こんにちはMasaユナイテッドです。
6月10日、22-23シーズンの夏の移籍市場が開幕しました(プレミア)。21-22シーズンの低パフォーマンスを受けて、非常に補強ポイントが多くなっているユナイテッド。新指揮官のテン・ハーグ監督の要望に応えるべく、フロントは動きを加速していくことになります。なお、この夏のユナイテッドの移籍戦略に関してはPart.1を参照下さい。
今回はPart.1に続き、ユナイテッドの獲得ターゲットを4人紹介します。今回の4選手は、比較的報道頻度の高い選手をチョイスしました。この選手達の去就状況とプレースタイル、ユナイテッド移籍の可能性をまとめました!
以下項目です。
①パウ・トーレス
Embed from Getty Images現所属:ビジャレアル
国籍:スペイン
年齢:25歳
身長:191cm
ポジション:CB
利き足:左
市場価値:50M€
獲得予想額:60mM€
現契約:6/30/2024
ユナイテッドのビジャレアルのCBパウ・トーレスへの関心は、昨シーズンの移籍市場から存在しています。最終的にトーレスはビジャレアルでのプレーを続けることを選択し、ユナイテッドはヴァランの獲得に舵を切りました。21-22シーズンのチャンピオンズリーグベスト4入りに大きく貢献したパウ・トーレスは、再び22-23シーズンのユナイテッドの獲得ターゲットになっています。その背景には、トーレスの契約解除条項がこの夏に発動されるということがあります。現在の契約は2024年までとなっており、ビジャレアルは5000万€~6000万€のバイアウト金額を設定していると言われています。CBにビルドアップでの貢献を求めるテン・ハーグ監督にとって、左利きでパス精度が高いトーレスは理想的な存在と言えます。
21-22シーズン、公式戦47試合に出場し6ゴール1アシストを記録したパウ・トーレス。トーレスはとても多才なセンターバックだと思います。ファイナルサードへのパス(172本チーム2位)、ドリブルでの持ち上がり(8768ヤード チーム1位)、インターセプト(73回チーム2位)、セットプレー時の得点力など高い数字を示しています。トーレスは今シーズンのすべての大会で6ゴールを決め、そのうち4ゴールはコーナーからのものでした。2得点はヘディングからでしたが、他の2つはボックス内で足で決めています。彼はセットプレーの攻撃時に、走り込むタイミングの上手さとスポットを見つける能力を持っています。そしてポゼッション時のパスとドリブルでの貢献は、まさにテン・ハーグが求めるCB像そのものだという印象を受けます。
Embed from Getty ImagesCBのターゲットとしては筆頭候補と目されているトーレスですが、実際のところは報道がかなり先行している可能性があります。興味は持っているでしょうし、テン・ハーグの求めるタイプではありますが、ビジャレアルの生え抜きであり、もしクラブを離れるならCL出場権にはこだわると思います。ビジャレアルはラ・リーガで7位となりカンファレンスリーグへ回りますが、トーレスに契約延長のオファーを送っているようです。愛するビジャレアルを離れるとしても、CL権もなく、チーム状況が良くない今のユナイテッドを選ぶとはちょっと思えません。ユナイテッド側も問い合わせぐらいはしたかもしれませんが、真剣にアプローチしているとは感じません。6月に入り、リールのスヴェン・ボットマンやライプツィヒのヨシュコ・グヴァルディオール、インテルのアレッサンドロ・バストーニなど、日替わりでユナイテッドとリンクされる左利きのCBの報道が出ているのは偶然ではないでしょう。左利きのCBのターゲットは、一旦リセットされたと思います。トーレスはスパーズとリンクされています(昨夏もオファーを送りクラブ間合意しています)。仮にスパーズ加入となれば、ユナイテッドの現状を象徴するかのような移籍となりそうです...。
②ルベン・ネヴェス
Embed from Getty Images現所属:ウルブス
国籍:ポルトガル
年齢:25歳
身長:180cm
ポジション:DM/CM
利き足:右
市場価値:40M€
獲得予想額:65mM€
現契約:6/30/2024
ネヴェスも移籍市場が開く度に、ユナイテッドとリンクされるプレーヤーの1人です。昨シーズンの夏の移籍市場ではかなりの頻度で報道され、私も含めて多くのユナイテッドサポーターがネヴェスの加入を歓迎していました。しかし結局守備的MFの補強はなく、ネヴェスの報道も減っていきました。22-23シーズンの移籍でもネヴェスの名前は出ていますが、昨シーズン程の勢いはありません。今シーズンは確実に守備的MFの補強が必要であるにも関わらず...です。ウルブスとの契約が2024年までとなっているネヴェスは、オファー次第では売りに出される可能性が十分にあります。年齢的にも25歳で、このままウルブスと契約延長して中堅クラブで王様を続けるか、それともビッグクラブへステップアップ移籍するかという重要な選択を迫られます。最近の報道ではウルブスは7000万£の値札をつけ、後釜としてスポルティングのジョアン・パリ―ニャを確保していると言われています。ネヴェスにはユナイテッドの他に、アーセナル、ローマ、バルセロナも興味を示しているようです。
21-22シーズン、公式戦36試合4ゴール2アシストをマーク。ネヴェスの最大の特徴はパスでのゲームコントロールでしょう。プレミアでのパス本数はチーム2位の1925本、距離は1位の38841ヤード。そしてファイナルサードへのパス本数は196本でチームトップである上に、プレミア全体でも9位の成績です。非常に視野が広く、短、中、長距離のパス精度は高いです。サイドへの散らしや、時折見せる鋭い楔はチームの攻撃を前進させるのにとても効果的。ポルト時代には若干18歳でキャプテンマークを巻くなど、リーダーシップやキャプテンシーにも優れたものがあります。また、タックル数でもチーム3位(67回)、インターセプトもチーム3位(61回)、プレス回数はチーム2位(541回)と守備面での貢献もネヴェスの特徴と言えます。
Embed from Getty Imagesプレミアでの実績、プレーのクオリティを見ても欲しいタレントであることは間違いありません。個人的にはネヴェスのファンであり、彼のパスでのゲームメイクや時折見せるミドル、危ないスペースをしっかりカバーできる危機察知能力はユナイテッドでもしっかり機能すると思っています。しかしながらテン・ハーグ監督が興味を示しているのかはかなり怪しい...。ユナイテッドのフロントはネヴェスを評価してそうな雰囲気はあるのですが、ウルブスの付けている7000万€はやはり高過ぎるでしょう。予算の限られるユナイテッドにとって、中盤のトップターゲットはフランキー・デ・ヨングです。守備的MFは必要ですが、中盤の2人で1億5000万ポンド使う余裕はありません。ネヴェス獲得に動くのであればフランキー獲得に失敗した時だと思います。
③アントニー
Embed from Getty Images現所属:アヤックス
国籍:ブラジル
年齢:22歳
身長:172cm
ポジション:RWG
利き足:左
市場価値:35M€
獲得予想額:50mM€
現契約:6/30/2025
テン・ハーグ就任と共に、ユナイテッド移籍の報道が出たアヤックスの右ウィンガー、アントニー。4月にはテン・ハーグの獲得リストに載っていると報じられ、5月にはアントニー自身もステップアップの移籍を希望しており、行き先はリバプールかユナイテッドと報じられました。その後、ユナイテッドがヌニェス獲得に力を入れ始めたため一旦アントニーの報道は沈静化。そもそもウィンガーよりもストライカーの補強が急務である事もあり、アントニー獲得はなくなったかに思われました。しかしながらテン・ハーグ戦術を熟知しているアントニーの加入は、21-22シーズン後半得点力不足に陥ったユナイテッドにとって魅力。ヌニェス獲得に黄色信号が灯った今(ヌニェスはリバプール移籍が濃厚)、再びアントニー移籍報道が出てきています。なお、アントニー獲得には5000万€から6000万€が必要だと言われています。
21-22シーズンは公式戦33試合12ゴール10アシストを記録したアントニー。非常にボールテクニックの高いアントニーは、ドリブルの仕掛と、味方サイドバックのランニングを囮に使う事に長けたプレーヤーです。また左足でのクロスも得意としており、90分当たりのクロス本数は1.35本でチーム3位の成績です。カットインしてのシュートも精度が高く、ショッツ・オン・ターゲットはチーム3番目の27本放っています。アヤックスで2シーズン戦ったアントニーですが、2シーズン共に10に近いゴール数とアシスト数を記録できている点は評価できます。アントニーはドリブルテクニックが高いですが、それに頼り切ることなく、味方の動きを上手く利用し、自分の得意なクロスやシュートに繋げることができるクレバーさがあります。もともとの素質なのかテン・ハーグ監督の指導の賜物なのかはわかりませんが、これからが楽しみな選手ですね。
Embed from Getty Images正直ウィンガーは補強ポイントとしては優先度が低く、アマドやペリストリの去就、ガルナチョ、ハンニバルなどのアカデミー組をどこまでトップチームに組み込むかによっては余剰過ぎるぐらいの陣容です。ただ、クオリティの面では右ウィングに定着したエランガや、絶不調に陥ったラッシュフォードに絶対の信頼が置かないのも事実。また、左利きの右ウィンガーはクロスやカットインからのシュートなど、プレーの選択肢が広くなるのでユナイテッドの右翼を活性化出来るかもしれません。一旦沈静化したアントニーへの興味ですが、ヌニェスのリバプール移籍が確実視されたことを受けて、アントニーの噂が再熱しています。6月9日にはアントニーの代理人がイングランドへ飛ぶとの報道がありましたし、ユナイテッドはアヤックスに4500万€のオファーを出したと言われています。アヤックスはもっと高値で売りたいはずですし、今後の交渉次第ですが、案外補強第1号はアントニーかもしれませんね。
④クリストファー・エンクンク
Embed from Getty Images現所属:RBライプツィヒ
国籍:フランス
年齢:24歳
身長:175cm
ポジション:SS/CF/LWG/RWG/OMF
利き足:右
市場価値:80M€
獲得予想額:100mM€
現契約:6/30/2024
エンクンクへの興味はラングニック暫定監督時の時からあります。今シーズンブンデスリーガで33試合20ゴール14アシストを記録したアタッカーは当然注目度が高く、レッドブルと繋がりの深いラングニック監督が獲得を進言したというのは有名な話です。当初、22-23シーズンもコンサルとしてユナイテッドに残り、補強戦略に深く関わると思われていたラングニックのお気に入りであり、テン・ハーグ監督も評価していると報じられていました。しかし、ラングニック氏がクラブを去ってからは報道頻度は低下。アタッカーに関してはヌニェスへの関心の報道が多くなり、エンクンクはリストから外れた印象です。また、所属先であるライプツィヒはCL出場権を持っている事もあり、チームの核であるエンクンク放出に難色を示しています。移籍金を1億€に設定。徹底抗戦の構えを見せています。なお、5月終わり頃にはユナイテッドがエンクンクを獲得後、シーズンローンでライプツィヒに残し、23-24シーズンからユナイテッドへ加入できるようにするというアイデアを持っているとも報じられました。
21-22シーズン、セカンドトップや左右のウィングでのプレーが多かったエンクンクですが、公式戦50試合35ゴール19アシストという素晴らしい数字を残しています。ブンデスのゴールランキングでは4位タイの20ゴール、アシストランキングでは2位タイ(13アシスト)と得点に絡むことが非常に多かったのが昨シーズンのエンクンクです。SCAもブンデス3位の134回を記録。ドリブル成功回数でもぶっちぎりのチームトップの60回を記録しています。エンクンクは攻撃センスの塊のような選手です。アタッキングサードでのマルチな才能は、世界中を見てもトップクラスではないでしょうか。ドリブルでの仕掛け、スピード、裏への飛び出し、中央でもサイドでもゴールを狙えるキックの正確さ、味方を使う状況判断の正確さとクロスの質などは素晴らしいの一言です。よく例えられるのがサディオ・マネですが、21-22シーズン、チャンスメイカーからストライカーへ変貌を遂げたエンクンクは、マネの領域に近づきつつあるのは間違いないでしょう。
Embed from Getty Images攻撃に関してマルチな才能を持つエンクンク。ユナイテッドの他にリバプール、チェルシー、ミランなども獲得を狙っていると報じられています。前線の全てのポジションでプレー可能なエンクンクは、ユナイテッドにとっても大きな戦力となる可能性を秘めています。しかしながら、ラングニック氏が去り、レッドブルグループとの関係がなくなった今、獲得の優先度は低くなっています。そもそも1億€近い金額はナンセンスであり、ここの交渉に時間を費やすのは無駄となる可能性が高いでしょう。よほど本人に移籍の意思があるなら話は違いますが、エンクンクは性格的にも真面目で地に足の着いた青年だという印象です。2024年まで契約があり、売却を望まないクラブに反旗を翻すタイプではないでしょう。少なくとも今夏のエンクンク獲得はなさそうだと思います。しかし、是非とも獲得したいタレントなのは否定できません(笑)。
👿まとめ
いかがでしたか?
今回は報道頻度の高い4選手を紹介しましたが、いずれの選手も注目度が高く、トップレベルのタレントであるがゆえに、今シーズンのユナイテッドにとってはハードルが高くなっています。クラブの魅力が低下し、CL出場権がないというのは、私達サポーターが思っている以上に重要な移籍ファクターになります。
この4選手のなかで、最も獲得の可能性の高いのはアントニーでしょう。テン・ハーグと関係はもちろん、ファン・デル・サールがCEOを務めるアヤックスとの関係を見ても、交渉するとなればスムーズに事が運ぶ可能性が高いです。ウィンガーの補強の優先度は高くないのですがヌニェスを逃し、他に目ぼしいストライカーが市場にいない事もあって、仮にアントニー獲得となればラッシュフォードが9番のポジションで使われることになると思います。
この記事を書いている6月10日現在、ユナイテッドはフレンキー獲得に尽力しているようですが、バルサとの合意はまだ時間が掛かりそうです。状況次第では先にアントニー獲得に本腰を入れるかもしれません。そして、アントニーの獲得には、グリーンウッドの処遇も関係するかもしれません...。今後注目していきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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