【22-23夏の移籍情報】待望!カゼミロがマンチェスター・ユナイテッドにもたらすものとは!?

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23夏の移籍情報。8月19日にユナイテッドはカゼミロ獲得に関してレアル・マドリーと合意に達したと発表しました。移籍金は€6000万+€1000万のボーナス。週給£35万の4年契約(1年の延長オプション付き)となる見込みです。

カゼミロはレアル・マドリーで9シーズン過ごし、18個のタイトルを獲得。ブラジル代表でも63試合に出場。時にはキャプテンも務めるなどまさにクラブ、代表両チームの「心臓」として君臨してきました。今回はそんなカゼミロのプロフィールやプレースタイル、そしてユナイテッドにもたらすものなどをまとめます!

以下項目です。

①プロフィール

選手名:カルロス・エンリケ・ジョゼ・フランシスコ・ヴェナンシオ・カジミーロ(Carlos Henrique José Francisco Venâncio Casimiro)
生年月日:1992年2月23日(30歳)
国籍:ブラジル
身長:185cm
ポジション:DMF/CM
背番号:18
チームキャリア:サンパウロ(2010~2013)→レアル・マドリーB(2013~-loan)→レアル・マドリー(13-14~21-22)→FCポルト(14-15-loan)→ユナイテッド(22-23~)
利き足:右
契約終了年:2026年6月30日

ブラジル、サンパウロ州生まれのカゼミロ。10歳の時に名門サンパウロFCのトライアルを受けますが、当時フォワードだったカゼミロは、攻撃ポジションの選手より競合の少ない守備的MFとしてトライアルを受けます。見事ボランチの選手として合格したカゼミロは、サンパウロで頭角を現し2010年にはトップチームデビューを果たします。2013年にはレアル・マドリーのカスティージャにレンタル移籍し、そこでの活躍が認められ32節のベティス戦でトップチームデビューを果たます。そして2013年には600万ユーロでレアルが買い取りオプションを行使しました。

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14-15シーズンからはポルトに武者修行に出たカゼミロは、リーグ戦28試合に出場し主力としてプレー。その活躍が評価されポルトは買取を打診しますがレアルはこれを拒否。カゼミロを復帰させる決断をします。復帰した15-16シーズンは指揮を執るベニテス監督のもと一定の出場機会はありましたが、2016年1月にベニテス監督が解任され、ジダンが監督に就任すると出場機会が減少します。しかし、その後信頼を勝ち取るとスタメン起用が増え、最終的にリーグ戦23試合、CL11試合に出場。CLではアトレティコとの決勝に出場し、初のCL制覇を経験します(13-14シーズンもレアルはCL制覇していますが、決勝でカゼミロはベンチ外でした)。16-17シーズンのCL決勝ユベントス戦では勝ち越しとなるミドルシュートを決めてCL連覇に大きく貢献。17-18シーズンも着実に存在感を増して主力に定着し、CL決勝リバプール戦にもしっかりスタメン出場。CL3連覇を成し遂げています。

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ジダン、ロペテギ、ソラーリ、アンチェロッティと目まぐるしく監督が変わる中でも、替えの効かないアンカーとしてクロース、モドリッチと完成度の高い中盤を形成。レアル在籍9シーズンの間にラ・リーガ3回、CL5回、コパ・デル・レイ1回、UEFAスーパーカップ3回、FIFAクラブワールドカップ3回、プリメーラ・ディビシオン3回、スーペルコパ・デ・エスパーニャ3回という凄まじい数のタイトルを手にしました。

②プレースタイル

カゼミロはいわゆる中盤の「潰し屋」です。ダブルボランチの1角、又は1アンカーとしてのプレーが大半を占めています。最大の特徴はフィジカルを活かした高水準の守備力。185cmの恵まれた体格を持ち、当たり負けしない強さと的確なタックルでボールを奪い返します。21-22シーズンのラ・リーガでのタックル数は3.16回/90分を記録。これはチュアメニ、フレッジ、マクトミネイ、ファビーニョ、フレンキー・デ・ヨングと比べても最高の数字です。タックス成功数も2.25/90分でこの5人の中でトップ。ブロック数(シュート、パス)も2.28/90分でトップを記録。ボールの回収という面では文句のつけようないスタッツを記録しています。

*スタッツはこちらを参照

https://fbref.com/en/stathead/player_comparison.cgi?request=1&sum=0&comp_type=by_type&dom_lg=1&spec_comps=big_5&player_id1=4d224fe8&p1yrfrom=2021-2022&player_id2=b853e0ad&p2yrfrom=2021-2022&player_id3=d93c2511&p3yrfrom=2021-2022&player_id4=4f255115&p4yrfrom=2021-2022&player_id5=1bacc518&p5yrfrom=2021-2022&player_id6=7f3b388c&p6yrfrom=2021-2022

また、空中デュエル勝率69%、空中デュエル勝利回数3.42/90分、プレス成功率37%、ロングパス成功数10/90分、ディフェンシブサードでのボールタッチ数25/90分などもヨーロッパ5大リーグの中盤の選手の中で上位5%に入ります。このように守備力の高いカゼミロですが、その根本には優れた危機察知能力があります。数字で見ても、プレーを見ても、カゼミロの動きには無駄がありません。プレスの回数では比較した5人の中で、フレンキー・デ・ヨングに次ぐ少なさですが、成功率では断トツのトップです。ボールホルダーに積極的に当たりに行くというよりは、じっくり相手の出方を見て、最も危険なところに先回りして待ち構える、もしくは遅らせるディフェンスが印象的です。

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一方で、ビルドアップやボール前進の貢献は多くを望めないかもしれません。レアルではカゼミーロの両脇をクロース、モドリッチというボールプレーに優れたMFが支えており、組立やボールプログレッシブの面ではこの2人の果たす役割が大きかったです。カゼミロは時折鋭い楔やロングパスも見せ、ファイナルサードへのパスやプログレッシブパスの回数もまずまずですが、ドリブル回数やプログレッシブ・キャリーの距離は比較した5人中4番目や3番目の成績です。特にプレスの強度が上がるプレミアでは、よりビルドアップの貢献は難しくなるかもしれません。この面に関してはエリクセンやブルーノ、フレッジなどの中盤の選手を始め、マルティネスやマグワイアなどがビルドアップの質を上げて補う必要があるでしょう。

③ユナイテッドにもたらすもの

アンカーポジションの補強は長年のユナイテッドの課題であり、特にボールハントに長けた守備的MFは必要性の高いポジションでした。しかし、今シーズンの夏の移籍市場でユナイテッドが追い続けたのはフレンキー・デ・ヨングでした。デ・ヨングは守備力に長けたタイプではなく、プレス回避とビルドアップの貢献、ボールキャリーに特徴のあるプレーヤー。新監督であるテン・ハーグ監督はポゼッション主体のチーム作りを目指しており、デ・ヨングはそのチーム戦術のキーマンとなるはずの選手でした。しかし、本人の意思とバルサの経営面の影響からデ・ヨング獲得オペレーションは暗礁に乗り上げています。

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一度ユベントスのアドリアン・ラビオと交渉し、クラブ間合意しながら個人合意に至らず破断。その直後急転直下、カゼミロに白羽の矢が立ち、あっという間に取引が成立しました。一部報道では、ユナイテッドはデ・ヨングから方向転換したわけではなく、長い間カゼミロの状況を追っていたと言われています。もちろんその可能性もありますが、タイミング的にはデ・ヨング獲得がほぼ不可能となったため、ターゲット変更した様にも見えます。ここで気になるのは、デ・ヨングとカゼミロでは全くタイプが異なるというところです。これに関しては、両方がターゲットだったという可能性が高いのですが、補強に一貫性がないとも捉えられかねません。しかし開幕から1、2戦のユナイテッドの不安定な守備を見るに、補強の必要性が高いのはカゼミロのような守備専門タイプです。当初、もう少し安定したビルドアップができると予想していましたが、蓋を開ければ相手のプレスにタジタジでビルドアップもままならない...。この現状を受けて方向転換したとも考えられます。プレミアで結果を出すなら、まずは守備を安定させる必要があるという意味ではその通りですね。

いずれにせよ、経験豊富なカゼミロの力はユナイテッドにとって大きな助けとなるでしょう。高額な移籍金やチームでも上位になるサラリー、30歳という年齢などに懸念を示す人もいるとは思いますが、個人的にはカゼミロのタイトル獲得の経験や守備能力、チームの為にオフ・ザ・ボールでハードワークする姿勢、そしてリーダーシップや南米、ポルトガル語組のまとめ役としての期待の方がはるかに大きいです。そしてなにより、このような最悪に近いチーム状況の今のユナイテッドに来て、助けになりたいと言ってくれたこと。これだけで全力応援確定です(笑)。

👿まとめ

理想で言えば、デ・ヨングだったのかもしれませんし、同じ守備的MFでももっと若い選手という選択肢もあったでしょう。特に、テン・ハーグ監督は間違いなくフレンキーに固執していましたし、もしかしたらカゼミロ獲得はフロント主導の移籍だった可能性もあります。しかし、アヤックス時代に守備力に長けたエドソン・アルバレスをアンカーで起用し攻守のバランスを保っていたテン・ハーグ監督だけにカゼミロという選択肢も悪くないはずです。

開幕1、2戦で改めて、プレミアでポゼッションでねじ伏せる戦い方は相当な訓練が必要で、完成には長い年月が掛かると思い知らされました。シティも、リバプールもアンカーに守備力の高いフェルナンジーニョやファビーニョを起用してきたことを考えてもカゼミロをアンカーに置いたうえで、攻守を安定させてからポゼッションを磨くというのは最適解のように思います。まだ移籍市場はオープンで、ユナイテッドはさらなる補強が噂されています。その中にはもう1枚中盤を取るのではないかという説もありますが、エリクセンとブルーノがクロースとモドリッチのように上手くカゼミロとユニットを作れればとりあえずは必要ないのではないかと考えています。

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カゼミロのユナイテッドデビューはビザやメディカルの関係で4節のセインツ戦が現実的です。まだまだ課題山積みのユナイテッドですが、カゼミロのもたらすメリットを活かしてまずは1つ階段を昇りたいですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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