【23-24PSM第6,7戦】RCランス戦とアスレティック・ビルバオ戦に見るスカッド評価【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

23-24プレシーズンマッチ第6戦 ホーム オールド・トラッフォードでRCランスと対戦したユナイテッド。試合前には新加入、ラスムス・ホイルンドのお披露目がありましたが、試合は23分にフローリアン・ソトカのゴールでランスが先制する展開に。しかし、ユナイテッドも48分にラッシュフォードのゴールで反撃に出ます。さらに53分アントニー、59分にはカゼミーロがゴールを決めて逆転に成功。ユナイテッドが3-1で勝利しています。

第7戦はアイルランド ダブリンのアビバ・スタジアムでアスレティック・ビルバオ(アスレティック・クラブ)と対戦しました。プレシーズン最終戦はアカデミー組を含めたBチームで臨みますが、29分にニコ・ウィリアムズに決められ失点します。ユナイテッドはなかなか得点できませんが、66分にビルバオのパレデスがレッドカードで退場に。1人多くなったユナイテッドは優位に試合を進めます。そしてアディショナルタイムの93分、マグワイアのヘディングの落としをペリストリが決めてようやくゴールを奪います。試合はそのまま1-1のドローで終了しています。

*試合のハイライトはこちら

今回はこの2試合の総括と、プレシーズンマッチに見る新シーズンのユナイテッドのスカッド評価を行います!

以下項目です。

①第6戦RCランス戦

1-1.ラインナップ

23-24PSM-6 ユナイテッドvsランス ラインナップ

1-2.ランス戦の総括

ランス戦のユナイテッドはAチームで臨みました。スタメンはだいたい妥当な人選でしたが、右サイドバックはワン=ビサカではなくドルトムント戦でゴールを決めたダロトが起用されました。トップにはサンチョではなくラッシュフォードを配し、左ウィングにはガルナチョが選ばれています。前半、そのガルナチョが素晴らしいパフォーマンスで攻撃を牽引。前半だけでシュート4本、そしてキーパス2本を記録し、空振りの為キーパスにはなっていませんが、15分のマウントへの決定的なパスもありました。ガルナチョへパスを出したブルーノのスーパーパスも凄かったですが、前半何度かあったスペースを突く攻撃はガルナチョらしさが出ていたと思います。しかし、ビルドアップのミスから23分にフローリアン・ソトカにロングシュートを決められ失点します。ダロトのパスミスが原因となりますが、オナナの加入でハイラインでのボール保持に変化したユナイテッドでは、こういったミスは命取りになるということを改めて示した失点となってしまいましたね。今年のプレシーズンマッチでは、ドルトムント戦のリンデロフのパスミスからの失点などもありましたが、オナナ加入によりビルドアップを進化させているのは間違いありません。ミスを恐れずにトライし続けて練度を上げてほしいところです。

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前半は得点を奪えなかったユナイテッドですが、後半に入り48分にアントニーのスルーパスを受けたラッシュフォードが決めて同点とします。自陣ボックス内でボールを奪ってからカウンター気味にアントニーが右サイドを駆け上がったシーンですが、アントニーの視線によるフェイントとしっかりラインブレイクを決めたラッシュフォード、両者ともに素晴らしいゴールとなりました。このゴールで勢い付いたユナイテッドは53分にもカウンターからアントニーが押し込んで逆転に成功しました。このシーンはラッシュフォードのポストプレーから、ガルナチョがゴール前までドリブルで持ちあがって冷静にアントニーにパスを出しました。ラッシュフォードは前半にもブルーノへワンタッチの落としを決めていますが、速攻時に繰り出すこのポストプレーは効果的です。ドルトムント戦でも批判を浴びたラッシュフォードですが、ようやくエンジンが掛かってきたのではないでしょうか。59分のフリーキックからの3点目も、カゼミーロには申し訳ないですが実質ラッシュフォードの得点と言えるので(笑)、ランス戦のラッシュフォードの攻撃に関するパフォーマンスは良かったと思います。

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23-24PSM-6 試合結果

②第7戦アスレティック・ビルバオ戦

2-1.ラインナップ

23-24PSM-7 ユナイテッドvsビルバオ ラインナップ

2-2.ビルバオ戦の総括

ランス戦の翌日に行われたビルバオ戦はBチームで臨みました。ヒートンがキャプテンを務め、トップにはサンチョ。ウィンガーは19歳フォーソンとペリストリを起用。アンカーには18歳のゴア、左サイドバックにはアルバロが入りました。フォーソンは今回のプレシーズンで最も出場機会が与えられた若手です。ドルトムント戦では退場になる可能性があったため前半途中で交代させられるなど、若さが出る面もありましたが、テン・ハーグ監督が評価しているのは間違いないでしょう。ゴアもリヨン戦でアピールに成功した選手。ただ本来ならばこのポジションはメイヌーが起用されるはずだったと思います。メイヌーはレアル戦の負傷で離脱となったため、ゴアにチャンスが回ってきた形。アルバロも、プレシーズン3試合で起用されていますが、マラシアの負傷離脱により出場機会が増えたというところでしょう。前半はサンチョ、ファン・デ・ベーク、ペリストリが攻撃を牽引。特にサンチョは偽9番として素晴らしい仕事をしています。降りて受けるのも上手くなっていますし、ボールを持てばドリブルとパスでチャンスメイクしました。サンチョとファン・デ・ベークはチャンネルの意識が高く、この2人は同じ絵が描けている印象を受けます。しかし、なかなか決定機までには至らずゴールすることはできていません。

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アディショナルタイムに同点ゴールを決めたペリストリも、これまでのユナイテッドでベストのパフォーマンスを見せました。とにかくドリブルが素晴らしい。細かな緩急ではなくコース取りで勝負するタイプですが、マッチアップしたビルバオのディフェンダーはかなり手を焼いていました。フォーソンもこれまでの試合の中では良かったですし、アルバロも持ち味のドリブルテクニックを如何なく発揮しました。ゴアも、少し危ないタックルはありましたが強度の高い守備と、時折繰り出す精度の高いスルーパスでアピールできたと思います。若手がしっかりアピールした一方で、29分に失点の原因となったマグワイアは少し残念なパフォーマンスとなりました。ビルバオのハイプレスの餌食となった形でボールを奪われましたが、ランス戦のミスと同様にビルドアップでのミスが失点に直結した格好となりました。アシストを記録し、ロングパス成功率も100%をマークしていますが、若手の勢いと対照的に映ってしまうのは致し方ないですね。

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23-24PSM-7 試合結果

③プレシーズンに見るスカッド評価

今年のプレシーズンマッチは非常に特徴的でした。テン・ハーグ監督は今回のプレシーズンで、スカッドを2つに分けることをテーマにしていた印象です。これまでのプレシーズンでも、多くの若手にチャンスが与えられましたし、戦術的な実験もありました。しかし、これほどまでに明確に「Aチーム」と「Bチーム」に分けたシーズンはなかったでしょう。もちろん、負傷離脱している選手や移籍のためにスカッドに入っていない選手もいるので、各チームの輪郭がハッキリしていると言い切れない部分もあります。それでも、監督の選手評価はほぼ決まっているように見えます。以下にまとめてみます。

Aチーム
オナナ、ヴァラン、マルティネス、ショー、カゼミーロ、マウント、ブルーノ、アントニー、ラッシュフォード、ガルナチョ

Bチーム
ヒートン、マグワイア、リンデロフ、(マラシア)、マクトミネイ、メイヌー、ハンニバル、エリクセン、ペリストリ、ファン・デ・ベーク、アマド、(マルシャル)

中間
ダロト、ワン=ビサカ、ホイルンド、サンチョ

退団濃厚
フレッジ、ヘンダーソン

こんな感じでしょうか?ダロトとワン=ビサカは甲乙つけ難く、監督もその時のコンディションなどで決めていきそうです。期待の大きい新加入ホイルンドは基本的にAチームですが、慣れるまではベンチスタートとなることもあるでしょう。サンチョはプレシーズンを見る限り戦術的に使われると思いますが、監督の意図としてはウィンガーではなく中央のプレーヤーとして計算しているように感じます。サンチョの起用法に関しては要注目ですね。また、Bチームの中にはこの後移籍となる選手も出てくるでしょう。現時点ではプレシーズンに一度も出ていないヘンダーソンとリヨン戦のみの出場となっているフレッジは退団濃厚ですが、ランス戦、ビルバオ戦で招集されなかったマクトミネイの去就も気になるところです。また、ファン・デ・ベークはソシエダへの移籍報道があり、マグワイアもハマーズがオファーを出しそうだと報じられています。このあたりの選手の売却によって、次の補強が行われることになると推測できます。

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*新加入ホイルンドの記事はこちら

このようにまだ不透明な部分もありますが、テン・ハーグ監督がチームを二分しているのは間違いないでしょう。下手をすればBチームの選手のモチベーションに影響し、スールシャール期やラングニック期の二の舞になる可能性もあったと思いますが、テン・ハーグ監督は昨シーズン、全ての選手に平等にチャンスを与えてきました。1シーズンを通して従うべき規律と高い基準を提示し、それに見合った選手を評価すると伝えてきました。プレシーズンでのスカッド分割は、その結果を反映したものであると捉えることができます。またチームを二分した意図は2つあると思います。まず1つ目は同じメンバーでプレーする事で連携を深めること。これは昨シーズンからテン・ハーグ監督が何度か言っていますが、同じ絵を描くことで攻守に機能するのは明らかです。特にAチームに対して効果的な手法で、アヤックス時代を見ても、テン・ハーグ監督はあまりスタメンを変える監督ではなく、これが本来のスタイルだとも言えます。もう1つは競争意識を煽るということ。Bチームの選手の突き上げを促進し、Aチームの選手たちの怠慢を防ぐのが目的です。レベルの高いポジション争いをチーム内で巻き起こし、2つのハイレベルなチームを作る。その結果、チーム力が上がるというわけです。新シーズンはCLを始め多くのコンペティションで戦い、より多くのタイトルを目指すためにはレベルの高いラインナップを2つ作れることが必要だということですね。

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これでプレシーズンマッチは終了し、いよいよ来週8月15日からユナイテッドの23-24シーズンがスタートします。毎年、プレシーズンと本番では違う戦いになるのでどこまで参考になるかわかりませんが、プレシーズンを見る限りでは期待と不安の両方が入り混じっています。監督のスタイルを反映した新加入選手たちのプレーや、より進化した戦術面に対する期待は大きいですが、リスクの伴うビルドアップや昨シーズンからの課題である得点力不足にはやや不安が残ります。まずは開幕戦ウルブスとの試合にどんなメンバーで臨むのか注目しましょう!

次の試合は23-24プレミアリーグ開幕節 オールド・トラッフォードでのウォルバーハンプトン・ワンダラーズ戦。8月15日(火)4:00キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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