こんにちはMasaユナイテッドです。
7月1日、ユナイテッドはフェイエノールトから左サイドバック タイレル・マラシアを€15m +アドオン€2mで獲得することに合意。正式発表はまだですが、今夏の移籍市場、初の獲得選手となる見込みです。
今回は、新加入タイレル・マラシアについて!注目の若手サイドバックであるマラシア。「名前ぐらいは聞いたことがあるけど、よく知らない」という方も多いと思います。プロフィールやプレースタイル、ユナイテッドでの役割などをまとめました。参考にして下さい!
以下項目です。
①移籍の経緯
まさに急転直下。ユナイテッドがフレンキー・デ・ヨング獲得に迫っていた6月28日、突如海外メディアがフェイエノールト所属のタイレル・マラシアのユナイテッド移籍を報じました。ユナイテッドのターゲットとして名前は挙がっていましたが、先週の段階でマラシアのリヨン移籍はクラブ間で口頭合意に達しており、後は正式決定を待つのみでした。しかし、ユナイテッドはフレンキー獲得交渉中に、代理人が同じであるマラシアについても話合い、交渉を「ハイジャック」する形で、フェイエノールトとのクラブ間合意を取り付けました。ちなみにデ・ヨングとマラシアを管理しているHCM Sports Managementはファン・デ・ベークとリンデロフのエージェント会社でもあります。
マラシアはフェイエノールトでプレーするレフトバックですが、テン・ハーグ監督のお気に入りだと言われています。昨シーズンの夏、アヤックスを指揮していたテン・ハーグ監督はマラシア獲得を試みますが、アヤックスとフェイエノールトの強力なライバル関係の為に獲得を断念した経緯があります。今回の移籍ハイジャックは、テン・ハーグ監督の意向が大きく影響したのは間違いありません。レフトバックは補強プライオリティが高いわけではなかったのですが、€15mという値段的にも、獲得のチャンスを逃すわけにはいかなかったということでしょう。
②プロフィール
選手名:タイレル・マラシア(Tyrell Malacia)
生年月日:1999年8月17日(22歳)
国籍:オランダ/キュラソー
身長:169cm
ポジション:LB/LWB
背番号:12
チームキャリア:フェイエノールトユース(2008~2017)→フェイエノールト(17-18~21-22)→ユナイテッド(22-23~)
利き足:左
契約終了年:2026年6月30日(1年延長オプション付き)
オランダ、ロッテルダム生まれのマラシアは、そのルーツをキュラソーに持っています(タヒス・チョンと同じ)。地元のサッカークラブRVV DHZでサッカーを始め、同じロッテルダムのOvermaas Rotterdamを経て、2008年に9歳でフェイエノールトのユースに加入しました。
Embed from Getty Images17-18シーズンからはU-19にステップアップしますが、2017年12月6日のチャンピオンズリーグGS最終節のナポリ戦でトップチームデビューを果たします。これは、フェイエノールトのチャンピオンズリーグ出場選手としては史上最年少の18歳111日でのデビューとなっています。17-18シーズンはエールディビジで11試合プレー。チームはオランダカップ優勝を果たし、マラシアにとっての初タイトルとなりました。続く18-19シーズンもトップチームでプレーしますが、怪我などもあり17試合の出場に留まっています。
シーズンを重ねるごとに徐々に出場時間を伸ばし主力に定着。21-22シーズンは公式戦50試合に出場。1ゴール5アシストを記録しています。21-22シーズンのUEFAカンファレンスリーグでは決勝に進出。モウリーニョ率いるローマと決勝で戦いチームは惜しくも敗れますが、マラシアはUEFA’s Team of the Tournamentに選出されています。また、2021年9月4日にはオランダ代表デビューも飾っており、これまで5試合でプレーしています。
Embed from Getty Images③プレースタイル
マラシアの特徴は、粘り強い守備とスピードを活かした攻撃参加。昨シーズンのSofaScoreのデータでは、タックル数86回でリーグ7位の成績。地上デュエル勝利数も171回でリーグ4位の好成績を残しています。カウンターを受けた際の戻りも速く、自陣まで戻ってピンチを防ぐシーンが印象に残ります。スライディングタックルもマラシアの特徴で、それこそワン=ビサカ張りの鋭いタックルを度々見せています。169cmと上背はないのですが、当たりにも強く守備面では問題なさそうですね。
Embed from Getty Images攻撃に関しても、ドリブル成功数50回でリーグ15位の成績、キーパスは37本で25位。ビッグチャンス・クリエイトは8回で13位の好成績をマークしています。直線的でスピードを活かしたドリブルは相手ディフェンダーにとっては脅威で、止めるのが難しいものです。オーバーラップのタイミング、スピードも素晴らしく、個人的にはエブラを彷彿とさせます。またクロスというよりも、パスでチャンスメイクすることが多いのもマラシアの特徴。クロスを上げる場合でも、山なりではなく低くて速いクロスを好んでいるように見えます。
そして、もう1つのマラシアの武器は、プレー認識とポジショニングだと思います。ユース年代から左サイドバック一筋でプレーしてきたため、このポジションでの効果的な動きを熟知しています。サイドで2対1の数的不利の状況になっても、慌てる事はありませんし、次の相手のプレーを予測し対応できています。そして、その際のポジショニング、身体の向きもまさに的確。恐らく、マラシアのこういった面をテン・ハーグは高く評価しているのではないでしょうか?
④ユナイテッドでの役割
テン・ハーグ監督のお気に入りで、獲得ターゲットとしてリストアップし、状況を監視していたようです。プライオリティは高くなかったと思いますが、リヨンが獲得に動いたために、ユナイテッドも動いたという形に。ユナイテッドの左サイドバックは、これからキャリアピークを迎えるショーと、昨シーズン、出場機会の多かったテレスが健在です。さらに、ブランドン・ウィリアムズもローンから戻ってきており、アカデミーからはアルバロ・フェルナンデスもトップチームでの出場を虎視眈々と狙っています。枚数的には充分の状況にも関わらず、マラシアを獲得したというのは、やはりテン・ハーグ監督的は現在のメンバーに「質」の面で物足りなさを感じていると見るのが妥当です。
ショーに関しては、クオリティの問題ではなく、コンディションの方が問題になりそうですが、バックアッパーとなるテレスは、昨シーズンのパフォーマンスから判断すると、少し厳しいものがあります。それなりにアシストも記録し、気持ちの入ったプレーは好印象なのですが、特に守備面でチームに安心感を与えられませんでした。マラシアを獲得したのは、テレスに代わるバックアッパーという意味合いが強いと思います。報道でもテレスに対してのオファーはオープンになっていると言われており、放出される可能性もありそうです。ブランドンにとってもマラシア加入は痛いでしょう。ユナイテッドでのプレーを望んでいますが、恐らくほとんど出場機会がなくなります。再度ローンで出る事になると思います。
Embed from Getty Imagesショーの後継者としても期待されることとなるマラシア。まずはプレミアの強度、スピードに慣れる必要がありますが、テン・ハーグ監督が見込んだ選手ならば、ポテンシャルを開花させることができると信じたいですね。
👿まとめ
今回のマラシア獲得は、まさに急転直下だったのですが、最初はターゲットに他チームからのオファーがあったことで慌てて動いたように思いました。しかし、冷静に考えると、それを上回る条件のオファーを出すことで、手頃な値段で一気にクラブ間合意に持っていく手法なのかもしれないとも考えられます(笑)。フロントはこの夏、明らかに変わりました。そこには確固とした変革の意思が感じられますね。
マラシアは攻守に貢献できるタイプです。あくまでもショーが1stチョイスであることに変わりはないですが、将来性も考えるとかなり楽しみな選手です。最初は苦戦するかもしれませんが、いい意味で期待を裏切ってほしいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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