こんにちはMasaユナイテッドです。
2022-23シーズンがいよいよスタート。プレシーズンツアーに出ているユナイテッドはタイでリバプールと対戦。プレシーズン開幕を迎えました。試合は前半、ユナイテッドがサンチョ、フレッジ、マルシャルのゴールで3点を奪うと、後半にはペリストリのゴールで追加点を挙げ、4-0でリバプールを下しました。
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今回はこの試合で見えたテン・ハーグの監督のスタイル(ゲームモデル)について取り上げます!昨シーズンとの違いや、植え付けようとしていることなどをまとめてみましたので参考にして下さい!また、後半に関しては出場選手の評価にポイントを置いてレビューしています。
以下項目です。
①前半~昨シーズンからの戦術的変化~
前半のスターティングメンバーをレギュラークラスにしたテン・ハーグ監督。キャプテンのマグワイアは怪我で欠き、エース、ロナウドは合流が遅れているということを除けば現状のベストという布陣で挑みました。前半は、サンチョ、フレッジ、マルシャルの3人がゴールを挙げ、リバプール相手に3-0という差を付けました。対するリバプールは、フィルミーノ、ヘンダーソン、ディアスなどのレギュラークラスを除いて、大半が若手選手を起用。35分には8人の選手を入替えるなど、プレシーズンらしい、戦力の見極めやコンディション調整に重きをおいた選手起用を行いました。

新生ユナイテッドの戦い方に注目が集まりましたが、いくつか目に留まったポイントがありますのでまとめると、
✅陣形のコンパクトさ
✅連動性のあるプレス
✅追い越す動き
✅サイドバックとウィングの関係
✅後方からのビルドアップ
など。まず、明らかに違ったのは陣形のコンパクトさでしょう。ボール保持の場面では、バックラインも高い位置を取り、縦陣形が間延びしないように意識されていました。ボール非保持の場面でも、ズルズルラインが後退することなく、前線のプレスに中盤と最終ラインも連動。マクトミネイとフレッジも前線のプレッシングを見て、狙い所を絞っていましたし、リンデロフは落ちるフィルミーノをしっかりケアできていました。ただ、試合後のテン・ハーグ監督のコメントにもあったように、プレスの場面でミスも結構ありました。前半、リバプールは11本のシュートを放っていますが、ユナイテッドのプレスがミドルゾーンでハマらず、バックラインが後退してボックス内に侵入される形が散見されました。リバプールのフィニッシュ精度に助けられましたが、決定機も何度か作られています。
Embed from Getty Images攻撃面では、マルシャル、サンチョ、ラッシュフォード、ブルーノの個の能力を活かすような采配でしたが、プレー原則として徹底されていたのが、追い越す動きです。アタッキングサードにボールが入った時は、かならずボールホルダーを追い越し、飛び出していく選手がいました。スピードを活かすという意味もありますが、これはテン・ハーグスタイルの代名詞であるパス&ムーブを体現しているのだと感じます。ユナイテッドの前線はアヤックスに比べてスピードがあるので、よりダイナミックだった印象ですね。シチュエーションにより様々ですが、前線4人だけでなく、サイドバックの2人も追い越す動きの頻度が高かったです。ウィングの近くにいて、オーバーラップやインナーラップを繰り返すことも徹底しようとしていると思います。そして、このランニングの質に関しては、やはりダロトが一番高いです。35分にはポスト直撃のシュートを放ちますが、この時も素晴らしいランニングでした。守備では危うい場面もありましたが(笑)、この辺りはテン・ハーグ監督に評価されているのかもしれませんね。
Embed from Getty Images最後はビルドアップです。明らかに後方から繋ぐ意識が上がりましたね(笑)。CBの2人はキーパーのデ・ヘアも使いながらプレスを回避。単純に長いボールを蹴って逃げるシーンはかなり少なかったですし、ボールを貰いにくるフレッジを上手く巻き込みながら、粘り強く前進しようとする意図は見えました。しかし、精度はまだまだというところで、楔の入れるタイミングや頻度は足りてませんし、フレッジにしてもマクトミネイにしても、やはり配球には限界がありそうです。このあたりは、テン・ハーグ戦術の肝となる部分なので、エリクセンやフレンキー・デ・ヨング、リサンドロ・マルティネスなどのボールプレーが得意な選手を迎えたいところです。
②後半〜サブメンバーの選手評価~

3-0リードの状況で、後半はデ・ヘア以外の10人を入替え、いわゆるサブメンバーで臨みました。後半のメンバーはポジション奪取のためにアピールする事がメインテーマとなっていましたが、リバプールが後半61分に主力選手を投入したこともあり、リバプールがゲームを支配します。そんな中で猛烈にアピールしたのがバイリーです。最後の砦として、身を挺したブロックでリバプールの攻撃をシャットアウト。さらには自陣からのドリブルで4得点目の起点となりました。判断、アグレッシブさ、冷静さ、強さ、どれをとっても完璧なパフォーマンスを披露しました。
Embed from Getty Imagesユナイテッドデビュー戦となった新加入のマラシアもまずまずのパフォーマンス。チームメイトとの連携はまだまだで、特にエランガとは息が合わないシーンもありましたが、守備面ではサラーやチェンバレンに対応し、ポテンシャルの高さを見せました。特に戻りのスピードが速く、評判通りであることを証明。ショーとハイレベルなポジション争いを繰り広げることになりそうです。
また、ボランチの2人、イクバルとサヴェージの19歳コンビも素晴らしいパフォーマンスを披露。サヴェージは主にバイタルケアの面で、イクバルはボールを前進させるという面で非凡な才能がある事を見せてくれました。イクバルはテン・ハーグ監督になってから、トレーニングでもアピールに成功している選手ですが、個人的にはフレンキー・デ・ヨングに近いプレースタイルだと思います。もちろん、スケール感はまだまだ及びませんが、ビルドアップの場面でボールを引き取り、縦へのパスやドリブルでの持ち上がるプレーなどは彷彿とさせます。
Embed from Getty Images後半のゴールを挙げたペリストリとアマド、エランガの20歳ウィンガートリオは、フレッシュ感はあるものの、ゴールシーン以外では見せ場が少なかったです。特に、昨シーズン躍進を遂げたエランガは空回り気味のパフォーマンスで、シャープさにも欠けコンディション的にまだ整っていない印象でした。さらに期待されるファン・デ・ベークもほとんど目立たず...。とはいえ、メンバー的に厳しかったと思うので、レギュラー組の中でのプレーを見たいですね。
後半のメンバーは、個人のアピールという側面が大きく、テンハーグ監督のスタイルを存分に出せたわけではありません。劣勢の時間が長く、肝心のボール保持はままならなかったですが、奪ってから全体で押し上げ、前線のスピードを活かすカウンター攻撃はなかなか迫力があったと感じました。テン・ハーグ監督の下、サブメンバーがどういったプレーができるのか、また、レギュラー組と戦術面で換えが効くのかはかなり重要な要素なので、レベルアップに期待したいですね。
👿まとめ
プレシーズンマッチとはいえ、リバプールに4-0の快勝というのは、最高のスタートを切れたと言って良いでしょう。前半のレギュラー組では、マルシャル 、サンチョの動きがシャープで、コンディションが良いことが伺えます。この試合のMOTMに選ばれたマルシャルは、最前線で積極的なプレスを行い、ボール奪取から自身のゴールを決めています。前にいても守備をしないことで有名なマルシャルですが(笑)、見違えるような献身性を見せてくれました。テクニックは申し分ないだけに、これを継続できれば大きな戦力となるでしょう。
Embed from Getty Images以上見てきたように、特に前半はテンハーグスタイルが随所に垣間見れましたが、やはりまだまだ荒削りで、完成には時間はかかりますし、これからよりハードワークが必要だというのは確実です。ボール支配率は前半49%、後半45%で、ポゼッションに拘るテン・ハーグ監督的にも物足りないでしょう。監督の戦術ではボールプレーでゲームを支配するというのが重要です。プレシーズン初戦で見られた多くのポジティブ要素が、より洗練されていくことに期待しましょう!

次の試合はプレシーズンマッチ第2戦 メルボルン・クリケット・グラウンドでのメルボルン・ヴィクトリー戦 7月15日(金)19:05キックオフ。カモン!ユナイテッド!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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