【22-23PL第26節】リバプールvsマンチェスター・ユナイテッド 歴史的大敗から立ち直るために【コラム】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレミアリーグ第26節 アウェイ、アンフィールドでリバプールと対戦したユナイテッド。試合は前半、ブルーノやラッシュフォードがゴール前でチャンスを迎えますが決めらえず、逆に前半終了間際にガクポのゴールで先制を許します。巻き返しを図りたかったユナイテッドですが、後半の立上りにヌニェスにヘディングで決められ2失点目を喫すると、その3分後に再びガクポが決めてリバプールが3-0とリードを広げます。テン・ハーグ監督は流れを変える為、マクトミネイとガルナチョを投入しますが66分サラー、75分にはヌニェスに再び決められ5-0に。ザビッツァー、マラシアをピッチに送り出しますがリバプールの勢いは衰えず、83分にサラー、88分には途中出場のフィルミーノに決められ7-0。歴史的大敗を喫し、まさに悪夢となったリバプール戦となりました。

*試合のハイライトはこちら

今回は、リバプール戦を受けてのコラムです。この歴史的大敗はなぜ起こったのか?ここから立ち直るには何が必要か?など筆者の考えをまとめました。

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL26 リバプールvsユナイテッド ラインナップ

①ショッキンな敗戦の要因は?

スポーツの世界では「負け方」というものがあります。圧倒的な実力差により、完膚なきまでに打ちのめされたとしても、一矢報いるために持てる力を振り絞り戦う姿勢を見せることは、それを見ている人のため、応援している人のため、チームメイトのため、そして何より自身のプライドのためにも重要です。チーム状態がどん底だった昨シーズン、ユナイテッドにはいくつかの重大な敗戦がありました。スールシャール政権崩壊目前のホームでのリバプール戦(0-5)、シティ戦(0-2)、ラングニック政権下のアウェイでのリバプール戦(4-0)、そしてシティ戦(4-1)や最終盤のブライトン戦(4-0)など、非常にショッキングな負けがありました。ただ、チーム状態としては末期であり、ある程度試合前から予測できたという意味ではダメージはそこまでではありませんでした(当時の辛さを忘れてるwww)。しかし、今回の歴史的大敗は好調なチーム状態、また、6年ぶりのタイトルを獲得し勢いになっていた中で起きました。いくらリバプールも調子を戻してきたとはいえ、にわかには信じられない結果であり、到底受け入れられるものではありません。昨シーズンとの比較でも「負け方」という点では最低のレベルにあったと、そう感じています。また、先発ラインナップもほぼベストと言って良いメンバーで臨み、その面でも言い訳できない状況となっています。

敗因については色々あります。まずは疲労。ユナイテッドはワールドカップ以降、74日間で21試合をこなしており、他のどのビッグクラブよりも過密日程を戦ってきました。リバプール戦では今シーズンワースト2位となる(1位は第2節ブレントフォード戦95.6km)99.01kmの走行距離となっていますが、疲労の影響もあった可能性は否定できません。2つ目は各選手のミスです。2つの失点に絡んだショーやわずかに1セーブしかできなかったデ・ヘア。マルティネスも3点目のシーンではスリップし、サラーを止めることができませんでした。カゼミーロ、ヴァランもいつもの安定感がなく(カゼミーロは負傷の可能性も)、攻撃陣もブルーノとラッシュフォードは前半のチャンスを逸しています。3つ目はリーダーシップの欠如。試合後にロイ・キーンが批判していましたが、ベテラン選手がリーダーシップを発揮できなかったことは残念と同時に驚きですらありました。キャプテンであるブルーノ、デ・ヘアやヴァラン、リチャ、カゼミーロなど、カラバオの記事で勝者のメンタリティを褒めたたえた選手たちが軒並み期待を裏切るリアクションを示しました。

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*カラバオ・カップ決勝の記事はこちら

4つ目は監督の采配です。多くの方が指摘していますが、リバプール戦でのラッシュフォードの9番、ブルーノの左ウィング起用は疑問が残ります。ラッシュフォードは最前線でのプレスが非常に貧弱でしたし、ブルーノも攻守に中途半端なパフォーマンスでした。特にラッシュフォードは、アレクサンダー・アーノルドにぶつけた方が得点の可能性をアップさせたと思います。また、ダロトの起用も賛否分かれそうです。ダロトは怪我から復帰後、まだハイパフォーマンスが見られません。まして、守備面での仕事が多くなるリバプール戦ではワン=ンビサカの起用の方が良かったかもしれません。

②プロではない

以上4つの敗因を挙げましたが、正直どれも「真の敗因」ではありません。真の敗因はやはりメンタルに起因するでしょう。後半の戦い振りをテン・ハーグ監督は「後半はプロらしくなかった」と言っていますが、正直この言葉がしっくりきますし、マンチェスター・ユナイテッドの選手が「プロらしくない」と言われてしまうパフォーマンスをしてしまったことを重く受け止める必要があります。個人的には後半早々の失点後はまだ「糸」は張っていたと感じます。一気に気持ちが切れたのは3点目だと思います。あのカウンターからサラーの突破を許し、ガクポに決められた3点目が決定打となって、試合を放棄してしまった印象です。これ以降のパフォーマンスは「誰が」とか「何が」ダメだったのかという次元を超えています。ピッチ上の11人全員が思考停止に陥り、状況を冷静に把握し、現状を変えようとする選手はいなくなります。私は文字通り「試合を放棄した」と思います。このレベルのクラブが、このレベルの試合でやる気を完全になくすというのは恐らく前代未聞でしょう。だからこそ、1931年以来となる歴史的敗戦となったのです。

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試合の終盤、テン・ハーグ監督はタッチライン際に立ち、指示を出したり怒鳴ったりといったアクションをほとんど見せず、睨むように自分のチームの選手を見つめていました。試合後監督は、

「悪化することはあっても、団結しないのは許容できない。自分の仕事をしなければならないのに、トランジションで間違った判断をすることはありえない。我々は相手を追いかけなかった。そしてそれは、私にとっては受け入れがたいことだ。チームとして、こんなことは許されない。一丸となって戦い、戦い、サポートし合わないといけない。守らないといけない。それができなかった。頭を上げて戦わないといけないのに、それができなかった。敗戦に対応できなかった。彼らは慣れていなかったのかもしれない。全員で事にあたらないといけない。個人でやってはいけない」「サイドラインで何をしていたか?チームのパフォーマンスを分析していました。アプローチはどうだったか、キャラクターはどうだったか、メンタリティはどうだったか、協力の仕方はどうだったか、この挫折にどのようにして対処するか、互いのコミュニケーションを方法などを。」

ユナイテッド公式

と語っています。あの状況でもっとも必要だったことは団結することでした。たとえ、大量失点していてもチームとしての闘争心が見られれば良かったですが、それを見せられなかったことが本当に残念でなりませんし、メンタル面で全くもって未熟でプロフェッショナルのかけらもなかったことに大きな失望を覚えます。

③魔境アンフィールド

とはいえ、愛するユナイテッドである事には変わりないので、いくつか擁護できる点を探してみましょう。まずは、7-0というスコアではありますが得失点差を無視すれば全38試合のリーグ戦の1つを落としたに過ぎないと割り切ることもできます。テーブル上は変わらず3位ですし、1試合消化の多い2位シティと9ポイント差、4位スパーズも1試合多く4ポイント差となっています。あくまでもCL権確保が目標であるユナイテッドには、今のところ順位的なダメージはそこまで大きくないと言えます。また、アンフィールドに対する相性の悪さは今に始まったことではないということ。前回ユナイテッドがアンフィールドで勝利を収めたのは2016年まで遡ります。2016年1月17日、ファン・ハール監督率いるユナイテッドがウェイン・ルーニーのゴールで勝って以来8試合で勝てていません。そしてこの8試合でわずかに1ゴールを挙げたのみ...。

その相性の悪さは今回の試合でも見られています。まず、試合を見ていて多くの方が感じたと思いますが、セカンドボールはことごとくリバプールの選手の下へ転がっていたということ。もちろん、厳密にはボールに対する予測やゲームへの集中力、ポジショニングなども関係していますが、4点目と6点目のサラーの得点や7点目のフィルミーノの得点など、リバプールの選手にボールが吸い寄せられているように見えます...。さらに、数字的にもリバプールの枠内シュート数8本に対して、7つがゴールになっているという事実...。こんなことってあるんですか??もはや都市伝説レベルの怪奇現象です(笑)。今シーズンのユナイテッドは、オールド・トラッフォードを要塞化し、ホームでのパフォーマンスと成績を向上させましたが、同じようにリバプールにとってアンフィールドは要塞であり(事実雰囲気は毎回すごい...)、ユナイテッドにとっては魔境なのです。

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④今一番大事なこと

最大のライバル相手に崩壊したユナイテッド。昨シーズンまででも散々見てきましたが、ユナイテッドのこうした敗戦はメディアの格好のエサとなります。案の定、多くのネガティブな情報が流されています。中でもブルーノに対する批判は大きく、リバプール戦のピッチ上の振る舞いに対してサポーターだけでなく、チームメイトやクラブ内でも議論があると報じられています。こういった敗戦の後ではロッカールーム内の輪を乱すような報道が必ず出ますが、私達サポーターはこういった報道を鵜呑みにし過ぎないようにする必要があります。忘れてならないのは、チームはリバプール戦までは素晴らしいパフォーマンスと成長を見せていたということです。たった1度の敗戦のために、こういったポジティブな要素のすべてがなかったかのように錯覚してはいけません。アーセナルに負けて以降11戦無敗。2月は8試合で6勝2分け、そしてカラバオ・カップ優勝と素晴らしい成績を残してきたのは紛れもない事実です。ネガティブな報道に惑わされず、今こそサポーターは団結しチームを鼓舞する時です。

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確かに私個人としても、もはや大きく崩れる事はないのではないかと楽観していたところはあります。記事でも毎回のようにチームを絶賛してきましたし、微力ながら私の記事を読んでリバプール戦への期待を高めて下さった方もいるかもしれません。そういった方には申し訳なく思いますが、今回の大敗からもわかることは、このチームはまだプロセスの途中なのだということ。正しい道を歩んでいますが、まだ未熟な部分が顔を覗かせることがあるということです。ファンやサポーターだけでなく、選手自身も大きなショックを受けていることでしょう。テン・ハーグ監督は試合の後、ユナイテッドの選手たちを無言でドレッシングルームに座らせて、リバプールの選手とファンがスタジアムで熱狂する歓声を聞かせ、二度とこの屈辱を味合わないというモチベーションにするように強いたと報じられています。また、今後このような試合をすればU21送りにするとも...。テン・ハーグ監督はそういった「罰」を与えつつも、選手のキャラクターを信じ、必ず挽回できると自信を与えるでしょう。開幕2戦のブレントフォード戦の後のように一回り強くなって舞い戻ると信じて応援します

繰り返しになりますが、ファンもチームも、この敗戦をこれまでのポジティブな事をぶち壊す出来事にしてはいけません。

22-23PL26 リバプールvsユナイテッド スタッツ
22-23PL26 試合結果

次の試合はヨーロッパ・リーグ ラウンド16 1stレグ。オールド・トラッフォードでのレアル・ベティス戦。3月10日(金)5:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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