【22-23PL第9節】マンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッド 大敗の原因4つとは!?

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こんにちはMasaユナイテッドです。

22-23プレミアリーグ第9節 アウェイ エティハド・スタジアムでマンチェスター・シティとのダービーマッチを迎えたユナイテッド。試合は緩慢な入りのユナイテッドに対してシティがフォーデンのゴールで8分に先制します。さらに34分、コーナーキックからハーランドがヘディングでゴールを決めて2点目を決めると、37分にもデ・ブライネの素晴らしいクロスにハーランドが合わせて3点目をゲットします。40分に怪我のためヴァランがリンデロフと交代するアクシデントが発生しますが、44分にはカウンターから再びフォーデンに決められ、ユナイテッドは前半だけで4失点を喫することに。後半開始と共にマラシアを下げてショーを投入したユナイテッド。ハーフタイムの修正でポゼッションが安定すると56分にはアントニーが素晴らしいミドルを決めて1点返します。しかし、64分にハーランド、73分にはフォーデンにハットトリックを決められ6失点目。それでもユナイテッドは途中出場で怪我から復帰したマルシャルが2ゴールを決めて抵抗の意志を示しました。試合は6-3で終了。非常に厳しい現実を突きつけられた大敗となりました。

*試合のハイライトはこちら

今回は、大敗を喫した原因を4つに絞ってこの試合を振り返りたいと思います。

ダービーでの完敗の原因は何なのか?
なぜこれほどまでの点差になったのか?

などを独自の目線と監督の試合後のインタビューから紐解きます!

以下項目です。

👿ラインナップ

22-23PL9 シティvsユナイテッド ラインナップ

①不明瞭な戦い方

完敗の原因、最初は『不明瞭な戦い方』です。

ゲームプラン通りに運ばないのは、特に強豪相手の試合ではよく起こることではあります。その状況を受けて、動きが不明瞭になり、どうしてよいかわからなくなることはよくあることだと思います。しかしシティ戦のユナイテッドは、開始1分から動きにシャープさがありませんでした。まず、シティのボール保持に対するユナイテッドの構えから見てみます。CB(アケ、アカンジ)がボールを持つとラッシュフォードがCB間に立ちます。ウィングのサンチョとアントニーはサイドバックを見ながら内に絞った立ち位置を取り、ブルーノはアンカーのギュンドアンをマンマーク。マクトミネイはベルナルドを、エリクセンはデ・ブライネを見るのが基本形でした。両サイドバックのダロト、マラシアはそれぞれグリーリッシュとフォーデンに対応します。しかし、このユナイテッドの非保持の振る舞いは、この試合でもっとも気になったところでもあります。

まずラッシュフォードのプレスは、ボールをどちらのサイドへも誘導するものでもない為に、あっさりアケの持ち上がりを許していましたし、ウィンガー(特にアントニー)がプレスに行くタイミングを計りかねている素振りが何度も見られました。サンチョはいざサイドバックにボールが出ても強度の高いプレスを掛けることはなく、形ばかりのプレスを行っていたのも非常に気になったポイントです。両サイドバックのダロトとマラシアは、ワイドに張るグリーリッシュとフォーデンがいるので前へ出られない上に、CBのヴァランとマルティネスはハーランドを警戒してサイドバックのカバーにも行けません。ユナイテッドのプレッシングからは、「誰が誰を見るのか」というのは決まっていても「どこでボールを奪うのか」という意図が伝わってきませんでした。確かにシティはプレス回避に秀出ています。仮にラッシュフォードが強めにプレスに行ってもキーパーのエデルソンを使う事であっさりプレスは無効化されますし、ズレるプレスを行った場合もギャップを突かれるリスクが大きいのは確かです。多くのチームが対シティにおいて、ブロック守備を行うのはこのためですが、ユナイテッドは思い切ったハイプレスをおこなうわけでも、引いてブロックを敷くわけでもなく、非常にあいまいなボール非保持の姿勢を見せていました。

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さらに、前半のボール保持に関しても、テン・ハーグ監督のやろうとしたことが不明瞭に...。奪ったら素早く攻めるという意図は見えましたし、両ウィング(特にサンチョ)はラッシュフォードと前線に残すような配置を取らせていたので、カウンター気味の攻撃を狙ったのは間違いないですが、ビルドアップの場面で自陣から前進する意識はかなり低かったと思います。両サイドバックはビルドアップへの関与が少なく、起点となるエリクセンは鋭い縦パスをほとんど見せていませんし、パスミスも散見されました。マルティネスに関しても、前半は無難なパスを選択する事が多かったです。シティの素早いカウンタープレスにより無効化されたところはありますが、後半になり繋ぐことができたことを考えると、やはりメンタル面の影響が大きかった印象です。

②規律やルールの乱れ

2つ目は『規律やルールの乱れ』です。これは試合後のテン・ハーグ監督が言及したことです。

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「明日、チームには、我々が有利に試合を運べた可能性があったと伝えるつもりでいる。先制シーンを見ると、ボールを奪って、ボールを奪った瞬間に大きなチャンスを作れたはずだった。しかし、左サイドのトランジションで間違った判断を下し、突然ルールに従わなくなり、規律を欠き、1-0になってしまった。そんなことはありえないし、許されない。チームには、もっとうまくできると伝えたい」

ユナイテッド公式

と語っています。1失点目のシーンに関して『ルールに従わなくなり規律を欠いた』と表現していますが、正直このシーンを何度見返しても、どのプレーの事を言っているのか不明です(笑)。グリーリッシュのパスミスをサンチョがカットしますが、すぐにアカンジに奪い返されたところから始まる一連のシーン。サンチョはすぐに戻って守備に参加していますし、エリクセンも持ち上がるアカンジをケアしながら、デ・ブライネも見ています。マラシアもフォーデンを意識しながら背後を取られないように気を配っているので対応に問題があったように思えません。最終的にフォーデンの中央への侵入に対応できなかったのは事実ですが、ルールや規律の乱れが原因となっているというのはわかりませんでした。敢えて言うなら、サンチョが奪われた時の、周囲の反応なのかな?あそこはディレイではなく誰か(この場合はエリクセン)が積極的に奪いに行けという原則だったかも...。

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とはいえ、監督の目からはそのように見えており、勝ちに繋げたリバプール戦とアーセナル戦に関しても「規律正しく、ルールや原則を守り、信念を持ってプレーし、積極的な守備がやれていた間、うまくいったことは明らかだ。」と述べていることからもシティ戦に関しては、「規律面」で求められるレベルに達していなかったのは確かなようです。①の項の「戦い方が不明瞭」だという印象や、テンハーグ監督のやりたかったことが見えないという印象は恐らくこの「規律やルールの乱れ」も原因の1つです。正直、シティのスピードとクオリティの前に、プレー原則を守り続けるのはかなり難易度が高いと思いますが、これをできるようにならないといけないというのも事実ですね。

③信念と勇気のなさ

3つ目は『信念と勇気のなさ』です。これもテン・ハーグ監督が試合後に言っていることです。そして不明瞭な戦い方に見えたもう1つの原因ともなっています。

「特に信念のなさにはがっかりしている。予想外だった。これまでの試合、何週間か前の試合では、チームは自信を持っていたし、良いスピリット、良い雰囲気があったのに、今日は最初の1分から全くそれをピッチに持ち込むことができなかった。雰囲気はなくなってはいないが、今日はピッチに信念を持ち込むことができなかった。プレーすることは可能であり、我々はそうしなかった。球際で簡単にボールを与えてしまった。多くの間違った判断を下し、ボールを保持している間は、前へ前へと出て行けなかった。私はいつも自分のチームに(前線に出ることを)期待しているが、今日はそれができなかった」

ユナイテッド公式

と語った監督ですが、これは最も大きな敗因だったと思います。ピッチに立った時から「勝てる」と思っていない選手が複数いたということだと思いますが、リバプール戦やアーセナル戦との姿勢の違いは誰の目にも明らかだったでしょう。動きの少ないダロト、チャレンジしないマルティネスとエリクセン、冷静さを欠いたマラシア、消極的なマクトミネイ、ボールロストを繰り返すサンチョ、スプリントすることにしか興味のないラッシュフォード、リーダシップを発揮しきれないヴァランなど、スタメンのほとんどの選手が「消極的」なプレーに終始し、ブルーノとアントニーだけがフィールドプレーヤーでは「気持ち」を感じさせたプレーヤーでした。ダービーでこの姿勢は受け入れられないというのは、なにかと口うるさいOB連中だけでなく、多くのサポーターの一致した意見でしょう。

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リーグ4連勝し、スタメン組の連携やパフォーマンスは一定の評価を与えられていただけに、多くの人の期待値を遥かに下回るパフォーマンスは残念でなりませんね。私は試合前のツイートで「戦わなければ 勝てない…」と、某有名人の言葉を引用しましたが(笑)、はたして前半のユナイテッドは「戦った」と言えるでしょうか?

④チームレベルの差

最後はシティとの『チームレベルの差』です。

ハーランド、そしてフォーデンという22歳コンビによるハットトリックで完敗を喫しましたが、やはり際立ったのは圧倒的な組織力の差でした。もちろんハーランドは「バケモノ」級のパフォーマンスを見せましたし、ちょっと打つ手がない印象もありますが、デ・ブライネとベルナルドの献身的なお膳立てや、グリーリッシュ、フォーデンの巧みなポジショニングなど、組織としてストライカーに点を取らせる態勢が出来上がっていることも大きいと思います。ハーランドは間違いなくスーパーなタレントですが、それをより輝かせているのが今のシティというチームでしょう。

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そのハーランド対策はこの試合の注目ポイントの1つでした。ユナイテッドはマルティネスとヴァランで対応。当初はアヤックス時代に対戦し、ハーランドを封じた経験のあるマルティネスが主に担当するかと思いましたが、ハーランドはどちらかというとヴァランとのマッチアップを意識しているかのように、左に流れることが多かったです。しかし、先制された後もヴァランはよく対応できていました。ヴァランが負傷してから2失点したのは少しアンラッキーの部分もあります。もし、ヴァランの怪我がなければここまでの失点にはならなかったかもしれません(たらればですが...)。

まぁしかしながら、シティのクオリティとはかなりの開きがありました。奇しくも、前回の記事でユナイテッドとシティのプレーヤーロールの比較を行いましたが、まさにロール通りにプレーしたシティに対して、ユナイテッドは複数ロールをこなしていたプレーヤーが不発に終わったのが対照的でしたね...。恐ろしく無駄がなく、生み出したギャップは逃さないスピードと正確性、個々の判断とポジショニングの的確さ、組織としての完成度は今シーズンのプレミアでは頭1つ飛び抜けている印象を受けます。まさに脱帽の試合でした。

*前回の記事はこちら

👿まとめ

大量失点でのダービー敗戦は、やはり精神的にキツいものがあります。まして、リーグ戦4連勝でスタメン組に関しては形になりつつあっただけに、中途半端で消極的な試合の入り方にはかなり失望したのは確かです。ただ、先制された後、圧倒的に試合をコントロールされながらも前半34分までは1失点に抑えていた踏ん張りは成長を感じさせてくれました。ヴァランが怪我の治療でピッチを離れた間にセットプレーから失点。そして3失点目も確かにデ・ブライネのパスは見事でしたが、足を引きずってプレーしていたヴァランの背後をハーランドに突かれての失点と、やや不運な面もありました。

後半はボール保持を修正。ウィングを前残りにするのを止め、ビルドアップに関与するように変えてからは、ショーとダロトも高い位置を取れるようになりました。後ろから繋ぐようになりポゼッションが安定(後半のポゼッション率52%)。55分にはアントニーの素晴らしいゴールで1点返しました。さらに、59分にピッチに立ったマルシャルが84分にヘディングで、91分にPKで2ゴールを挙げ、怪我からの復帰弾を見せてくれたこともポジティブな要素でした。その他の途中出場選手、ショー、カゼミロ、フレッジもまずまずの存在感を見せてくれたことも明るい話題です。10月の過密日程を戦う上で心強い存在となるでしょう。

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テン・ハーグ監督は信念を持って、4連勝中のチームを信じて今回のスタメンを選んだと思います。その多くが代表戦に呼ばれていたこともあり、シティ対策を綿密に立てるよりは、今までやってきたことをやろう!という作戦だったと思います。しかし、選手達は「無策で勝てるわけないやん...」と怖気づいていた...。という感じなのかな?と思うシティ戦でした。まぁ今はまだプロセスの途中であり、1歩進んで2歩下がる状態だということ。今回の敗戦から学んで少しづつ前進してほしいですね。

この試合の結果ユナイテッドは6位に後退。首位アーセナルとは9ポイント差となっています。

22-23PL9 シティvsユナイテッド スタッツ
22-23PL9 試合結果

次の試合はヨーロッパリーグGS第3戦 GSPスタジアムでのオモニア・ニコシア戦。10月7日(金)1:45キックオフ!カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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