ、ペリストリを投入し、あくまで勝ちを目指したユナイテッドですがゴールを割ることはできず。試合はスコアレスドローに終わっています。

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合を4つのトピックスで振り返ります!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL27 ユナイテッドvsセインツ ラインナップ

①リスクのあった攻撃ユニット

ヨーロッパ・リーグのベティス戦から中2日。過密日程の中迎えた最下位セインツとの試合は、先発メンバーを若干変更して臨みました。フォーメーションは4-1-4-1。トップにヴェフホーストを配し、2列目は右からアントニー、サンチョ、ブルーノ、ラッシュフォードの並び。アンカーにカゼミーロといういつもとは少し違うシステムを使いました。サンチョは復帰後、サイドではなく10番的なポジションでも何度か起用されています。テン・ハーグ監督はサンチョのボールスキルと、スペースを見つけ利用する能力、そして正確なパスでチャンスを演出する能力と同時に、切り替えの際にも鋭いリアクションが取れるというところを買って中央で起用しています。セインツ戦で2列目に攻撃的MFを4人並べるというのは、カゼミーロの相方にフレッジを起用してきた最近の試合とは異なります。ホーム、そして最下位相手とあって攻撃に振った配置と選手起用だったという印象を受けました。

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ブルーノは、バランスを取るためにカゼミーロのラインまで降りてくるシーンもありましたが、局面局面ではカゼミーロと2列目の4人の間に生まれるスペースをセインツに使われることになりました。24分のウォルコットの決定的なヘディングシュートのシーンは、このスペースをアルカラスに使われたところから始まっています。ユナイテッドはハイプレスの意識も高く、ヴェフホースト+2列目の4人でプレスに出るために、よりカゼミーロが1人で見るエリアが広くなっていたところもあります。一概に言えませんが、このシステム上のアンバランスがカゼミーロのレッドカードに繋がる要因の1つになった可能性はあるかもしれません。2列目の攻撃的MF4人に期待されたのはもちろん「得点」というところですが、サイドでオーバーロードを作り、アイソレーションの逆サイドに展開してチャンスを作るという狙いは見えていました。それが上手く機能したのが16分のブルーノのパスに抜け出したラッシュフォードのシュートシーンでしたが、前半にあった3本のシュートは全てこの形でフィニッシュまで持ち込んでいます。しかしカゼミーロが退場になった事でこのプランを続けることができなくなったのは言うまでもありません。

②カゼミーロ退場

32分、カゼミーロはアルカラスにタックルを仕掛けますが、ファールを取られます。アンソニー・テイラー主審はこのプレーに対してイエローカードを提示。しかし、VARからの助言を受けてレビューを行い(VAR担当はアンドレ・マリナー)、その結果イエローは取り消されレッドカードに変更されました。一連のシーンは、セインツのゴールキックから始まります。このボールをヴァランがヘディングで跳ね返しますがヴェドナレクがヴェフホーストとの競り合いに勝ち、アルカラスの下へボールは渡ります。アルカラスに対してマルティネスが迎撃に出ますが、アルカラスはウォルコットとのワンツーでマルティネスを躱します。そのカバーに入ったのがカゼミーロでしたが、前の項で指摘した通り、このシーンでも中盤のスペースを使われている事がわかります。このスペースを埋めるためにマルティネスが反応したのですが、一歩及ばす阻止できませんでした。カゼミーロのタックル自体は、明らかにボールにいっており問題ありません。判定に影響したのはタックルした後の足がアルカラスの脛に当たったためです。個人的にはレッドは厳しい判定だと思いますが、確かに危険なプレーであり、見る人によってはレッドが妥当と判断する可能性はありますね。

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カゼミーロはユナイテッド加入までのキャリアで、レッドカードを1枚も受けたことがありませんでした。しかし、アンドレ・マリナーが主審を勤めた22節のクリスタル・パレス戦でのヒューズに対する暴力行為(と捉えられた)でレッドカードを受けたことに続いて今シーズン2枚目となりました。パレス戦のカードはプレー以外のところで起こったことで、発生した小競り合い自体はカゼミーロのコントロールできる領域ではなかったという意味で不運だと言えます。しかし、セインツ戦でのレッドカードはカゼミーロの代名詞と言えるタックルで起きており、意味合い的にはより重要です。ユナイテッドのプレースタイル的に、ネガティブトランジッションはとても重要で、その場面でのカゼミーロの読みと反応の速さ、守備技術の高さは欠くことができない要素です。相手の攻撃を止めようとするカゼミーロのプレーには常にファールとカードのリスクが伴います。それに、いくら気をつけるように言っても、本能で繰り出されるタックルを制御するのはなかなか難しいでしょう。それでも500試合以上でレッドカードを貰っていないというのは伊達ではありません。カゼミーロのタックルは常に「フェア」である証拠でもあります。それは、退場宣告のあとセインツの選手たちがカゼミーロを慰めていたことからも伺えますね。

*パレス戦の記事はこちら

③見逃されたPK

カゼミーロが退場になった34分以降、10人の戦いを強いられることになったユナイテッドは4-4-1ブロックで守備をしながら、マイボールになった時は臆せず押し上げて得点を狙いにいきました。39分のヴァランのヘッドや63分にゴール前でアントニーのクロスを受けたショー。68分のポストに弾かれたブルーノのシュートなど、あと一歩で得点としうシーンも作り出しました。ただ、リスクを犯して前へ出ていたこともあり、カウンターからピンチを招くシーンもありました。64分のワン=ビサカのパスミスからカウンターでウォルコットにシュートを打たれたシーンは「決められた...」と思いましたがデ・ヘアが素晴らしいセーブでチームを救いました。最終ラインで踏ん張ったヴァランとマルティネス、そして途中出場したマクトミネイなども無失点に大きく貢献しましたね。逆境にも関わらず、メンタリティを示し勝ち点1をもぎ取ったチームは称賛に値します

カゼミーロ退場の一方で、ユナイテッドに対する不可解な判定がいくつかありました。まずは40分、ボックス内でブルーノがウォーカー=ピータースに倒されたシーン。そして43分、ラッシュフォードのクロスがボックス内でコトチャップの手に当たったシーン。75分ラッシュフォードがボックス内でバズヌと交錯し倒されたシーン。最後は80分、ガルナチョがウォーカー=ピータースに倒されたシーン。この4つのシーンは全てファール、PKになる可能性がありました。にも拘わらず、この4つのシーンのどれもVARが介入することはありませんでした。ユナイテッドファンやサポーター以外の目線で客観的に見たとして、ブルーノ(ボールにいっている)、ガルナチョ(ボールにいっている)、ラッシュフォード(接触が弱い)が倒されたシーンをPKとするのは厳しいとします。しかし、コトチャップのシーンは明らかにハンドでしょう。さらに、カゼミーロのタックルをファールとするなら、いくらボールに行っているとは言えガルナチョへのタックルは危険であり、ファールにならないといけないはずです。セインツ戦は多くの不可解な判定、一貫性に欠けた判定、誤審があった そう感じます。

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④判定が試合を破壊する

主審を務めたアンソニー・テイラーは一貫性のないジャッジを行い試合を破壊しました。そしてテイラーだけでなく、ユナイテッドのPKに該当すべきシーンではVARの提案をしなかった審判団全体も基準が曖昧過ぎます。プレミアリーグのレフェリングのレベルの低さは、毎節のようにジャッジに関して議論が持ち上がることからも明らかです。そういった意味では、どのチームもロシアンルーレットのように「ハズレ」に当たる可能性があり、ユナイテッドだけが不当な扱いを受けているというつもりはありません。しかし、今回のセインツ戦は試合に対する関心を、プレーではなく判定に向けさせたという意味でもその罪は大きいです。ユナイテッドに関して言えば今シーズン、ニューカッスル戦のクレイグ・ポーソンや先述したパレス戦のアンドレ・マリナーなど、判定に納得できかねる試合がいくつかありました。大抵判定が議論になる審判は決まっていますが、今回主審を務めたアンソニー・テイラーは要注意人物で知られています。

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ユナイテッドも彼との相性は良くなく、今シーズン敗れたヴィラ戦とアーセナル戦はテイラーが主審を務めました。そしてヴィラ戦では、ディーニュのフリーキックの際の壁の位置を下げさせられ、失点しています。ユナイテッドはこの件に関して、プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャル・ボード (PGMOL) に不服を申し立てており、ファイリングされているようです。さらに2シーズン前の1-6で敗れたスパーズ戦で、マルシャルに退場を宣告したのもテイラーでした。ちなみに昨シーズンと今シーズンでテイラーが担当したユナイテッドの試合は8試合ありますが、2勝3分け3敗という成績です。全体の勝率から考えても相性が良いとはお世辞にも言えません...。テイラーに限らず、プレミアの審判と観客、選手との関係は限界点に達しているようにも見えます。あまりにも旧態依然とした体制とルール、秘密主義、判定方法など、多くの点で改善が必要でしょう。フットボールの主役はプレーヤーであるべきです。試合への興味や熱狂を半減させるようなレフェリングは勘弁してほしいですね。審判はあくまでも演出家に徹するべきであって、演出家自ら舞台に上がり、主演を演じるような劇を誰も見たいと思っていません。

*ヴィラ戦の記事はこちら

👿まとめ

4-1-4-1システムと、新たなラインナップで試合に臨みんだテン・ハーグ監督。ある意味実験的要素も含んだ戦い方で、ややバランスを欠いたところもありましたが、攻撃に関しては狙い通りにプレーできているシーンもあり、後半に向けてどのように修正し、チャンスメイクするかというのも楽しみな展開でした。しかし、カゼミーロの退場により試合は一変しました。以降の主役は主審のアンソニー・テイラーに...。ユナイテッドにとっては一貫性のない、不可解な判定が続き試合どころではなくなっていきますが、それでも選手たちは勝ち点3を得るために尽力します。特にビッグセーブを2つ見せたデ・ヘアは素晴らしかったですね。

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難しい状況で試合に入ったマクトミネイやペリストリ、ガルナチョもしっかりと与えられたタスクを遂行。特に若いウィンガーの2人は積極的な仕掛けでセインツの両サイドバックを押し下げる効果を発揮しました。しかし、ガルナチョはウォーカー=ピータースのカニバサミタックルを受けて負傷。検査の結果、予想よりも深刻で、招集されていたアルゼンチン代表の試合を欠場する見込みです。エリクセンの時もそうですが、こういったタックルに何の処罰もないというのは納得できません。審判は公平なジャッジはもちろんですが、選手を守る役目もあるはず。ましてやカゼミーロにレッドを出した事への正当性のためにもウォーカー=ピータースにもカードが出されるべきでした。

劣悪なレフェリングによって、勝ち点3を得られず、カゼミーロを4試合失い、ガルナチョを怪我させ、多くの選手に必要以上の疲労を強いることになりました。もう二度とこんな試合はごめん被りたいですが、それでも踏ん張って勝ち点1を獲得した選手たちは本当によくやったと思います。

22-23PL27 ユナイテッドvsセインツ スタッツ
22-23PL27 試合結果

この試合の結果ユナイテッドは3位のまま。4位スパーズとは2ポイント差。2位シティとは11ポイント差になっています。

次の試合はヨーロッパ・リーグ ラウンド16 2ndレグ ベニート・ビジャマリンでのレアル・ベティス戦。3月17日(金)2:45キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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