こんにちはMasaユナイテッドです。
22-23プレミアリーグ第33節 アウェイ、トッテナム・ホットスパー・スタジアムでトッテナム・ホットスパー(以下スパーズ)と対戦したユナイテッド。試合は7分にサンチョのゴールでユナイテッドが先制します。さらに44分にはカウンターからラッシュフォードが左足で豪快に決めて、リードを2点に広げてハーフタイムを迎えます。しかし、後半に入るとスパーズは積極的に攻め込み、56分にはペドロ・ポッロのゴールで1点差に追いつきます。ユナイテッドもすぐさま反撃し、ブルーノがドリブルで抜け出し決定的なシュートを放ちますがクロスバーに直撃。跳ね返りをワン=ビサカがヘディングしますがフォースターにセーブされ得点なりません。61分にエリクセンとサンチョを下げ、フレッジとマルシャルを投入したユナイテッドですが、68分にはダイヤ―に決定機を作られあわやという場面。ヴェフホースト、マラシアを投入しますがホームチームの勢いはなかなか抑えられず、79分にはケインのクロスにソン・フンミンが合わせて同点とされます。試合はそのまま2-2のドロー決着。勝ち点1づつを分け合う結果となりました。
*試合のハイライトはこちら
今回はこの試合を4つのトピックスで振り返ります!
以下項目です。
👿ラインナップ

①サンチョ&ラッシュフォードの得点
7分、先制ゴールを決めたサンチョ。ラッシュフォードからのパスを受け、ボックスの角から見事なゴールを決めました。前半素晴らしいスタートを切ったユナイテッド。FAカップ準決勝のブライトン戦で、120分プラスPK戦という死闘を戦った後の試合でしたが、前半は非常に攻撃的な姿勢を見せました。2-3-2-3のボール保持でスパーズを押し込み、5バック気味に守る相手に最大7人でアタッキングサードに侵入するシーンもありました。サンチョとアントニーに両ウィングはワイドにポジショニングし、スパーズのウィングバックをピン留め。スパーズのウィングバックとCBの間のスペースは比較的開いており、このスパースにラッシュフォードがダイアゴナルのランニングで突くことでCBを引っ張り出し、空いた中央レーンをエリクセンとブルーノが狙いました。サンチョのゴールはエリクセンの囮のランニングが効いており、比較的ボールを持つ時間があった為サンチョは落ち着いてシュート出来ました。ユナイテッドの攻撃が良かったこともありますが、チームとしてのパフォーマンスを大きく落としているスパーズの緩い守備対応に助けられた印象もありますね。
Embed from Getty Images*FAカップ準決勝の記事はこちら
今シーズン公式戦6ゴール目となったサンチョは徐々にパフォーマンスを上げており、チームのボール保持が安定している時間帯では攻撃のキーマンとして機能しています。スパーズ戦の前半も度々ボックス内へ侵入できており、さらなる得点も期待できそうなパフォーマンスでした。そして、44分に追加点を挙げたラッシュフォード。セビージャ戦での負傷離脱からFAカップで復帰しましたが、ブライトン戦はプレーにキレがありませんでした。スパーズ戦ではトップのポジションに入って良いパフォーマンスを見せており、1ゴール1アシストを記録し復活を印象付けましたね。自陣からのカウンターでブルーノからのパスを左足でフィニッシュしたラッシュフォード。今シーズン29ゴール目を記録し、19-20シーズンの自己最多22ゴールを上回るとともに、ファン・ペルシが12-13シーズンに記録した30ゴールに迫っています。怪我での離脱によるコンディションのリセットが少し心配でしたが、スパーズ戦のパフォーマンスを見る限り大丈夫そうですね。エースの復調はシーズン最終盤に非常に重要になるでしょう。
Embed from Getty Images②主力のパフォーマンス低下
前半で2点のリードを奪い、スパーズの調子からしても勝ちは固いと思っていましたが、後半開始からギアを上げたスパーズに対してユナイテッドは押し込まれ、56分にペドロ・ポッロのゴールで1点返されます。ゴール自体は素晴らしく、コース的にも止めるのは難しかったと思いますが、ユナイテッドの後半の失速は誰の目にも明らかでした。ボールロストが目立ち、簡単にスペースを利用されクロスを上げられるシーンが多く、トランジッションでも鋭さがありませんでした。中盤のコントロールができなくなっていき、前からのプレスや中盤フィルターも機能していませんでした。主力の何人かは本来のパフォーマンスを見せることができていませんでしたが、ブルーノ、エリクセン、カゼミーロ、アントニーあたりは後半に入ってから徐々に存在感が低下したという印象です。
Embed from Getty Imagesブルーノはブライトン戦で負った打撲の影響があり、接触プレーを避けていた感じはありますが、エリクセンは素晴らしいパスでゲームを作る一方で、非保持の対応に問題があり、カゼミーロは一時期のような圧倒的な存在感がありません。アントニーはここ数試合のようなエネルギーが感じられず、右サイドは専らワン=ビサカが目立つ展開となっていました。中盤の3人は、それでも決定的な仕事ができる選手であり、スタッツ的にもそれほど悪くありませんが、いつもを100%とすると90%ぐらいのパフォーマンスという印象です。エリクセンは試合後に「ガス欠」という表現をしていますが、FAカップの疲労などの影響もありエンジン全開とはいかなかったところがあったかもしれません。
③途中出場選手の不発
テン・ハーグ監督は56分の失点直後の57分にブルーノが決定機を外したあと、選手交代に打って出ます。サンチョに代えてマルシャル、エリクセンに代えてフレッジを投入。マルシャルをトップに配し、ラッシュフォードを左ウィングに変更します。フレッジの投入は比較的パターン化しており、エリクセンでは不足しがちな前からのプレスとトランジッションに強度をもたらす意図があります。しかしこのフレッジが全くもって酷いパフォーマンスに...。ボール止めることもままならず、パスも乱れボール保持への貢献はほとんどありませんでした。マルシャル にしてもシュート0。前線で起点になるわけでもなく、プレスを引っ張るでもなく中途半端なパフォーマンスとなりました。さらに71分に交代で入ったマラシアも2失点目のシーンで、デ・ヘアのロングキックに対して前へ出過ぎたため、ケインをフリーにし失点のきっかけとなりました。
Embed from Getty Images途中出場の選手が機能しなかったことでテン・ハーグ監督の采配に批判が見られますが、まず気になったのはエリクセンをあまりにも早い時間に交代していること。先述した様に、フレッジの投入は後半に見られるパターン化したものですが、61分という早い段階での交代はエリクセンのコンディションと、日曜日のヴィラ戦へ向けた温存という可能性もあります。長期の怪我からの復帰後、エリクセンはフルタイムの出場はありません。このあたりはコンディションをコントロールしている可能性があり、ヴィラ戦という重要度の高い試合に向けて早めに下げたのかもしれません。もう一つの疑問はマラシアの投入。これは、好調であるワン=ビサカを代えてまでマラシアを使う意味があまり見いだせないということです。確かに1失点目のシーンでワン=ビサカはペリシッチのクロスに対して緩い対応をし、68分の決定的なダイア―のヘディングシュートへと繋がるクロスも上げられています。それが交代の要因となった可能性もありますが、マラシアがワン=ビサカを上回った印象はなく結果的には失策となっています。
④引き分けでも良いか...
結論から言うと、スパーズ戦は引き分けでも十分だったと言えます。現在、ユナイテッドは4位争いを行っていますが、警戒すべきはスパーズ、ヴィラ、リバプール、ブライトンまでの4チーム。消化試合数にバラつきがあり、ユナイテッドが31試合戦ったのに対してスパーズ、ヴィラは33試合、リバプールが32試合、ブライトンが最も少なく30試合です。それぞれのシーズン終了時の最大獲得ポイントを見てみると、スパーズとヴィラは69ポイント、リバプールが71ポイント、ブライトンが73ポイントとなります。そして、この4チームはお互いの対戦を残しているために、最大ポイントを獲得する可能性は非常に低いと言えます。これに対してユナイテッドは最大81ポイント。ユナイテッドもヴィラ戦とブライトン戦を残していますが大きく負け越すことがない限り4位以内は堅いのが現状です。FAカップの死闘の影響はテン・ハーグ監督自身は否定しており、スパーズ戦のパフォーマンスを批判していますが、正直なところあまり痛手のないドローだったと言えます。
Embed from Getty Imagesしかしながら、前半2点のリードを築いていてのドローは容認できるものでもありません。そういったポイント計算の前に、目の前の相手を打てる時に打っておくのは非常に重要です。ましてや今シーズン、対トップ9とのアウェイ戦で1度も勝てていない(6敗1分け)現状と、監督解任などチームの混乱でパフォーマンスを落としているスパーズ相手に止めを刺せないというのはかなり問題だと感じます。テン・ハーグ監督は「選手の中には90%でも十分と考えている者がいる」と発言していますが、これはセビージャ戦の記事でも書いたようにユナイテッドの選手として相当しくありません。今シーズンの目標として4位以内に入れればOKなのは確かです。とは言え、選手1人1人に目をやれば生き残りを賭けて毎試合でパフォーマンスを発揮する必要があるはずです。今回は批判は抑えめにしておきますが、万が一ヴィラ戦でも同じようなパフォーマンスを見せれば容赦なく批判したいと思います(笑)。
👿まとめ
前半は絶好調!とまではいかなくても良い時間に先制し、スパーズの出来もあってゲームをコントロールすることができていました。前半終了間際に追加点を得られたことで勝ちを確信しましたが、後半になりギアを上げたスパーズに対して、ボールロストやパスミス、緩慢なプレスなどで自らペースを譲り1点返されました。その直後のブルーノのクロスバー直撃のシュートが決まっていればスパーズの戦意を削ぐことができたと思いますが、この試合でも課題の決定力のなさが影響した印象を受けます。テン・ハーグ監督の采配も効果的ではなく、当然ですが監督自身もいまだにプレミアに適応している最中であることを物語っています。プレミアのアウェイ戦は「少々力を抜く」というのが非常に難しく、また過密日程のためローテーションしながら戦う必要があるものの、それも難しくなりがちです。このあたりは来シーズンに取り組むことが必須となる項目でもありますね。
Embed from Getty Imagesサンチョ、ラッシュフォードの仲良しコンビの得点は全ユナサポを笑顔にしました。また、キャプテン、ブルーノとエリクセンのクリエイティブ担当も流石というところを見せています。リンデロフ、ショーのCBコンビも、積極的な守備とカバーリングの良さで決して悪くないパフォーマンスでしたが、あっさり2失点しているのはやはりチーム全体での守備意識やインテンシティ、素早いネガトラや前からのプレスが重要であることを示唆しています。現状のスカッドではポゼッションよりもトランジッションに重きを置かざるを得ないのですが、プレス構造も含めてまだまだシティやアーセナル、リバプールに比べると見劣りします。このあたりも来シーズンの課題となるのですが、まずは「100%の力で戦う」姿勢を常に見せる必要があるでしょう。
この試合の結果、ユナイテッドは勝ち点60の4位。3位ニューカッスルとは2ポイント差。5位スパーズとは6ポイント差となっています。


次節はプレミアリーグ第34節 オールド・トラッフォードでのアストン・ヴィラ戦。4月30日(日)22:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント