こんにちはMasaユナイテッドです。
22-23プレミアリーグ第30節 ホームでエバートンと対戦したユナイテッド。試合は開始からユナイテッドがエバートン陣内に攻め込む展開に。ラッシュフォードが何度かシュートを試みますが、ジョーダン・ピックフォードが立ちはだかります。12分にはアントニーのシュートの跳ね返りをゴール前に詰めたワン=ビサカがシュートしますがジャストミート出来ず、決定機を逃しました。しかし36分にサンチョのバスを受けたマクトミネイが決めて遂に先制に成功します。前半21本ものシュートを放ったユナイテッドですが1点リードで折り返します。後半に入るとギアを上げたエバートンが反撃に出ます。エリス・シムズやアレックス・イウォビがユナイテッドゴールに迫りますが、守備陣が集中したプレーでこれに対応。得点を許しません。60分にマルシャルを投入したユナイテッドは追加点を目指します。71分、マルティネスのロングパスをコールマンがトラップミス。これをラッシュフォードが拾ってゴール前へパス。走り込んだマルシャルが蹴り込みゴール!2-0と引き離します。75分には怪我から復帰のエリクセンがピッチに立ち、ホームの観客から大声援で迎えられます。80分にはラッシュフォードが負傷。交代を余儀なくされるアクシデントが発生しますが、ユナイテッドが危なげなく試合をコントロールして2-0で勝利。勝ち点3を獲得しています。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合を4つのトピックスで振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①6番ブルーノのパフォーマンス
前節、ブレントフォード戦同様ボランチのポジションで先発したブルーノ。ブレントフォード戦では低い位置からのゲームメイクが光りましたがエバートン戦でも、というかエバートン戦ではさらに素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。ボールタッチは最多の119回、キーパス6本、SCAは10回、パス成功率は86%、ロングパス成功率は57%(8/14)と高スタッツを記録。ユナイテッドのボール保持の中心として見事な機能を見せました。エバートン戦では14本のロングパスを試みたブルーノですが、そのうちの2本でビッグチャンスを作り出しています。1本は22分のアントニーへのパスで、2本目は28分のラッシュフォードへのパスです。どちらも50m以上の距離をドンピシャの位置に落としており、スコールズ並みの高精度を誇っています。この試合でユナイテッドは多くのロングパスでチャンスを作りました。マラシアやデ・ヘアも前線へ良いロングフィードをおこないチャンスを作りました。これはエバートンがパスの出どころに対してのプレスが甘く、裏へのランニングに対しても上手く対応できなかったためですが、これを分析の結果意図して狙ったとしたらテン・ハーグ監督の思惑通りの試合展開となったということでしょう。
Embed from Getty Imagesカゼミーロとエリクセンの不在により、後からの組み立てで苦労する試合もあったユナイテッドですが、ブルーノを6番のポジションで起用することでなんとか凌ぐことができました。ブルーノの戦術理解能力と、与えられた役割に対するアジャスト能力はチーム随一で、カゼミーロ、エリクセンという「スペシャル」な選手の穴は、同じく「スペシャル」なブルーノが埋めた形となりました。ブレントフォード戦とエバートン戦のブルーノは6番だけでなく、8番としても10番としても機能し、時にはCBの位置からのビルドアップやサイドバックが上がったスペースのカバー、サイドからのクロスまでこなしています。本来の役割ではないことを、これほど高レベルで実行できる選手は世界を見てもそういないでしょう。もちろん、ブレントフォードやエバートンのプレス強度の低さは大いに関係していますが、カゼミーロ、エリクセン不在時にブルーノを安心してこのポジションを任せられるというのは、チームとして大きなオプションを手に入れたことになりますね。
*前節の記事はこちら
②次々とチャンスを逃す
ブルーノの高次元のプレーもあり、前半からユナイテッドは試合を支配し、何度もエバートンゴールに襲い掛かりました。前半21本ものシュートを放つ怒涛の攻撃を見せたユナイテッドですが、なかなか決定機を決めることができず、36分になってようやくマクトミネイのゴールで先制します。8分のラッシュフォード、12分のワン=ビサカ、22分のアントニー、25分のラッシュフォード、この辺りは決めて欲しかったシュートで、特にワン=ビサカのシュートは決めないといけませんでしたね。ブレントフォード戦の前半も完璧に近いボール保持を見せましたが、エバートン戦の前半だけで言えば、今シーズン最高のパフォーマンスと言っても過言ではないほど、次々とチャンスを作りました。前半は、右サイドのアントニーのパフォーマンスが目立ちましたが、マッチアップしたゴッドフリーのお粗末なディフェンスを上手く利用することができていました。加えてアントニーのプレー自体にも少し変化が見られています。今まではボールを持つと、カットインからの左足のパスやシュートというプレー選択が多く、読まれているためになかなか良い仕事ができませんでした。しかし、ブレントフォード戦でもありましたが、縦に抜けて右足でクロスを上げたシーンがあり改善の兆候が見られています。エバートン戦のパフォーマンスについて辛口コメンテーターのスコールズも「加入以来最高のパフォーマンス」と称賛しています。
Embed from Getty Imagesブルーノやアントニー以外でも、攻撃面で良いパフォーマンスを見せたのがサンチョ、マクトミネイ、ワン=ビサカでしょう。マクトミネイはハーフスペースへの侵入から今シーズンのリーグ戦初ゴールを決めましたが、後をブルーノに任せて本来のボックス・トゥ・ボックスで良さを発揮しました。63分のコールマンとのやり合いは余計でしたが、キーパスも3本記録するなど、アントニー、ワン=ビサカとともに右サイドを制圧することに貢献しました。ワン=ビサカも素晴らしいパフォーマンス。オーバーラップのタイミングやボールを失わないクセのあるドリブル、効果的なアンダーラップなど、引き出しの数が増えてきた印象です。正直アントニーとの相性はダロトより上のような気がしますね。そしてサンチョも多くのチャンスに絡み印象を残しました。ボールタッチ52回は恐らく今シーズン最多(前線の選手では最多)。キーパス5本、ドリブルでも見せ場を作るなど徐々に本来の実力を見せ始めています。まだ、連携が合わないシーンや、プレーが淡白なところが見られますが、ガルナチョ、ラッシュフォードを怪我で欠いた今、左ウィングの一番手としてさらなる活躍を期待したいですね。しかし、これだけ多くの選手が良いプレーをしたにも関わらず、ビッグチャンスを逃し続けたことは本当に勿体なかったです。
③マルシャル&エリクセンが復帰
後半に入り、エバートンは左サイドバックのゴッドフリーを下げてミコレンコを投入。前半やられまくった左サイドの守備を修正します。後半の入りはエバートンが優勢。66分までに6本のシュートを放ちます。ユナイテッドは60分にアントニーを下げてマルシャルを投入。ラッシュフォードを左、サンチョを右サイドへ変更します。怪我で戦線を離脱していたマルシャルは29節のニューカッスル戦で復帰し、ブレントフォード戦でも18分間プレーしています。エバートン戦では残り30分で登場。本格復帰に向けて長目のプレータイムを得ています。そのマルシャルは71分にゴールを決め、チームに追加点をもたらしました。マルティネスのロングパスをコールマンがトラップミス。すかさずラッシュフォードがボールを奪いゴール前のマルシャルへパス。これを冷静に流し込みました。それまで打てども打てどもピックフォードの牙城を崩せなかったのが嘘のようにあっさりゴールを決めたマルシャル。今シーズンはまともに稼働できていませんが、トータル799分の出場で7ゴール決めており、ラッシュフォード、ブルーノに次ぐ3番目のゴール数を挙げています。短い時間の中でもテクニックの高さを垣間見せるマルシャルの本格復帰は、シーズンラストに向けて大きなプラス材料となるでしょう。
Embed from Getty Imagesそして77分にピッチに立ったエリクセン。1月28日のFAカップ レディング戦で負傷して以来2ヶ月弱での復帰となりました。オールドトラッフォードの観客に盛大な拍手で迎えられたエリクセンは、当初復帰は4~5月と言われていたので、予定より早くに復帰したかたちです。エリクセンの投入により、ブルーノを本来の2列目に戻したユナイテッドはさらにボール保持が安定。エリクセン自身も復帰戦とは思えない程精力的にボールに触り、持ち前の高精度のパスでゲームメイクしました。ボールタッチは26回でパス成功率は91%、ロングパスは3本中2本成功、シュートも2本放っています。テン・ハーグ監督は試合後に、「ピッチに立った彼は、離脱していた選手に見えなかった。なぜなら、彼はフットボール選手であり、両足でプレーするように生まれたからだ。」と語っていますが、本当に復帰戦とは思えない動きでした。そして監督の言う通り、両足を使えるというのもエリクセンの大きな武器であり、ブルーノとの違いでもあります。エリクセンの復帰もシーズン後半戦の起爆剤となることを期待しましょう。
Embed from Getty Images④ラッシュフォードが負傷
多くのチャンスを生み出し素晴らしいフットボールを展開し、マルシャル、エリクセンの本格復帰など明るい話題の多かったエバートン戦ですが、81分に負傷交代でピッチを退いたラッシュフォードは心配です。78分のエリクセンのパスに反応し裏へ抜けたラッシュフォードは鼠蹊部を押さえてプレーを止め、ベンチに交代を要請しました。現時点で怪我の程度はわかっていませんが、数戦の離脱は避けられないかもしれません。ブレントフォード戦ではショーが負傷交代を余儀なくされ、エバートン戦はマラシアが左サイドバックを務めましたが、今シーズンこれまで27ゴールを挙げているチーム最大の得点源であるラッシュフォードの離脱は大きな痛手となる可能性があります。毎試合出場し、強度の高いランニングを繰り返しているラッシュフォードの負傷は過密日程によるものであるとも言われています。
Embed from Getty Imagesテン・ハーグ監督は「シーズンのこの段階では、どの監督もあまりローテーションを行わないだろう。プレミアが最難関のリーグである事は分かってるし、幾つかのローテーションを行う必要がある事も分かってるが、それは避けられた筈だ。このような(タイトな)スケジュールにする必要はなかった筈だ。何故プレミアリーグは日曜日の夜の試合を行った次の週に我々に土曜日の開幕節をプレーさせるのか。そこにリスクはあり、今、我々はこの状況(ラッシュフォードの怪我)に陥っている。」と語っており、中2日、3日で試合が長期間連続し、特にここ6日間で3試合を行うという異常なスケジュールを非難しています。FAとしても、スケジュール通りにリーグを進行させることは確かに重要ですが、ユナイテッドのように複数の大会で勝ち残っているチームが、その割を食ってしんどくなるのは仕方ない反面、矛盾も感じます。確かにそれをマネージメントし、ローテーションしながら戦う必要もあるのですが、選手を守り、最高のエンターテインメントを提供するためにももう少し配慮が必要ではないでしょうか。
👿まとめ
今シーズン、ベストと言っても過言でないほどのアタックを見せ、得点できなくてもとても楽しめる試合となったエバートン戦。相手の緩さに助けられたところはありますが、カゼミーロ不在の間を3勝1敗で切り抜けられたのは大きな成果となりました。ブルーノのボランチ起用が機能するどころか最高のゲームメイクを提供し、アントニーやサンチョ、ザビッツァーやマクトミネイの躍動にも繋がりました。前半は全員のパフォーマンスが良く、決定機を決めていればなお良かったのは確かですが、ポゼッションで試合をコントロールできたことは素晴らしかったと思います。ランチタイムキックオフのエバートン戦ということで少し心配なところもありましたが、そんな不安を吹き飛ばすほどエンジン全開の戦い振りを見せてくれましたね。
Embed from Getty Imagesマルシャル、そしてエリクセンの怪我からの復帰。カゼミーロも戻ってくるということで後半戦に向けて戦力が整ってきたという矢先のショーとラッシュフォードの離脱は残念でなりませんが、エリクセン、カゼミーロ不在の穴を見事な選手起用と戦術で乗り切ったテン・ハーグ監督の手腕に期待することにしましょう。泣いても笑っても今シーズンは残り15試合ほど。近年まれに見る過密日程で、負担は大きくなっていますがここからの失速は避けなければなりません。まだカラバオのタイトルしか勝ち取っていないテン・ハーグ・ユナイテッド。初年度としては文句ない戦いを見せてくれていますが、まだ手に入れたのは1つだけ。正念場はこれからです。
この試合の結果ユナイテッドは4位のまま。3位ニューカッスルとは同ポイント。5位スパーズとは3ポイント差となっています。


次の試合はヨーロッパ・リーグ準々決勝1stレグ オールド・トラッフォードでのセビージャ戦。4月14日(金)4:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!

コメント