こんにちはMasaユナイテッドです。
22-23夏の移籍情報。8月30日にユナイテッドはアヤックスからブラジル代表FWアントニーを獲得することで合意したと発表しました。メディカルチェック、選手個人との契約締結、インターナショナルクリアランスの申請が済み次第正式加入となる見込みです。契約は2027年までで、移籍金は9500万ユーロで合意し、アドオンにより1億ユーロになる可能性があります。
今回は鳴り物入りで加入するアントニーについての記事。プロフィールやプレースタイルからアントニーを知ってもらい、ユナイテッドがアントニーに期待していること、アントニーがユナイテッドにもたらすものなどをまとめます!
以下項目です。
①プロフィール
選手名:アントニー・マテウス・ドス・サントス(Antony Matheus dos Santos)
生年月日:2000年2月24日(22歳)
国籍:ブラジル
身長:172cm
ポジション:RWG/LWG
背番号:
チームキャリア:サンパウロ・ユース(2010~2019)→サンパウロ(2019/1~2020/6)→アヤックス(20-21~21-22)→ユナイテッド(22-23~)
利き足:左
契約終了年:2027年6月30日
ブラジル・サンパウロ州オサスコで生まれたアントニー。幼少期からサンパウロFCの熱狂的ファンとして育ったアントニーは2010年に念願のサンパウロFCユースに入団します。各ユース年代で主力としてプレーしたアントニーは、2018年に日本で開催されたJリーグワールドチャレンジに参加し優勝、彼は同大会の最優秀選手に選ばれています。時を同じくして2018年9月、サンパウロのトップチームへ昇格。11月の第34節グレミオ戦でトップデビューを飾っています。2019年のブラジル・セリエAでは29試合に出場4ゴール6アシストを記録しています。
2020年2月、チェルシーへ移籍したハキム・ツィエフの代役としてアヤックスと2025年までの契約を結び、2020年7月より加入することが発表されました。20-21シーズンはパンデミックの影響で開幕が9月になりましたが、アントニーは開幕戦のスパルタ戦でいきなりゴールを決める鮮烈なデビューを飾っています。20-21シーズンはリーグ戦32試合に出場9ゴール8アシストを記録し、リーグ優勝とオランダカップのタイトルに貢献。続く21-22シーズンは、後半怪我での離脱もありましたがリーグ戦23試合に出場し8ゴール4アシストをマークしています。なお21-22シーズンもアヤックスはリーグ優勝しています。また、ブラジル代表には2021年10月のワールドカップ予選、ヴェネズエラ戦でデビューし、ゴールも挙げています。セレソンではこれまで9試合に出場し、2ゴール2アシストを記録。また2021年の夏季オリンピック(2020東京オリンピック)ではスペインとの決勝でアシストを記録。優勝に貢献しています。
Embed from Getty Imagesそして2022年8月30日、9500万ユーロ+アドオン500万ユーロというエールディビジ史上最高額の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドへ加入する事が発表されました。契約は2027年までとなっています。
②プレースタイル
Embed from Getty Imagesアントニーは左利きの右ウィンガーですが、その最大のストロングポイントはドリブルスキルでしょう。変幻自在のボールテクニックを持ち、特にドリブルの種類は実に多彩。ネイマールにも勝るとも劣らないテクニックを持っています。アジリティやスピード、緩急の使い方も申し分なく、ディフェンダーにとっては止めるのが難しいプレーヤーです。しかし、アントニーはそれだけでなく、ボールプログレッシブやスルーパス、クロスの質も高く、カットインからのシュートも精度が高いです。昨シーズンのリーグ戦のスタッツでは、ドリブル成功数が42回(アヤックス2位)、ショッツ・オン・ターゲットは27本(アヤックス3位)、クロス成功数は24本(アヤックス2位)、チャンス・クリエイト37回(アヤックス4位)と軒並み高い数字を記録しています。また、FBrefのスカウティングリポートでも、これらの評価が高くなっています。
さらに個人的に評価しているのは、的確なプレー選択ができるところです。アヤックスでは右サイドバックのマズラヴィとのコンビネーションが抜群で、マズラヴィのオーバーラップ、アンダーラップを有効的に使っていました。マズラウィを囮に使うことで、ドリブルの脅威も増しますし、カットインからシュートやクロスの選択肢も生まれます。アントニーはボールを足元に置くのを好みますが、同時にプログレッシブパスでチャンスメイクするのも得意です。一説によるとアヤックス加入当時はプレー判断に難があったそうですが、テン・ハーグ監督の指導によりかなり改善されたということですね。
Embed from Getty Images逆にウィークポイントはやはり守備全般です。アヤックスの戦術的に、ネガトラの場面でプレスを行う意識は徹底されていますが、積極的にボールを奪い取るような守備はあまり見せません。しかし、ボールリカバリーとインターセプトは高い数字を示しており、アヤックスではしっかり守備のタスクもこなしていたことがわかります。また、フィジカル的にもどちらかというと華奢で、この点は容赦なく当たりにくるプレミアに慣れるまでは少し苦労する可能性もあります。ただ、ボディバランスはしっかりしているので、テクニックを駆使しながら掻い潜ることも可能でしょう。
③アントニーに期待すること
アントニーの加入により、最も期待されることはアシスト、ゴールを行い、チームの攻撃クオリティを上げることです。現在のウィングはサンチョ、ラッシュフォード、エランガの3人が主に起用されていますが、この中で最も安定して高いパフォーマンスを見せているのはサンチョです。ラッシュフォードもエランガもスピードは素晴らしいものがあり、スペースのある状態では頼りになる存在ですが、相手が引いてブロックを敷いた状態での局面打開力は高くありません。アントニーとサンチョにはこういった場合にドリブルやコンビネーション、スルーパス、クロス、シュートなどで相手ディフェンスにギャップを作り出す役割が求められます。
アントニーは素晴らしい個の能力を持っていますが、プレースタイルの項目で書いたように、サイドバックとの連携を巧みに使います。そういった意味でも、ダロトとの連携は特に重要になると思います。そして恐らく、テン・ハーグ監督もダロトをレギュラーで使っているのはランニングの質だと思うので、この2人のコンビネーションには期待したいところです。ポルトガル語でのコミュニケーションが可能性なこともプラスに働くでしょう。
Embed from Getty Imagesその移籍金の高さから、大きなプレッシャーが掛かることが予想されますが、恩師テン・ハーグが監督というのは心強いでしょう。また、アヤックスのチームメイトだった、マルティネスもいます。さらに今のスカッドにはフレッジ、カゼミロのセレソン仲間をはじめ、ブルーノ、ダロト、ロナウドとポルトガル語圏の選手も多いです。こういった環境はアントニーの助けになるでしょう。アントニーは自信を持っていますが、やはりプレミアはタフなリーグです。気負い過ぎず、まずはチームメイトの助けを借りながら徐々に馴染んでいってほしいですね。才能は間違いありません。世界屈指のドリブラーとして、サンチョと共にユナイテッドのサイドを切り裂いてほしいです。
👿まとめ
アントニー加入に関しては、その高額な移籍金が大きな話題を呼んでいます。1億ユーロという移籍金は、先述したようにエールディビジ最高額であり、ユナイテッドの歴代移籍金でもポグバの1億500万ユーロ(2016年ユベントスから)に次ぐ2番目の金額です。多くの方が気にしているのは「はたしてアントニーにそれ程の価値があるのか?」ということではないでしょうか。これの答えは「現時点でそれ程の価値はない」というのが答えです。22歳で、ヨーロッパで2シーズンプレーしただけ、アヤックスでのタイトルはありますが、セレソンでも絶対的な存在ではないアントニーに1億ユーロというのはシンプルに払い過ぎです(笑)。
*ユナイテッド移籍金トップ10はこちら
しかし、ユナイテッド陣営からすれば、そこまで出してでも欲しかったタレントだということ。適正価格外ですが、テン・ハーグ監督の希望であることは間違いありませんし、指揮官には確信があるのでしょう。個人的には移籍金の高さはそこまで気にしていませんし、テン・ハーグ監督が欲しいならば獲得して正解だと思っています。正直、スタッツやプレーの確実性で言えば同じアヤックスのドゥシャン・タディッチの方が上ですし、獲得候補にもなっているPSVのコーディ・ガクポの方が良いスタッツを記録しています。にも関わらずアントニーに拘ったというのはテン・ハーグ監督なりの理由があるはず。今はそれに賭けたいと思います。
Embed from Getty Images同時に24歳以下の左利きの右ウィンガーとしては、恐らく世界最高のクオリティを持っていると思います。将来的にはバロンドールも狙えるポテンシャルを秘めていると信じて、応援したいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント