【23-24PL第4節】アーセナル戦 戦術ポイントと総括!【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

23-24プレミアリーグ第4節 アウェイ、エミレーツ・スタジアムでアーセナルと対戦したユナイテッド。試合は27分にラッシュフォードのゴールでユナイテッドが先制します。しかし、直後の28分にマルティン・ウーデゴールのゴールで同点となります。後半になり、アーセナルがボールを握る展開が続きますが、ユナイテッドは集中して守り追加点を許しません。67分にはホイルンド、84分にはガルナチョを投入したユナイテッドは、そのガルナチョがラインブレイクに成功しネットを揺らします。しかし、これはオフサイドの判定。ゴールは認められませんでした。するとアディショナルタイムの96分、アーセナルのコーナーキックからデクラン・ライスがゴールを決めて2-1とします。さらに111 分にはカウンターからガブリエル・ジェズスが決めてダメ押し。3-1でホームのアーセナルが勝利しています。

*試合のハイライトはこちら

今回はこの試合を戦術ポイントや判定についてなどを踏まえて総括します!

以下項目です。

👿ラインナップ

23-24PL-4 アーセナルvsユナイテッド ラインナップ

①戦術ポイント

前節フォレスト戦で苦しみながらも逆転勝利を収め、アーセナルとの大一番に臨んだユナイテッド。怪我で戦線離脱となったヴァランに代わって、リンデロフが先発出場となった以外はフォレスト戦と同じメンバーで挑みました。アーセナルはビルドアップの場面でオレクサンドル・ジンチェンコを内に絞らせる偽SBを使ってハイプレスに出たいマルシャル 、ブルーノに対して中央で数的優位を作ります。これに対してユナイテッドはアントニーが内に絞ってジンチェンコに付く形で対応しますが、空いたアーセナルの左サイドのスペースにはカイ・ハバーツが流れてビルドアップの出口を作ります。ユナイテッドはこれに対してもカゼミーロが付いていきますが、中央のケアも必要な為に全てを阻止できたわけではありません。アーセナルはガブリエル・マルティネッリを中心に左サイドからの攻撃が多かったですが、その影にはハバーツのオフザボールの動きがありました。アタッキングサードでのアーセナルは左からマルティネッリ、ハバーツ、エディ・エンケティア、ウーデゴール、ブカヨ・サカの5人を高い位置に押し上げる攻撃的な布陣でしたが、それに合わせて落ちるカゼミーロ、エリクセンが開けるライン間のスペースをエンケティアが下がって受けることでギャップを作ります。PKとはならなかった59分のハバーツの突破のシーンなどはその例です。

*前節の記事はこちら

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対するユナイテッドは基本的にはいつものようにマンツーマンでの人基準のディフェンスを敢行。上記したように、カゼミーロやエリクセンがしっかり下がることでファイナルサード中央での守備強度を保ち地力に勝るアーセナルに決定機をなかなか作らせませんでした。アーセナルは両サイドにサカとマルティネッリという強力なアタッカーを有していますが、それぞれダロトとワン=ビサカが素晴らしい対応で、1対1の場面では自由にさせませんでした。加えてこの2人のサイドバックはボール保持の場面でも大いに貢献。ダロトは得意の偽SBで、ワン=ビサカは高い位置でのチャンネルランで存在感を見せました。ユナイテッドのボール保持で最も印象的だったのはビルドアップでしょう。3-2-5で組み立てるユナイテッドですが、カゼミーロがCBに落ちる、あるいはエリクセンが左CBになる、ダロトの偽SB、オナナがCBになる等、非常に多彩な形を披露。開幕4戦の中では最もレベルの高いビルドアップを見せました。特に前半はボール保持率55%を記録し、アーセナルを上回りました。しかしながら、ディフェンスシブハーフでのボール保持がほとんどを占めており、その安定したファーストフェーズのボール保持を効果的にミドルゾーンに繋げられたかというとそうではありませんでした。これはユナイテッド、アーセナル双方の戦術的狙いの為に起こったと言えるでしょう。ユナイテッドは自陣でボールを保持することでアーセナルの押し上げを期待していました。アーセナルを引き出しハイラインにし、バックライン裏を狙いたいという意図がユナイテッドにはあったと思います。実際、カゼミーロなどは何度も裏へのパスを試みています。しかし、アーセナル、アルテタ監督はその作戦には乗って来ませんでした。明らかにハイプレスを仕掛ける回数は少なく、多くの場面で4-1-4-1のミドルブロックを組んで構えていました。見方としてはハイプレスに出ても、オナナを有した今シーズンのユナイテッドは簡単にプレス回避してしまうだろうという見立てだった可能性もありますが、それ以上にアルテタ監督はユナイテッドのライン裏への攻撃を封じたかったのではないかと思います。

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②判定について

この試合のもう1つのポイントとなったのは、やはり判定でしょう。テン=ハーグ監督は試合後、「この試合に勝つためにはもう少しの運が必要だった。(ガルナチョのゴールは)オフサイドではなかった。誤った角度から見た判定だった。それに(ラスムス)ホイルンドのはペナルティで、ジョニー・エヴァンズに対するファウルで我々は失点した。とても明白で、とても明確だった」とコメント。判定を敗因としています。テン=ハーグ監督は明確に判定に不満を表していますが、確かにユナイテッドサポーターからすれば「不利な判定をされた」と感じてもおかしくないでしょう。私も見ていてガルナチョのオフサイドとエバンスへのホールディングに対しては憤りを感じましたし、この2つの判定がなければ勝てた試合だったと思いました。しかし、一方でイエローで済んだエンケティアを倒したリンデロフのファールや、ワン=ビサカとハバーツがボックス内で接触したプレーがPKとならなかったシーンなどはユナイテッド側からすれば助かった判定でもありました。そういった意味ではどちらに有利、不利ということではなく、レフェリングのレベルに問題があるということなんだと思います。

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今シーズンのプレミアリーグはリスタート時の8秒ルールや、審判への抗議に対するカード、アディショナルタイムの加算方法など、審判を守る方向でのルール改訂が行われています。これに関しては、審判に対する行き過ぎた誹謗中傷などに対する対抗措置的な要素が強く、ヴァランが言及したように審判>選手だということは明白です。行き過ぎた誹謗中傷に対しては、審判が毎試合どれほどのプレッシャーに晒されているか少し考えれば想像が付くので理解できますが、開幕から4試合行われ、複数回の誤審があったようにまずはレフェリングの一貫性とレベルを上げるべきでしょう。とはいえ、現状を見るに、もはやプレミアのレフェリングは「人」の判断では不可能なところまで来てしまったようにも思います。アーセナル戦はそのことを象徴するような試合の1つとなってしまいましたね。

③アーセナル戦の総括

正直言ってアーセナルは強かったですが、ユナイテッドは勝てるチャンスのある試合だったと思っています。先制点は自陣でのエリクセンのインターセプトから始まった、ユナイテッドらしいカウンターから生まれましたし、パスを出したエリクセンも難しい体勢からゴールを決めたラッシュフォードも素晴らしいプレーを見せてくれました。先制直後の失点は頂けませんでしたが、後半はアーセナルに押し込まれる時間が長かったにも関わらず90分まで追加点を許さなかった堅守は評価されるべきでしょう。また、無効にはなりましたがガルナチョの得点までの流れは正に完璧で、途中出場から存在感を見せたガルナチョとユナイテッドデビューを飾ったホイルンドという2人の若手が繋がった一連のプレーはこれからのユナイテッドを象徴するかのようでした。ホイルンドは早速前線での体の強さを活かしたポストプレー、そして爆発的なスピードという特徴を見せ、早くもサポーターの心を掴みました。インターナショナルウィーク明けの本格的なユナイテッドでのプレーが今から楽しみで仕方ないですね。

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アーセナル戦は、試合自体は決して悲観すべきものではなく、ようやくエンジンが掛かり始めた印象を受けました。開幕4戦で最も重要な試合と位置付けていましたが、個人的には及第点を付けたいです。確かに4試合で2勝2敗の11位というのは不十分ですし、マルティネス、リンデロフが怪我の疑いで下がるなど負傷者続出なのは心配ですが、まだまだ巻き返すことは可能ですし、その力もあるでしょう。ただ本当にロンドンでのアウェイが勝てな過ぎるのと、サンチョ、アントニー問題などピッチ外の不協和音は気になるところ。これらの問題が飛び火して、拡大していかないことを切に願います。

23-24PL-4 アーセナルvsユナイテッド スタッツ
23-24PL-4試合結果

この試合の結果、ユナイテッドは6ポイントの11位。

次節はオールド・トラッフォードでのブライトン戦。9月16日(土)23:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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