【22-23プレシーズンマッチ】マンチェスター・ユナイテッドvsアストン・ヴィラ これからの奮起に期待したい4選手!

Embed from Getty Images

こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレシーズンマッチ第4戦。オーストリア、パースにあるオプタス・スタジアムでアストン・ヴィラと対戦したユナイテッド。試合は25分にサンチョのゴールでユナイテッドが先制すると、前半アディショナルタイムには、ラッシュフォードのシュートがキャッシュに当たってオウンゴール。2点目となります。しかし後半、49分にレオン・ベイリーにゴールを許し1点返されます。ユナイテッドは67分にフィールドプレーヤー全員を交代させますが、アディショナルタイムの93分にコーナーキックからチェンバースに決められ失点。試合は2-2のドローに終わっています

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合の選手パフォーマンスに関する記事。ヴィラ戦で期待されながらもファン、サポーターを納得させられなかった4選手を取り上げます。レギュラー並みの実力がありながら、なぜ存在感を発揮できないのか、改善点はどこなのか、などを考察します!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PSM ユナイテッドvsアストン・ヴィラ ラインナップ(前半)

①ドニー・ファン・デ・ベーク

プレシーズンマッチ初先発となったファン・デ・ベーク。マクトミネイに代わって4-3-3の右インサイドハーフでの出場となりました。ユナイテッド加入後2シーズン、充分な出場を与えられたとは言えないファン・デ・ベーク。アヤックス時代の恩師であるテン・ハーグがユナイテッドの指揮官に就任したということで、今シーズンこそは安定した出場機会と、チーム内で重要な役割を果たすことが期待されています。プレシーズントレーニング開始からも注目度が高く、マクトミネイよりも重用される、とも予想されました。

Embed from Getty Images

プレシーズンの3試合で後半からの出場となっていたファン・デ・ベークですが、前回のパレス戦ではアシストを決めるなど、レギュラー組とのプレーでは存在感も見せていました。しかし、迎えたアストン・ヴィラ戦ではほとんど効果的な絡みができず、存在感は希薄に...。気になったのは「ポジショニング」です。まず、基本的な立ち位置がジェイコブ・ラムジーに近すぎました。ファン・デ・ベークのマッチアップする相手であり、ボール非保持の場面では良いのですが、保持になると逆にラムジーに付かれることになります。また、ビルドアップの時は頻繁に自陣まで引いて、味方のサポートに来ますが、ワンタッチで戻すだけで変化を付けるプレーは皆無でした。またこの為に、ダロトがマクトミネイと組んだ時のようにインナーレーンを使えず、サンチョとのトライアングル形成が困難に。このことは、これまでの3試合に比べて右からの崩しが少なかった要因の1つとなりました。

ファイナルサードでも中央に寄ることが多く、マルシャル、ブルーノとのポジションが近すぎました。確かにファン・デ・ベークの得意な位置であり、上手くいけば得点に絡めるのですが、ボールを貰っても身体の向きを変えられないファン・デ・ベークに、周りはパスを出しにくくなっています。ファン・デ・ベークを使う場合は、ワンタッチやワンツーなどのコンビネーションプレーを仕込んでおく必要があるでしょう。また右サイドのサンチョ、ダロトとの距離が遠いというのは、テン・ハーグのシステムではメリットをもたらしにくいです。味方をサポートするという意識は素晴らしいのですが、その結果いてほしい所にいなくなっているのがヴィラ戦のファン・デ・ベークでした。やはり、周囲の理解がより重要となる選手特性であり、このあたりをどう改善するのかが大きな課題となりそうですね。

②アントニー・エランガ

昨シーズン、ラングニック暫定監督のもとで一気に台頭したエランガですが、監督が変わって序列が落ちてしまいました。ラングニック政権下では右ウィングとしてプレーする事が多かったですが、テン・ハーグ監督は一貫して左ウィングで起用されています。ただ、エランガに関してはアカデミー時代多くの試合で左ウィングでプレーしてきたので、左右の変化に戸惑っているというのは当てはまりません。エランガにとって問題となっているのは、コンディションと監督からの信頼感でしょう。

Embed from Getty Images

プレシーズントレーニング開始前から自主練を行い、肉体強化に努めていたエランガですが、蓋を開けると昨シーズンほどのシャープさはまだ見られていません。エランガの特徴であるスピードや、献身的な前からのプレスなども鳴りを潜めており、コンディションがまだまだ整っていない印象を受けます。また、プレースタイル的にも、ボールプレーやコンビネーションを重視するテン・ハーグ監督にハマっていない可能性が高く、昨シーズンのようにレギュラーでのプレーは不可能だというのが現状でしょう。エランガのプレー振りからは自信がなくなっている事が伺えますね。

ヴィラ戦でも、ほとんど存在感を見せる事ができませんでした。67分からピッチに立ったエランガですが、ヴィラが攻勢に出たためボール保持の時間も短かった上に、ほとんどが右サイドでプレーが行われました。逆サイドでエランガは孤立していましたが、そこにはなかなかボールが来ませんでしたし、左にボールが来たときにはヴィラの右サイドアタックの時なので、エランガは自陣深くまで戻って守備をする必要がありました。そもそも持ち味を発揮する機会が少なすぎたいう側面もありますが、昨シーズンとの序列の違いは明らかです。ウィングは控えの質が十分でなく、新たな選手獲得の噂もあるだけに、エランガがどこまでやれるのかというのはかなり重要です。今後の改善が必須な選手の1人でしょう。

③アーロン・ワン=ビサカ

スールシャール政権下では圧倒的なファーストチョイスだったワン=ビサカですが、ラングニック暫定監督の下では信頼を勝ち取れず、テン・ハーグ監督になってもダロトの後塵を拝しています。ヴィラ戦のワン=ビサカは、ヴィラの左サイドからのビルドアップに対応するため、ほとんど攻撃の時間がありませんでした。可もなく不可もないパフォーマンスではありましたが、基本ポジションが低過ぎることもあり、ウィンガーを追い越すようなランニングはほとんど見られません。これはダロトとの決定的な差で、ウィンガーをサポートするような攻撃面での貢献の少なさがファーストチョイスになれない大きな要因でしょう。ワン=ビサカは身体能力が売りの選手です。特に守備時には、柔軟な身体を活かして素晴らしいタックルで相手ウィンガーを阻止します。しかし一方で、戦術的インテリジェンスやポジショニング、味方との連携という面が課題としてあります。

Embed from Getty Images

時折「おっ!」というドリブルやクロスを見せますが、一貫性がなく本能的なプレーが多いというのも、監督からしたら使いづらい要因の一つかもしれません。大人しい性格もあり、プレー中も熱くなることはほとんどありませんし、チームメイトとのコミュニケーションの面も気になる点です...。ヴィラ戦のパフォーマンスにしても、もっと「やってやろう」という気概を見せるべきでしたし、アピールの面でも淡白に映ります。強豪チームとの試合などで、ボール保持の時間が短い試合展開ではワン=ビサカの特性は活かせるとは思いますが、新たな右サイドバック獲得の噂もずっと燻っており、攻撃面で進化することが必須の状況です。

④ラファエル・ヴァラン

ユナイテッドでの2シーズン目を迎えるヴァラン。その経験値と能力は申し分なく、ワールドクラスのディフェンダーだという評価は変わっていません。プレシーズン初戦のリバプール戦でも素晴らしいパフォーマンスを見せていますし、昨シーズン良くなかったマグワイアに代わって、ディフェンスリーダーとしての役割を今シーズンはヴァランが担うという期待も一部ではあります。

Embed from Getty Images

しかし、プレシーズン2戦目のメルボルン戦直前に負傷。軽症との情報でしたが、メルボルン戦、パレス戦を欠場しました。そして迎えたヴィラ戦。後半の67分からピッチに立ったヴァランでしたが、いきなりモーガン・サンソンにスピードで剥がされピンチを招くと、70分にはビルドアップの場面でパスミスもあり、プレーにキレが全くありませんでした

ヴァランの課題は「負傷癖」です。定期的に怪我をし離脱するヴァランは、現状ユナイテッドで絶対的な地位を確立できていません。さらに、負傷の程度にもよりますが、回復も遅い印象があり、復帰しても今回のようにコンディションがかなり落ちてしまっていることも...。アヤックスから加入のリサンドロ・マルティネスが初挑戦のプレミアでどこまでやれるかは未知数ですが、怪我がちなヴァランはCBの3番手になる可能性があるでしょう。いや、それどころかコンディションの安定感ではリンデロフに分があるので、4番手になる可能性すらあります。負傷癖を治すことは生半可な事ではないですが、ヴァランほどの実力者を安定して起用できないというのはチームにとって痛すぎます。なんとかして体質の改善に取り組んでほしいですね。

👿まとめ

前半左サイドの素晴らしい崩しからサンチョの得点と、ラッシュフォードのシュートがキャッシュに当たってのオウンゴールにより2点をリード。途中から豪雨となりグラウンドコンディションも悪化しましたが、前半の出来は素晴らしかったです。しかし、後半に入ると選手を5人入れ替え、勢い付いたヴィラに抗うことができずにゲームのコントロールを失いました。右ウィングに入ったレオン・ベイリーの鋭い仕掛けに防戦一方になり、カウンターから失点。ユナイテッドは67分からピッチに立ったサブメンバー達も流れを変えることができず、アディショナルタイムにはコーナーから同点を許す結果となりました。

Embed from Getty Images

試合後、テン・ハーグ監督はゲームのコントロールを失ったことに関して「それはよくないことで、教訓になった」と語りました。これもラングニック監督の時に再三見られた悪癖で、「プレシーズンだからまぁ良いか」で片付けてはいけないでしょう。ゲームの主導権を渡さず、2点のリードをしっかり守り切るべきでした。

前回、パレス戦の記事で、レギュラー組とサブ組のレベルの差に関して言及しましたが、今回はヴィラ戦のパフォーマンスを受けて、特に奮起を期待したい4選手を取り上げました。この選手たちのパフォーマンスアップは、チーム力を上げる上でかなり重要な要素だと思います。それぞれ才能は申し分ないだけに、後は自身の強みをチームの中でどう活かすことができるのかをしっかりアピールすることです。彼らを始め、サブメンバーがどこまでできるかで、今シーズンのユナイテッドの強さが決まる、そう言っても過言ではありません。彼らの奮起に期待しましょう!

*前回の記事はこちら

22-23PSM 試合結果

次戦はウレヴォール・スタディオンでのアトレティコ・マドリー戦。7月30日(土)20:45キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました