こんにちはMasaユナイテッドです。
7月2日、ロナウドがユナイテッドからの移籍を希望しているというニュースが世界中を駆け巡りました。さらに、7月4日のトレーニング復帰日にも姿を見せず、7月8日にチームはロナウド不在のまま、プレシーズンツアーの為タイのバンコクへと旅立ちました。ロナウドの合流の遅れは「家族の理由」の為とされながらも、移籍報道は日を追うごとに加速。チェルシーやバルサ、ナポリなどへの移籍が噂されています。
今回はクラブを混乱に陥れたロナウド移籍騒動を、The Athleticの記事を参考にして紐解きます。ロナウドの移籍希望は本当なのか?原因は何なのか?どういう結末を迎えるのか?など独自の考えも交えながら考察していきます。
*The Athleticの記事はこちら

以下項目です。
①ロナウド移籍騒動の経緯
7月2日土曜日、ロナウドが適切なオファーがあればユナイテッドを退団し、移籍したいと語ったという報道が発信されました。週明けの月曜日に、代表戦を戦ったシニアプレーヤーが休暇を終えてキャリントンに戻ってくる予定でしたが、そこにロナウドの姿はなく報道の信憑性は増すことになります。一部報道によるとロナウドは、チャンピオンズ・リーグに出られない事に不満を抱いており、そのために給与を25%カットされる事にも憤っている。また、ユナイテッドが移籍市場で上手く立ち回れておらず、補強が上手くいっていないことからクラブの野心にも疑問を抱いていることなどが理由として挙がっています。
しかしクラブ側は、家族の理由(一説によると母親の病気)であり、ロナウドはしばらくポルトガルに残るということを確認しているとされています。一方で代理人であるジョルジュ・メンデスは移籍市場で暗躍しており、ロナウドの退団希望報道の1週間前には、チェルシーの新オーナーであるトッド・ベーリー氏とポルトガルで会談したことが確認されています。また、月曜日の午後にはロナウドのロールスロイスがポルトガル代表のトーレーニング施設の駐車場に止まっている画像も出回っています(移籍との関連は不明)。スペインでは、バルセロナのジョアン・ラポルタ会長と、メンデスがバルセロナで会ったという報道もあり、話の中身はロナウドに関してだと言われています。
Embed from Getty Images報道が出た土曜日と日曜日には、「不甲斐ないクラブに発破を掛けているだけだ」という楽観的な見方も多くありましたが、月曜日にクラブに戻らなかったことで空気は変わりました。多くの場所で多くの議論が交わされ、ユナイテッド内部でも、実際ロナウドがいつ戻るのか見当もついていない状況のようです。今週になって、チェルシーやバイエルン移籍が現実味を持って報じられるようになり、事態は複雑になっていきます。7月8日金曜日に、チームはプレシーズンツアーのためバンコクに向けて出発しましたが、そこにもロナウドは現れることはありませんでした。一部報道によるとプレシーズン第2戦が行われるオーストラリアから合流すると言われていますが果たして...。
Embed from Getty Images②3つの解釈
今回の騒動には、大きく3つの解釈があります。1つ目はロナウドの「家庭の事情」が唯一の原因で、実際には何も起こっていないという説です。確かに、ロナウドに関する「ネガティブ」な報道はメディアにとって恰好の「餌」であることは間違いありません。ほんの些細なことでも大袈裟に報道され、大問題のように扱われるのはこれまでも何度もありました。そして、そのことにいちいち否定のコメントを出さないのも、これまでのロナウドではよくある事でした。しかしクラブに戻る予定日と、報道が出た日のタイミングが合い過ぎです。また、事がこれほどまでに大きくなっていて、新体制のクラブにも影響を及ぼしている現状から、移籍希望が事実でないなら何らかのコメントをロナウド側は発するべきでしょう。お母さんの病気は本当だったとしても、それだけが原因というのはちょっと考えられません。
2つ目は、「クラブに発破を掛けている」という説。7月10日時点で、ユナイテッドの新加入選手はタイレル・マラシアだけです。トップターゲットと目されるフレンキー・デ・ヨング獲得は暗礁に乗り上げ、エリクセンやリサンドロ・マルティネスなど獲得に近い選手も未だに進展を見せていません。それ以前にも、リバプールに移籍したダルウィン・ヌニェスやアヤックスDFユリアン・ティンバーをロストしている可能性もあります。リバプールやシティなどライバルチームが着実に補強を行っており、リオ・ファーディナンドがロナウドに同情したように、こういった移籍市場での惨状を見てロナウドは不安に思っているという可能性は十分にあるでしょう。ロナウド自身は移籍するつもりはないけれど、このままでは新シーズンも苦戦することになる。それはキャリアの晩年を迎えたロナウドには厳しいものとなるためです。
Embed from Getty Images3つ目は、報道されている通り「ユナイテッドを出たがっている」という説。これの根底には2つ目の説もあるのですが、見据えている先は「ユナイテッド退団」だという違いがあります。一部報道によると、ユナイテッドもロナウドを慰留せず、移籍を認める方針だとしています。2023年6月末まで契約が残るロナウドにユナイテッドは、販売価格を£15mに設定したと言われてもいます。チェルシーやナポリ、バルセロナが移籍先候補として浮上しており、クラブの意図は、「新しいチームの構築を完全に開始するために、できるだけ早く騒動から抜け出すこと」としており、正式オファーが届けば、交渉に応じる構えだと報じられています。あくまでもユナイテッド側は、ロナウドは売りに出されていないとする一方で、ライプツィヒのブライアン・ブロビーやパウロ・ディバラ(フリー)を始め、新たなフォワード獲得のために移籍市場での動きを変更したともささやかれています。
③ロナウドという存在
6月の初めにロナウドは、オールドトラフォードで「とても幸せ」であると主張し、テン・ハーグが新しいマネージャーに任命されたことに「興奮」し、「新シーズンはトロフィーを獲得する」と意気込みを語っています。退団希望が真実だとしたら、あれから1ヶ月、ロナウドの心境の変化はどこから来たのでしょう?25%の給料カットは直接の原因ではないと思いますが、CLでプレーしたいという想いが休暇中に高まったという事と、2つ目の説のように、クラブの野心が原因という可能性はあります。しかし、それならロナウドのやり方は完全に間違っています。選手はクラブ以上の存在ではないからです。こういったやり方をするなら、ロナウド自身が昨シーズンと同様のロッカールームの混乱を引き起こすことになりかねません。ましてや、新監督を迎えてのシーズンです。リーダーの1人であるロナウドがすべきことは率先してテン・ハーグを助ける事です。ロナウドならわかっているはずです。そういったことからも、ただクラブにプレッシャーを掛けているだけでなく、退団を希望(決意)しているという説がもっとも可能性が高いように見えます...。
昨シーズン、タイトル獲得の為に古巣へ復帰したロナウド。彼自身はトータル24得点の活躍を見せましたがチームは崩壊。史上最低とも言われるシーズンとなってしまいました。あれだけ活躍したにも関わらず、チームバランス崩壊の一因とも言われたロナウド。今回の移籍騒動でも、やはり昨シーズンの事が尾を引いていると見る向きもあります。ロナウドの強烈な個性と、猛烈な野心、勝利への欲求は一部の若手選手にある種のプレッシャーとしてのしかかっているという側面も指摘されています。個人的には、昨シーズンの混乱は多くの要因があり、1つに絞る事は不可能だと考えていますが、The Athleticによると、ロナウドがいない事で一部の選手は「解放された」と感じ、ロナウドがいなければより自分を表現できると自信を持っているという情報もあるようです。
Embed from Getty Imagesテン・ハーグのスタイル的にもロナウドは必要不可欠な存在ではなく、ロナウドなしでもチームを構築できるという見方もあります。プレーヤとしても個人としても強烈な個性を持つロナウドは、良くも悪くもチームに対して大きな影響力を持ちます。それは昨シーズン、スールシャールもラングニックも悩まされた問題の1つだったことは確実です。テン・ハーグ新監督の下でも同様の事が起きる可能性は否定できません。恐らくですが、ロナウドの求めるユナイテッド像に、現実は着いていけていません。ロナウドが悪いのではなく、ユナイテッドはもうロナウドを扱える規模のクラブではなくなっていると感じます。
④着地点
真実がどこにあるか、現時点では断言できませんが、確実に言えることはクラブは一刻も早くロナウドと面と向かって話す必要がある、ということです。現状報道されている事は、真実と虚偽が入り混じっていますが、それに踊らされることなく対応するにはそれしかありません。ましてや、チームはプレシーズンツアー中で、多くの新たなことにチャレンジする必要がある大事な時期です。雑音はチームにも良い影響を与えません。そのためにも、ロナウドの問題はできるだけ早く片を付けるべきでしょう。
Embed from Getty Imagesロナウドが本当に移籍希望をしたとして、やはり問題となるのは「どのチームに移籍するのか?」ということでしょう。噂されるチェルシーは新オーナーであるバーリー氏がロナウドを目玉として獲得したいようですが、監督であるトゥヘルは拒否しているとも言われています。また、バイエルンは最高責任者であるオリバー・カーン氏が「素晴らしい選手だが、哲学に合わない」として否定しています。また、チェルシーとともに有力視されているナポリにしても、ロナウドの給料を払えるのか疑問でなりません。パリという選択肢も挙がっており、メンデスとパリのSDであるルイス・カンポス氏は連絡を取っているとも報じられていますが、時点では具体的な動きはないようです。
このように、実際移籍を望んでも受け入れ先を見つけることが困難です。恐らくすぐには決まらない...。かといって、問題を長期化できないのが今のユナイテッドです。個人的には22-23シーズンもロナウドはユナイテッドでプレーすることになると予想していますが、現時点では喜んでユナイテッドに残るのか、それとも移籍願望を押し殺して仕方なく残るのかはわかりません...。ただ、恐らく移籍希望はしているので、適切なオファーが早期に来れば去ることになるでしょう。これまでのユナイテッドでの功績からロナウドはクラブのレジェンドですが、退団のし方によっては、その功績を汚すことになり兼ねません。できればそれは避けてほしいところです...。いずれにせよ、もうロナウドは経験の浅い若手ではありません。37歳になりサッカー界を代表する選手なわけですから、責任ある行動を取るべきですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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